2007年06月18日

Gloria Estefan & Miami Sound Machine『Let It Loose』

この軽いラテンのりが何ともいいですねぇ!☆Gloria Estefan & Miami Sound Machine『Let It Loose』
Let It Loose
発表年:1987年
ez的ジャンル:ラテン系ダンス・ポップ
気分は... :1・2・3・4・5...

日曜、月曜と山梨へ行ってきまシタ。
温泉に浸かり、自然に触れ...先週のバタバタ状態から暫し解放されてホッと一息☆
やっぱり人間は時にはリフレッシュしないと駄目ですな。

さて、今回は今や国民的歌手となったGloria Estefanが大ブレイクするきっかけとなった作品、Gloria Estefan & Miami Sound Machine『Let It Loose』(1987年)デス。

Gloria Estefanは1957年にキューバで生まれ、1960年代に家族と共にマイアミへ移住しまシタ。1975年に後に夫となるEmilio Estefanのグループに参加し、その後グループはMiami Sound Machineと名乗るようになります。

グループは7枚のスペイン語アルバムを発表し、ラテン・アメリカ圏では一定の人気を獲得していましたが、英語圏マーケットへの進出にも強い意欲を示します。

そんな中で英語アルバム第一弾『Eyes Of Innocence』を発表します。シングル「Dr. Beat」はUKでヒットし、まずますの滑り出しを見せまシタ。続く『Primitive Love』(1985年)からは「Conga」「Bad Boy」「Words Get In the Way」からは3曲の全米トップ10ヒットが生まれ、一気に全米でも注目のグループとなりマス。

そして、大ブレイクを迎えたのが本作『Let It Loose』(1987年)です。
本作からは全米ポップチャートNo.1に輝いた「Anything for You」をはじめ、「Rhythm Is Gonna Get You」「Can't Stay Away from You」「1-2-3」という4曲を全米トップ10へ送り込み、その地位を不動のものとします。

1989年には1stソロ『Cuts Both Ways』を発表し、国民的歌手への道を歩み始めるGloriaですが、僕はやっぱりMiami Sound Machine時代の印象が強いですね。

正直、リアルタイムで聴いていた時はグループの背景など知らず、ラテンのイメージを巧みに使って商業的成功を狙ったポップ・グループのような少し軽い見方をしていたのは事実デス。

でも、Gloria Estefanがその地位を固めるにつけ、逆にMiami Sound Machineの軽いテイストに愛着を感じるようになってきまシタ。また、スロウの胸キュン具合はMiami Sound Machine時代から抜群であり、キャッチーなポップ・ダンスと胸キュン・スロウの組み合わせがアルバムの魅力となっていマス。

80年代らしさ満載のアルバムで楽しく盛り上がろう!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Betcha Say That」
本作からシングルカットされた曲の中で唯一不発に終わったのが信じられないくらいよく出来たメロウなミッド・グルーヴ。

「Let It Loose」
タイトル曲は歌謡ラテン・ポップといった趣。これはかなりB級感が漂っていマス(笑)

「Can't Stay Away from You」
シングルカットされ全米ポップチャート第6位となったヒット曲。Gloria Estefanの魅力が前面に押し出された、しっとりとしたスロウです。

「Give It Up」
Sadeあたりに通じるジャジーな雰囲気を持った曲。シングル曲以外であれば一番好きかも?

「Rhythm Is Gonna Get You」
邦題「リズムでゲット・ユー」。アルバムからの第1弾シングルとして全米ポップチャート第5位となったヒット曲。ラテンのリズムと当時流行のミネアポリス・ファンクを融合させたポップ・ダンスです。♪オェ〜、オェ〜♪掛け声を一緒に歌ってしまいますねぇ。

「Love Toy」
妖しげなラテン・ムードのミッド・グルーヴ。音がとっても80年代していて懐かしいカンジですね。

「I Want You So Bad」
静寂と、切なさと、愛しさが入り混じるようなスロウ。じんわりときますなぁ。

「1-2-3」
シングルカットされ全米ポップチャート第3位となったヒット曲。単純でわかりやすいラテン・ダンス・ポップだけど、それが逆に魅力ですよねぇ。やっぱりこの曲が一番好きだなぁ。

「Anything for You」
全米ポップチャート第1位に輝いた大ヒット曲。このスパニッシュなロマンティック・ムードは、僕のような胸キュン好きにはたまりませんな。Gloria Estefanが国民的歌手となる足掛かりとなった1曲ですね。

リフレッシュしたので明日からまた頑張りマ〜ス!
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2007年06月17日

Latin Playboys『Latin Playboys』

ビールが飲みたくなるローファイ加減がたまらん☆Latin Playboys『Latin Playboys』
Latin Playboys
発表年:1994年
ez的ジャンル:ローファイ&チカーノ系オルタナ・ロック
気分は... :乾き具合がいいね...

この間、たまたまTVでRobert Rodriguez監督、Antonio Banderas、Johnny Depp主演の映画『レジェンド・ オブ・メキシコ(Once Upon a Time in Mexico)』を観まシタ。

『El Mariachi』、『Desperado』と並ぶRobert Rodriguez監督のエル・マリアッチ三部作の1本ですが、観ているうちに何故か1枚のアルバムが頭に思い浮かんだのでシタ...

それが今日紹介する1枚Latin Playboys『Latin Playboys』(1994年)っす。

Latin Playboysは、David HidalgoLouie PerezというLos Lobosのメンバー二人と、売れっ子プロデューサー&エンジニアリングのコンビであるMitchell FroomTchad Blakeという4人によって組まれたユニット。

正直Los Lobosは「La Bamba」のイメージが強くて、どうも苦手でしたね。
なので、きちんとLos Lobosの作品をフォローしていたわけではありませんでシタ。

このLatin Playboysも雑誌などの前評判で興味はあったのですが、Los Lobos絡みと聞いて少し?マークだった記憶がありマス。まぁ、僕の場合はSoul Coughing『Ruby Vroom』をプロデュースしたTchad Blakeとその相棒のMitchell Froomeへの関心で聴いたのですが...

でも、聴いてビックリ☆僕の抱いていたイメージとは全然異なっていまシタ。
実験的で、ローファイで、ワールド・ミュージックで、しかもチカーノ・テイスト!

聴いていると、とてもビールが飲みたくなる!
そんな1枚ですよ☆

オススメ曲を紹介しときやす。

「Viva la Raza」
オープニングはワールド・ミュージックな1曲です。子供の声のサンプリングに中東フレイヴァーなサウンドがローファイなテイストでまとめられていマス。

「Ten Believers」
ポストロックにほんのりチカーノ・テイストが香る1曲。クールに決めてくれマス。かなりカッチョ良いんじゃないかい!

「Chinese Surprise」
だらだらしながら、ビールでも煽りたくなる1曲。ローファイなサウンドが気だるさ感を強調していいカンジですな。

「Manifold de Amour」
映画『Desperado』のサントラにも収録されていた、哀愁のローファイ・チカーノ・サウンド。

「New Zandu」
この曲はかなりロックしていますね。単純にアルバムで一番カッチョ良い曲かも?この曲こそ『Desperado』あたりのサントラにピッタリだと思うのですが...Antonio Banderasの決めポーズと実にマッチした曲だと思いマス。

「If」
この曲も実に雰囲気のあるデザート・ロックですな。クソ暑い昼間に汗をダラダラ流しながら聴きたい1曲デス。

「Same Brown Earth」
アヴァンギャルドなローファイ・ワールド・ミュージックといった趣の1曲。

「Lagoon」
さりげないけど、なかなか味わい深い2曲。こんな曲を聴きながら、ゆっくり昼寝したいなぁ。

「Pink Steps」
幻想的な白日夢のような1曲。何か変な夢でも見てしまいそう〜!

「Forever Night Shade Mary」
この曲も映画『Desperado』のサントラ収録曲。素朴なチカーノ・サウンドが激シブで何ともいいですねぇ〜!

このローファイ感覚はなかなかありそうでないサウンドだと思いマス。
クソ暑い日に聴くにはピッタリの1枚だと思いマス。
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2007年06月16日

G.C.Cameron『Love Songs & Other Tragedies』

Spinnersからソロに転向した第1作目☆G.C.Cameron『Love Songs & Other Tragedies』
ラヴ・ソングス&アザー・トラジディーズ
発表年:1974年
ez的ジャンル:声の魔術師系R&B
気分は... :白のスーツがよく似合いますな♪

ここのところ、かなりバタバタ&睡眠不足( ̄▽ヾ)ネムー
昨日もブログ更新できませんでした。

今月はこんなカンジで月末まで突入しそうな雰囲気...
何もしないで1日ボーッとできる日が欲しいですな。

今回は元SpinnersG.C.Cameronのソロ第1作目『Love Songs & Other Tragedies』(1974年)です。

G.C.Cameronといえば、The Spinnersのリード・ボーカルとして有名ですよね。1967年から1971年までグループに在籍し、若いリスナーからも高い人気を誇るクラシック「It's a Shame」Stevie Wonder作品)のボーカルは多くの人が耳にしたことがあるのでは?

その後、Spinnersを脱退したG.C.Cameronはソロ活動を開始し、1974年に本作『Love Songs & Other Tragedies』、1976年に『G.C.Cameron』1977年に『You're What's Missing In My Life』といった作品を発表していマス。また、本ブログでも紹介した元Stevie Wonderの奥方Syreetaとのデュエット・アルバム『Rich Love, Poor Love』(1977年)も発表していマス。

2003年には何とTemptationsに加入していマス。
なんかイメージ湧きませんな。

『Love Songs & Other Tragedies』のライナーノーツを読むと、お馴染み鈴木哲志氏がG.C.Cameronのボーカルを“声の魔術師”と称していますが、本作を聴くとそれが納得できますね。

単に上手いというのではなく、万華鏡のようなさまざまなボーカル・スタイルを難なくこなしてしまうというのが凄いと思いますね。

制作陣にはWillie Hutch等に加え、Stevie WonderMarvin Gayeといった大物二人も名を連ねていマス。決してヒットした作品ではありませんが、70年代ソウルにご興味がある方は歓喜する作品だと思いますよ。

全曲紹介しときヤス。

「If You Don't Love Me」
オープニングはStevie Wonderのプロデュース&作品です。シングルにもなったキャッチーなグルーヴ・チューン。いかにもStevieらしい楽曲&アレンジに合わせて、Cameronが声の魔術師ぶりを聴かせてくれマス。

「Came Get This Thang」
Willie Hutchプロデュース&作品。Norman Whitfieldも関わっているみたいデス。The Isley Brothersばりのファンキー・グルーヴっす。Cameronの声もRonald Isleyっぽいですな。

「I'm Gonna Give You Respect」
本作のハイライトと呼べるWillie Hutchプロデュースのカッチョ良いミッド・グルーヴ。バックコーラスがMarvin GayeとWillie Hutchという豪華さもたまりません。確かにイントロからヴォーカルの入りあたりはMarvinしてますな。男の色気に溢れた1曲なのでは?

「If You're Ever Gonna Love Me」
Frank Johnson作。全然知らないけど、南部のライターの人らしいです。イナたいサザン・ソウルに仕上がっていマス。

「Let Me Down Easy」
シングルにもなったVan McCoy/Joe Cobb作のスウィート・ソウル。声の魔術師ぶりを思う存分見せつけてくれる1曲ですね。

「All In Love Is Fair」
お馴染みStevie Wonderの名曲。Stevieのバージョンは本ブログでも取り上げた『Innervisions』に収録されていマス。Stevieのバージョンとは異なる肌触りの仕上がりですね。

「Riverboat」
Cameronのファルセットを堪能できるFrank Wilsonプロデュースの哀愁スロウ。なかなか味わい深い1曲に仕上がっていマス。

「Your Love Won't Turn Me Loose」
Willie Hutchプロデュース&作品。Gene Pageなどがアレンジしていマス。なかなかパンチが効いたミッド・グルーヴで、密かにかなり好きです。

「You Forgot To Remeber Me」
オーソドックスなソウルマナーのスロウ。元Spinnersというイメージで言えば、こういった曲が1曲くらいあってもいいのかね。

「Tippin'」
Cameron自身の作品をWillie Hutchがプロデュース。ボーカル・アレンジはMarvin Gayeが担当していマス。そのせいかMarvinっぽくていいカンジです。

G.C.Cameronのソロで僕が持っているのは本作のみ。
ぜひ、『G.C.Cameron』(1976年)、『You're What's Missing In My Life』(1977年)、『Rich Love, Poor Love』(1977年)も聴いてみたいですね。

そう言えば、Spinnersも紹介していませんでしたね。
そのうち、取り上げますのでご期待を!
posted by ez at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

Amerie『Because I Love It』

最近のイチオシ女性R&B☆Amerie『Because I Love It』
Because I Love It
発表年:2007年
ez的ジャンル:ダンサブル&ポップ系女性R&B
気分は... :これを聴くと仕事がバッチリ!

昨年後半あたりから、男性R&Bと比較して女性R&Bの不作を嘆いている僕ですが、最近僕のそんな不満を一気に解消してくれたのがAmerieの3rdアルバム『Because I Love It』です。

2002年にデビュー・シングル「Why Don't We Fall In Love」、1stアルバム『All I Have』で鮮やかなデビューを飾ったAmerie(本名Amerie Mi Marie Rogers)。韓国系のハーフだったんですね。全然知りませんでした。

僕がAmerieを意識するようになったのは、2005年の2nd『Touch』からの大ヒット「1 Thing」ですね。
ただし、特別にお熱を上げることもなく、元気あって美脚だねぇ!というあたりで止まっていまシタ。

そんな僕がCDショップで本作を試聴したのが約半月前です。
特に期待もせずに聴いたのですが、あまりのキャッチーな仕上がりにビックリしました。
“Amerieってこんな良かったっけ?”

制作陣を見てみると、1st、2ndとがっちりタッグを組んできたRich Harrisonが今回は不参加ですね。
その分、Bryan Michael Cox、Cee-Loなど多彩なプロデューサー陣が参加しています。Amerie自身もこれまで以上に制作に深く関わっているみたいですね。

とにかく飽きさせないでテンポよく1枚を聴かせてくれるカンジです。
昨日、新潟へ日帰り出張だったのですが、往復の新幹線の中でずっと本作を聴きながら、仕事のアイデアを整理していたら、エラく捗りまシタ。

この調子で今日も『Because I Love It』を聴いて、仕事をバシバシやっつけようっと!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hate 2 Love U」
Kool & The Gang「Give It Up」ネタのファンキー・チューン。とってもキャッチーなはじけ具合いが好きですねぇ。試聴でこの曲を聴いた時点で購入を決断していまシタ。

「Some Like It」
Malcolm McLaren「World's Famous」をモロ使いした1曲。Amerie云々よりもMalcolm McLarenの懐かしさにグッときましたね。元ネタの良さが全てでしょう。Malcolm McLaren『Duck Rock』(1983年)は話題の1枚でしたね。当時はインチキ臭さがプンプンしていましたが、いまやクラシックの扱いですからねぇ...

「Make Me Believe」
Curtis Mayfield「Make Me Believe In You」(アルバム『Sweet Exorcist』収録)のリメイク。Curtisファンとしては多少ビミョーな気もしますが、まぁAmerieならいいっか!

「Take Control」
Cee-Loも共同プロデュースで参加した先行シングル。なかなか切れ味鋭いシャープなダンス・ナンバーに仕上がっていますね。Tom Ze「Jimi Renda-Se」、Hall & Oates「You Make My Dreams」ネタ。

「Gotta Work」
いきなり名曲「Hold On I'm Coming」 のホーン・ネタでグッときますね。Beyonce「Crazy In Love」なんかもそうだったけど、オッサン臭いホーン・ネタとダンサブルな女性R&Bの組み合わせって、何か不思議なケミストリーがありますな。

「Crush」
80年代を思わせるレトロなエレクトリック・サウンドが特徴のミッド・チューン。僕のようなオヤGリスナーにはピッタリですっ!今の時代、こういったサウンドが逆に新鮮なのかもしれませんね。

「Crazy Wonderful」
キュートでセクシーなミッド・チューン。なかなか胸キュン度高い1曲ですね。

「When Loving U Was Easy」
モロに僕好みの胸キュン・スロウ。やっぱり女性R&Bはこういったスウィート&メロウな曲がないとね。アルバムで一番好きデス。

「Paint Me Over」
美しくも、悲しいムードがなんとも切ない1曲。Willie Hutch「Mother's Theme (Mama)」ネタ。

「Somebody Up There」
Bryan Michael Coxプロデュース。切々とした歌が胸に染みてきますなぁ。

「All Roads」
エンディングは感動的なスロウ。なんかAmerieからパワーをもらえそうなカンジがする1曲。James Ingram & Patti Austin「How Do You Keep The Music Playing?」ネタ。

こういった元気でキュートな女性R&Bならば、いくらでも大歓迎ですね。
posted by ez at 07:38| Comment(0) | TrackBack(1) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月13日

Pharoah Sanders『Izipho Zam』

頭の中がカオス状態、そこで聴きたくなったのが....☆Pharoah Sanders『Izipho Zam』
Izipho Zam
録音年:1969年
ez的ジャンル:アフロ・アメリカン系スピリチュアル・ジャズ
気分は... :カオス状態を楽しもう!

昨日は日帰り出張などバタバタ状態だったため、更新をサボってしまいまシタ。

いろいろあって頭の中がカオス状態、そこで聴きたくなったのが....

スピリチュアルなサックス奏者Pharoah Sandersの本ブログ3回目の登場です。

『Elevation』(1973年)、『Rejoice』(1981年)に続く3枚目の作品は『Izipho Zam』(1969年)です。

以前のエントリーでも書きましたが、スピリチュアルな音楽を聴きたいと思った時の僕のファースト・チョイスがPharoah Sandersです。

Pharoahの音楽から感じるスピリチュアルでコズミックな高揚感って、明らかに他のアーティストにはない何か特別なものがあるんですよねぇ。

そんなPharoahの作品の中で一番最初に聴いたのが本作『Izipho Zam』(1969年)です。お馴染みの名曲「Prince of Peace」が収録されていマス。

90年代前半にAcid Jazzに熱中していた方にとってはGallianoのカヴァーが有名ですよね(アルバム『A Joyful Noise Unto the Creator』収録)。元Style CouncilのMick TalbotプロデュースでValerie Etienneの艶やかな女性ボーカルをフィーチャーしたこのカヴァーはAcid Jazzブームを代表する曲の1つでしたよね。

僕もGalliano経由で本作『Izipho Zam』に辿りついたパターンでした。
でもGallianoのスタイリッシュなカヴァーのイメージで聴いたらビックリ!
そこには大地の底から響き渡る崇高なサウンドとLeon thomasのヨーデル・ボーカルが....

最初は戸惑いましたが、インパクトがあったことは確か!
そこからPharoahの小宇宙にハマった僕なのでした...

さて、本作『Izipho Zam』『Tauhid』(1966年)に続く2作目のリーダー作。『Tauhid』John Coltraneのグループに在籍中の録音だったので、John Coltrane死後としては最初の録音になるのでは?実際の発売は1973年まで待たねばならないのですが...

メンバーはPharoah Sanders(sax、per)、Leon thomas(sax、per)、Sony Sharrock(g)、Lonnie Liston Smith(p)、Sonny Fortune(as)、Howard johnson(tuba)、Cecil McBee(b)、Sirone(b)、Billy Hart(ds)、Majeed shabazz(ds)、Chief Bey(afds)、Net Bettis(per)、Tony Wylie(per)といったところ。

全3曲。気楽に聴くには向いていませんが、音楽から何かを感じ取りたい人にとってはピピッとくる作品ですよ。

全曲紹介しときヤス。

「Prince of Peace」
神秘的なパーカッションと大地の祈りのようなLonnie Liston Smithの幻想的なピアノをバックに、♪エイエイエイエイウォ〜♪ララララララ〜♪というLeon thomasのヨーデル・ボーカルが炸裂します。ぜひGallianoのカヴァーとセットで聴いて欲しいですね。

「Balance」
PharoahのサックスとHoward johnsonチューバが絡みながらドロドロとしたカオスの世界へ突入します。何なんだ、この激しさは! でも、単にやかましいのではなく、しっかりとした躍動感があるのが退屈しませんね。Sony Sharrockのギターがなかなかいいカンジです。

「Izipho Zam」
28分を越す大作。前半はアヴァンギャルドな演奏をバックにLeon thomasが吠えまくります。その後オリエンタルでアフリカンという実にミステリアスな雰囲気へ...Sony Sharrockのギターが加わるあたりからグッと雰囲気が出てきマス。Pharoahのサックスが加わる頃にはかなりキャッチーでカッチョ良い演奏となり、スリリングでパーカッジヴな後半から最後は大カオス状態でピークを迎えます。ここでのSony Sharrockはサイコー!ですな

この曲でのアフリカン・ドラムの盛り上がりは初期のEarth,Wind & Fireあたりにも通じるのでは?

今現在の僕が考える“Jazz”のイメージに最も近いのは、Miles DavisでもJohn Coltraneでもなく、Pharoah Sandersかもしれません。
posted by ez at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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