2007年05月09日

Gino Vannelli『Brother to Brother』

Vannelli3兄弟の力が結集した1枚☆Gino Vannelli『Brother to Brother』
Brother to Brother
発表年:1978年
ez的ジャンル:3兄弟系AOR
気分は... :気分を取り直す意味で

今回はAORファンの間で絶大な人気を誇るGino Vannelliの代表作『Brother to Brother』(1978年)です。

僕はAORが好きだが、AORマニアではない。

AOR好きの人というのは、お洒落”“メロウ”“ロマンティック”“アダルト”“アーバン”といった言葉を連想させるキーボードを中心とした都会的で洗練されたサウンドが好きなのだと思う。僕もそういったサウンドが大好きだ。

一方で、そうしたサウンドがあまりに重視されすぎて、曲やボーカルは二の次といったカンジの作品も多い。

また、そうしたサウンドを支えるプロデューサー/ミュージシャンの名前がクレジットされているのみで“名盤”“傑作”の称号を与えられているケースも見受けられる。David FosterJay Graydonあたりが典型ですな。

どうもそのあたりの重箱の隅を突付くカンジに違和感を覚える僕なのでシタ...

さて、本日の主役Gino Vannelliです。
Gino Vannelliは1952年生まれのイタリア系カナダ人シンガーソングライター。1973年にデビューアルバム『Crazy Life』を発表していマス。

本音を言えば、この人もAOR好きの人に持ち上げられすぎ!というカンジですかね。

Gino Vannelliの作品は4、5枚持っていますが、悪くはないけど、特別騒ぐほど良くもないという印象です。

しかし、その中で唯一これは本当に名作だと思う作品が今回紹介する6thアルバム『Brother to Brother』(1978年)ですね。

本作では、これまでプロデューサーを務めてきた兄Joe Vannelliに、弟のRoss Vannelliも加わり、3兄弟の絆がミラクルな作品を生み出したというカンジですかね。

バックはCarlos Rios(g)、Jimmy Haslip(b)、Mark Craney(ds)、Joe Vannelli(key)、Victor Feldman(vib)、Ernie Watts(ts)、Manuel Brdrena(per)、Leon Gear(synb)といった布陣。特にギターのCarlosの活躍が目立ちますね。

ややもすると仰々しいサウンドが目立ってしまう人なのだけど、本作に限ってはそのあたりのバランスが絶妙だと思いマス。あとは楽曲も佳作が揃っているし、何よりGinoのボーカルが素晴らしいですね。

決して、雰囲気ではない、本格派のAORアルバムに仕上がっていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Appaloosa」
ロックフィーリングのオープニング。本作におけるCarlos Riosの存在感の大きさを確認できる1曲ですね。

「The River Must Flow」
個人的には一番のお気に入り曲。ラテン・タッチのメロウ・グルーヴ。この曲なんかは若い音楽ファンの方にも気に入ってもらえるのでは?Judy Robertsもカヴァーしています。

「I Just Wanna Stop」
全米ポップチャート第4位となったGinoのキャリア最大のヒット曲(弟Rossの作品)。AORファンが喜ぶロマンティックなバラッドです。見事にコントロールされたGinoのボーカルを堪能しましょう。

「Love and Emotion」
ロック調のミディアム・チューン。この曲にそっくりのJ-Popがあるんだけど、曲名、アーティスト名が思い出せない。

「Feel Like Flying」
クロスオーバー/フュージョンの色合いの強いメロウなミディアム・チューン。僕はやっぱりロック・テイストよりもこちらのテイストの方が好きだなぁ。

「Brother to Brother」
完成度の高さではアルバム随一のタイトル曲。Steely Danに通じるスリリングな演奏を堪能できマス。

「Wheels of Life」
シングルカットもされたメロウなラブ・バラード。「The River Must Flow」と並ぶ僕のお気に入り曲。個人的には「I Just Wanna Stop」よりも好きだなぁ。

結局、この後のGinoは本作を超える作品を生み出すことができなかったように思いマス。
posted by ez at 02:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月08日

Aretha Franklin『Lady Soul』

女王Arethaのアルバムで一番好きなのがコレ☆Aretha Franklin『Lady Soul』
レディ・ソウル+4
発表年:1968年
ez的ジャンル:ザ・レディ・ソウル
気分は... :601回目になってまシタ。

本当は今日は600回目のエントリーのはずだったのですが、
確認してみたら昨日が600回目でした。
少し間抜けですな(>_<)

まぁ、600回目だからといって何があるわけでもないのですが。
どこまで続くのかわかりませんが、今後もコツコツ書いていきマ〜ス。

さて、幻の“600回記念エントリー”用に考えていた1枚が今日紹介するAretha Franklin『Lady Soul』(1968年)デス。

女王Arethaはこれまで、「Respect」収録の出世作『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)、ニューソウル的な佳作『Young, Gifted And Black』(1972年)の2枚を紹介しましたが、個人的にArethaの最高傑作は本作『Lady Soul』(1968年)だと思っていマス。

アラバマのMuscle Shoals Sound StudioとメンフィスのAmerican studioで録音されたサザン・ソウルの魅力がぎゅっと凝縮の1枚ですね。この1枚を聴けば、なぜArethaが女王と呼ばれるのかが一発回答をもらえると思いマス。

「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」「Chain Of Fools」「Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby) 」といったシングル曲以外にも、名曲「Ain't No Way」をはじめ捨て曲なしのマスターピースですな。

本作はポップチャート、R&Bチャート、ジャズチャートでトップ3入りました。
案外、あるようでないのでは?これもArethaらしいですね。

Jerry Wexlerがプロデュースし、Tom Dowdがエンジニアを務めていマス。

Joe South(g)、Jimmy Johnson(g)、Bobby Womack(g)、Tommy Cogbill(b)、Roger Hawkins(ds)、Spooner Oldham(key)、King Curtis(sax)など当時の南部シーンを代表するミュージシャンがバックを固めていマス。

CarolynとErmaという二人の姉妹やCissy Houston(Whitney Houstonのお母さん)が在籍していたThe Sweet Inspirationsによるバック・コーラスもグッド! あとはEric Claptonがゲスト参加しているのも興味深いですね。

まさに“レディ・ソウル”の名に恥じない1枚だと思いマス

全曲紹介しときやす。

「Chain Of Fools」
全米ポップチャート第2位、R&Bチャート第1位となった大ヒット曲(Don Covay作品)。「Respect」と並んで、Arethaの全作品の中は最もお気に入りの曲です。

南部臭さプンプンのカンジがたまりませんな。ArethaとSweet Inspirationsによる♪チェチェイン、チェ〜イン♪の掛け合いだけでも聴き惚れてしまいますね。僕にとっては完璧な1曲。

「Money Won't Change You」
James Brown作品のカヴァー。かなりパンチの効いたArethaのダイナマイトなボーカルを堪能できマス。バックの演奏もサイコーにカッチョ良いですな。

「People Get Ready」
Impressionsの名曲カヴァー。ImpressionsやCurtis Mayfieldのバージョンとは異なる味わいがありマス。

「Niki Hoeky」
ロック系シンガーP.J.Probyによる1967年のヒット曲のカヴァー。そんな曲を見事なまでのサザン・ソウルに仕上げてしまっていマス。南部独特のグルーヴ感がたまりませんね。ここでもArethaとSweet Inspirationsの掛け合いが絶妙です。

「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」
1967年に全米ポップチャート第8位、R&Bチャート第2位となったシングル曲。Carole King/Gerry GoffinとJerry Wexlerの共作ですCarole自身のバージョンも名作『Tapestry』に収録されているので、聴き比べてみるのも面白いかも?

「Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby) 」
邦題「愛する貴方を失くして」この曲もシングルとして全米ポップチャート第5位、R&Bチャート第1位となった大ヒット曲。ポップでキャッチーな曲です。Arethaと前夫のTed Whiteの共作。二人でこんなタイトルの曲を書いたというのが何とも皮肉ですな。

「Good To Me As I Am To You」
この曲もArethaの自作曲。ブルージーなバラッドに仕上がっていマス。当時CreamのメンバーだったEric Claptonが参加し、雰囲気のあるギターを聴かせてくれます。

「Come Back Baby」
Ray Charlesのカヴァー。小気味良いアップテンポ感が何ともいいです。スピード感はアルバム中一番かもね。

「Groovin'」
本ブログでも紹介したYoung Rascalsの大ヒット曲カヴァー。オリジナルもソウルフルだったけど、それをさらにシブ〜くしたカンジです。この枯れ具合がなかなか。

「Ain't No Way」
アルバムのラストは名曲の誉れ高いバラッド。シングルB面曲ながら、全米ポップチャート第16位、R&Bチャート第9位となりました。姉Carolynの作品です。神聖な気持ちになり、魂が揺さぶられますね。天から響いてくる高音コーラスはCissy Houston。個人的にはMica Parisのカヴァーもよく聴きます。


今日はいろいろあってブルーな気分。
反省しようっと。
posted by ez at 13:54| Comment(2) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月07日

Ne-Yo『Because Of You』

前作からの変化を僕は評価しますが...☆Ne-Yo『Because Of You』
Because of You
発表年:2007年
ez的ジャンル:旬の男系R&B
気分は... :そんなことニ〜ヨ(;=_=)

今、どのCDショップへ行っても大プッシュのNe-Yoの最新作『Because Of You』っす。

以前に、この新作を『Know Me』のタイトルで発売予定と紹介している記事をいくつか見かけましたが、結局『Because Of You』のタイトルで発売されましたね。

きっと多くの方がブログで紹介している作品であり、本ブログで取り上げるまでもないのかもしれませんが、、個人的に前作『In My Own Words』(2006年)を紹介しそびれた負い目があるので(笑)

「Stay」「So Sick」「Sexy Love」といった人気シングルを含む大ヒット・デビュー作『「In My Own Words』については、早い段階で購入していたにも関わらず、何故か盛り上がるタイミングを逸してしまいまシタ。

何故盛り上がれなかったのか、自分でもよくわかりません???

さて、新作『Because Of You』ですが、賛否両論分かれているみたいですね。

イマイチの評価の方は、きっと『In My Own Words』で「Ne-Yo=美メロ」のイメージが確立し、本作にも「Stay」「So Sick」「Sexy Love」のような美メロの楽曲満載のアルバムを期待していたのかもしれませんね。

確かに、そういった観点から聴くと、多少物足りなさが残るアルバムかもしれませんね。

僕なんかは逆に、美メロだけじゃないのね!ってカンジで興味深く聴けたのですが。
本人も『In My Own Words』のイメージが、あまりに定着しすぎるのを避けたかったのでは?

あとはライターではなく、シンガー、パフォーマーとしての側面を強く打ち出したかったような気もしますね。

サウンド面では、80年代あたりのテイストを相当感じられたのは面白かったですね。実際、Ne-Yo自身も本作で60年代、70年代、80年代ソウル/R&Bを意識していたみたいデス。

この変化を前向きにとらえましょう!
あまりに成熟した美メロ、美メロを連発するよりも、若々しく、元気なカンジがあっていいのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Because Of You」
皆さんご存知のリードシングル。前作で「So Sick」を手掛けた、今乗りにノッているStargateプロデュース。PVも含めて、よく言われるように80年代のMichel Jacksonっぽいね。キャッチーで、そこそこメロディアスだし、みんなで聴いても楽しめそうだし、なかなかそつのない1曲だと思いマス。

「Crazy」
Jay-Zをフィーチャーした1曲。フィーチャーというより少し顔出ししました!って感じでしょうか(笑)。前作で「Stay」を手掛けたRon‘Neff-U’Feemsteがプロデュースしていマス。ヒンヤリ切なく淡々とした感じがいいのでは?

「Can We Chill」
Omarion『21』でも紹介した注目の有望株Eric Hudsonがプロデュースしたミッド・チューン。Omarion「Entourage」に通じるアダルト・ムードのメロウなダンス・ナンバーに仕上がっていマス。個人的にはかなりのお気に入りですな。オレもチルしたいね(笑)

「Do You」
「So Sick」が好きな人は気に入るタイプの曲ですね。女の子はこういう曲好きなんだろうね。

「Leaving Tonight」
Supremesのエントリーでも紹介した、『Dreamgirls』でアカデミー助演女優賞を受賞したJennifer Hudsonをフィーチャー。必ずしもNe-Yoらしい曲ではないのかもしれないけど、古き良きソウルへのリスペクトが感じられる佳作だと思いマス。『Dreamgirls』でBeyonceを喰ってしまったように、Jennifer Hudsonが目立ちすぎですが(笑)

「Ain't Thinking About You」
前述のEric Hudsonプロデュースのアップ・チューン。きっとNe-Yoファンのイメージとは異なるタイプの曲だとは思いますが、いい曲だと思いマス。iPodでEric Hudson作品集を作りたくなってきてしまいマス☆

「Sex With My Ex」
タイトルからお察しの通り、甘く危険な媚薬のようなセクシーなダンス・チューン。80年代っぽいサウンドがいいカンジですな。もしかしたら一番好きかも?

「Angel」
この曲もいいですな。♪I'm In Love〜♪I'm In Love〜♪のフレーズが天高く響き渡っていくカンジが実に気持ちいい1曲。Syienceプロデュース。

「Make It Work」
Shea Taylorプロデュースのメロウ・チューン。♪Ay oh ay oh〜♪部分が♪ええよ〜ええよ〜♪と聞えてしまう僕です(笑)

「Go On Girl」
Stargateプロデュースのアコースティックな美メロ・ソング。美メロ系の曲ならば、この曲が一番好きかなぁ。

まだまだその才能の片鱗しか見せていないカンジが逆に楽しみですね。
posted by ez at 04:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月06日

GW特別企画☆『ジャケット・アートの世界〜ボディ・ペインティング編』

ジャケット・ネタ3連発のラストです。

今回はボディ・ペインティングを用いたジャケを集めてみまシタ。

Joss Stone『Introducing』Kelis『Kaleidoscope』A Tribe Called Quest『The Low End Theory』のジャケのがボディ・ペインティングつながりだと気づいたら、なんかうれしくなりましたねっ☆

Joss Stone『Introducing Joss Stone』(2007年)
Introducing Joss Stone

Kelis『Kaleidoscope』(1999年)
Kaleidoscope

A Tribe Called Quest『The Low End Theory』(1991年)
The Low End Theory

A Tribe Called Quest『The Anthology』(1999年)
Anthology

Arthur Brown『The Crazy World of Arthur Brown』(1968年)
The Crazy World of Arthur Brown

Original Soundtrack『Casino Royale』(1968年)
Casino Royale [Original Soundtrack] [DVD Audio + DVD Video] [Dual Disc]

Original Soundtrack『Goldfinger』(1964年)
Goldfinger: Original Motion Picture Soundtrack

Buckcherry『Buckcherry』(1999年)
Buckcherry

Elephant's Memory『Elephant's Memory』(1972年)
Elephant's Memory

East of Eden『Mercator Projected』(1969年)
Mercator Projected

Kelis『Kaleidoscope』Arthur Brown『The Crazy World of Arthur Brown』あたりは、通常の紹介でも取り上げたいと思っています。

Elephant's Memoryは、John Lennonとの活動で有名なあのグループです。

明日からは通常の紹介に戻りマ〜ス。
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(1) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月05日

GW特別企画☆『ジャケット・アートの世界〜2×2、3×3、4×4』

今日もジャケット・ネタです。

今回は2×2、3×3、4×4のマトリックスを用いたジャケを集めてみまシタ。

Beatles『Let It Be』に代表されるように、
4人グループがメンバーの顔写真を配した2×2のマトリックスは定番ですね。

3×3、4×4のマトリックスは9人グループ、16人グループというわけにはいかないのですが...(笑)

The Beatles『Let It Be』(1970年)
Let It Be

Kiss『Dynasty』(1979年)
Dynasty

Gorillaz『Demon Days』(2005年)
Demon Days

Talking Heads『Remain in Light』(1980年)
Remain in Light

Queen『Hot Space』(1982年)
Hot Space

Pink Floyd『A Nice Pair』(1973年)
Pink Floyd A Nice Pair {Import}

Elton John『Leather Jackets』(1986年)
Leather Jackets

Cecil Taylor『Unit Structures』(1966年)
Unit Structures

U2『Achtung Baby』(1991年)
Achtung Baby

The Who『Face Dances』(1981年)
Face Dances

なんか懐かしいカンジのラインナップになりましたね。
Pink Floyd『A Nice Pair』はオリジナル盤ではなく、編集盤なのが少しズルいのですが...

明日もジャケGW第3弾にしようかな??
posted by ez at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする