発表年:1984年
ez的ジャンル:エロおやじ系フレンチ・ダンスミュージック
気分は... :男の夢☆
昨今、“チョイ不良おやじ”なんて言葉が流行っている。
オヤGである俺も...なんて、ちょっと無理かなぁ(笑)
さて、今日紹介するのは、“チョイ不良おやじ”ならぬ“大不良おやじ”Serge Gainsbourg(1928-1991年)です。
作詞/作曲家、歌手、小説家、俳優、映画監督などの多彩な才能を持つ一方で、数々の女性と浮名を流した、このフランス人おやじの破天荒な人生は、ある意味で男の憧れかもしれませんね。
音楽に限って言えば、自身の活動に加えて、France Gall、Brigitte Bardot、Sylvie Vartan、Jane Birkinといったフランス人シンガーへの楽曲提供で有名ですね。
僕の場合、Jane Birkinとのエロエロなデュエット「Je T'aime... Moi Non Plus」が最初に聴いたGainsbourg作品だったかも?
Jane Birkinはよく聴くので、彼女のアルバムを通じて、Gainsbourg作品に触れることが多いかもしれません。カヒミ・カリィもカヴァーしていたフリーソウル・クラシック「Lolita Go Home」あたりが大好きですね。関係ありませんが、昔カヒミ・カリィに相当ハマっていました。
ちなみに、BirkinとGainsbourgは1968年に結婚し、二人の間には現在女優として活躍する娘Charlotteが生まれた。その後、BirkinとGainsbourgは離婚するが後年和解し、1991年にGainsbourgが亡くなるまで二人の友好的な交流は続いた。
そんなGainsbourgの作品の中から『Love On The Beat』(1984年)をセレクト。
『Love On The Beat』は、NYでレコーディングが行われた後期ゲンズブールを代表するアルバムです。
このアルバムと言えば、まずはジャケですね。
ヴォーグ誌などで有名なデザイナー/フォトグラファーWilliam Klein撮影による女装姿のGainsbourgが、かなりインパクトありますよね。僕には女装姿のGainsbourgが美輪明宏サンに見えて仕方ありませんが...
80年代のNYらしい硬質なサウンドに、Gainsbourgのヨーロピアンなエロエロ囁きがのっかって、危険でセクシーな愛のビートを奏でてくれマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Love on the Beat」
Nile RodgersプロデュースのDavid Bowie「Let's Dance」(1983年)に影響され、制作されたタイトル曲。確かに、「Let's Dance」のオケにGainsbourgのエロい囁きがのってるってカンジです。あまり詳しくは書きませんが、このタイトルをフランス語感覚で聴くと、かなりビミョーに聴こえるエロ・ソングです。さすがエロオヤジGainsbourg!やることが違いマス(笑)
「HMM HMM HMM」
この曲もBowieっぽいね。というか意外とGainsbourgとBowieの声質が似ているので、意識するとそのように聴こえてしまうのかもね。なかなかキャッチーで印象的な1曲です。
「Kiss Me Hardy」
Gainsbourgにこんな言葉を囁かれると相当ヤバいよね(笑)セクシーでアダルティな雰囲気が漂っていマス。
「No Comment」
「Love on the Beat」同様に、Nile Rodgersサウンドを意識した80年代らしい硬質なビートが印象的なレゲエ調ナンバー。そう言えば、70年代後半にジャマイカに渡り、まだ有名になる前だったレゲエ最強リズム・セクションSly & Robbieとたった5日間でアルバムを制作してしまったという逸話もありましたね。
「I'm the Boy」
ジャケ写真のような怪しく艶かしい1曲。僕には何故か新宿ゴールデン街の光景が目に浮かんでくる。
「Harley David (Son of a Bitch) 」
ロック調のなかなかエロカッチョ良い1曲。フランス語って何でこんなにスタイリッシュな響きをもった言語なのかね!
「Lemon Incest」
本作のハイライトであり、後期Gainsbourgを代表する1曲。愛娘Charlotte Gainsbourgとデュエットしていマス。ショパン(Chopin)の「別れの歌(Etude in E major op.10,3)」にのって、相当ヤバい禁断の愛をCharlotteとデュエットし、当時はかなりセンセーショナルな曲として扱われまシタ。
Gainsbourgの場合、歌うというよりも囁くというカンジなので、フレンチ・ラップ感覚で聴くことができマス。