録音年:1966年
ez的ジャンル:新主流派ネクスト
気分は... :Milesなぜ笑う?
帝王Miles Davisの6回目の登場デス。
『On The Corner』(1972年)、『Milestones』(1958年)、『Miles Ahead』(1957年)、『In A Silent Way』(1969年)、『'Round About Midnight』(1955、56年)に続く6枚目は、第二期黄金クインテットによる『Miles Smiles』(1966年)デス。
ファンの方はご存知の通り、第二期黄金クインテットとは、1960年代半ばに活動したMiles Davis(tp)、Wayne Shorter(ts)、Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)の5人デス。
1950年代のMiles Davis(tp)、John Coltrane(ts)、Red Garland(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)による(第一期)黄金クインテットに続く強力なメンツということで“第二期黄金クインテット”と呼ばれマス。
約5年ほど活動を共にした第二期黄金クインテットですが、スタジオ録音作が『E.S.P.』(1965年)、『Miles Smiles』(1966年)、『Sorcerer』(1962年、67年)、『Nefertiti』(1967年)の4枚しかないのは意外ですね。
クインテットのお披露目的な『E.S.P.』、このクインテットならではのサウンドを確立した『Miles Smiles』、エレクトリックへ突入する前の新主流派総決算的な『Sorcerer』、『Nefertiti』というカンジですかね。
そんな4枚の中から、個人的に一番好きな『Miles Smiles』(1966年)をセレクト。
1965年に大腿骨手術を受けたMilesが前作『E.S.P.』から約1年9ヶ月ぶりに行われたスタジオ・レコーディングを収めたのが本作です。
第二期黄金クインテットといえば新主流派ジャズという紹介が多いですが、新主流派という一言のみでは片付けられない、新たなジャズの芽吹きを垣間見れる作品なのでは?
黄金クインテットと呼ばれている割には、これら4枚のスタジオ作の評価って、他のMiles作品と比べて低いが気がしますよね。もっと評価されていい4枚だと思いマス。
Wayne Shorterが全6曲中3曲で作品提供しているあたりも注目ですね!
全曲紹介しときやす。
「Orbits」
オープニングはShorter作品です。うまく説明できませんが、このクインテットがそれまでの軌道を外れ、新たな軌道を回り始めたことを印象づけてくる演奏ですね。この得体の知れないゾクゾク感はナ何なんですかね!
「Circle」
アルバム中唯一のMiles作品です。ハードボイルドな世界を連想させるMilesのクールなミュートが大好きな僕としては、たまらないバラッドです!Hancockのリリカルなピアノも文句ナシです。
「Footprints」
「Freedom Jazz Dance」と並んでインパクトありますね。Ron CarterとTony Williamsのリズム隊で楽しむも良し!Miles、Shorter、Hancockのソロを楽しむも良し!のエレガントかつミステリアスな演奏です。Milesのソロの途中で空気感が変わるのがえらくカッチョ良いですね。Shorter作品です。
「Dolores」
この曲もShorter作品です。「Footprints」と「Freedom Jazz Dance」の間に挟まれると、オーソドックスな印象を受けるから不思議ですね。Shorterのソロが好きです。
「Freedom Jazz Dance」
アルバムで一番好きな演奏です。Eddie Harris作品。いきなりTony Williamsの倍速ドラムが目立ちますね。MilesやHancockのプレイはエレクトリック時代への突入を予感させるものがありますね。個人的には、かなりインパクトのある演奏ですね。
「Gingerbread Boy」
Milesの吹きまくるソロを思う存分堪能できる演奏ですね。最初のMilesとShorterのユニゾンが大好きです。Jimmy Heath作品。
本作への唯一の不満は、タイトルとジャケかな(笑)