録音年:1964年
ez的ジャンル:モード系オルガン・ジャズ
気分は... :今日は軽めに...
ジャズ・オルガン奏者Larry Youngの登場デス!
僕にとって、ジャズ・オルガン奏者といえば、どうしてもJimmy Smithが頭に浮かんでしまいますね。実際、コレクション枚数もジャズ・オルガン部門ではダントツの1位っす。
でも、マイ・コレクションのジャズ・コーナーの棚を眺めてみると、Jack Mcduff、Lonnie Smith、Larry Youngなどコレクション枚数は多くないけど、なかなか気の利いたオルガン奏者の名を見つけることができマス。
今回はそんな中から、オルガンのColtraneと呼ばれたLarry Youngの『Into Somethin'』(1964年)をセレクト。
Larry Young(1940-78年)は、Jimmy Forrest、Lou Donaldson、Kenny Dorham、Hank Mobleyらとの活動で経験を積んだ後、自身のユニットを結成しまシタ。1964年にBlue Noteへ移籍すると、Jimmy Smithに続く、次世代のオルガン奏者として注目されるようになり、モード奏法を取り入れた斬新な演奏スタイルから、“オルガンのColtrane”と呼ばれたそうデス。
その後、60年代後半にはMiles Davisの問題作『Bitches Brew』へ参加したり、Tony Williams(ds)、John McLaughlin(g)とLifetimeを結成するなど勢力的な活動を続けました。しかし、1978年に肺炎のため、38歳の若さで死去してしまいマス。
Larry YoungのBlue Note作品といえば、一般にはJoe Henderson、 Woody Shawらが参加した『Unity』(1965年)が有名かもしれませんが、個人的には今日紹介するBlue Note移籍第一弾アルバム『Into Somethin'』(1964年)に愛着がありますね。
メンバーは、Larry Young(org)、Sam Rivers(ts)、Grant Green(g)、Elvin Jones(ds)の4人。Grant Greenの参加が僕の興味を高めているのかもしれませんね。
あとはジャケットですね。本ブログでも何度も紹介してきた写真Francis Wolff、デザインReid MilesというBlue Note勝利の方程式に、まんまとハマってしまいまシタ。近未来の異空間にいるような構図がたまりませんな。さすがReid Miles!
全曲紹介しときやす。
「Tyrone」
オープニングは、リラックスしたミディアム・チューン。漂うようにライトなYoungのオルガンが堪能できマス。続くGreenのソロもYoung同様にライト&クールな雰囲気なんだけど、Riversのソロに移った途端、色彩がダークになり、熱を帯びてくるカンジに変化するのが面白いですな。タイトルの「Tyrone」とは彼の息子の何に因んだものなどだとか。
「Plaza De Toros」
この曲のみYoungの作曲ではありません(Grant Green作品)。クラブ・シーンでも人気のこのラテン・チューンが僕の一番のお気に入りでもありヤス。スパニッシュ・テイストのGrant Greenのギターがサイコー!Youngの軽やかなで涼しげなソロもいいカンジ。Riversのソロにエスニックな香りを感じるのは僕だけだろうか?
「Paris Eyes」
ヨーロッパで一時期を過したYoungらしいスタイリッシュな1曲。Youngのプレイに思わずエッフェル塔の風景が浮かんできますね。Greenのギターはそれにマッチしているけど、Riversのサックスが野暮ったく聴こえるのが逆に面白いっす。
「Backup」
案外キャッチーなミディアム・ブルース。個人的にはSteven Soderbergh監督、George Clooney、Brad Pitt主演の映画『オーシャンズ12』あたりのサントラにぴったりなイメージがあるなぁ。『オーシャンズ11』ではなく、『オーシャンズ12』なのがミソ?
「Ritha」
この曲のみRiversが抜けたトリオでの演奏っす。実にエレガントで粋な演奏が印象的です。やっぱり、Riversは良くも悪くも野暮ったいのかなぁ???
Jack Mcduff、Lonnie Smithといったオルガン奏者についても、機会があれば紹介しますね。