2007年07月31日

Kingfish『Kingfish』

人気のキラーチューン「Hypnotize」収録☆Kingfish『Kingfish』
Kingfish
発表年:1976年
ez的ジャンル:Dead系グルーヴィー・ロック
気分は... :鰻食べたのにガス欠気味?

なんか落ち着かない日が続きます。
昨日は必ず鰻を食べようと夕食用に買っていたのですが、ありつけたのは結局夜11時30分過ぎ。もう少しで土用の丑でなくなるところでした(笑)

今回はGrateful DeadのギタリストBob WeirのグループKingfishのアルバム『Kingfish』(1976年)です。

KingfishGrateful DeadのギタリストBob WeirがNRPS(New Riders of the Purple Sage)のDave Torbertらと結成したグループです。NRPSは元々DeadのボスJerry Garciaらが参加したセッション・グループであり、その後パーマネント・グループしてDeadの弟分的なグループとして位置づけられていたみたいですね。

Grateful Deadについては、実はそれ程熱心にフォローしているわけではありません。アルバムも3rdアルバム『Aoxomoxoa』(1969年)、4thアルバム『Live/Dead』(1969年)、5thアルバム『Workingman's Dead』、6thアルバム『American Beauty』(1970年)の4枚を持っているのみっす。

以前にエントリーした『Workingman's Dead』のみは毎年夏のクソ暑い日になると聴きたくなるのですが、それ以外のアルバムはどれもかなりご無沙汰かもしれませんね。

僕がKingfishというグループを知ったのは、フリーソウルのコンピ『Free Soul Vibes』に収録されていた「Hypnotize」がきっかけです。クラブ系リスナーの方ならばご存知のDJご用達キラーチューンですよね。僕もこの曲の爽快なグルーヴに魅せられ、「Hypnotize」1曲狙いで購入したというカンジでした。

なので、その時点ではBob Weirのグループであるということは全然知りませんでした。そもそもBob WeirGrateful Deadのギタリストであること自体を認識していなかったのですが...僕にとってDeadはJerry Garciaのグループというイメージが全てなので(笑)

きっとこのアルバムに辿り着く人って、熱心なGrateful Deadファンとクラブ系リスナーという全く異なる層に二分されるんでしょうね。

前者はGrateful DeadというグループやメンバーのBob Weirという「アーティスト」に関心を持っている、後者はGrateful DeadやBob Weirには全く関心がなく「Hypnotize」という「曲」に関心を持っている。

1週間ほど前のSebadoh『Harmacy』のエントリーで書いた洋楽旧世代と新世代の話に関連づけると、「アーティスト」への関心から深く作品を探索するというのが旧世代スタイル、「曲」への関心から広く作品を探索するというのが新世代スタイルという気がしますね。

「曲」を消費するイメージの新世代スタイルよりも、「アーティスト」を見守り続ける旧世代スタイルの方が洋楽への愛情という点からは深い気がします。しかし、今日のように洋楽があまりに多様化・細分化した状況においては新世代スタイルも仕方がないのかなぁと思います。

自分自身を振り返ると、以前は「アーティスト」への関心から作品を探索していましたが、ある時期から明らかに特定アーティストへの思い入れよりも「曲(キラーチューン)」狙いで作品を探索するようになっていましたね。好きなアーティストは?という質問に対して、昔聴いていたアーティスト名しか浮かんでこないのはそのせいかもしれません(笑)

オススメ曲を紹介しときやす。

「Lazy Lightinin'」
Grateful Deadファン的にはDeadのライブ・レパートリーとしてお馴染みのこの曲が目玉なのかもしれませんね。なかなかキャッチーでレイジーなグルーヴィー・ロックに仕上がっていると思いマス。

「Supplication」
この曲もDeadのライブ・レパートリーとして演奏されていたようですね。ブルージーな雰囲気の中でコンガが響くのがいいですね。3分弱の演奏ですがもう少し長尺で聴いてみたいですね。

「Asia Minor」
「Home to Dixie」
軽快なグルーヴィー・ロック2曲。「Asia Minor」はアルバム中一番ソリッドでエキサイティングかもしれません。「Home to Dixie」は小気味よい軽快さがいいですね

「Jump for Joy」
ダウン・トゥ・アースなミッド・チューン。実に雰囲気のある演奏がいいですね。

「Big Iron」
カントリーシンガーMarty Robbinsのカヴァー。カントリーが大の苦手な僕ですが、この曲は違和感なく聴けマス。ウエスタン・ムードがなんかいいカンジですね。

「This Time」
夏にピッタリのメロウ・チューン。ハープの音色が夏の夕暮れっぽくていいですね。

「Hypnotize」
前述のキラーチューン。よく言われるようにArchie Bell & the Drells「Tighten Up」を爽快なファンキー・グルーヴにしたってカンジですよね。メロウなカッティング・ギターがたまりません。僕がイメージするGrateful Deadとは全くかけ離れていますよね。僕的にはかなりミラクルな1曲です。

鰻食べたばかりなのに、いまいちパワーアップしません。
スタミナつく音楽でも聴かないといけないかなぁ?
posted by ez at 04:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月30日

Aswad『Distant Thunder』

UKを代表するレゲエ・グループの大ヒット作☆Aswad『Distant Thunder』
Distant Thunder
発表年:1988年
ez的ジャンル:ポップ路線UKレゲエ
気分は... :鰻食うぞ〜!

週末は隅田川の花火大会も参院選も激しい雷雨も関係なく、ひたすら仕事!
そんな状況だったので2日間連続でエントリーをお休みさせてもらいまシタ。
コンスタントに投稿していると、投稿しない日は逆にスッキリしませんな!

気付けば今日は土用の丑ですねぇ!
今年はかなり鰻高いけど、スタミナつけるために食うぞ〜!

今日は早く東京も梅雨明けして欲しいと思いを込めて、久々のレゲエです!
ということでUKを代表するレゲエ・グループAswadの1988年の大ヒット作『Distant Thunder』です。

我が家のCD棚のレゲエ・コーナーに並ぶCDはせいぜい70〜80枚程度。
CD棚のシェア2%にも満たない超マイナー勢力です(笑)
そんな中でBob Marleyを除き、存在感がもっともあるのがAswadかもしれません。

日本でもかなり人気のあったグループだったので、普段レゲエを聴かない人でも知名度は高いのでは?

Aswadは1975年にロンドンで結成されたレゲエ・グループ。80年代半ばまではなかなか硬派なルーツ/ダブ路線の音を聴かせてくれましたが、本作『Distant Thunder』(1988年)を機にポップ路線に変更し、大ブレイクしまシタ。

僕がレゲエCDを最も頻繁に購入していたのは80年代後半から90年代前半にかけてだと思います。今振り返るとUKレゲエのアルバムが案外多いですね。本場ジャマイカやNYのレゲエと比較するとスタイリッシュかつSoul/R&Bの影響が強い印象がありましたねぇ。

AswadMaxi Priest、それにKofiSandra CrossCarroll ThompsonといったMad ProfessorAriwaレーベルの歌姫なんかをよく聴いていまシタ。

Maxi Priestだって、織田裕二との「Love Somebody」のイメージが強いかもしれませんが、ブレイク前はかなりイイ感じだったんですよ〜(笑)

そんなUKレゲエに慣れ親しむきっかけを作ってくれたアルバムが本作『Distant Thunder』っす。

この時点のメンバーはDrummie Zeb(ds、vo)、Brinsley Forde(g、vo)、Tony Gad(b、vo)の三人。レコーディング・メンバーにはバック・コーラスで前述のCarroll Thompsonなどが名を連ねています。さらにクレジットを眺めると、K.Wheelerとクレジットされているのですが、これってCaron Wheeler(元Soul II Soulのボーカル)とは違うのかなぁ?CaronのCがKと誤記されているとか...

さて、中身ですが何といってもUKポップチャートNo.1となった大ヒット・シングル「Don't Turn Around」がキラー・チューンですかね。とにかく普段レゲエを聴かない人でも全然違和感なく聴けるキャッチーさがあります。

この後『Too Wicked』(1990年)、『Rise and Shine』(1994年)とクラブ・テイストが強いスタイリッシュな作品を連発する彼らですが、ゆったり・のんびり感という意味で本作『Distant Thunder』が一番落ち着きますね。

やっぱりレゲエはゆったり・のんびり聴かないとねぇ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Message」
UKアフロ・ファンク・バンドCymandeでお馴染みのレア・グルーヴ・クラシックのカヴァー。このあたりは少しクセのある仕上がりかもしれませんが、今聴くとそれが逆にいいですね。

「Don't Turn Around」
前述の大ヒット・シングル。キャッチーで、ほのぼの感たっぷりで、メロウなレゲエといったカンジでしょうか。

1994年にAce Of Baseにカヴァーもヒットしているので、そちらでご存知の方もいるのでは?
Aswadの本バージョンがオリジナルだと思っている方も多いかもしれませんが、オリジナルはTina Turnerです。しかも、ソングライティングはあの「It Never Rains In Southern California(カリフォルニアの青い空)」でお馴染みのAlbert Hammondというのが意外ですよね。

女性ロッカーBonnie Tyler、R&BシンガーLuther Ingramなんかもカヴァーしています。多分AswadはLuther Ingramのバージョンをベースにカヴァーしたのだと思いマス。

「Set Them Free」
レゲエと意識しないで聴けるナンバーですね。軽快ながらも、ほんのり哀愁ムードがいいカンジです。ソウルフルな女性コーラスもグッド!

「I Can't Get over You」
この曲は思い切りルーツ・レゲエですね。このあたりもしっかり押さえてあるのが本格派。

「Give a Little Love」
「Don't Turn Around」と並ぶ僕のお気に入り曲。メロウネスがたっぷり効いていて、ハッピー気分な仕上がりですね。今聴いてもサイコーですね。アコギの音色も実にムードを高めてくれます。実はこの曲もAlbert Hammondの作品。Bob Marleyの息子Ziggyが率いていたZiggy Marley & The Melody Makersもカヴァーしています。

「Feelings」
「International Melody」
「Bittersweet」
ソフト&メロウなこの3連発が本アルバムを実に魅力的なものにしていますね。実にロマンティックかつソウルフルな「Feelings」、口笛の響きが印象的な「International Melody」、タイトル通りのビタースウィートなラヴァーズ「Bittersweet」という3曲の流れがサイコーにいいですね。リアルタイムで聴いていた頃は、このソフト&メロウ3連発を聴きながら就寝すると実に心地良く熟睡できまシタ(笑)

ここ数年では夏はブラジル/ラテンものを聴くことが多い僕ですが、やっぱりレゲエも捨てがたいですな。

早く梅雨が明けないかなぁ。その前に鰻食べないとね!
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2007年07月27日

Talib Kweli & Madlib『Liberation』

Hip-Hopファンを歓喜させた魅惑のコラボ☆Talib Kweli & Madlib『Liberation』
Liberation
発表年:2007年
ez的ジャンル:魅惑のコラボ系Hip-Hop
気分は... :フリー・ダウンロードしておけばよかった!

ここ数日バタバタでエントリーをサボってしまいました。

よく思うんだけど、40過ぎたオヤGの僕が未だにHip-Hopの新作聴いているなんて少し変だよね。
フツーの40オヤGではない、変わり者だという自覚はあるんだけど(笑)

前にも書いたけど、僕がHip-Hopを聴き始めたのはもう社会人になってから。別にストリート系だったわけでもないし、見た目もHip-Hopって柄ではないし(笑)

Hip-Hopに特別のめり込んでいるわけではなく、R&Bやジャズやクラブ・ミュージック等と並列で聴いているだけ。一方で、Hip-Hopに全く違和感を感じていないのも事実であり...でも、自分の周囲にHip-Hopの話題で盛り上がれる同年代の人がいないのは寂しいですな。

今回は、4月に購入してから紹介しそびれていたHip-Hop作品Talib Kweli & Madlib『Liberation』です。

本作『Liberation』は、昨年末に突如ネット上でフリー・ダウンロードとして発表され、ダウンロード数は10万件を超えたという超話題作です(*現在は配信終了しています)。

Talib KweliMadlibのコラボというのはHip-Hop好きにはたまらない組み合わせでしょうね。

Talib Kweliは、ソロ活動以外にもHi-Tekとの活動やMos DefとのユニットBlack Starの活動で知られるMCでソロ作は1枚も持っていませんが『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』(1998年)は持っていマス。本ブログでも紹介したSa-Ra『The Hollywood Recordings』でもフィーチャーされていますね。

もう一人のMadlibは西海岸で活躍するプロデューサー/MCであり、Madlib名義以外にもさまざまな変名プロジェクトで活躍していますね。僕は関連作品は1枚も持っていませんが、Stevie WonderWeldon Irvineをカヴァーした、劇団ひとりならぬジャズ・クインテットひとりプロジェクトYesterdays New Quintetの印象が強いですねぇ。

でもって、デリバリーされた作品はかなりソウルフルで僕好み!
僕は全然フリー・ダウンロードのことは知らず、CD化されてからCDショップの試聴で知りました。
『Kero One Presents:Plug Label』Sa-Ra『The Hollywood Recordings』といった今年の上半期お気に入りHip-Hopと一緒に愛聴しています。

全9曲とアルバムとしてはかなり曲数少ないですが、その分散漫な印象がなくていいかも?

全曲紹介しときやす。

「The Show」
ソウルフルなトラックとTalib Kweliのフロウが実にコンパクトにまとまっていマス。2分半に満たない曲ですが充実感ありますね。

「Funny Money」
フルートのループが気持ちいいファンキー・トラックがカッチョ良い。アルバムで一番好きかも?

「Time is Right」
女性ボーカルが印象的なトラックをバックに、Talibのフロウが推進力を持ってグイグイ引っ張ってくれマス。Kenny Loggins「Lady Luck」ネタ。

「Engine Running」
本ブログでも紹介した苦節10年のメジャーデビュー・アルバム『Don't Quit Your Day Job!』を今年発表したConsequenceをフィーチャー。ConsequenceとTalibが交錯する2つのストーリーを見事なフロウで聴かせてくれマス

「Over the Counter」
Talibの次々とたたみかけるフロウが迫力十分の1曲。

「The Function」
Strong Arm Steadyをフィーチャー。

「Happy Home」
女性Candice Andersonをフィーチャーしたソウルフルでハッピーなトラックが僕好みですね。「Funny Money」と並ぶお気に入り曲。

「Soul Music」
Resをフィーチャーした近未来的でミステリアスなトラックが印象的ですね。Sa-Raあたりと一緒に聴くといいカンジかも?

「What Can I Do」
この曲こそ「Soul Music」ってカンジですね。なかなか凝ったソウルフルなトラックがグッド!

フリー・ダウンロードできた人が羨ましいですね。
でも、対価支払っても手に入れる価値のある作品だと思います。
posted by ez at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月25日

Ohio Players『Angel』

一般的には評価されていないけれども大好きな1枚☆Ohio Players『Angel』
Angel
発表年:1977年
ez的ジャンル:猥雑&スウィート系Funk
気分は... :エンジェルってこんなにセクシーなの?

なんか疲れ気味というか、気持ちがイマイチのってきません。
鰻でも食べて元気出さないとダメなのかな??

70年代を代表するFunkグループOhio Playersの3回目の登場デス。『Honey』(1975年)、『Fire』(1974年)に続き紹介するのは、『Angel』(1977年)っす。

『Honey』『Fire』が共にR&Bチャート第1位、ポップチャートでもTop3に入る大ヒット・アルバムであったのに対し、『Angel』はR&Bチャート第9位、ポップ・チャート第41位に終わり、前作『Contradiction 』(1976年)まで続いていたR&Bアルバム・チャート第1位の記録が途絶えてしまいまシタ。

僕自身は後追いでしかOhio Playersを聴いていないのですが、『Angel』に対する一般的な評価は“ピークを過ぎた下降期のアルバム”といった位置づけが多いように思いマス。

でも、僕的には7、8枚は持っているOhio Playersのアルバムの中で一番聴く頻度が多いのは本作『Angel』なんですよね。

なんでだろう?セクシーなジャケのせいかな(笑)??
多分、胸キュンのスウィートなスロウが充実しているからだと思いマス。
僕がOhio Playersのアルバムを聴く場合、ファンク・ナンバー以上にスロウに期待している傾向があるので。

チャート・アクションの先入観を持たずに聴けば、かなりいいアルバムだと思いマス!

全曲紹介しときやす。

「Angel」
メロウなミディアム・チューン。メロウネスの中にも一癖あるカンジがらしいですね。かなり中毒性のある1曲だと思いマス。

「Merry-Go-Round」
ゴキゲンなファンク・ナンバー『Honey』収録の人気曲「Love Rollercoaster」あたりが好きな人は気に入ると思いマス。

「Glad to Know You're Mine」
アップものではコレが一番好きですね。Ohio Playersにしてはスマートな仕上がりですが、抜けの良さがとても気持ちいいですね。

「Don't Fight My Love」
アルバムでは一番地味なナンバー。甘さ控えめのスロウです。

「Body Vibes」
Billy Beckのエレピが印象的なファンク・ナンバー。後半の盛り上がりがなかなかいいですね。

「Can You Still Love Me? 」
僕の一番のお気に入り。スウィート×スウィート×スウィートなスロウです。きっと猥雑なファンク・ナンバーとこのスウィートネスのギャップがこのグループのスロウをより魅力的なものにしているのかもしれませんね。「Sweet Sticky Thing」『Honey』収録)が好きな人には絶対オススメです。

「O-H-I-O」
シングル・カットされ、R&Bチャート第9位まで上昇したスペイシーなファンク・ナンバー。(EW&F+P-Funk)÷2といった按配でしょうか(笑)

「Faith」
エンディングも絶品メロウ・チューンで締めくくってくれマス。個人的にはFloaters「Float on」あたりと一緒に聴きたくなりマス。

本作に続き、『Mr. Mean』(1978年)、『Jass-Ay-Lay-Dee』(1978年)という2枚のアルバムを発表したものの、かつてのような大ヒットには恵まれず、栄光のMercury時代に終止符が打たれます。B級好きの僕は『Mr. Mean』、『Jass-Ay-Lay-Dee』も、それなりに家で聴いているのですが(笑)
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月24日

Duke Pearson『The Phantom』

クラブ・ジャズ好きには欠かせない1枚☆Duke Pearson『The Phantom』
ザ・ファントム
録音年:1968年
ez的ジャンル:クラブ・ジャズDJ御用達60年代ジャズ
気分は... :オシャレなジャズでモテ男になる?

この夏の僕のヘビロテとなりそうな1枚がImmigrant's Bossa Bandの新作ミニ・アルバム『Message』

Immigrant's Bossa Bandは2003年に結成された和製ブラジリアン・ジャズ・バンドです。あの須永辰緒氏もこの夏イチオシのグループのようです...
と書けば、このグループのオシャレ度が想像できると思います。

その新作『Message』には、本ブログでも紹介したAirto Moreiraの名曲「Samba de Flora」のカヴァーや、須永氏がリミックスした「約束」など聴きどころ満載です。本ブログでは洋楽作品の紹介を基本しているので、この程度にとどめておきますが、この夏のモテ男必須アイテムなのでは(笑)

Message
Message


さて本編です。クラブ・ジャズ好きの支持が高いと思われるジャズ・ミュージシャンDuke Pearsonの2回目の登場デス。

前回はクラブ・シーンで人気の「Chili Peppers」を含む『The Right Touch』(1967年)を紹介しましたが、今回もクラブ・シーンで人気だった1枚『The Phantom』(1968年)です。Gilles Petersonからも絶賛されていた1枚ですよね。

メンバーはDuke Pearson(p、arr)、Jerry Dodgion(fl)、Bobby Hutcherson(vib)、Sam Brown(g)、Al Gafa(g)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)、Patato Valdez(conga)、Victor Pantajo(conga)といったところ。何と言ってもBobby Hutchersonの参加が嬉しいですね。あとはパーカッション好きの僕にとってはコンガのメンバーが二人名を連ねているのがグッドです!

全体的にはブラジリアン・フレイヴァーの曲が多く、クラブDJが飛びつくのがわかりますね。
これから夏に向けて、かなり清涼感のある涼しげな1枚だと思います。

やはりDuke Pearsonのアレンジの妙が光る作品ですね。
とても1968年録音の作品であるとは思えない、時代を二歩、三歩先に行っている感があります。1968年時点のFuture Jazzというカンジですかね。

ジャズ好きというよりも、クラブ・ジャズ/クラブ・ミュージック好きの方が気に入るアルバムだと思います。

全曲紹介しときヤス。

「Phantom」
タイトル曲はミステリアスでアシッドなアブナイ演奏。薄暗い地下室で聴くとピッタリなカンジですな。とにかく反復するリズムのなかで徐々に高揚感が増していく中毒性の高い演奏ですね。Bobby HutchersonのヴァイヴやJerry Dodgionのフルートが怪しく響きわたるのもアクセントになっていますね。

「Blues for Alvina」
Dukeとも共演したトロンボーン奏者Willie Wilsonの作品です。ライト・タッチのブルースに仕上がっています。シンプルながらもパーカッシブな演奏が実に軽やかでいいですね。

「Bunda Amerela (Little Yellow Streetcar) 」
「Los Ojos Alegres (The Happy Eyes) 」と並ぶお気に入り曲。軽快なブラジリアン・チューンに仕上がっていマス。Hutchersonのヴァイヴが実にハマっていますね。Dukeがリオを訪れた時に会ったブラジル人女性たちをモチーフに書いた曲なのだとか。

「Los Ojos Alegres (The Happy Eyes) 」
アルバムで一番のお気に入り。小粋なボッサ・チューンです。Pearsonのピアノ、Hutchersonのヴァイヴ、Dodgionのフルートが実に優雅ですね。避暑地でのんびりムードで聴きたい演奏です。

「Say You're Mine」
しっとりと落ち着いたロマンティック・ムードの1曲です。Pearsonのピアノを堪能するならば、この曲のリリカルな演奏が一番なのでは?

「Moana Surf」
Jerry Dodgionの作品。そのせいかDodgionのフルート・ソロからスタート。中盤のパーカッシヴな展開になるあたりから、俄然カッチョ良くなります。このカッチョ良さはクラブ・ジャズの新譜にも引けをとらないと思います。まさに約20年後のクラブ・ジャズを予見していたような演奏ですね。

Immigrant's Bossa Band『Message』Duke Pearson『The Phantom』
新旧クラブ・ジャズでこの夏モテ男になれる?
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする