2007年04月25日

The Cowsills『The Cowsills』

牛も知っている「カウ知るず」☆The Cowsills『The Cowsills』
The Cowsills
発表年:1967年
ez的ジャンル:バブルガム・ポップ系ファミリー・グループ
気分は... :オヤGギャグじゃないよ(笑)

昨日の予告通り、今日は思い切り健康的で、楽天的で、明るい作品をセレクトしました。

ということで、バブルガムで、ドリーミーで、少しだけフラワーな60年代のファミリー・グループThe Cowsillsのデビューアルバム『The Cowsills』です。

60年代ポップス・ファンならば、全米チャート第2位に輝いた大ヒット「The Rain, the Park & Other Things(雨に消えた初恋)」が収録されているアルバムと説明すれば、わかりやすいかもしれませんね。

冒頭に書いた“牛も知っている「カウ知るず」”というのは僕が考えたオヤGギャグではなく(笑)、当時使われていたキャッチみたいです。いい時代ですなぁ。

The Cowsillsは、Cowsill一家のファミリー・グループ。メンバーは当初はBarry,、Bill、Bob、Johnの4兄弟のみでしたが、その後お母さんのBarbaraに一番下の妹Susan、四男Paulも加わり7人組となったようです。

本作『The Cowsills』の時点では、ジャケの様子からBarry,、Bill、Bob、Johnの4兄弟に母Barbaraを加えた5人組だったようですね。それにしても兄弟、姉妹グループというのはよく聞くけど、お母さんまで加わるというのは凄いよね(笑)

このファミリーグループを全面的にバックアップしたのがJan & Dean等のソングライターとして知られるArtie Kornfeldです。本作でもプロデューサー、ソングライターとして手腕を発揮していマス。

僕がCowsillsを知ったのは、洋楽を聴き始めて間もない頃だった。たまたまラジオのエアチェックで録音したカセットの中に、先に述べた「The Rain, the Park & Other Things(雨に消えた初恋)」が収められていた。

ノスタルジックで、メロウで、寂しげで、甘酸っぱいメロディに、ファミリーならではの健康的で、爽やかなコーラスが響き渡るこの曲に、一発で心酔してしまった...

あれからもう30年近くが経つけど、今もあの時の感動は変わりません。
それだけエヴァーグリーンな名曲なのだと思いマス。

まぁ、僕のような思い入れのない方でも、60年代ソフトロックとして聴いていただければ、かなり楽しめるアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Rain, The Park and Other Things」
前述のエヴァーグリーンな名曲。雨音の効果音に続き、ノスタルジーたっぷりのオルガン、ロマンティックなハープの音色がからみ、寂しげなボーカルに続き、ドリーミーなハーモニーが...ホント完璧な1曲ですな。

「Pennies」
ホーンアレンジが印象的な甘酸っぱいポップ・ソング。少しモータウン・テイストも入っているかな。

「La Rue du Soleil」
タイトルの通りフレンチなテイストのボンジュールな1曲。

「Thinkin' about the Other Side」
「Dreams of Londa」
The Mamas & The Papasが好きな人ならば気に入るだろう2曲。「Thinkin' about the Other Side」は哀愁の泣きのメロディが魅力のノスタルジックなナンバー。「Dreams of Londa」はThe Mamas & The Papas「Monday, Monday」を続けて聴きたくなる1曲。

「River Blue」
Jan & Deanを手掛けたArtie Kornfeldらしいサーフ・メロウな1曲。

「Gettin' into That Sunny,Sunny Feelin' Again」
ポップでドリーミーなバブルガムな1曲。アルバムジャケのように快晴の日に聴ききたい、気持ちのいい1曲。

「Troubled Roses」
この曲はかなり黒いです!R&Bです!全然このグループらしくないけど、「The Rain, The Park and Other Things」を除くと、この曲が一番好きだったりして?

「How Can I Make You See」
なかなかカッチョ良いミディアム・ロック。シャウトが足りないけど(笑)

「(Come 'round Here) I'm the One You Need」
Smokey Robinson & the Miraclesの1966年にヒット曲のカヴァー(Holland/Dozier/Holland作品)。こうしたカヴァー・セレクトのセンスも興味深いですね。ファミリー・グループ侮るなかれ!

「Love, American Style」
「The Impossible Years」
CD化に際して追加されたボーナス・トラック2曲。「Love, American Style」はTVシリーズの主題歌だった曲らしいです。なかなかアップでノリがよく、彼ららしいコーラスワークも堪能できる佳作ですね。「The Impossible Years」は映画の主題歌だったようで、こちらは(多分)妹Susanの声も聴くことができマス。

その後Cowsillsは、「Indian Lake」(1968年、全米チャート第10位)、「Hair」(1969年、全米チャート第2位)といったヒットを放ちましたが1971年に解散しています。
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2007年04月24日

Nine Inch Nails『The Downward Spiral』

昔はこんなネガティブな作品もよく聴いていました☆Nine Inch Nails『The Downward Spiral』
The Downward Spiral
発表年:1994年
ez的ジャンル:インダストリアル系ネガティブ・ロック
気分は... :今の僕の嗜好とはかなり距離があるんだけど...

数日前にふとネットでNine Inch Nailsの新作『Year Zero』の記事を目にした。

僕がこの新作を購入することはまずあり得ないが、その代わり昔聴いていた彼らの作品を聴いてみようかなぁと...

ということで、本ブログらしからぬ1枚Nine Inch Nails『The Downward Spiral』(1994年)をセレクト。

実はこんなのも聴いていたんです!と過去形になってしまうのかなぁ。

我が家のCD棚を眺めると、90年代USロック・コーナーには、Sonic YouthNirvanaPearl Jamといったグランジ/オルタナ系も揃っているし、Nine Inch Nailsなどのインダストリアル系も枚数は少ないけど並んでいる。本ブログの流れとは一番遠そうなMarilyn Mansonなんかもあったりする(笑)

本ブログで紹介したのって、Sonic Youth『Goo』(1990年)ぐらいかな?

R&B/Hip-Hopといったブラック・ミュージック中心の音楽ライフを楽しんでいる現在の僕にとっては、これらの作品はかなり距離感を感じるものばかりだ。

正直、へヴィーでダークで内向きなロックを好んで聴くほど、現在の僕の心は屈折してはいない(と思う)。人生くよくよ考えても仕方ない、等身大の自分で楽しく生きよう!と開き直っているポジティブ思考の僕には、ブラック・ミュージックが一番フィットしていると思っている。

でも、それは表層的なものかもしれない。自分の心の深層には、そうしたロックを欲するダークでネガティブな一面もあるのかも?

少なくとも、本作『The Downward Spiral』(1994年)を好んで聴いていた当時の僕は、今よりもへヴィーでネガティブな人間だったのだろう。

1989年にデビューした狂気の静寂の才人Trent Reznorのグループ(プロジェクトと呼んだ方が適切かな?)Nine Inch Nails(NIN)は、1992年のミニ・アルバム『Broken』で存在感を見せはじめ、本作『The Downward Spiral』(1994年)でブレイクすることになる。

何度聴いても、暗くて陰鬱で、背筋が寒くなるダークな音楽だ。このゾッとするカンジは、僕の中ではPink Floyd『Dark Side Of The Moon』を初めて聴いた時の感覚に近いものがあったかも?

どうしても本作は、David Fincher監督、Brad PittMorgan FreemanKevin Spacey出演の七つの大罪をモチーフにした猟奇殺人事件を描いた映画『Seven』(1995年)とセットで、僕の頭の中にインプットされている。

David Lynchが監督したTVシリーズ『Twin Peaks』(1990-1991年)の頃から、サイコ・サスペンス/サイコ・スリラーにハマっていた僕にとって、『Seven』や以前に本ブログでも紹介したBrad Pitt主演の『Kalifornia』(1993年)、Quentin Tarantino原作、Oliver Stone監督の『Natural Born Killers』(1994年)等は、かなりインパクトのある作品だった。

そして、これらの映像作品と深く結び付いていたのが実はTrent Reznorだったのだ。

『Seven』のオープニング曲が本作収録の「Closer」のリミックス・バージョン、『Natural Born Killers』では音楽を担当、『Twin Peaks』のDavid Lynchが監督した映画『Lost Highway』(1997年)への「The Perfect Drug」等の楽曲を提供といった具合だ。

こうした映像との接点が、僕を『The Downward Spiral』へと向わせた...

さて、肝心の音楽は、ノイジーで、テクノで、パンクで、ダークで、へヴィな一方で、最後まで聴かせるキャッチーさも持ち合わせていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Mr. Self Destruct」
自虐的なノイジーでインダストリアルなサウンドと思って聴いていると、急に一瞬の静寂が訪れが、そして再びノイジーな世界は終盤の覚醒しているカンジがヤバそう。本ブログで何度か名前を出したことがある“エレファント”なギタリストAdrian Belew(King Crimson)が参加していマス。

「Piggy」
ファンの間では人気の高い曲ですね。この倦怠ムードが魅力だと思うんだけど、僕にはあまりピンと来ないかな?

「March of the Pigs」
ハイスピードの狂気に満ちた1曲なんだけど、案外キャッチーで聴きやすかったりもする。単にノイジーではないというあたりがTrent Reznorという人の才能なんだろうね。洒落たエンディングもなかなか。

「Closer」
前述のようにリミックスが『Seven』のオープニングにも使われたNINの代表曲。陰鬱でへヴィなテクノ・ポップ・サウンドが異常な空気を醸し出していマス。

「Ruiner」
映画『Blade Runner』のテーマ曲(Vangelis)をインダストリアル・サウンドにしたカンジ?後半のサイコな雰囲気が不気味デス。

「The Becoming」
サイコな効果音が印象的な1曲。狂気のサウンドの合間に聴こえるアコギの響きに救いを求めてしまいマス。この曲にもAdrian Belewが参加。

「I Do Not Want This」
本作をよく聴いていた当時、一番好きだったのがこの曲。僕的には『Seven』の映像と一番イメージが合致していたのが、この曲だったかも?

「A Warm Place」
美しくも虚しいインスト曲は、Pink Floydあたりの世界観と共通するものが多いと思いマス。

「The Downward Spiral」
背筋が寒くなる1曲ですな。サイコ・ホラーのサントラなんかにピッタリなのでは?

「Hurt」
当時はダークなバラッドくらいにしか思っていなかったけど、後日今は亡きカントリーの大物Johnny Cashのカヴァーを聴き、この曲が名曲だと気付いた次第っす。

一時期、このアルバムや本作のテクノ・リミックス集『Further Down The Spiral』にハマった僕であったが、ある時NINを聴いている自分にヤバさを感じて、突然全く聴かなくなった。それを契機にダークで、へヴィーなロックは殆ど購入していないかなぁ。

僕をロックから遠ざけるきっかけを作った1枚だけど、それだけインパクトも大きかった。今でも拒絶反応なく最後まで聴けてしまう自分がいるのが少し怖い気がしたね。

明日は思い切り健康的で、楽天的で、明るい作品をセレクトしようっと!
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2007年04月23日

Marilyn McCoo & Billy Davis Jr.『I Hope We Get To Love In Time』

元5th Dimensionの夫婦デュオによるスウィート・ソウル☆Marilyn McCoo & Billy Davis Jr.『I Hope We Get To Love In Time』
I Hope We Get to Love in Time
発表年:1976年
ez的ジャンル:夫婦デュオ系スウィート・ソウル
気分は... :二人の息がピッタリ☆

今回は、元5th Dimensionのメンバーであり、夫婦でもあるMarilyn McCooBilly Davis Jr.のデュオ・アルバム『I Hope We Get To Love In Time』です。

5th Dimensionと言えば、本ブログでも紹介したように60年代後半から70年代初めにかけて、「Up, Up and Away」「Stoned Soul Picnic」「Wedding Bell Blues」「Aquarius/Let the Sunshine In」「(Last Night) I Didn't Get to Sleep at All」等数々のヒット曲を放った黒人コーラス・グループですね。

5th Dimensionのエントリーでも書きましたが、僕の場合、ソフトロック的なヒット曲「Up, Up and Away」5th Dimensionに出会ったため、長い間彼らが黒人グループであることを知りませんでシタ(笑)

そうした黒人コーラス・グループでも、白人コーラス・グループでもない中道ポップ路線こそが5th Dimensionの魅力だとは思うのですが。

その5th DimensionのメンバーであったMarilyn McCooBilly Davis Jr.の二人が5th Dimensionから独立後、1976年に発表した夫婦デュオ・アルバムが『I Hope We Get To Love In Time』です。ちなみに二人は5th Dimension在籍中の1969年に結婚していマス。

僕よりも年代が上のソウル好きの方には、全米チャートNo.1に輝いた大ヒット曲「星空の二人」収録のアルバムと説明した方がわかりやすいかもしれませんね。

中道ポップ路線でヒット曲を連発していた5th Dimensionに対して、ジャケのイメージそのまま!コテコテのソウル・アルバムです。後追いで聴く身としては、そのあたりのコントラストが実に興味深いですね。

プロデュースはJohnnie Taylor、The Dramatics、The Dellsなどを手掛けたDon Davisです。レコーディングにはDavid T. Walker(g)も参加しているようですね。

甘いもの好きは見逃せない極上スイーツですぞ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「You Don't Have to Be a Star (To Be in My Show) 」
本作のハイライト。前述の邦題「星空の二人」でお馴染みの大ヒット曲。全米ポップチャートで見事No.1に輝きまシタ。イントロの洒落たカンジがたまりませんね。いかにも70年代なノスタルジック・ムード丸出しなんですが、それが魅力のメロウ・ソウル。知る人ぞ知る日本のグループHUMAN SOULがカヴァーしていマス。

「Your Love」
二人の掛け合いで盛り上がる軽快なミディアム・ソウル。当時は「愛の抱擁」という邦題だったみたいですね。実に息の合っているカンジがとってもいいですね。この曲も「You Don't Have to Be a Star (To Be in My Show) 」に引けを取らないいい曲だと思いマス。パーカッションのパカポコ感が僕好み。

「I Still Will Be With You」
甘ぁ〜い、甘ぁ〜いスウィート・スロウ。二人で夕陽を見つめたくなるような曲ですな。特にMarilyn McCooの伸びやかなボーカルがいいですね。

「Never Gonna Let You Go」
今の季節にピッタリの爽やかなメロウ・グルーヴ。ホーン隊のアレンジもなかなか。

「Nothing Can Stop Me」
「You Don't Have to Be a Star (To Be in My Show) 」と並ぶハイライト曲。落ち着いたスロウ・ナンバー。酸いも甘いも噛み分けた大人のラブソングってカンジがいいですな。Hip-Hopファンの中にはFat Joe率いるTerror Squad「Nothing's Gonna Stop Me」の元ネタとしてご存知の方もいるのでは?

「I Hope We Get to Love in Time」
「My Love for You (Will Always Be the Same) 」
後半はスウィートなスロウのオン・パレードです。タイトル曲「I Hope We Get to Love in Time」は、聴いているとなぜかノスタルジック気分になりマス。「My Love for You (Will Always Be the Same) 」は当時「虹を渡る恋」という邦題だったみたいですね。どんな恋なんじゃあ!とツッコミたくなります(笑)

「We've Got to Get It on Again」
地味だけど、とても気に入っているファンキーなミッド・グルーヴ。この手の曲をもっと聴きたい気もしますね。

本作に続き、この夫婦デュオは2nd『The Two Of Us』(1977年)、3rd『Marilyn & Billy』(1978年)という2枚のアルバムを発表していマス。特に3rd『Marilyn & Billy』には、Whitney Houstonを一躍有名にした大ヒット曲「Saving All My Love for You」のオリジナルが収録されていマス。
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2007年04月22日

Red Garland Trio『Groovy』

オシャレなカクテル・ピアノの堪能あれ!☆Red Garland Trio『Groovy』
Groovy
録音年:1956,57年
ez的ジャンル:カクテル系ジャズ・ピアノ
気分は... :筋肉痛〜っ。

昨日は麻布十番で某オフィスのお引越しのお手伝い。
久々に大量に荷物の上げ下げをやったもんだから、今日の筋肉痛確率ほぼ100%。
やっぱり年を取ったなぁ...

さて、今日はボクサーという異色の経歴を持つジャズ・ピアニストRed Garlandの登場デス。

1923年生まれのRed Garlandは、1940年代半ばからCharles Parker、Lester Young、Coleman Hawkinsらと仕事をした後、1955年に帝王Miles Davisのグループに加入し、Miles(tp)、John Coltrane(ts)、Red Garland(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)による(第一期)黄金クインテットのメンバーとして活躍しまシタ。

60年代は引退状態でしたが、1970年代半ばにカムバックしました。1984年に心臓病のため故郷のテキサスで永眠。

やはり、僕にとってのGarlandはMilesの黄金クインテットのイメージが強いですね。特に、本ブログでも紹介したMiles Davis『Milestones』収録の「Billy Boy」の演奏は何回聴いても飽きません。

そんなGarlandのキャリアを代表するリーダー作がこの『Groovy』です。
ピアノ・トリオの傑作アルバムとして有名な1枚ですね。

メンバーはRed Garland(p)、Paul Chambers(b)、Arthur Taylor(ds)の3人。黄金クインテットの盟友Chambersに加え、Bud Powellのバックも務めたTaylorが参加していマス。

Garlandの軽やかなプレイをカクテル・ジャズと揶揄する方もいるようですが、Garlandの小気味よいスイング感のあるピアノは、僕のような永遠のジャズ初心者にとってもわかりやすく、単純にカッチョ良い!ってカンジですね。

あとはこのジャケもいかしていますよね。
実はこのアルバムを購入したのはジャケ買いなのですが(笑)

僕にとってジャズ・アルバムの秀作ジャケと言えば、Blue Note作品ばかりになってしまうのですが、Prestige作品でジャケ買いするなんて、かなり珍しいかもしれません。

タイトル通りのグルーヴィーなピアノ・トリオの演奏を堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「C Jam Blues」
このアルバムのハイライトと言えば、Duke Ellington作品のこのオープニングいうことになるでしょうね。軽やかだけどブルージーなGarlandらしいタッチのピアノを堪能できマス。それをガッチリ支えるPaul Chambersのベースがシブいですなぁ。本曲はOscar Peterson、McCoy Tyner等も録音していますね。

「Gone Again」
しっとりリリカルなGarlandのピアノが堪能できる1曲。ただただ美しいの一言ですな。

「Will You Still Be Mine?」
Matt Dennis/Tom Adair作品のスタンダード。本曲は師匠Miles DavisMcCoy Tyner等も録音していますね。このスインギーなタッチがたまりませんな。前述の大好きな1曲「Billy Boy」に通じるものがありますね。

「Willow Weep for Me」
「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード。本ブログではDexter Gordon『Our Man In Paris』Wynton Kelly『Kelly Blue』のバージョンを紹介しましたね。それ以外にもTommy Flanagan、Modern Jazz Quartet等も録音していマス。

女性作曲家Ann Ronnellが偉大な作曲家George Gershwinに捧げたスタンダードというだけあって、どこか名曲「Rhapsody in Blue」っぽいですね。

「What Can I Say, Dear」
「Hey Now」
軽やかなGarlandの鍵盤さばきによるカクテル・ピアノの魅力が堪能できる2曲。カクテル・ジャズの何が悪い!パントマイムとかのBGMなんかにピッタリかも?

昨晩は白金高輪で熊本地鶏を食した。
う〜ん、引越しでガス欠状態の体に再びパワーを注入する、なかなかの美味でシタ。最近は宮崎地鶏に話題沸騰ですが、薩摩地鶏や熊本地鶏もお忘れなく!
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2007年04月21日

Nathan『Masterpiece』

UKの才能溢れるR&Bシンガーのデビュー・アルバム☆Nathan『Masterpiece』
Masterpiece
発表年:2007年
ez的ジャンル:UK期待のホープ系男性R&B
気分は... :元気の出る若さだね...

Musiq Soulchild、Ne-Yo、Joe、Marques Houston、Lloyd、Bobby Valentino等注目の男性R&Bシンガーの新譜が目白押しの最近ですが、それら強力盤に引けをとらないオススメの1枚を紹介します。

それがUK期待のホープNathanのデビュー・アルバム『Masterpiece』です。

Nathan(本名Nathan Fagan-Gayle)は1986年サウス・ロンドン生まれのR&Bシンガー。

既に数枚のシングルを発表した後に発売された1stアルバムが本作『Masterpiece』です。2006年に一度発売されましたが、2007年に再発売になったみたいっす。

詳しく調べていないけど、収録曲の曲数、曲順などが異なる盤も見つけたので、再発盤は曲が追加されているのかも?

UKのChris Brown”、“UKのNe-Yo”といった(本人は嬉しくないであろう)宣伝文句が目立つNathanですが、本作の充実ぶりを聴くと、そんなプッシュをしたくなるのもわかる気がしますな。

とにかく曲がいいよね。アップも悪くないけど、ミディアム〜スロウ系の出来が抜群っす。あとはWayne Lawes、Michael DaleyというFull Crew Productionの二人のプロデュースぶりも見逃せませんね。

Omarion、Ne-Yoあたりが好きな方は絶対ハマると思いますよ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Round and Round」
オープニング曲は、2ndシングルとして2005年発表済みのミディアム・チューン。途中でダンスホール系のテイストが垣間見れるのがUKらしいかもね。

「Get To Know You Better」
女の子が好きそうな胸キュン系のメロウなミディアム・スロウ。若手の男性R&Bシンガーの場合、この手の曲の初々しいカンジがいいですな。

「Kiss Me」
Sian Thomasをフィーチャーしたキャッチーな日本人好みのメロウ・グルーヴ。それもそのはず!日本でもドコモのCMソングとしてお馴染みのSixpence None the Richer「Kiss Me」ネタですからね。

「The Right Way」
R.Kelly「Your Body's Callin'」ネタのスウィートなムードに包まれた絶品スロウ。胸キュン大好きの僕のバロメータがかなり上昇する曲ですね。途中でチラッとMarvin Gaye「Sexual Healing」からの引用が聴けるのもウレシイ限りですな。

「Do Without My Love」
アルバムからのリード・シングル。よく言われているように、Michael Jackson「Human Nature」のような雰囲気がある美メロ系ミディアム・スロウ。確かに、この曲を聴いているとUK版Ne-Yoと言われるのがわかりますな。

「Snatch」
Omarionあたりにも通じるミッド・チューン。アダルト・ムードのセクシーなダンス・ナンバーに仕上がっておりマス。

「Come Into My Room」
2005年に発表したNathanの記念すべき1stシングル。ラテン風味のバウンジー・チューン。このあたりもバラエティに富んでいて飽きさせないつくりですな。

「What's Your Name」
悪くはないけど、Usher「Yeah!」の焼き直しみたいな部分があって、個人的にはビミョーですね。

「They Can't Take Me Away」
若々しい甘酸っぱさがいい感じのスロウ。Wayne Lawes、Michael Daleyといったプロデュース陣の手腕が光る1曲。

「Cold As Ice」
この曲も2006年にシングルカット済みの1曲。Martha Reeves & The Vandellas「Easily Persuaded」ネタのホーン使いがカッチョ良いアゲアゲの1曲。アップものではコレが一番好きですね。

「You Make Me Feel」
メロウなアコースティック・ソウル。「The Right Way」、「Everybody Needs Somebody」と並ぶ僕のお気に入り曲。この曲あたりにNathanの才能を感じ取れるのでは?

「Everybody Needs Somebody」
胸キュンのイントロで決まりですね。Nathanのボーカル&ラップを盛り上げてくれるアレンジが秀逸ですね。

最近、男性R&Bは充実しているけど、女性R&Bがイマイチのような気がします。素晴らしい歌姫のアルバムの登場を期待する今日この頃です。
posted by ez at 00:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする