2007年06月06日

Brother Jack McDuff『Live!』

ご機嫌な夜にはゴキゲンなライブで!☆Brother Jack McDuff『Live!』
Brother Jack McDuff Live!
録音年:1963年
ez的ジャンル:ソウルフル・オルガン・ジャズ
気分は... :ご機嫌だねっ!

なかなかご機嫌モードでこの記事を書いてマ〜ス。

こんな日はゴキゲンな演奏を聴かせてくれる作品を!ということでジャズ・オルガン奏者Brother Jack McDuffによるゴキゲンなライブ作品『Live!』(1963年)をセレクト!

Jack McDuff(1926-2001年)は、Blue Noteを代表するジャズ・オルガン奏者Jimmy Smithに対抗するために、Prestigeが売り出したライバルという位置づけだったみたいですね。

僕のイメージでは、ジャズ・オルガンのパイオニアがJimmy Smithであり、Jack McDuffはオルガン・ジャズをよりソウルフルなベクトルへ昇華させた人というイメージが強いのですが...


ジャケは『Live!』(1963年)のものですが、現在のCDは同じ1963年のライブ・レコーディングである『Live! at the Jazz Workshop』との2in1になっていてお買得になってマス。前者がNJのThe Front Roomでのライブ、後者がシスコのThe Jazz Workshopでのライブです。

メンバーは『Live!』がJack McDuff(org)、George Benson(g)、Red Holloway(ts)、Joe Dukes(ds)の4人。『Live! at the Jazz Workshop』は『Live!』のメンバーにHarold Vick(ts、fl)が加わった二管編成になっていマス。

何といっても若き日のGeorge Bensonの演奏を聴けるのが嬉しいですね。当時無名の新人だったBensonに目をつけるあたりがMcDuffのすごいところですね。McDuffのバックアップを受けたBensonは、このライブの翌年に初のリーダー作『The New Boss Guitar』をレコーディングし、輝かしいキャリアをスタートさせることとなりマス。

本作に話を戻すと、全体としてブラック・フィーリングの濃いソウルフルな演奏となっていマス。

普段ジャズをあまり聴かないR&B/Soulファンにもオススメの1枚ですね。
ボッサな演奏もあり、案外今の時代にマッチした1枚なのではと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Rock Candy」
『Live!』では何といってもこのゴキゲンなオープニングが好きですね!この1曲でこのアルバムが好きになりまシタ。ソウルフルなフィーリングが単純にカッチョ良いですよね。これぞJack McDuffというカンジがします。弱冠20歳のBensonの演奏もなかなか。初々しいながら実にソウルフルです。

「It Ain't Necessarily So」
Ira Gershwin & George Gershwinによる名作オペラ『Porgy And Bess』からの1曲。ピアノ&オルガンによるブルージーな演奏を聴かせてくれマス。

「Sanctified Samba」
軽いラテン・タッチのソウル・ジャズな1曲。オルガン・ジャズらしい演奏ですよね。Bensonのソロがいいカンジですね。

「Whistle While You Work」
ディズニー映画『白雪姫』からのお馴染みの1曲(Larry Morey作詞、Frank Churchill作曲)。そんな有名曲をソウルフルに聴かせてくれマス。僕は何故かこの曲を聴くとスーパーの食品売場のBGMを思い出してしまうのですが(笑)

「Blues 1 & 8」
ここからが『Live! at the Jazz Workshop』の収録曲デス。オープニングの「Blues 1 & 8」はファンキーなスピード感がいいカンジですね。

「Passing Through (Harvest) 」
Vickのフルートが実に涼しげで印象です。このグループはヒートアップした熱い演奏が売りですが、この演奏は珍しく涼しげですね。

「Vas Dis」
『Live! at the Jazz Workshop』ではこのヒートアップしまくりの演奏が一番お気に入りですね。かなりのハイテンションですね。

「Somewhere in the Night」
「Vas Dis」でのヒートアップをクールダウンするかのようなメロウでボッサな1曲。夏の夕暮れあたりに似合う曲ですね。

「Jive Samba」
最後はCannonball Adderleyの演奏でお馴染みのボッサ・ナンバー(Nat Adderley作品)。基本的にはCannonball Adderleyのものが一番だと思いますが、これはこれで悪くないっす。

本作以外ではBlue Noteで吹き込んだ『Moon Rappin'』(1969年)も愛聴盤です。

あとは多分未CD化だと思うのですが、『To Seek A New Home』(1970年)、『Sophisticated Funk』(1976年)あたりも聴いてみたいですね。『Sophisticated Funk』に関しては、超エロいジャケもお目当てなのですが(笑)
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2007年06月05日

Jesse Davis『Jesse Davis』

ユルユル・スワンプで心も身体もリラックス!☆Jesse Davis『Jesse Davis』
ジェシ・デイヴィスの世界
発表年:1970年
ez的ジャンル:ネイティヴ・アメリカン系スワンプ・ロック
気分は... :いろいろあるけれど...

今回はユルユルのスワンプ・ロックで決めたい気分!
かなり好きな1枚Jesse Davisの1stソロ『Jesse Davis』(1970年)の紹介です。

スワンプ・ロックを代表するギタリストJesse Ed Davis(1944-1988年)は、コマンチ族の父とキオワ族の母を持つネイティヴ・アメリカン。

LAで後にThe BandのメンバーとなるLevon Helmやスワンプ・ロックの牽引役となるLeon Russellらとの活動を経て、Taj Mahalのグループに参加しマス。

1968年にRolling Stonesが企画・制作した幻のTVスペシャル『Rock And Roll Circus』に出演するために、Taj Mahalらと渡英しEric Claptonらとの親交を深めマス。

そしてClaptonらのバックアップを受けて制作された1stソロが本作『Jesse Davis』(1970年)です。

Eric ClaptonLeon Russell、Gram Parsons、Larry Knechtel、Ben Sidran、Billy Rich、Chuck Blackwell、Alan White等の腕利きミュージシャンが集まり、Delaney Bramlett、Glyn Johnsらもリミキシングやエンジニアとして参加していマス。

その後、『Ululu』(1972年)、『Keep Me Comin'』(1973年)という2枚のソロ・アルバムを発表しますが、1980年代になると目立った活動を聞かなくなり、1988年に43歳の若さで死去しまシタ。

本作はまずはジャケがインパクトありますよね。
くわしくは知りませんがJesseのお父さんが描いたものらしいですね。
僕の中では秀作ジャケのかなり上位に位置するものですね。

そんなジャケの印象も手伝って、ネイティヴ・アメリカンによるスワンプ・ロックってどんな音なんだろう?というのが本作への最初の興味でしたかね。あまりそういった先入観で聴いてはいけないのですが...

実際に聴いてみると、ユルユルでルーズな感じがモロに好みでしたね。
個人的には、スワンプってナチュラルな生き方そのものが反映されているカンジがして好きなのですが、まさにそんなサウンドのアルバムに仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「Reno Street Incident」
このユルユル感がたまりませんね!僕がイメージするスワンプって、このユルさなんですよね。何ともいえない脱力感がホッと心を落ち着かせてくれますねぇ。実に雰囲気があるオープニングです。

「Tulsa County」
タルサの名を聞いただけで、タルそうでいいですな(笑)ほのぼのとしたユルさが大好きですね。Jesseの下手くそボーカルが逆に枯れた味わいがあってなかなかいいんですよねぇ。

「Washita Love Child」
Claptonのギターソロが堪能できるアルバムで一番お気に入りの曲。Claptonファンは絶対に気に入るでしょうね。この疾走感はかなりカッチョ良いですよ!ClaptonとDuane AllmanがバトルするDerek & The Dominos「Why Does Love Got To Be So Sad?」あたりとセットで聴くのが僕のお気に入りパターンですね。

「Every Night Is Saturday Night」
「Washita Love Child」の勢いをそのまま受け継いだこの曲もかなりいいカンジですね。クラリネットなども加わり、ディキシージャズ風の仕上がりもなかなかですね。

「You Belladonna You」
ユルさの中に神聖なムードが漂う奥深い1曲。独断ですが、もしJohn Lennonがスワンプしていたらこんなカンジになったんじゃないかなぁ。

「Rock & Roll Gypsies」
後にJesseがプロデュースするRoger Tillisonの作品。ぼくとつとしたカンジが男気があっていいですね。

「Golden Sun Goddess」
アルバムの中では唯一小洒落た1曲ですね。アルバムの雰囲気にはそぐわない気がしますが、曲の仕上がり自体はかなりいいですね。

「Crazy Love」
ご存知Van Morrisonの名曲のカヴァー。Vanの枯れ具合いとは別の枯れ方ですね。なんか続けてThe Bandが聴きたくなりますね。Van Morrisonバージョンも近々紹介しますね。

Jesseのプレイはさまざまなアーティストの作品でも聴くことはできマス。

主なところを挙げておくと、Taj Mahal『The Natch'l Blues』、『Giant Step』、Leon Russell『Leon Russell And the Shelter People』、V.A.『The Concert for Bangla Desh』、Jackson Browne『Jackson Browne』、John Lennon『Walls And Bridges』、『Rock 'n' Roll』、George Harrison『Extra Texture (Read All About It)』、Eric Clapton『No Reason to Cry』、Rod Stewart『Atlantic Crossing』、井上陽水『二色の独楽』などです。気付かぬうちにJesseのギターを聴いていたという方もいるのでは?
posted by ez at 05:10| Comment(2) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月04日

Nice & Smooth『Ain't A Damn Thing Changed』

文句なしのHip-Hopクラシック☆Nice & Smooth『Ain't A Damn Thing Changed』
Ain't a Damn Thing Changed
発表年:1991年
ez的ジャンル:Hip-Hopクラシック
気分は... :まさにナァ〜イスd(^ ^)!

久々にHip-Hopクラシックを紹介しますね。
Nice & Smoothの名作2nd『Ain't A Damn Thing Changed』(1991年)です。

先日渋谷タワーのHip-HopコーナーをウロウロしているとHip-Hopクラシックのコーナーを発見、すると目立つように本作がディスプレイしてありまシタ。まだ本ブログで未紹介であったことを思い出し、我が家のHip-Hopコーナーの奥のほうから引っ張り出し久々に聴いた次第っす。

Nice & SmoothGregg NiceSmooth Beeのユニット。1989年に1stアルバム『Nice & Smooth』でデビュー。2ndとなる本作『Ain't A Damn Thing Changed』(1991年)で一躍シーンに名を轟かせまシタ。その後3rd『Jewel of the Nile』(1994年)、4th『Blazing Hot, Vol. 4』(1997年)といったアルバムを発表していマス。

僕はリアルタイムで『Ain't A Damn Thing Changed』を購入しましたが、当時はHip-Hopシーンについての情報が殆どなく、CDショップのPOP広告あたりにまんまと引っ掛かり、訳もわからず買ってしまったような記憶がありマス。

正直、購入当初は熱心に聴き込んだわけではありませんでしたが、その後雑誌その他で本作を絶賛する記事を見てからミーハー気分できちんと聴くようになりまシタ。そうすると、それまで何気なく聴いていたトラックが全てクラシックに聴こえてくるからアラ不思議!

「Cake & Eat It Too」「Sometimes I Rhyme Slow」「How to Flow」「Hip Hop Junkies」というクラシック4曲を聴くだけでも、聴く価値アリのアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Harmonize」
オープニングから弾けてますね。Hip-Hopらしい楽しさとカッチョ良さとレトロ感がいいカンジで同居している、こういうのがいいんだよね!

「Cake & Eat It Too」
クラシック一発目。歌モノ&和み系ですな。天気のいい朝とかに聴きたいなぁ。スチャダラパー/小沢健二「今夜はブギー・バック」の元ネタのように言われることもあるみたいだけど、和み具合いは同じようなテイストかもしれませんね。Melvin Bliss「Synthetic Substitution」ネタ。

「Down the Line」
Gang Starr参加曲。この後Gang Starrのクラシック「DWYCK」でNice & Smoothが客演することになりますね。とってもミドル・スクールな仕上がりデス。こすり具合いもいいカンジ。

「Sometimes I Rhyme Slow」
クラシック二発目。Tracy Chapman「Fast Car」ネタのフォーキーな仕上がりデス。1991年時点でこんなトラックを作っていたというのが信じられませんね。

「Paranoia」
今ではハウス系プロデューサーの大御所になってしまったMasters At Work(MAW)"Little" Louie Vegaがプロデュース。昔はHip-Hop系の作品もずいぶん手掛けていましたよね。ファンキーでゴキゲンな1曲に仕上がっていマス。

「How to Flow」
クラシック三発目。冒頭で僕の大好きなHeatwave「Mind Blowing Decisions」を引用しているが魅力ですね!大好きで〜す☆このフワフワした浮遊感のあるグルーヴがいいですな。Joe Cocker「Woman to Woman」ネタ。

「Hip Hop Junkies」
クラシック四発目。本作のハイライトといえる永遠のヒップホップ・アンセム。これを聴いて多くの若者がまたHip Hopジャンキーになっていくのでしょうね。語り継がれるべきクラシック!The Partridge Family「I Think I Love You」ネタ。

「Step by Step」
Quincy Jones「Sanford & Son Theme (The Street Beater) 」ネタの明るくファンキーなトラックが実に楽しげですね。冒頭の Young Holt Unlimited「Soulful Strut」ネタの短い部分がこのトラックのintroなのか前の曲のoutroなのかいまだにわかりませ〜ん。

改めて、90年代前半のHip-Hopの凄さを思い知らされる1枚ですね。
posted by ez at 00:29| Comment(0) | TrackBack(1) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月03日

Grover Washington Jr.『Winelight』

クリスタルな恋人たち...いい響きだねぇ(笑)☆Grover Washington Jr.『Winelight』
Winelight
発表年:1980年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ系スムーズ・ジャズ
気分は... :蛇女に首ったけ☆

今回はスムーズ・ジャズ・ブームのきっかけを作った1枚Grover Washington Jr.『Winelight』(1980年)です。

Grover Washington Jr.(1943-1999年)は、 CTIレコードの総帥Creed Taylorに見出され1971年に1stアルバム『Inner City Blues』を発表しました。その後1980年に本作『Winelight』の大ヒットによりその人気を決定づけまシタ。1999年心臓発作で死去。

ご存知のとおり、Bill Withersのボーカルをフィーチャーした本作からのシングル「Just the Two of Us」は全米ポップチャート第2位となる大ヒットとなりました。

当時中学生だった僕にとっては、「クリスタルな恋人たち」という邦題も手伝って、アーバンで大人なサウンドに憧れを持ったものデス。

メンバーは、Grover Washington, Jr. (ss、ts、as)、Ralph MacDonald(per)、Steve Gadd(ds)、Marcus Miller(b)、Eric Gale(g)、Paul Griffin(key)、Richard Tee(key)という布陣デス。

以前にRoberta Flack『I'm The One』のエントリーでも書きましたが、Ralph MacDonald(per)、Steve Gadd(ds)、Marcus Miller(b)、Eric Gale(g)、Richard Tee(key)の5名は僕にとってのドリームチームのようなメンツであり、そのドリームチームの存在感の大きさを知ったのがこのアルバムでした。

個人的にはこの5名が勢揃いしている本作、Roberta Flack『I'm The One』(1982年)、Ralph MacDonald『Universal Rhythm』(1984年)の3枚には特別な思い入れがありますね。特に未CD化のままである『Universal Rhythm』のCD化を切に願うばかりですね。

全曲紹介しときやす。

「Winelight」
タイトル曲はRalph MacDonald/William Eatonの作品。なかなかファンキーな仕上がりですね。ただし、僕は本作にファンキーな要素は求めているわけではないので、ついついスルーしてしまうのですが。

「Let It Flow (For"Dr. J") 」
アーバンなメロウ・グルーヴ。この落ち着き具合いが何ともアダルトですなぁ。印象的なフェンダーはさすがRichard Teeと思いきや、ここではPaul Griffinが弾いていマス。

「In the Name of Love」
「Just the Two of Us」と並ぶRalph MacDonaldの名作(William Eatonとの共作)。ロマンティックでやさしいムードに溢れていますね。

先にあげた『I'm The One』ではRoberta Flackがカヴァーし、『Universal Rhythm』ではRalph MacDonaldのセルフカヴァーを聴くことができマス。RalphのセルフカヴァーではBill Withersがボーカルを務め、Randy Breckerのトランペット・ソロをフィーチャーしています。本作の「Just the Two of Us」とセットで聴くとかなりいいですよ!早くCD化して〜っ!

「Take Me There」
ムーディな展開と軽快でリズミカルな展開がうまくバランスされているという意味で、僕がイメージするスムーズ・ジャズの典型みたいな曲かも。特にRalph MacDonaldのパーカッションが大活躍する展開がいいですねぇ!

「Just the Two of Us」
前述の大ヒット・シングル。グラミー賞も受賞しましたね。ジャズとR&B、ポップが見事にクロスオーヴァーした名曲ですね。

Ralph MacDonald/William Eatonによる楽曲にBill Withersが詞をつけたものです。このタイトルはカリブに浮かぶ小国トリニダード・トバゴのことを書いたものなのだとか。物理的には二つに分割されているが文化的には一つの国という意味らしいです。

Ralphのセルフカヴァーもアルバム『Just the Two of Us』に収録されていマス。コチラはDennis Collinsのボーカルをフィチャーしています。久保田利伸とCaron Wheeler(Soul II Soul等)のデュエット・カヴァーもありましたね。

サンプリング・ネタとしても有名ですね。
主なところとしては、Jeru The Damaja「Black Love」、2pac「Cause I Had 2」、「Happy Home」、Will Smith「Just The Two Of Us」、Around The Way「Really Into You」、Babu「Sucker DJs」、Smif-N-Wessun「Wreckonize」、Nice & Smooth「No Bones」、Eminem「Just the Two of Us」などがありマス。Bobby Caldwell「What You Want Do For Love」とのダブル大ネタ使いMay's「1/2 (Crystal Lovers Remix)」なんていうのもありましたね。

