2007年03月02日

Wayne Shorter『Night Dreamer』

Blue NoteにおけるWayne Shorterの第一作☆Wayne Shorter『Night Dreamer』
Night Dreamer
録音年:1964年
ez的ジャンル:ナイト系新主流派Jazz
気分は... :夜目覚めると...

今回は、ジャズ界を代表するサックス奏者Wayne ShorterBlue Noteにおける第一作『Night Dreamer』(1964年)です。

1933年生まれのWayne Shorterの歴史は華々しいものである。

1959年にArt BlakeyJazz Messengersに迎えられると、ファンキー・ジャズ中心だったグループを、モード・ジャズへと導いた。この時の演奏が帝王Miles Davisの目にとまり、1964年にMilesのグループに参加。Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)らと共に、Milesを支えた。

その後、1970年にJoe Zawinul(key)との双頭コンボWeather Reportを結成し、1985年の解散までフュージョン界を牽引する。その傍らで、Herbie HancockFreddie Hubbard、Ron Carter、Tony Williamsと共にVSOPクインテットのメンバーとしても活動し、高い評価を得た。そして、70歳を越えた今日でも現役で活動している。

僕が持っているWayne Shorterのリーダー作は、『Night Dreamer』(1964年)、『JuJu』(1964年)、『Speak No Evil』(1964年)、『Adam's Apple』(1966年)、『Native Dancer』(1975年)の5枚程度であり、特別Wayne Shorterというアーティストに思い入れがあるわけではありません。

それでもMiles Davisの60年代の諸作品やWeather Reportの作品を加えると、案外Wayne Shorterの演奏を聴いているのかもしれません。

そんなWayne Shorterのリーダー作の中から『Night Dreamer』(1964年)をセレクト。

ShorterがMilesのグループに参加する直前に録音されたものであり、前述のようにShorterのBlue Noteにおける第一作です。この『Night Dreamer』をShorterの最高傑作に推す人も多いのでは?とにかくShorterのキャリアを代表する1枚であることに変わりありません。

メンバーは、Wayne Shorter(ts)、Lee Morgan(tp)、McCoy Tyner(p)、Reginald Workman(b)、Elvin Jones(ds)。Jazz Messengersのフロント隊とJohn Coltraneのリズム隊が合体したかたちになっていマス。

タイトルの通り、怪しく、幻想的なナイト・ミュージックに仕上がっていマス。

本ブログではお馴染みの巨匠アートディレクターReid Milesによる、孤独なナイトドリーマーを見事に表現した、まさに一瞬の夢のようなジャケも印象的ですね。

全曲紹介しときヤス。

「Night Dreamer」
美しいMcCoy Tynerのピアノに導かれた後、印象的なテーマと共に幻想的なナイト・ミュージックがスタートする。実に静かで淡々とした演奏と思いきや、ジワジワと高揚感が高まり、ふと気付くとかなりのテンションになっているころがいいですな。まさにジャケのイメージと合致するタイトル曲です。

「Oriental Folk Song」
この曲のみShorterのオリジナルではありません。「Night Dreamer」同様に、夜の揺らぎのようなものを感じることができる演奏デス。

「Virgo」
乙女座の僕としては、このタイトル(Virgo=乙女座)のみで興味津々です。この繊細で美しいメロディは、まさに乙女座ですね(笑)「Night Dreamer」、「Virgo」、「Black Nile」など本作ではShorterの作曲家としての非凡さも証明していると思いマス。

「Black Nile」
本作のハイライトといえる作品ですね。詳しく知らないけど、 Nileは多分ナイル川のことですよね。かなりテンション高い演奏を聴かせてくれマス。Shorterの豪快なソロもいいですが、ここではLee Morganのソロがやけにカッチョ良いです。さすが伊達男!決めてくれますな。あとはElvin Jonesの豪快なドラムも忘れてはいけませんね。

「Charcoal Blues」
夢の途中で一息といった感じのリラックスした演奏が聴けるブルージーな1曲。

「Armegeddon」
ラストはブルージーながらも落ち着いた雰囲気で締め括ってくれます。McCoy Tynerのピアノがいい感じ。

実は、僕が最も頻繁に聴くShorterのリーダー作は、Milton Nascimentoをフィーチャーしたフュージョン作品『Native Dancer』(1974年)だったりします。こちらは季節的に夏向けの作品だと思いますので、その頃にでも紹介しますね。
posted by ez at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする