発表年:1999年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク系&Steely Danフォロワー
気分は... :AORとUKジャズ・ファンクという接点が面白いのでは?
今回は以前から紹介したかったSamuel Purdeyです。
Steely DanファンやAORファンの方にはお馴染みのグループですね。
Amazonでの扱いがなく紹介する機会を逸していたのですが、たまたま今回発見できたので速攻で取り上げました!
Samuel Purdeyは、Jamiroquaiのサポート・メンバーを務めていたGavin Dodds(vo、g)とBarney Hurley(ds)の二人が結成したグループ。
自ら公言しているように、メンバーはかなりのSteely Danフリークです。
そのことは音を聴けば一発でわかります。Steely Dan好きの僕もSteely Dan的な音を求めていろんな作品を購入しましたが、ここまで徹底してSteely Danしている作品には出会ったことがありません。
特に、Acid Jazzのムーブメントを通過してきたUKジャズ・ファンク系のミュージシャンが多数参加しているため、単なるSteely Danのコピーではなく、コンテンポラリーな要素がちゃんと加味されている点が優れモノだと思います。
ホンネを言えば、1990年代以降に発表された本家Steely DanやDonald FagenのソロよりもSteely Danらしいのではないかと思いますね。
参加ミュージシャンもなかなか興味深いですね。実際にSteely Danのレコーディングに参加していたElliot Randall(g)、Frank Floyd(vo)といったメンバーに、The Brand New HeaviesやCorduroyといったUKジャズ・ファンク系のメンバーが融合しているというカンジです。
個人的にはAORファンの方がこういった作品を聴くのであれば、これを契機に90年代のUKジャズ・ファンクまで手を伸ばして聴いてみると楽しいのではと思いマス。AORファンの方が楽しめる作品も結構あるように思うのですが...
全曲紹介しときやす。
「Whatever I Do」
いきなり曲調がSteely Danしているこのオープニング1曲のみでSteely Danファンは歓喜するのでは?初期Steely Danの少しウエスト・コーストしているポップさをUKジャズ・ファンクのテイストでまとめたカンジですね。個人的にはアルバムで一番好きかなぁ?
「Valerie」
このアーバンでAORなテイストは中期〜後期Steely Danしてますね。このコーラスのカンジもとってもSteely Danしていてたまりませんね。
「Lucky Radio」
シングルにもったナンバー。この曲はSteely DanというよりもJamiroquaiしてますね。Acid Jazz世代のクロスオーバーというカンジです。ただし、途中でElliot Randallのギターソロが入った途端にSteely Danになってしまうのが実に面白いですね。
「Only When I'm With You」
この曲はボコーダーを使ったスペーシーなファンキー・グルーヴに仕上がっていマス。この曲はUKクラブ・ミュージック好きの人向けですかね。僕の場合、Steely DanもUKクラブ・ミュージックも両方好きなので全然OKですが。
「I Can't Move No Mountains」
この曲は後期Steely Danっぽいですね。ボーカルがDonald Fagenならば実にマッチしそうな1曲。
「Late For The Day」
「One Of A Kind」
このクセのある曲調がモロに初期〜中期Steely Danしている2曲。なんかSteely Dan『Pretzel Logic』あたりが聴きたくなりますね。ここでもElliot Randallのギターソロが入った時が一番Steely Danになるのがいいですね(笑)
「Santa Rosa」
ラテン・タッチの軽快なナンバー。Steely Dan初期の代表曲「Do It Again」をUKジャズ・ファンクのテイストで仕上げたカンジですね。これから夏に向けてかなり使える1曲だと思いますね。
「Soon Comes Another」
Steely Danの1st『Can't Buy A Thrill』が聴きたくなる曲ですね。とてもメロディアスでキャッチーなのに、何故か憂鬱なあの感覚が蘇ってきますな。
「Bitter With The Sweet」
この曲はボーナス・トラックです。初期Steely Danの素朴さを相通じるものがありますね。
結局グループは現在までこのアルバム1枚しか発表していません。
こんなアルバムならば何枚でもOKですけどねぇ。