発表年:1968年
ez的ジャンル:ロック+ファンク系元祖ブラック・ミュージック
気分は... :落ち込むことはないさ!
Sly & The Family Stoneの3回目の登場デス。
今時の若いR&Bファンや現役ミュージシャンからも絶大な人気を誇るSly & The Family Stone。
昨年出たトリビュート・アルバム『Different Strokes By Differentfolks』へ参加したWill.I.Am、Roots、Cee-Lo、Big Boi、John Legend、Joss Stone、Van Hunt、D'angelo、Janet Jackson等メンバーの顔ぶれを見ただけでSlyの偉大さがわかりますな。
今回は3rdアルバム『Life』(1968年)を紹介します。
これまで紹介してきた『Stand!』(1969年)、『Fresh』(1973年)の2枚に比べて、『Life』はかなり地味な存在かもしれませんね。
『Life』は、2ndアルバム『Dance To The Music』(1968年)およびシングル「Dance To The Music」のヒットを受けて発表されたアルバムでしたが、セールス的には大失敗に終わった作品っす。
それ故、人気、評価ともにイマイチな1枚ですが、個人的にはかなり好きですね。
僕にとってのSlyの最高傑作はやはり『Stand!』となりマス。
ロックとR&B、ファンクをへヴィーなテイストで融合してみせたという点で、かなり画期的かつ異質な1枚であったと思いますねぇ。
本作『Life』は、その『Stand!』を生み出す導火線のようなアルバムといったカンジでしょうか。
いろんなことが未整理なんだけど、何かが噴出してきそうな予感を感じさせる作品ですね。あとは60年代後半のサイケデリックな雰囲気もほんのり香るあたりもいいですな。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Dynamite」
まさにダイナマイトな1曲。ロックとファンクのカッチョ良いところを見事にいいとこ取りしている感じがいいですね。へヴィーなギター・サウンドをはじめ実にパワフルなものを感じる1曲ですな。
「Chicken」
へヴィーでブルージーなロック・サウンドに合わせて、鳥の鳴き声を真似たリズム&ボーカルが聴こえてくるのがなかなか笑えマス。
「Plastic Jim」
ファンキーなホーンセクションが印象的なファンク・チューン。♪All the plastic people〜♪という歌詞はBeatlesの名曲「Eleanor Rigby」の♪All the lonely people〜♪という歌詞をモチーフにしたものデス。
「Fun」
♪パーティーするならば、思い切り楽しまないと〜♪という歌詞の通り、楽しくキャッチーなR&Bチューン。Jungle Brothers「Because I Got It Like That」の元ネタ。
「Into My Own Thing」
Slyらしい重苦しい閉塞感を持ったスロウ・ファンク。Fatboy Slim「Weapon of Choice」の元ネタ。
「Harmony」
軽快なファンク・チューン。単純にノリが良くカッチョ良い1曲デス。
「Life」
シングルカットもされたタイトル曲。サーカス団をイメージさせるボードヴィル・テイストのR&Bチューン。Cypress Hill「Insane in the Brain」などの元ネタです。
「Love City」
アルバムで一番のお気に入り曲。イントロのホーンセクション、タイトなリズム全てがカッチョ良いですな。『Different Strokes By Differentfolks』の中でMobyがカヴァーしていましたね。
「M'Lady」
「Life」のB面扱いでシングル・リリースされまシタ。完成度の高いキャッチーなR&Bソング。密かにファンに人気の1曲なのでは?
「Jane Is a Groupee」
ブルージーなへヴィー・ロック。60年代後半らしい混沌とした雰囲気がいいですね。
最後に「Life」の一節より...
落ち込むことはない
人生、人生、ありのままを言え
本当の人生を知る前に死ぬことはないさ!