2007年03月18日

Mahavishnu Orchestra『Birds of Fire』

John McLaughlinをはじめとする強力メンバーが奏でる瞑想のジャズロック☆Mahavishnu Orchestra『Birds of Fire』
Birds of Fire
発表年:1972年
ez的ジャンル:インド瞑想系ジャズロック
気分は... :迷いを吹っ切ろう!

John McLaughlin率いるMahavishnu Orchestraっす。

John McLaughlinは70年代のジャズ/フュージョン界で一世を風靡したギタリストですね。

イギリス出身のJohn McLaughlinは、ジャズにロック的なテクニックを駆使したギター・プレイを導入し、モーダルかつフリーキーなフレーズでジャズ/フュージョンにおけるエレクトリック・ギターの在り方を強烈に示してまシタ。

1969年にTony WilliamsのグループLifetimeへの参加で注目を浴びたMcLaughlinは、『In A Silent Way』『Bitches Brew』『A Tribute to Jack Johnson』『On The Corner』Miles Davisのエレクトリック・マイルス時代の主要作品でのプレイで、名声を一気に高めました。

そして、Milesとのセッションで一緒だったBilly Cobham(ds)らと自身のグループMahavishnu Orchestraを結成し、ジャズロックを代表するグループとして人気を博しまシタ。ちなみに“Mahavishnu”とは、インド音楽、哲学、宗教に傾倒していたMcLaughlinがヒンズー教の導師Sri Chinmoyから贈られた名前デス。

また、1973年にはMcLaughlinと同じくインド思想に傾倒していたCarlos Santanaとの共演作『Love,Devotion and Surrender』(1973年)も発表していマス。ちなみにMcLaughlin同様にCarlos Santanaも導師Sri Chinmoyから“Devadip”の名を贈られていマス。

その後、Mahavishnu Orchestraの活動に区切りをつけ、1975年にインド人ミュージシャン達とのアコースティックなグループShaktiを結成するといった具合いに、70年代半ばまでのMcLaughlinの活動は実に勢力的でシタ。

きっと、リアルタイムでMcLaughlinを聴いていたオールド・ファンの方にとっては、後追いで聴いた僕のようなリスナー以上に、McLaughlinはセンセーショナルな存在だったのではと思いマス。

僕の場合、McLaughlinに特別思い入れがあったわけではありませんが、今回我が家のコレクションを眺めてみたら、案外McLaughlin作品を保有していることに気付きまシタ。

Mahavishnu Orchestraでは『The Inner Mounting Flame』(1971年)、『Birds of Fire』(1972年)、『Apocalypse』(1974年)、『Visions of the emerald beyond』(1975年)、『Inner Worlds』(1976年)の5枚、Shakti『Shakti with John McLaughlin』(1975年)、『Natural Elements』(1977年)の2枚、それに前述のCarlos Santanaとの共演作『Love,Devotion and Surrender』(1973年)、さらにはLifetime、Miles Davisの諸作を加えると結構な枚数になります。

そんなMcLaughlin作品の中から、Mahavishnu Orchestra『Birds of Fire』(1972年)をセレクト。

凄腕のメンバーによる暴走ギリギリのスリリングな演奏でジャズ・ファンの度肝を抜いたデビュー作『The Inner Mounting Flame』(1971年)で、ジャズ/フュージョン界にセンセーショナルを起こしたMahavishnu Orchestra。本作『Birds of Fire』『The Inner Mounting Flame』に続く2ndアルバムっす。

本作『Birds of Fire』『The Inner Mounting Flame』同様に、ジャズ・シーンにかなりのインパクトを与えた作品だったようですね。

本作のメンバーは1st同様に、John McLaughlin(g)、 Jan Hammer(key)、 Jerry Goodman(vio)、 Rick Laird(b)、Billy Cobham(ds) の5人。

1stと比較して、よりインド音楽/思想の影響が強く反映されているという印象でしょうか。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Birds of Fire」
ドラの音と共に始まるエキゾチックなタイトル曲。McLaughlinのギターとGoodmanのバイオリンが激しいインタープレイを堪能できマス。テンション高いのにミステリアスな雰囲気がいいですね。Aceyalone「The Hunt」の元ネタです。

「Miles Beyond」
Jan Hammerの美しいエレピが印象的な1曲。へヴィーなのにエレガントで落ち着いた雰囲気があるのが好きデス。A Tribe Called Quest「Same Ol' Thing」でサンプリングされていマス。

「Celestial Terrestrial Commuters」
インド志向が反映されたジャズロック。ムーグとバイオリン、ギターの絡みが東洋的なスペイシー感を生み出していますね。この神秘的なムードが大好きデス。

「Thousand Island Park」
McLaughlinアコギとJan Hammerのピアノが美しく絡むメランコリックな1曲。

「One Word」
本作のハイライトといえる1曲。このグループの持つスリリングかつ神秘的な演奏が堪能できる作品。この曲を聴けば、このグループがジャズロックの最高峰であることが納得できますね。

煽るようなギター、バイオリン、ムーグの応酬もすごいけど、Billy Cobhamのドラムが凄すぎですね。Mahavishnu Orchestraってプログレ・ファンの方からの支持も高いけど、この曲なんてKing Crimsonあたりが好きな人にはたまらない1曲なのでは?

「Sanctuary」
インド志向のスピリチュアルな作品ですね。目を閉じて瞑想しながら聴きたくなりマス。

「Open Country Joy」
カントリー・フレイヴァーの前半が終了し、一瞬の沈黙の後にハードな中盤へ突入し、後半は再び穏やかなムードというドラマチックな展開の1曲。

「Resolution」
ロック色の強いへヴィーな1曲。この重く、美しく、陰鬱な演奏はモロにプログレって感じですね。Dilated Peoples「Work the Angles」の元ネタです。

本作や『The Inner Mounting Flame』といった初期の作品の評価が高いMahavishnu Orchestraですが、個人的には、よりポップになった後期の『Visions of the emerald beyond』(1975年)、『Inner Worlds』(1976年)あたりも結構好きだったりしマス。

『Inner Worlds』収録のポップでメロウなボーカル・ナンバー「River of My Heart」が大好きだったりしマス。軟弱かな?(笑)
posted by ez at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする