発表年:1966年
ez的ジャンル:脱フォーク・ロック系ラーガ&スペース・ロック
気分は... :三茶面白い('◇')
昨晩は知人と三軒茶屋を探検(?)
隠れ家的な店をいくつか発見することができ、なかなかの収穫でシタ。
まぁ、探せばいい店はあるものですな。しばらく三茶探検が止められないカンジっす。
The Byrdsの3回目の登場デス。
これまで個人的に一番好きな4thアルバム『Younger Than Yesterday』(1967年)、フォーク・ロックのブームを作った1stアルバム『Mr. Tambourine Man 』(1965年)を紹介してきまシタ。今回はサイケデリック色を打ち出した3rdアルバム『Fifth Dimension』(1966年)を紹介しマス。
本作に先駆けてシングル・カットされた「Eight Miles High(邦題:霧の8マイル)」を最後に中心メンバーのGene Clarkがグループを抜け、Roger McGuinn(g、vo)、David Crosby(g、vo)、Chris Hillman(b)、Michael Clarke(ds)の4人体制となりました。
本作『Fifth Dimension』は、そうした事情を背景にグループ内のパワー・バランスがビミョーに変化した作品っす。特に、これまで目立つことが少なかったDavid Crosbyの存在感が増してきたのが大きな変化だと思いマス。
内容的には、2ndアルバム『Turn ! Turn ! Turn !』(1965年)までで確立したフォーク・ロック路線からの脱却を図り、インド音楽を影響を受けたラーガ・ロックや、宇宙を題材にしたスペース・ロックといった新たな取り組みが見られマス。こうした動きが1年後に大爆発するサイケデリック・ロック・ブームの先駆けとなりまシタ。
また、この時期にグループの中心人物Roger McGuinnがJohn Coltraneに傾倒し、そうしたモード・ジャズの影響が演奏面に反映されているのも本作の特徴ですね。
個人的には本作『Fifth Dimension』と次作『Younger Than Yesterday』の2枚こそがByrdsの頂点を示す作品だと思いマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「5D (Fifth Dimension) 」
アインシュタインの相対性理論をテーマにしたMcGuinn作品のアルバム・タイトル曲。アルバム発表よくこの作品は“スペース・ロック”と称されるけど、全然宇宙の神秘を感じないところが面白いよね。ただし、楽曲としては、なかなか味わい深いものがありマス(笑)『Song Cycle』でお馴染みのVan Dyke Parksがキーボードで参加していマス。
「Wild Mountain Thyme」
「John Riley」
トラディショナル・フォークをメンバーがアレンジした2曲。前作までのByrdsらしいフォーク・ロックを堪能できマス。やっぱり、こういった典型を聴くとある意味安心してしまいますな。特に「John Riley」は好きだなぁ。
「Mr. Spaceman」
タイトルの通り、宇宙の旅について歌ったスペース・ロック。この曲も「5D (Fifth Dimension) 」同様に全然宇宙っぽくありません(笑)後のカントリー・ロック路線を予感させるようなカントリー・フレイヴァーの軽快なロックン・ロールに仕上がっていマス。Roger McGuinnの作品
「I See You」
McGuinnとDavid Crosbyの共作曲。サイケでモーダルな感じのサウンドが魅力の1曲。「Eight Miles High」がお好きな方は、セットで聴くと気に入る曲だと思いマス。
「What's Happening?!?! 」
David Crosbyが作曲し、リード・ボーカルを取るポップでサイケな作品。以前にブログで紹介したCrosbyのソロ・アルバム『If I Could Only Remember My Name....』(1971年)が好きな僕にとっては、CSN&Y時代のCrosbyよりも、この頃のCrosbyの作品の方が断然好きですね。
「Eight Miles High」
説明不要のラーガ・ロックの名曲。アルバムに先駆けシングルカットされ、全米チャートで最高14位を記録しまシタ。インド音楽とJohn Coltraneに影響を受けた、シタール風の12弦ギター・サウンドを中心にモーダルな演奏が堪能できマス。Byrdsの全楽曲の中で今でも最も鮮度の高い曲だと思いマス。
最初のロンドン公演の時の飛行機の旅のことを歌った曲ですが、ドラッグ体験を想像させるとして、一部の放送局では放送禁止となりまシタ。このあまりに魅力的なドラッギー・サウンドは確かに、ドラッグを連想させるよね(笑)
何度聴いても飽きない名曲中の名曲だと思いマス。
「Hey Joe (Where You Gonna Go)」
多くの歌手によって取り上げられたBilly Robertsのスタンダード。アルバム中一番ロックしている曲かもね。なかなかストレートでスリリングな演奏がカッチョ良いっす。
「Captain Soul」
ブルース・フィーリングたっぷりのインスト・ナンバー。Chris Hillmanのベースがいいカンジっす。
「2-4-2 Fox Trot (The Lear Jet Song) 」
ジェット機のパイロットと管制塔のやりとりが繰り返される遊び心一杯の1曲。
まぁ、Byrdsというのは、様々な顔を持つグループなので、カントリー・ロック路線の中期、LAロックの原型のような後期など、それぞれの好みに応じて、好きなアルバムがかなり分かれるグループなのではと思いマス。まぁ、そこがByrdsを聴く面白さですな。