2007年02月14日

Bobby Hutcherson『Stick-Up!』

大人の甘さのチョコのようなJazz☆Bobby Hutcherson『Stick-Up!』
Stick-Up!
録音年:1966年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :イベントとして楽しもう!

今日はバレンタインデーですね!

まぁ、僕はバレンタインデー云々で大はしゃぎする年齢ではないので、冷静に周囲のバレンタインデー模様を眺めている。というかここ数年は、バレンタインデーを1つのイベントとして楽しめるようになったかなぁ。それまではバレンタインデー当日の職場等のビミョーな空気が居心地が悪くて仕方なかったね。

そんなバレンタインデーにぴったりな音楽と言えば、甘〜いラブラブR&Bあたりなんだろうけど、今日はそんな期待を裏切ってJazzっす。

個人的には今日はヴィブラフォンの優しい音色を聴きたい気分だなぁ。
ということでVibes奏者Bobby Hutchersonの2回目の登場っす。

Bobby Hutchersonのモーダルで洗練されたVibesって、ほど良い甘さと滑らかな舌触りのチョコのような上品さがあるよね。

以前に紹介した『Happenings』(1966年)は、1967年のダウンビート誌読者投票でベストアルバムに選ばれた作品であり、一般的にはHutchersonの代表作と言うことになるでしょう。

その『Happenings』と同じ1966年の録音ながら、全く異なるメンバーで録音された作品が本作『Stick-Up!』(1966年)です。

本作のメンバーは、Bobby Hutcherson(vib)、Joe Henderson(ts)、McCoy Tyner(p)、Herbie Lewis(b)、Billy Higgins(ds)。やはり、Joe HendersonMcCoy Tynerの参加が目立ちますね。

新主流派Jazzを代表する二人のミュージシャンHutchersonとHendersonの出会いは、Grant Green『Idle Moments』(1964年)での共演が最初だったようです。HutchersonはHendersonのことを、どんな音楽にも対応できる最高のテナー奏者と称していマス。

また、本作が初共演となるMcCoy Tynerは、長年支えてきたJohn Coltraneのコンボを去った直後であり、自己のスタイル確立を模索していた時期でした。

『Happenings』ほど有名ではありませんが、僕のような永遠のジャズ初心者はHutcherson〜Henderson〜Tynerの共演というだけでワクワクしてしまう1枚っす。

また、アルバム全体が多彩なリズム・パターンで構成されており、アルバム1枚しっかり聴けるのもそのあたりがポイントなのかも?

全曲紹介しときやす。

「Una Muy Bonita」
本作は殆どHutchersonのオリジナルですが、唯一の例外がOrnette Colemanの作品である本曲。ラテン・テイストのファンキーかつスタイリッシュな演奏を聴かせてくれマス。HutchersonのヴァイヴとHendersonのテナーの絡みがなかなかイイ感じっす。Tynerのブルージーなピアノもカッチョ良いですなぁ。ちなみにBilly HigginsはOrnetteのオリジナルでもドラムを叩いていまシタ。

「8/4 Beat」
まさに新主流派ってカンジのモーダルな演奏を聴ける1曲。こういったアップテンポの曲におけるHutchersonのヴァイブはたまらなくカッチョ良いですね。

「Summer Nights」
「8/4 Beat」から一転して静けさが漂う1曲。こういった哀愁のバラードもヴァイブの魅力ですよね。Tynerのピアノが哀愁ムードを一層引き立ててくれマス。

「Black Circle」
独特の雰囲気を持つイントロに続き、ゴキゲンなHendersonのテナーソロでKOされてしまう1曲。

「Verse」
余裕たっぷりのワルツ調の展開が実にエレガントな雰囲気を醸し出している曲。

「Blues Mind Matter」
まさにHutcherson〜Henderson〜Tynerの共演というカンジの1曲。3人の魅力が約3分半のコンパクトでスリリングな演奏の中に凝縮されていマス。

さて、こんな小粋なジャズを聴きご満悦気分になったところで、僕はバレンタインデーをどのように楽しもうかなぁ???
posted by ez at 04:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする