2007年03月06日

The Bird And The Bee『The Bird And The Bee』

Lowell Georgeの娘によるエレクトロ・ポップ☆The Bird And The Bee『The Bird And The Bee』
The Bird and the Bee
発表年:2007年
ez的ジャンル:ノスタルジック系エレクトロ・ポップ・ユニット
気分は... :生活リズムを回復せねば...

ここ数週間は、バタバタで生活のリズムが乱れまくっていマス。
昨日は朝4時起きだったのに、今日は夜中仕事を続けるうちに朝6時を迎えてしまった。

昨年のんびり過した分、今年は勢力的に仕事をしようと決めていたので、こうした状況は覚悟していたが、あまり生活のリズムが乱れすぎると、脳から心へすぐに反応してしまうから気をつけないとね。最低限の心の余裕がないと、クリエイティブな仕事は出来ないので。

そんなバタバタの僕の心の一服の清涼剤となっているアルバムが今日紹介するThe Bird And The Bee『The Bird And The Bee』(2007年)っす。

先日にJackson Browne『Hold Out』のエントリーでも紹介した通り、The Bird And The Beeは、Little Featの故Lowell Georgeの娘Inara George(ボーカル担当)とGreg Kurstin(サウンド担当)によるLAを拠点とするエレクトロ・ポップ・ユニットです。本作『The Bird And The Bee』がデビューアルバムとなりマス。

オールド・ファンの方は、故Lowell Georgeの娘というだけで、特定のサウンドを想像してしまうかもしれませんが、残念ながらLittle Featの影響は全く感じません。

本作を聴いた第一印象は、“よくLAからこのタイプの音楽が生まれたなぁ”というカンジでしょうか。
個人的には、StereolabHigh LlamasといったUKの音響ポップとの共通点を強く感じましたね!

60年代ポップを彷彿させるInaraの下手ウマ・ボーカルと、Gregの生み出すドリーミーでオシャレで少しヒネリの入ったサウンドのバランスが実に調和しているカンジですな。Gregのバックボーンにあるジャズの影響を、さりげなく取り込んでいるあたりが心憎いデス。

本ブログでお馴染みのJazzの名門Blue Noteの関連レーベルMetro Blue Recordsから出ているというあたりも興味深いですね。

LAタイムスの『2007年期待の新人』に選ばれるなど、現地ではかなり注目を集めているみたいですし、日本でもラジオでパワープレイされるなどブレイクの予感がしますね。

多分、日本人の感性と相性ピッタリの音だと思いますよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Again & Again」
このユニットのセンスの良さが堪能できるオシャレなシングル・カット曲。Inara嬢の爽やかで、透明感のある線の細いボーカルが何ともキュート。これからの季節にピッタリなカンジだね。朝の目覚めに聴きたい1曲ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=TMy6X5cQul8

「Birds and the Bees」
「I'm a Broken Heart」
High Llamasあたりを彷彿させる不思議な浮遊感いっぱいの音響ポップ2曲。このユルユルでユラユラなカンジがたまりません。

「F*cking Boyfriend」
これもシングルになっている曲ですね。「イケないボーイフレンド」という邦題はなかなか上手いね!先の2曲がHigh Llamasならば、この曲はStereolabってカンジだね。適度に近未来的で、適度にチープで、適度にドリーミーで...さじ加減がサイコーですな。

「La La La」
「I Hate Camera」
60年代ポップのノスタルジーに溢れた2曲。特に「La La La」は、個人的にはかなり好きな1曲。この古くて新しいカンジがこのユニットの魅力かもね。

「My Fair Lady」
Inara嬢の下手ウマ・ボーカルが実にハマっている夢心地気分の1曲。Gregのエレガントなピアノもいいアクセントになってますね。

「Preparedness」
どこかで聴いたことがあるような、ないようなミニマルな1曲。このチープさが大好き!

「Spark」
独特の静寂感が漂う1曲。幻想的な子守歌のように聴こえてしまうね。電車の中でこの曲を聴いているとついついウトウトして、最寄駅を寝過ごしてしまいそうですな。

Youtubeで彼らのライブ映像を観たけど、60年代風ファッションのInara嬢は、不思議で妖しげな雰囲気で存在感があるねぇ。

これからも注目したいユニットですな。
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2007年03月05日

Lynyrd Skynyrd『Second Helping』

Allman Brothers Bandと並ぶサザン・ロックの雄☆Lynyrd Skynyrd『Second Helping』
Second Helping
発表年:1974年
ez的ジャンル:アジテート系ササン・ロック
気分は... :眠くて限界...

今日は確定申告を行い、国民の義務として納税を行ってきまシタ。
なかなかイタイ出費です...

そんな関係で今日の仕事が色々ずれこんでしまい、更新も大幅に遅れてしまいまシタ。

それにしても今日の強風は凄かったですね。
家で仕事をしていたら、外でいろんなものが舞い上がっている音がして、結構怖かったなぁ。

さて、今回はAllman Brothers Bandと並ぶ、サザン・ロックの2大巨頭グループLynyrd Skynyrdの登場っす。

本ブログでは、Allman Brothersはかなり前に紹介していたにも関わらず、Lynyrd Skynyrdはずいぶん紹介が遅れてしまいまシタ。

Lynyrd Skynyrdと言えば、1977年10月20日に自家用機で次の公演地へ向う途中に、飛行機が墜落し、リード・シンガーだったRonnie Van Zantらメンバー3人を含む6人が死亡するという事故に逢った悲劇のバンドとして知られていますね。

僕が始めてLynyrd Skynyrdを聴いたのは、この悲劇から4〜5年経っていた頃だったかな。その時聴いたのが今日紹介する彼らの2ndアルバム『Second Helping』(1974年)デス。

Al Cooperの目に留まり、MCA傘下のAl CooperのレーベルThe Sounds of Southより、Al Cooperのプロデュースのもと、デビュー作『Pronounced Leh-Nerd Skin-Nerd』(1973年)を発表したLynyrd Skynyrdが、その名を一気に有名したのが、本作『Second Helping』っす。デビュー作同様Al Kooperがプロデュースを担当していマス。

ちなみに、Lynyrd Skynyrdというグループ名は、メンバーが通っていた高校生の長髪嫌いの体育教師レナード・スキナー氏からとったもの。

そんな長髪嫌いの体育教師がいかにも嫌いそうなワイルドで、ラフで、アーシーな匂いがプンプンしてくる1枚です。多分僕が一番多く聴いたサザン・ロックのアルバムは本作じゃないかなぁ。

Lynyrd Skynyrdって、根底にハードロックの血が流れているのが魅力だと思いマス。実は純粋なハードロックにはあまり食指が動かない僕なんですが、Lynyrd Skynyrdのハードさはとっても好きですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Sweet Home Alabama」
サザン・ロックを代表する名曲であると同時に、グループ唯一のベスト10ヒット。南部を非難したNeil Young「Southern Man」へのアンサーソング。イナたい中にも南部の意地と誇りが溢れていマス。

「I Need You」
へヴィーネスがズシリと腹にくる1曲。トリプル・ギターが唸りマス。

「Don't Ask Me No Questions」
僕がアルバムで一番好きな曲。ブギ調のこの曲こそラフでワイルドでファンキーなSkynyrdの魅力を堪能できると思いマス。ホーンセクションもいいカンジ。

「Workin' for MCA」
「Don't Ask Me No Questions」と並んで好きな曲。エッジの効いたハードさがカッチョ良いね!MCAのために働いている!と実に辛辣な歌詞も大好き(笑)僕も♪Workin' for ●●●♪と叫びたいね!

「Ballad of Curtis Loew」
アルバムで一番大人しいカンジのカントリー・ブルース調ナンバー。

「Swamp Music」
歯切れの良いリズミカルな展開が印象的な1曲。スワンプの匂いが漂ってきますなぁ。

「Needle and the Spoon」
この曲も大好き!こんな曲を聴きながら、南部のひたすら続く一本道を車で走りながら、この曲を聴いたらピッタリな気がしますね。

「Call Me the Breeze」
アルバムの最後はJ.J.Caleの名曲のカヴァー。実にアゲアゲでゴキゲンな仕上がりとなっていマス。

本作が録音されたジョージア州アトランタと言えば、今日ではOutkastに代表されるHip-Hopの印象の方が強いかもね。
でも、たまにはこんなロックのダーティー・サウスもいいのでは?

今日はあんまり寝ていないから、もう限界。
今から少し仮眠しマス。
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2007年03月04日

ひな祭り特別企画II☆『ジャケット・アートの世界〜Robert Mapplethorpe/Mick Rock編』

昨日に続き、フォトグラファーによるジャケット・ネタです。

今回はRobert MapplethorpeとMick Rockという全く異なる作風の二人デス。

まずは1989年にエイズで死去した写真界の巨匠Robert Mapplethorpe。
この巨匠のジャケ・デザインと言えば、まずはMapplethorpeの名を一躍有名にしたPatti Smith『Horses』ですな。

レコード会社との契約に成功し、デビューのチャンスをつかんだPattiは、ジャケ写真のフォトグラファーに当時無名だったMapplethorpeを指名した。

およそ女性らしくない服装で、髪もボサボサ、メイクもしていないPattiの姿を撮った写真は、大きなインパクトを持って、主要各誌の表紙を飾る。

若い頃から、深い友情で結ばれ、同棲していたPattiとMapplethorpeが二人の夢を実現した瞬間であった...

Robert Mapplethorpe作品の中から、お気に入りデザイン5枚を紹介します。

Patti Smith『Horses』(1975年)
Horses

Patti Smith『Wave』(1979年)
Wave

Patti Smith『Dream of Life』(1988年)
Dream of Life

Laurie Anderson『Strange Angels』(1989年)
Strange Angels

Peter Gabriel『So』(1986年)
So

生涯でそれほど多くのジャケ・デザインを手掛けたわけではないけど、やはりジャケ・デザインでは外せない巨匠ですね。

続いては、70年代前半のグラム・ロック・ブームと共に頭角を表したフォトグラファーMick Rock。

ジャケ界の超有名アート集団Hipgnosisで働いていたこともあるMickが初めて撮ったアーティストは、なんと元Pink FloydのSyd Barrett。Sydの『The Madcap Laughs』の裏ジャケはMickによるもの。

その後、David Bowie、Lou Reed、Mott the Hoople、Roxy Music、Iggy Popなどと交友を深めた彼のジャケは、非常に退廃的で妖しい香りのするものだ。

僕はやっぱりLou Reed『Transformer』が一番好きだなぁ。

Mick Rock作品の中から、お気に入りデザイン5枚を紹介します。

Lou Reed『Transformer』(1972年)
Transformer

Queen『Queen II 』(1974年)
Queen II

The Stooges『Raw Power』(1973年)
Raw Power

Cockney Rebel『The Psychomodo』(1974年)
The Psychomodo

Joan Jett and the Blackhearts『I Love Rock 'n' Roll』(1981年)
I Love Rock N' Roll

今回は2日間にわたり、フォトグラファー系のジャケ・デザインを紹介しまシタ。また、時期を見てジャケ・シリーズは続けたいと思いマス。
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2007年03月03日

ひな祭り特別企画☆『ジャケット・アートの世界〜Norman Seeff編』

今日は久々にジャケット・ネタです。

今回は1970年代初めから活躍するフォトグラファーNorman Seeffの作品を紹介しマス。

僕もあまり意識していなかったが、自分のコレクションを眺めてみると、案外Norman Seeffの作品を持っていることに気付く。本ブログで紹介した作品でも、結構彼の作品がある。多分、Reid Milesに次いで多いんじゃないかなぁ。

僕がNorman Seeffの作品で最も印象に残っているのは、本ブログでも紹介したRickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』のジャケ。一時期、僕の部屋のインテリアとして、このLPをずっと部屋の目立つ場所に飾っていた。

とにかく被写体が輝く一瞬のを逃さない人だと思います。
とっても温度感が伝わってくるって感じでしょうか。

そんなNorman Seeff作品の中から僕が選んだお気に入りデザイン10枚を紹介します。

Rickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』(1979年)
Rickie Lee Jones

Carly Simon『Playing Possum』(1975年)
Playing Possum

Art Garfunkel『Breakaway』(1975年)
Breakaway

Joni Mitchell『Hejira』(1976年)
Hejira

George Benson『Give Me The Night』(1980年)
Give Me the Night

Earth,Wind & Fire『That's the Way of the World』(1975年)
That's the Way of the World

Rufus Featuring Chaka Kahn『Rufusized』(1974年)
Rufusized

Hirth Martinez『Hirth From Earth』(1975年)
ハース・フロム・アース

Crackin'『Makings Of A Dream』(1977年)
メイキングス・オブ・ア・ドリーム

Larsen-Feiten Band『Larsen-Feiten Band』(1980年)
ラーセン=フェイトン・バンド

上記のうち、半分は本ブログで紹介した作品だし、それ以外もコレクションで持っていたり、愛聴していた作品なので、個人的にも思い入れが強いですな。

上記以外でも本ブログで紹介した作品でいえば、Chicago『Hot Streets』James Taylor『In the Pocket』はNorman Seeffの作品です。

他にもTom Waits、Eric Carmen、Frank ZappaVan Morrison、Isaac Hayes、Donald ByrdAl Kooper、Bobby Womackあたりのジャケも印象的ですね。

とにかく、数多くの作品を手掛けている人なので、自分では気付かないうちにコレクションしている人も多いと思いマス。
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2007年03月02日

Wayne Shorter『Night Dreamer』

Blue NoteにおけるWayne Shorterの第一作☆Wayne Shorter『Night Dreamer』
Night Dreamer
録音年:1964年
ez的ジャンル:ナイト系新主流派Jazz
気分は... :夜目覚めると...

今回は、ジャズ界を代表するサックス奏者Wayne ShorterBlue Noteにおける第一作『Night Dreamer』(1964年)です。

1933年生まれのWayne Shorterの歴史は華々しいものである。

1959年にArt BlakeyJazz Messengersに迎えられると、ファンキー・ジャズ中心だったグループを、モード・ジャズへと導いた。この時の演奏が帝王Miles Davisの目にとまり、1964年にMilesのグループに参加。Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)らと共に、Milesを支えた。

その後、1970年にJoe Zawinul(key)との双頭コンボWeather Reportを結成し、1985年の解散までフュージョン界を牽引する。その傍らで、Herbie HancockFreddie Hubbard、Ron Carter、Tony Williamsと共にVSOPクインテットのメンバーとしても活動し、高い評価を得た。そして、70歳を越えた今日でも現役で活動している。

僕が持っているWayne Shorterのリーダー作は、『Night Dreamer』(1964年)、『JuJu』(1964年)、『Speak No Evil』(1964年)、『Adam's Apple』(1966年)、『Native Dancer』(1975年)の5枚程度であり、特別Wayne Shorterというアーティストに思い入れがあるわけではありません。

それでもMiles Davisの60年代の諸作品やWeather Reportの作品を加えると、案外Wayne Shorterの演奏を聴いているのかもしれません。

そんなWayne Shorterのリーダー作の中から『Night Dreamer』(1964年)をセレクト。

ShorterがMilesのグループに参加する直前に録音されたものであり、前述のようにShorterのBlue Noteにおける第一作です。この『Night Dreamer』をShorterの最高傑作に推す人も多いのでは?とにかくShorterのキャリアを代表する1枚であることに変わりありません。

メンバーは、Wayne Shorter(ts)、Lee Morgan(tp)、McCoy Tyner(p)、Reginald Workman(b)、Elvin Jones(ds)。Jazz Messengersのフロント隊とJohn Coltraneのリズム隊が合体したかたちになっていマス。

タイトルの通り、怪しく、幻想的なナイト・ミュージックに仕上がっていマス。

本ブログではお馴染みの巨匠アートディレクターReid Milesによる、孤独なナイトドリーマーを見事に表現した、まさに一瞬の夢のようなジャケも印象的ですね。

全曲紹介しときヤス。

「Night Dreamer」
美しいMcCoy Tynerのピアノに導かれた後、印象的なテーマと共に幻想的なナイト・ミュージックがスタートする。実に静かで淡々とした演奏と思いきや、ジワジワと高揚感が高まり、ふと気付くとかなりのテンションになっているころがいいですな。まさにジャケのイメージと合致するタイトル曲です。

「Oriental Folk Song」
この曲のみShorterのオリジナルではありません。「Night Dreamer」同様に、夜の揺らぎのようなものを感じることができる演奏デス。

「Virgo」
乙女座の僕としては、このタイトル(Virgo=乙女座)のみで興味津々です。この繊細で美しいメロディは、まさに乙女座ですね(笑)「Night Dreamer」、「Virgo」、「Black Nile」など本作ではShorterの作曲家としての非凡さも証明していると思いマス。

「Black Nile」
本作のハイライトといえる作品ですね。詳しく知らないけど、 Nileは多分ナイル川のことですよね。かなりテンション高い演奏を聴かせてくれマス。Shorterの豪快なソロもいいですが、ここではLee Morganのソロがやけにカッチョ良いです。さすが伊達男!決めてくれますな。あとはElvin Jonesの豪快なドラムも忘れてはいけませんね。

「Charcoal Blues」
夢の途中で一息といった感じのリラックスした演奏が聴けるブルージーな1曲。

「Armegeddon」
ラストはブルージーながらも落ち着いた雰囲気で締め括ってくれます。McCoy Tynerのピアノがいい感じ。

実は、僕が最も頻繁に聴くShorterのリーダー作は、Milton Nascimentoをフィーチャーしたフュージョン作品『Native Dancer』(1974年)だったりします。こちらは季節的に夏向けの作品だと思いますので、その頃にでも紹介しますね。
posted by ez at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする