録音年:1964年
ez的ジャンル:ナイト系新主流派Jazz
気分は... :夜目覚めると...
今回は、ジャズ界を代表するサックス奏者Wayne ShorterのBlue Noteにおける第一作『Night Dreamer』(1964年)です。
1933年生まれのWayne Shorterの歴史は華々しいものである。
1959年にArt BlakeyのJazz Messengersに迎えられると、ファンキー・ジャズ中心だったグループを、モード・ジャズへと導いた。この時の演奏が帝王Miles Davisの目にとまり、1964年にMilesのグループに参加。Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)らと共に、Milesを支えた。
その後、1970年にJoe Zawinul(key)との双頭コンボWeather Reportを結成し、1985年の解散までフュージョン界を牽引する。その傍らで、Herbie Hancock、Freddie Hubbard、Ron Carter、Tony Williamsと共にVSOPクインテットのメンバーとしても活動し、高い評価を得た。そして、70歳を越えた今日でも現役で活動している。
僕が持っているWayne Shorterのリーダー作は、『Night Dreamer』(1964年)、『JuJu』(1964年)、『Speak No Evil』(1964年)、『Adam's Apple』(1966年)、『Native Dancer』(1975年)の5枚程度であり、特別Wayne Shorterというアーティストに思い入れがあるわけではありません。
それでもMiles Davisの60年代の諸作品やWeather Reportの作品を加えると、案外Wayne Shorterの演奏を聴いているのかもしれません。
そんなWayne Shorterのリーダー作の中から『Night Dreamer』(1964年)をセレクト。
ShorterがMilesのグループに参加する直前に録音されたものであり、前述のようにShorterのBlue Noteにおける第一作です。この『Night Dreamer』をShorterの最高傑作に推す人も多いのでは?とにかくShorterのキャリアを代表する1枚であることに変わりありません。
メンバーは、Wayne Shorter(ts)、Lee Morgan(tp)、McCoy Tyner(p)、Reginald Workman(b)、Elvin Jones(ds)。Jazz Messengersのフロント隊とJohn Coltraneのリズム隊が合体したかたちになっていマス。
タイトルの通り、怪しく、幻想的なナイト・ミュージックに仕上がっていマス。
本ブログではお馴染みの巨匠アートディレクターReid Milesによる、孤独なナイトドリーマーを見事に表現した、まさに一瞬の夢のようなジャケも印象的ですね。
全曲紹介しときヤス。
「Night Dreamer」
美しいMcCoy Tynerのピアノに導かれた後、印象的なテーマと共に幻想的なナイト・ミュージックがスタートする。実に静かで淡々とした演奏と思いきや、ジワジワと高揚感が高まり、ふと気付くとかなりのテンションになっているころがいいですな。まさにジャケのイメージと合致するタイトル曲です。
「Oriental Folk Song」
この曲のみShorterのオリジナルではありません。「Night Dreamer」同様に、夜の揺らぎのようなものを感じることができる演奏デス。
「Virgo」
乙女座の僕としては、このタイトル(Virgo=乙女座)のみで興味津々です。この繊細で美しいメロディは、まさに乙女座ですね(笑)「Night Dreamer」、「Virgo」、「Black Nile」など本作ではShorterの作曲家としての非凡さも証明していると思いマス。
「Black Nile」
本作のハイライトといえる作品ですね。詳しく知らないけど、 Nileは多分ナイル川のことですよね。かなりテンション高い演奏を聴かせてくれマス。Shorterの豪快なソロもいいですが、ここではLee Morganのソロがやけにカッチョ良いです。さすが伊達男!決めてくれますな。あとはElvin Jonesの豪快なドラムも忘れてはいけませんね。
「Charcoal Blues」
夢の途中で一息といった感じのリラックスした演奏が聴けるブルージーな1曲。
「Armegeddon」
ラストはブルージーながらも落ち着いた雰囲気で締め括ってくれます。McCoy Tynerのピアノがいい感じ。
実は、僕が最も頻繁に聴くShorterのリーダー作は、Milton Nascimentoをフィーチャーしたフュージョン作品『Native Dancer』(1974年)だったりします。こちらは季節的に夏向けの作品だと思いますので、その頃にでも紹介しますね。