「Make Me a Memory (Sad Samba) 」
ムードありすぎの悲しきサンバ。余韻を楽しみながらも、少し気だるいカンジがいいですね。

本作がお気に入りの方は同じメンツの次作『Come Morning』(1981年)もどうぞ!
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月02日

Eloise Laws『Ain't It Good Feeling Good』

後期Invictusの名作☆Eloise Laws『Ain't It Good Feeling Good』
エイント・イット・グッド・フィーリング・グッド(紙ジャケット仕様)
発表年:1977年
ez的ジャンル:後期Invictus系レア・グルーヴ
気分は... :どんぴしゃり!

女性R&BシンガーEloise Lawsによるレア・グルーヴ・ファンにはお馴染みのアルバム『Ain't It Good Feeling Good』(1977年)です。

1948年生まれのEloise Lawsを説明するとき、まずはジャズ・フルート奏者の第一人者Hubert Lawsの妹という紹介の仕方になってしまいますかね。サックス奏者の弟Ronnie、ボーカリストの妹Debraも含めた音楽一家Lawsファミリーの長女がEloiseなのです。

1969年に初レコーディングを行った後Invictusに入社し、数枚のシングルを発表した後にようやく出したアルバムが本作『Ain't It Good Feeling Good』(1977年)です。スバ抜けて素晴らしいシンガーという印象はありませんが、やはり血筋の良さか雰囲気はありますよね。

あと本作を説明する際にはInvictusの作品ということも忘れちゃいけませんね。

本ブログでも度々名前が登場する60年代モータウンを支えた無敵のソングライティング・トリオH-D-H(Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.)。そのH-D-Hがモータウンを抜け、設立したレーベルがInvictusHot Waxという兄弟レーベルですね。

Honey Cone、Freda Payne、Laura Leeなどそれらのレーベルから発表された作品は、Invictus/Hot Waxサウンドとして今日でも高い人気を誇りますよね。本作『Ain't It Good Feeling Good』もそんな一枚です。プロデュースはBrian Hollandがあたっています。

ただし、本作はInvictus/Hot Waxの末期である1977年に発表された作品であり、全盛期のInvictus/Hot Waxサウンドとは多少雰囲気が異なりますね。いい意味でも悪い意味でも洗練されています。僕はその洗練されているカンジが好きですね。

結局発売当時のセールスは不振でしたが、その後レア・グルーヴ・ファンから名作と崇められるようになったのは周知のとおりですね。

全曲紹介しときやす。

「You Got Me Loving You Again」
「Ain't It Good Feeling Good]、「Put A Little Love Into It (When You Do It)」と並ぶ僕のお気に入り曲。軽快でパーカッジヴなグルーヴ感がたまりませんね。こんな言い方をすると怒られるかもしれませんが、N.Y.P.A(New York Port Authority)によるバックはSalsoulとか好きな人が気に入るのでは?

「Love Goes Deeper Than That」
この曲もキャッチーなグルーヴ感があっていいですね。なんか夜遊びしたくなるような1曲です(笑)

「Ain't It Good Feeling Good」
タイトル曲はフリーソウルのコンピにも収録されているメロウ・グルーヴ。アルバムのハイライトですね。甘く危険な香りのする土曜の夜にピッタリなカンジですな!Cassidy「So Long」のサンプリング・ネタにもなっていますね。

「Maker It Last Forever」
スピード感のあるパーカッジヴなノリがたまりませんね。こ典型的に僕が好きなパターンですな。

「Where Did We Go Wrong」
Brian Hollandとのデュエット曲。まったりとしてある意味一番Invictusっぽいのでは?

「I Believe In You Baby」
哀愁感漂うバラッド。同じアルバムなのに時代をかなり遡ったカンジがします(笑)

「Put A Little Love Into It (When You Do It)」
ファンキーなリズムがサイコーにカッチョ良いミッド・グルーヴ。この曲も聴いていると夜遊びがしたくなりますっ!10分位の長回しで聴いていたいくらい好きですね。

「Camouflage」
切々と歌い上げるバラッド。上手くはないけどそれなりに聴かせてくれマス。

Invictus最後の傑作といえる一枚なのでは?
ヘンな言い方ですがInvictus/Hot Waxサウンドっぽくないのがいいと思いマス。特にアップものは今聴いてもかなりイケていると思いますね!
posted by ez at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする