2007年04月20日

Stephen Bishop『Careless』

エヴァーグリーンな名曲の数々☆Stephen Bishop『Careless』
STEPHEN BISHOP
発表年:1976年
ez的ジャンル:メロウ&ユニーク系シンガーソングライター
気分は... :人懐っこいカンジがいいね...

今回はエヴァーグリーンな名曲を数々残してくれたシンガーソングライターStephen Bishopのデビューアルバム『Careless』(1976年)です。

Bish”の愛称で知られるStephen Bishop(1951年生まれ)の才能を世に知らしめたのがArt Garfunkel。本ブログでも取り上げたアルバム『Breakaway』(1975年)で、「Lookin' for the Right One」「Same Old Tears on a New Background」の2曲を取り上げ、Bishへの注目に一役買いまシタ。

また、その前年に発売されたNick De Caro『Italian Graffiiti』(1974年)では、Lea Kunkelとの共作「Under The Jamaican Moon」が取り上げられまシタ。Lea Kunkelのセルフカヴァーは本ブログでも紹介済みですね(アルバム『Lea Kunkel』収録)。

そんなStephen Bishopのデビューアルバム『Careless』(1976年)には、Art GarfunkelChaka KhanEric Clapton、Jay Graydon、Larry Carlton、Lee Ritenour、Andrew Gold、Victor Feldman、Jim Gordon、Russ Kunkel、Leah Kunkel等豪華なメンバーが顔を揃えていマス。

しかし、本作の主役はあくまでもBish。Bishのソングライターとしての才能の豊かさと、それを見事に表現する味わい深い歌こそが本作の最大の魅力です。

本作は“AORの名盤”のように扱われることも多いですが、個人的にはそうした扱いは好きではないなぁ。AORというより“SSWの名盤”と呼ぶのが本質ではないかと思いマス。

全曲紹介しときやす。(「Guitar Interlude」を除く)

「On and On」
Stephen Bishopの代表曲であり、全米チャート第11位まで上昇したデビュー・ヒット。最近もサッポロビールのCMで使われていたのでお聴きの方も多いのでは(カヴァーですが)。これからの季節にぴったりののんびり爽快なメロディはエヴァーグリーンな魅力を持っていますね。

Kenny Rankinのカヴァーが有名ですね。個人的にはThriller U、Aswadといったレゲエ・カヴァーも好きでしたね。レゲエで言えば、本曲の替え歌のようなRed Fox & Naturalee「Down In Jamaica」なんて曲もありまシタ。

「Never Letting Go」
包み込むような繊細さが魅力の美メロソング。Phoebe Snowが4thアルバム『Never Letting Go』のタイトル曲としてカヴァーしましたね。山弦によるアコギのインスト・カヴァーもなかなか。

「Careless」
しみじみと味わい深い1曲。この曲でBishopはトロンボーンの演奏も聴かせてくれマス。雨の日のちょっとブルーな気分な時に聴きたい曲ですね。Art Garfunkelがバック・ボーカルで参加していマス。

「Sinking in an Ocean of Tears」
Eric Clapton、Jay Graydonという有名ギタリスト二人が参加。一歩間違えると豪華なバックがうるさすぎて、せっかくの曲の良さをぶち壊しそうだけど、ギリギリOKというカンジでしょうか。

「Madge」
男の哀愁漂うバラッド。最後に「London Bridge is Falling Down(ロンドン橋落ちた)」を引用しているのがユニーク。

「Every Minute」
シンプルなバックによる素朴な味わいが曲の良さを引き立てていますね。Jay Graydon、Andrew Gold参加。

「Little Italy」
Larry Carltonも参加の軽いラテン・タッチのフィーキー・グルーヴ。マンドリンの音色が盛り上げてくれマス。Chaka Khanの素晴らしいボーカルも聴けマス。

「One More Night」
アルバムで一番のお気に入りがコレ。昔からこのロマンティックなスロウを聴くと、センチな気分になるんだよねぇ〜。Barbra Streisandののカヴァー(アルバム『Songbird』収録)も大好きデス。

「Save It for a Rainy Day」
シングルとして全米チャート22位となったスマッシュ・ヒット。若いリスナーの方は、この16ビートの軽快なメロウ・グルーヴが一番しっくりくるのでは?Chaka KhanEric Claptonの参加もウレシイですね。Four Topsがカヴァーしていますね。

「Rock and Roll Slave」
隠れた名曲ってカンジかな。僕の大好きなJackson Browneあたりも通じるリリシズムを感じますね。Lee Ritenourがギター、Leah KunkelArt Garfunkelがバック・コーラスで参加

「The Same Old Tears on a New Background」
先に説明したArt Garfunkelへの提供曲(アルバム『Breakaway』収録)のセルフカヴァー。ファンの支持が高い曲ですね。とっても繊細なカンジが好きだなぁ。

今年に入り、ブラジル人のギタリストOscar Castro-Nevesの全面バックアップのもと、『Saudade』というブラジリアン・フレイヴァーの新作を発表したBish。

この中には、「On And On」「Save It For A Rainy Day」「Never Letting Go」「One More Night」といった紹介曲のリメイクも収録されていマス。興味がある方はご一聴を!

Art Garfunkelも取り上げた名曲「Lookin' for the Right One」収録の2ndアルバム『Bish』(1978年)もオススメの1枚ですね。
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2007年04月19日

Breakwater『Splashdown』

爽やかだけど、暑苦しい(?)のが魅力☆Breakwater『Splashdown』
スプラッシュダウン
発表年:1980年
ez的ジャンル:爽快&猛暑系フリーソウル&ファンク
気分は... :憶えていない...

昨晩は某所で飲んでいたのだが、帰りの記憶が全くない。

切符を買って地下鉄に乗るまでの記憶と、最寄り駅に着いてからの記憶はあるんだけど、車中の記憶が完全に飛んでいる。誰と帰ったかもわかっているんだけど迷惑かけなかったかなぁ???

泥酔して記憶がないことはよくあるんだけど、昨晩はそれほどでもなかったような気がする。帰宅してからのこともよく憶えているし、車中の記憶のみ抜けている。

年を取るとこんなものなのか?
というより、やっぱり泥酔していたのか?

やだねぇ...

さて、フリーソウル系のリスナーだった方にはお馴染みBreakwaterの登場です。

Breakwaterは、Kae Williams Jr.を中心としたフィラデルフィアの8人組ボーカル&インスト・グループ。

1978年に1stアルバム『Breakwater』、1980年に本作『Splashdown』を発表していマス。

多くの方と同じように、Breakwaterの存在を知ったのは、フリーソウルのコンピです。「Work It Out」「Say You Love Me Girl」「Time」といった爽快なメロウ・グルーヴを聴き、すっかり虜になりまシタ。

そんな関係で『Breakwater』『Splashdown』がCD化された途端、即行で購入した記憶がありマス。

でも、そんな爽やかなメロウ・チューンばかりを期待していると、いきなり80年代らしいファンク・チューンが聴こえてくるのが、このグループの面白いところかもしれませんね。

爽やかなメロウ・チューンと暑苦しいファンク・チューンの見事なコントラスト!
というのが僕のBreakwaterに対する印象ですね。

フリーソウルのコンピの影響か、Breakwaterを聴いていると、セットでNite Flyteが聴きたくなりマス。その逆パターンもあるんだけどね。

全曲紹介しときやす。

「Splashdown Time」
アルバム・ジャケのイメージそのままのB級SFドラマのようなスペイシーなファンク・チューン。でも、この80年代らしいB級感が逆に魅力だよね。

「Love of My Life」
イントロのダイナミックなホーン隊から一転して、メロウなミディアム・スロウが始まるところがいいですね。

「Release the Beast」
エッジの効いたギター・サウンドが印象的なファンク・チューン。最近だとDaft Punk「Robot Rock」の元ネタとしてご存知の方もいるのでは?

フリーソウル的なニーズで本作を購入したので、こんな骨太ファンクが聴けるなんてうれしい誤算でしたね。初期エレクトリック・ファンクらしいシンセの音色が大好き!

「One in My Dreams」
「Time」と並ぶ僕のお気に入り!スウィート×2のメロウ・スロウです。メロウ好きの僕のハートを高鳴らせる1曲ですね。

「You」
肉感溢れるファンク・チューン。ボーカル&インスト・グループには、この暑苦しさも必要だよね。

「Say You Love Me Girl」
フリーソウル・ファンにはお馴染みのラテンタッチのスムース・グルーヴ。ノリのいいティンバレスのリズムを聴いていると、何故かスパイシーなチキンカレーが食べたくなるねぇ!

「Let Love In」
イントロの盛り上がりが何ともカッチョ良いミッド・グルーヴ。軽快なホーン隊がいいですね。案外、このあたりの曲がBreakwaterらしいのかも?

「Time」
「Say You Love Me Girl」と並ぶフリーソウルの人気曲でしたね。落ち着きのあるグルーヴ感がホッとしますな。個人的にはBreakwaterの曲の中で一番好きだなぁ。感動ドラマのエンディング曲にぴったりなカンジですね。

「Work It Out」を含む1stアルバム『Breakwater』(1978年)とセットでどうぞ!
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2007年04月18日

Mr. Fingers『Introduction』

90年代に僕が最も多く聴いたアルバムがコレ!☆Mr. Fingers『Introduction』
イントロダクション
発表年:1992年
ez的ジャンル:内省系シカゴハウス
気分は... :孤高を楽しむ...

僕のとっておきの1枚、Mr. Fingers『Introduction』(1992年)です。

何を隠そう、90年代に僕が最も多く聴いたアルバムは、本作『Introduction』でシタ。
そんなにキャッチーな作品ではないので、自分でも意外といえば意外な気もしますが。

振り返ると、90年代前半の僕は、本作とAlison Limerick『And Still I Rise』(1992年)というオカズ2品あれば、他のオカズは一切なくてもメシ何杯もおかわりできる状態でしたね。

Mr. FingersことLarry Heard(1960年生まれ)は、シカゴハウスのオリジネイターの一人ですね。彼の音楽キャリアのスタートはキーボード奏者。その時の鍵盤さばきから“Mr. Fingers”というニックネームが付けられました。

1983年末にRobert Owensと意気投合したLarry Heardは伝説のユニットFingers Inc.を結成する(後にRon Wilsonを加わり、3人ユニットに)。「Mystery Of Love」、「Washing Machine」、「Can You Feel It?」といったハウス・アンセムをドロップしまシタ。

Fingers Inc.の魅力は、キーボード奏者でもあるLarry Heardが作り出す、浮遊感漂うクールなサウンドに尽きると思いマス。DJ的感覚で制作されたハウスとは明らかに異なる肌触りがありますね。また、そのサウンドとRobert Owensのアシッドなヘタウマ・ボーカルがやけにマッチするんですよねぇ。

Fingers Inc.に興味がある方はアルバム『Another Side』(1988年)をどうぞ!と言いつつ、今では入手がなかなか困難だとは思いますが...

さて、本作『Introduction』はFingers Inc.解散後に発表した、Mr. Fingersとしてのメジャー1stアルバムです。よく『Amnesia』という作品を1stアルバムとして紹介している記事を見ますが、正式なかたちでリリースされたものではないようなので、本作を実質的な1stアルバムと考えてよいと思いマス。

初めて聴いた時には、こんなにジャズ/フュージョン色の強くて、しかも踊るためではなく、聴くためのハウスがあったのか?と驚きましたね。

アルバムに加え、「Closer」「On A Corner Called Jazz」「On My Way」「What About This Love?」という4枚のシングルについても、リミックス・バージョンが欲しくて、全てCDシングルで買い直しまシタ。

それまで12インチ・シングル中心だったハウス・ミュージックも、90年代に入ってからアルバム単位で完成度の高い作品が続々と発表されまシタ。

我が家のCD棚のハウス・コーナーに並ぶ、Robert Owens『Rhythms in Me』(1990年)、Blaze『25 Years Later』(1990年)、Ten City『State Of Mind』(1990年)、Lil' Louis & The World『Journey With The Lonely』(1992年)、Jamie Principle『The Midnite Hour』(1992年)といった作品は、今聴いても素晴らしいものばかり!残念ながら入手困難なものが多いので、本ブログでも紹介しづらいのですが...

クラブとかハウス・ミュージックに無縁な人が、家の部屋で聴いても全然違和感のないアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Closer」
シングルとしてクラブでもヒットしたオープニング曲。ラテン・タッチのミッド・チューンだけど全然陽気じゃない。夜中の薄暗い部屋でマッタリと聴きたいよね。もっとも、クラブ仕様でガッツリ聴きたいという方はSashaやFrankie Foncettによるリミックスをどうぞ!

「On A Corner Called Jazz」
アルバムで一番好きなジャジー・ハウス。Mr. Fingersの真骨頂とも言うべき、フュージョン/クロスオーバー感覚のお洒落な浮遊感がたまりませんね。E-Smoove、James McMillan、The Brand New Heavies等のリミックスもあります。James McMillanのリミックスが一番好きかなぁ。

「On My Way」
哀愁のミッド・チューン。内省的なLarryのボーカル入りのこのナンバーにも当時かなりハマっていましたね。ただし、この曲はアルバム・バージョン以上にリミックス・バージョンの方が秀逸ですね。僕はFrankie Foncettのリミックスが一番好きだったなぁ。Tony Humphriesのリミックスも彼らしい仕上がりで、なかなか楽しめマス。

「Survivor」
アフターアワーズにピッタリの癒し系の1曲。このまま深い眠りにつきたいカンジですね。

「We Can Work It Out」
なかなか心地良いダンサブルなアッパー・チューン。アッパーといっても、この人の場合はあくまでクールです。

「Empty」
「Dead End Alley」
盟友Robert Owens参加の2曲。やっぱり、この二人の組み合わせはサイコーだと思いマス。「Empty」はRobert Owensらしいロンリー・ヴォイスが光る1曲。「Dead End Alley」は一番フツーのハウス・チューンってカンジですな。

「Waves Against The Shore」
「Alright」
ハウスというよりも、クラブ・テイストのフュージョンというカンジの2曲。「Waves Against The Shore」はサウダージ気分になるインスト曲。「Alright」はトロピカルな雰囲気がいいですね。女性コーラスが盛り上げてくれマス。

「What About This Love?」
クールでメロウなミッド・チューン。キーボードとLarryのボーカルのヒンヤリ感がたまりませんなぁ。。シングルにはアッパーなリミックスやMasters at Workによるリミックスも収録されていマス。

「Children At Play」
戯れる子供の声の効果音が微笑ましいインスト・ナンバー。ただし、子供が遊んでいるのは近未来の異空間ってカンジでしょうか?不思議なトリップ感のある曲ですな。

本作に続き発表された『Back To Love』(1994年)もいいですよ。
本作のようなインパクトには欠けるけど、とても聴きやすい仕上がりっす。

さっき、Jamie Principle『The Midnite Hour』(1992年)を久々に聴いたけど、当時よりもよく聴こえたなぁ。こちらもAmazonで扱われるようになったら、紹介しますね。
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2007年04月17日

Donald Byrd『Street Lady』

ByrdのSky High第2弾アルバム☆Donald Byrd『Street Lady』
Street Lady
発表年:1973年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系レア・グルーヴ
気分は... :主役は目立たないけど...

1950年代から活躍するジャズ・トランペット奏者Donald Byrdの2回目の登場デス。

今回も前回の『Places and Spaces』(1975年)に続き、Mizell兄弟Sky High Productionによって制作されたレア・グルーヴの人気作品『Street Lady』(1973年)デス。

知らない方のためにSky High Productionについて簡単に説明しておきますね。

Sky High Productionは、Larry MizellAlphonso "Fonce" MizellというMizell兄弟が設立したプロダクション。Fonceはモータウンのプロダクション・チームThe Corporationの一人として、Jackson5、Marvin GayeMartha & The Vandellas等を手掛けたことでも知られていマス。

重厚なキーボード、華麗なストリングス等を特徴とした偉大なるワンパターン・サウンドを武器に、Sky HighはDonald ByrdBobbi HumphreyJohnny HammondGary Bartz等レア・グルーヴの傑作を数々を手掛けまシタ。後期にはA Taste Of Honey、L.T.D.といったR&B系アーティストも手掛けていマス。

心地良いし、ノリもいい、しかもエレガントといったカンジの爽やかなメロウ&グルーヴ感がたまらないですよね。

こんなメロウ&グルーヴの諸作を多くの人が放っておくはずがなく、90年代に入るとレア・グルーヴの流れの中で、クラブシーンを中心に再評価されるようになり、現在も高い支持を得ているってカンジでしょうかね。

そんなSky High作品の中でも特に人気が高いのがDonald Byrdとのコラボ作の数々ですね。ハワード大学で教鞭もとっていたByrdの教え子がMitzell兄弟というのが両者の関係です。

そんなByrdとMitzell兄弟のタッグは、Larry Mizellのプロデュースで『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping Into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)という4枚の作品を残していマス。

これらの作品はサンプリング・ネタとしても人気で、多くのHip-Hopアーティストに取り上げられていますね。本ブログでも紹介したGuru『Jazzmatazz』『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』へのDonald Byrdの参加は、そうした流れのものデス。

さて、『Street Lady』(1973年)はByrdのSky High第2弾アルバムです。

レコーディング・メンバーは、Donald ByrdMizell兄弟の他は、Chuck Rainey(b)、Harvey Mason(ds)、Jerry Peters(p、key)等Sky Highお馴染みのメンバーに加え、David T. Walker(g)も加わっていマス。

他のSky High作品同様にByrdの作品というよりもMizell兄弟の作品という印象が強いですが、中身は文句なしに素晴らしいデス。

全曲紹介しときやす。

「Lansana's Priestess」
レア・グルーヴ好きに大人気の1曲ですね。DJ SpinnaやDanny Krivitも取り上げていたので、そちらでご存知の方もいるのでは?イントロのDavid T. Walkerのギターが聴こえた瞬間から一気に極楽気分になる何とも気持ちよい爽快グルーヴ。Sky Highらしいエレガントなサウンドは今の時期にぴったりかもね!Roger Glennのフルートも涼しげ!

「Miss Kane」
Sky Highらしからぬ(笑)スリリングな展開が魅力のジャス・ファンク。特に後半の盛り上がりはテンション高いですね。スペイシーなシンセ・サウンドが印象的ですね。

「Sister Love」
ラテン・タッチの軽快な1曲。メロウな前半もいいけど、David T. Walkerのギターが大活躍する終盤のカッチョ良さもなかなか。密かなお気に入り曲。

「Street Lady」
Jungle Brothers「Good News Comin'」、Outlaw Posse「Original Dope」等サンプリング・ネタにも使われるファンク・チューン。この曲はしっかりByrdのトランペットが目立っていますね。あとはSky High特有の下手くそなコーラスが何故かいいんだよねぇ。不思議ですな。Jerry Petersのピアノもカッチョ良いですぞ!

「Witch Hunt」
クールなジャズ・ファンク。Byrdのトランペットがクールな雰囲気を損ねている気がする...なんて書いたら怒られちゃいますね(笑)

「Woman of the World」
メロウなクロス・オーバー・チューン。Roger Glennのフルートがとってもロマンティック。そして、ここでも下手くそコーラスがメロウネスを増幅してくれます。これがないとSky Highじゃない(笑)

Donald Byrd本人を全く無視した紹介方法になってしまいましたが、次回はSky High以外のByrdが主役の作品を紹介しますのでご勘弁をm(_ _)m
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2007年04月16日

The Rolling Stones『Between the Buttons』

過渡期のアルバムだけに試行錯誤するStonesの様子が興味深い!☆The Rolling Stones『Between the Buttons』
Between the Buttons
発表年:1967年
ez的ジャンル:試行錯誤のStones
気分は... :何事もやってみないとねぇ...

久々のThe Rolling Stonesです。

『Black And Blue』(1976年)、『Beggars Banquet』(1968年)、『Sticky Fingers』(1971年)、『December's Children (And Everybody's)』(1965年)に続く5回目の紹介は、1967年に発表された『Between the Buttons』デス。

『Between the Buttons』は、数多いStone作品の中でも話題になることが少なく、地味な存在のアルバムですね。でも、侮るなかれ!Stonesの多様性が垣間見れるなかなかのアルバムだと思いますよ。

ただし、注意しなければならないのが、今回紹介するのはあくまでもUS盤『Between the Buttons』です。本作には以前に書いた初期Stonesの困った問題であるUS盤、UK盤の違いがありマス。特に、本作の場合は両者が同タイトル、同ジャケなので一番ややこしいかもしれませんね。

「Let's Spend the Night Together」「Ruby Tuesday」というシングルにもなった人気曲が収録されているのがUS盤、それら2曲の代わりに「Backstreet Girl」「Please Go Home」の2曲を収録しているのがUK盤です。ただし、最近のCDはUS盤がベースになっているようですが。

僕の『Between the Buttons』に対する印象は、『Aftermath』で初めて全曲Jagger/Richardのオリジナルで固めたStonesが、自らのアイデンティティを求めて試行錯誤しているアルバムというカンジでしょうか。

Stonesが自らのスタイルを確立したアルバム『Beggars Banquet』(1968年)までの、本作『Between the Buttons』『Their Satanic Majesties Request』(1967年)という揺れ動くStonesの姿は、振り返るとなかなか興味深いのではと思いマス。

本作が地味な印象を受ける1つの要因にジャケがあると思いマス。とても英国らしい雰囲気があって好きなのですが、フォーカスの中心がCharlie Wattsですからねぇ(笑)

歴史的な名盤ではないけど、肩肘張らず楽しめる1枚だと思いますよ。

全曲Jagger/Richardのオリジナルです。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Let's Spend the Night Together」
「夜をぶっとばせ」の邦題でもお馴染みのStonesの代表曲。前述の通り、「Ruby Tuesday」との両A面でシングル・カットされまシタ。Jack Nitzscheのピアノが印象的な小気味良いロック・ナンバー。ここではKeith Richardsがベースを弾いていマス。David Bowieがカヴァーしていますね(アルバム『Aladdin Sane』収録)。

当時は歌詞がセックスを連想させるということで批判されたみたいですね。かの有名なエド・サリヴァン・ショーに出演時には歌詞を♪Let's Spend Sometime Together♪と変更していまシタ。

「Yesterday's Papers」
Stonesらしからぬストレンジな浮遊感が印象的なサイケ・ナンバー。Brianがビブラフォン、Nitzscheがハープシコードを演奏していマス。ハマるとクセになる1曲ですね。

「Ruby Tuesday」
「Let's Spend the Night Together」との両A面でシングル・カットされ、全米ポップチャートNo.1に輝いた大ヒット・バラッド。哀愁感たっぷりでいいですね。Brianの虚しく響くリコーダーが印象的ですな。

シーナ&ロケッツ、オリジナル・ラヴ、忌野清志郎、Rod Stewart、Julian Lennonなど数多くのカヴァーがありますね。U2のライブ・レパートリーにもなっていましたね。

「Connection」
実質Keithの単独作品。後のソロ・ツアーのレパートリーに加えているくらいなので、かなりお気に入りの作品なのかもね。確かにライブ向きのノリのいい曲ですな。

「She Smiled Sweetly」
Bob Dylanっぽいフォーク調のバラッド。悲しげなMick Jaggerのボーカルが印象的ですね。密かに人気の1曲なのでは?

「Cool, Calm & Collected」
Beatles『Sgt. Pepper's 〜』を先取りしたような ボードヴィル調の1曲。実際のところ、Nicky Hopkinsによるラグタイム調のピアノはKinksの影響らしいですね(HopkinsはKinks『Face to Face』のレコーディング参加直後だった)。終盤気付くとサイケ調になっているところが好きだなぁ。

「All Sold Out」
『Beggars Banquet』以降のStonesを予感させる気だるいムードが魅力的な1曲。

「My Obsession」
Charlie Wattsのドラムが主役の1曲。単調だけどインパクトがありますな。僕の一発芸のようなものかな(笑)

「Complicated」
個人的には一番好きな曲かも?サイケ・テイストのグルーヴ感がカッチョ良いですな。

「Miss Amanda Jones」
抜けのいいストレートなロック・ナンバー。こうしたスカッとした曲も演らないと、フラストレーションたまるしね!

「Something Happened to Me Yesterday」
Keith初のリード・ボーカル作品。「Cool, Calm & Collected」同様のボードヴィル調ナンバー。全然Keithのイメージと合わないところが面白いですな。エンディングがやけに唐突?

『Beggars Banquet』(1968年)、『Let It Bleed』(1969年)、『Sticky Fingers』(1971年)、『Exile on Main St.』(1972年)といった絶頂期の作品はマストですが、本作あたりも堪能できると一歩進んだStonesファンになれるのでは?

加えて、『Emotional Rescue』(1980年)への再評価が高いのが最近の僕のSronesライフです。
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