2007年03月15日

Funkadelic『Uncle Jam Wants You』

アンクル・ジャム軍への入隊はいかが?☆Funkadelic『Uncle Jam Wants You』
Uncle Jam Wants You
発表年:1979年
ez的ジャンル:P-Funk最後の輝き
気分は... :ニンニキニキニキ〜♪

今回はGeorge Clinton総帥率いるP-Funk軍団Funkadelicです。

P-Funkについては、これまでParliamentGeorge ClintonBootsy Collinsのソロは紹介していましたが、Funkadelicをすっかり忘れていまシタ。

Parliamentのエントリーでも説明したとおり、FunkadelicParliamentという実質的には同じグループをClinton総帥は巧み使い分けながらP-Funkの活動を推し進めていまシタ。

FunkadelicParliamentは、SF仕立ての壮大なストーリーのコンセプチャルな作品を発表してきたParliamentに対して、「ファンク+サイケデリック」というグループ名の由来が示す通り、ギターサウンドを押し出したロック的アプローチの強い作品を発表してきたFunkadelicというかたちで棲み分けされていまシタ。

そんなFunkadelicの作品の中から『Uncle Jam Wants You』(1979年)をセレクト。前年に発表した『One Nation Under A Groove』が全米R&Bアルバム・チャートNo.1に輝き、P-Funkが1つの頂点に達した時に発表された作品が『Uncle Jam Wants You』です。本作もR&Bアルバム・チャートで第2位まで上昇しまシタ。

この頃になると、先に述べたFunkadelicとParliamentの棲み分けは、かなり曖昧になり、メンバーのクレジットなども結構適当になってきていマス(笑)

タイトルはUncle Tomとアメリカ陸軍の隊員募集ポスターに引っ掛けたものであり、ジャケ写真もブラックパンサー党の創始者の一人Huey P. Newtonの有名なスナップをパロったものになっていマス。

アンクル・ジャム軍への入隊を呼びかけるというコンセプトを、コミカルかつシニカルに展開するP-Funkらしい作品に仕上がっていマス。

クラシック・ナンバー「(Not Just) Knee Deep」収録が目玉ですかね。

全曲を紹介しときやす。

「Freak Of The Week」
大波のようなゆっくりと大きなうねりのグルーヴ感が気持ちいい1曲。Digital Underground「Heartbeat Props」などのサンプリング・ネタにもなっていますね。

「(Not Just) Knee Deep」
全米R&BチャートNo.1に輝いたFunkadelicの代表曲。Parliament「Flash Light」と並んでP-Funkで最も知られている曲かもね。このイントロを聴いただけで、一気にP-Funkモードになり、おバカでアゲアゲな気分になってしまいますね。

Clinton総帥と共に曲を作ったWalter "Junie" Morrisonが演奏面でも大活躍していマス。ちなみに本曲のクレジットにある“George Clinton, Jr”のJrとはJunieのことデス。あとは元SpinnersのPhilippe Wynneもボーカルで参加していますね。

「(Not Just) Knee Deep」といえば、サンプリングの定番ネタとしても有名ですね。僕の場合、何と言ってもDe La Soul「Me, Myself & I」ですが、De La Soul以外にもAbove the Law「Call It What You Want」、Dr. Dre「Fuck Wit Dre Day (And Everybody's Celebratin')」、Snoop Dogg「G-Funk Intro」、「What's My Name?」、Bobby Brown「Get Away」、Public Enemy「Gett Off My Back」、EPMD「Gold Digger」、Digital Underground「Kiss You Back」、L.L. Cool J「Nitro」など数多くの曲でサンプリングされていますね。

この1曲だけのためだけでも、本作を聴く価値があると思いマス。

「Uncle Jam」
マーチ・テイストのコミカルな1曲。おバカなことを大まじめにやってしまうP-Funkらしい1曲。Bootsy Collinsのベースを堪能できるのがウレシイですね。

「Field Maneuvers」
ロックしているインスト曲。ちょっと僕には退屈な気も...

「Holly Wants To Go To California」
ClintonがFrank Sinatraしている大爆笑の1曲。どんな顔で歌っていたのか、レコーディング風景を見てみたいですよね(笑)大真面目な顔だったのか?それとも笑いをこらえていたのか?

「Foot Soldiers (Star-Spangled Funky) 」
「Uncle Jam」の続編のような曲。タイトルは「Star Spangled Banner(星条旗よ永遠なれ)」をモチーフにしたものですね。なかなかの徹底ぶりですな。

本作の輝きを最後にP-Funk軍団は80年代に入ると一気に減速し、Clinton総帥もソロとして活動するようになりまシタ。どうやらアンクル・ジャム軍隊への入隊は思うように進まなかったようですな。
posted by ez at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする