2007年07月18日

EPMD『Business Never Personal』

ファンクネスに溢れた男気あるHip-Hopクラシック☆EPMD『Business Never Personal』
Business Never Personal
発表年:1992年
ez的ジャンル:ハードコア系男気Hip-Hop
気分は... :男気があっていいよね!

昨日は予定が急遽キャンセルとなり今日へ延期!お楽しみは今日に持ち越し☆

僕は自由に気ままに生きているが、性格的には案外計画的に行動するタイプであり、時間にも結構きっちりしている。そのため、昔はスケジュールが変更となったり、相手が遅刻してきたり、予定がキャンセルされるとかなりムッとするタイプの人間だった。

だけど、最近あまりその手のことで腹を立てることが少なくなったかも?
きっと、腹を立てたところでマイナスのストロークを出すだけで全くプラスの方向には進まないということを、この年齢になってやっと悟ったのかもしれませんな。少しは大人になったかなぁ(笑)

さて今回は以前から紹介したかったHip-HopアルバムEPMD『Business Never Personal』(1992年)デス。

EPMDErick SermonParish Smith(PMD)というNY出身の二人によるHip-Hopユニット。EPMDとはErick Parrish Making Dollarsの略。

シングル「It's My Thing」でデビューした後にデビューアルバム『Stirictry Business』(1988年)を発表。その後2nd『Unfinished Business』(1989年)、3rd『Business as Usual』(1990年)、4th『Business Never Personal』(1992年)といったるアルバムを発表し(タイトルに必ずBusinessが入っているのが面白い)、東海岸のHip-Hopシーンに地位を確立するも二人の関係が悪化し、解散してしまいまシタ(その後再結成しアルバムも発表していますが)。

EPMDといえば、ファンクネス溢れるトラックと畳み掛けるようなハードコアなラップによる男気溢れるカッチョ良さが特徴ですよね。基本的に僕はA Tribe Called QuestDe La SoulJungle Brothersといったリラックス系のHip-Hopが好きでハードコアなHip-Hopってあまり興味がないのですが、何故かEPMDだけは好きでしたね。多分、ファンクネスたっぷりのトラックが僕好みだったのかもしれません。

そうしたEPMDのアルバムの中から一番好きなアルバム『Business Never Personal』(1992年)をセレクト。ずっと前から本作を紹介したかったのですが、Amazonでの扱いがなかったので紹介できずにいました。最近になってやっとAmazonでジャケ写真を見つけることができたので紹介できます!

ZappRoger)、P-FunkEW&FKool & The GangMarvin GayeCurtis MafieldRick Jamesといった僕の大好きソウル/ファンク系のネタのトラックが並ぶあたりがいいですねぇ。特に大好きなRogerネタを全面に押し出した「Crossover」は僕にとって永遠のクラシックですね。

「Crossover」「Headbanger」といった2大クラシックをはじめ、男気のあるカッチョ良いトラックが並んでいます。きっとハードコアなHip-Hopを普段聴かない人でもソウル/ファンク好きの人であれば楽しめるアルバムですよ〜!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Boon Dox」
ファンクネスに溢れ、ハードコアで男気のあるオープニング。Earth, Wind & Fire「I Can Feel it in My Bones」、B.T. Express「If It Don't Turn You On (You Oughta Leave It Alone)」ネタ。

「Nobody's Safe Chump」
「Can't Hear Nothing But the Music」
EPMDらしいハードコアなカッチョ良さを堪能できる曲。2曲共に基本的にトラックがカッチョ良いですな。「Nobody's Safe Chump」はGrand Master Flash & the Furious Five「The Message」ネタ。「Can't Hear Nothing But the Music」はKool & The Gang「Jungle Boogie」ネタ。

「Chill」
全然Chillって気がしないダークでヘビーな雰囲気のトラックですね。ESG「UFO」、Foreigner「Street Thunder」ネタ。

「Headbanger」
「Crossover」と並ぶクラシック。RedmanとK-Soloも参加のポッセ・カット。思わず♪Headbanger〜♪Headbanger〜♪と拳を突き上げタテのりになるかも(笑)Parliament「One of those Funky Things」ネタ。

「Scratch Bring It Back, Pt. 2 (Mic Doc) 」
タイトルからもわかるようにDJ Scratchのスクラッチが聴きモノ。Boogie Down Productions「Duck Down」、A Tribe Called Quest「Scenario」ネタ。

「Crossover」
文句なしのHip-Hopクラシック。シングル・ヒットもしたキラー・チューン。Roger (Troutman)「You Should Be Mine」ネタのファンクネスたっぷりのトラックとフロウが実にマッチしていますね。Roger好きの僕にはホントたまらない1曲です。

詳しく事情は知りませんが、「You Should Be Mine」が収録されているRogerのラスト・ソロアルバム『Bridging The Gap』(1991年)からのシングル「(Everybody) Get Up」EPMDが参加したお返しがこの曲なのかもしれませんね。僕は「(Everybody) Get Up」のシングルもたまたま持っているのですが、コチラもかなりカッチョ良いのでオススメです(『Bridging The Gap』収録のアルバムバージョンにはEPMD未参加なのでご注意を!)

90年代Hip-Hopからベスト10を選ぶとしたら絶対に入れるくらい大好きですね。今でもRoger「You Should Be Mine」とセットで聴くのが大好きですね。

「Play the Next Man」
「Crossover」と並ぶ僕のお気に入り曲がコレ。Parliament「Sir Nose d'Voidoffunk(Pay Attention-B3M)」ネタのトラックに畳み掛けるフロウが絡み、さらにはDJ Scratchの擦りも加わり、ハードコアなメチャ格好良い仕上がりになっていマス。ボクシング世界ヘビー級の元チャンピオンMike Tysonが登場するライムも実に印象的ですね。個人的にはかなりの名曲だと思いマス!

「It's Going Down」
Marvin Gaye「I Want You」ネタのループが印象的な1曲。このずっしり重いカンジがEPMDならですね。

「Who Killed Jane」
かなりヤバい雰囲気がいいですね。相当重心低いカンジですな。本来ハードコアなものはあまり好きではないのですがEPMDは一味違うんですよね。Rick James「Mary Jane」Curtis Mayfield「Stone Junkie」ネタ。

最近の彼らの活動はあまりフォローできていないのですが、最近再結成ツアーを行ったようですね。
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2007年07月17日

Mario Biondi & The High Five Quintet『A Handful Of Soul』

イタリアのちょい悪オヤジ系伊達男が聴かせる粋なクラブ・ジャズ☆Mario Biondi & The High Five Quintet『A Handful Of Soul』
ハンドフル・オブ・ソウル
発表年:2006年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :最近クラブ・ジャズにハマリ気味

僕が渋谷タワーへ出かけると...
まずは4FのR&B/Hip-Hopコーナーへ向かい、新譜/再発ものを念入りにチェック!
続いて5Fでラテン及びジャズコーナーで掘り出し物を長年の勘を頼りに物色♪
最後に3Fのハウス・コーナーでダメ元で新譜をさっとチェック☆
同じく3Fのロックコーナーは殆ど素通りして帰路へ
なんていうのがここしばらくの典型的な行動パターンでしょうか。
ますますロック離れが進む僕の音楽ライフを見事に反映していますね。

そんな中で最近一番僕の滞留時間が長いのがクラブ・ジャズの試聴コーナーです。
行けば必ず掘り出しものに出会えるという気がします。

今回はそんな1枚、Mario Biondi & The High Five Quintet『A Handful Of Soul』(2006年)をセレクト。

Mario Biondiはシチリア出身のイタリア人男性シンガー。ジャケからも察しがつくように身長2メートルを超える長身らしいっす。

2004年にAlessandro MagnaniniとのプロジェクトWas-A-Beeで注目を集めましたが、同じくイタリアの注目若手ジャズ・グループThe High Five Quintetを従えた本作『A Handful Of Soul』が1stソロ・アルバムのようです。

本作はクラブジャズ好きの方にとってはお馴染みのレーベルSchemaから発売されていマス。
Schemaは1997年にLuciano Contoneがミラノで設立したクラブジャズレーベルであり、人気DJのNicola Conteを中心にクラブ/ラウンジ系のお洒落な音楽好きのハートをくすぐるコンピ(『Freedom Jazz Dance Book』シリーズ)や作品(Gerardo Frisina等)を次々とデリバリーしてくれていますね。

そんな人気のSchemaから発売された本作『Handful Of Soul』ですが、実際に本国イタリアではかなりヒットしているようですね。低音ボーカルのMark Murphyといった雰囲気でしょうか。イタリアのちょい悪オヤジ系の伊達男が聴かせる粋なクラブ・ジャズというカンジですな。低音の激シブ・ボーカルがクセになりそうです。

バックで支えるHigh Five QuintetもリーダーのトランぺッターFabrizio Bossoを中心に要注目の存在のようですね。実にスタイリッシュで今時のジャズを聴かせてくれます。

オススメ曲を紹介しときやす。

「A Child Runs Free」
Fred Johnsonの人気ブラジリアン・グルーヴのカヴァー。ブラジリアン・グルーヴ好きにはたまらん1曲です。Marioの低音ボーカルがブラジリアン・フレイヴァーとよく馴染んでいます。

「No Mercy for Me」
この曲もブラジリアン・フレイヴァーのボッサ・ジャズに仕上がっていマス。男臭いMarioのボーカルが哀愁ムードを高めてくれますね。

「This Is What You Are」
本作のキラー・チューンは何と言ってもこの曲です!僕のiPodの最近一番のヘビロテ曲になっていマス。Was-A-Bee名義でも発表していた曲の再演ですが、クラブ・ジャズ好きにとっては完璧な1曲なのでは?CDショップの試聴コーナーで初めて聴いたときの感動が忘れられませんな。Marioのボーカルも良いですが、バックのHigh Five Quintetがカッチョ良すぎです。特にFabrizio Bossoがサイコーですね。

「Rio de Janeiro Blue」
シングル・カットもされたブラジリアン・フレイヴァーの1曲。「This Is What You Are」と並ぶ僕のお気に入り曲デス。クラブ・ジャズ好きの人がいかにも好きそうな1曲。さりげないカッチョ良さがさすが伊達男!という気がしますね。

ちなみに本曲は、さまざまなアーティストがカヴァーしている名曲ですね(Richard Torrance/John Haeny作品)。僕の場合、本ブログでも紹介したNicolette Larsonのカヴァー(アルバム『In The Nick Of Time』収録)のイメージが強かったのですが、今後はMarioの本バージョンを真っ先に思い浮かべるようになるかも?

「Slow Hot Wind」
Henry Mancini作品を実にムーディーに歌うあげてくれます。ロマンティックですが大人の甘さってカンジがいいですな。

「A Handful of Soul」
タイトル・ナンバーは小粋なワルツ・ジャズに仕上がっていマス。

「Never Die」
「This Is What You Are」と同タイプのクラブ系リスナー向けの1曲。やっぱり僕はこの手のタイプの曲が好みですね。

「On a Clear Day (You Can See Forever) 」
UKモッド・ジャズ・グループPeddlersのカヴァー。クラブ系リスナーの方にはお馴染みの曲ですね。ここではリラックス・ムードの正統派ジャズ・ボーカルといった趣の仕上がりになっていマス。大人の余裕ってカンジですな。

「I Can't Keep from Cryin' Sometimes」
Al Kooper作品のカヴァー。激シブの「My Favorite Things」ってカンジが好きですね。

「I'm Her Daddy」
Bill Withersのカヴァー。個人的にはMarioの少しぶっきらぼうな歌い方が実にマッチしていると思いマス。他のBill Withersをカヴァーしても結構イケる気がしますね。

ジャジーでメロウなアングラHip-Hpと粋なクラブ・ジャズ☆このあたりの掘り出し物が最近の僕にとって一番感動が大きいかもしれませんね。

これからもクラブ・ジャズの作品をボチボチ紹介していきたいと思っていマス。
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2007年07月16日

Willie Colon & Ruben Blades『Siembra』

サルサ史上最も売れたと言われるアルバム☆Willie Colon & Ruben Blades『Siembra』
Siembra
発表年:1978年
ez的ジャンル:社会派サルサ
気分は... :聞かせて、踊れる!

台風のせいで散々な連休ですね。
僕もその影響で予定変更があったりして、かなりバタバタ状態です。
全然連休気分じゃあないなぁ...

こんな時にはラテンのリズムで陽気に乗り切ろう!

ということで久々にサルサです!
今回はサルサ史上最も売れたと言われるアルバムWillie Colon & Ruben Blades『Siembra』(1978年)をセレクト。

実際に本作が最も売れたかサルサ作品かどうかは僕も調べていません。
でも、多くの雑誌やサイトでそういった説明がなされているのでそうなのでしょう。間違っていたならばゴメンナサイ。

Willie Colonはデビュー作『El Malo』Ruben Bladesはちょっとマニアックなアルバム『Agua de Luna』を本ブログで紹介済みです。

Willie Colon(NYブロンクス出身)は、言わずもがなのサルサ界最大のスターと呼べるトロンボーン奏者ですね。一方のRuben Blades(パナマ出身)は、後に政治家としてパナマの大統領選挙にも出馬した社会派シンガーです。

Willie ColonRuben Bladesの初共演は1970年代半ばでしたが、本格コラボは前作『Metiendo Mano』(1977年)からからでシタ。既にサルサ界のスーパースターとなっていたWillie Colonが、新進のパナマ人シンガーRuben Bladesを迎えたという図式だったようですね。Rubenはこのコラボをきっかけにスター街道を昇っていったカンジですからね。

二人のコラボは、単に踊るためだけの音楽というイメージが強かったサルサに、メッセージという要素を持ち込み、聞かせて、踊れるサルサをクリエイトしたという点で画期的でした。そんな二人のコラボが生んだ傑作が本作『Siembra』となります。

メッセージ性が強調されると、純粋に音楽として楽しめないのでは?なんて思う方もいるかもしれませんが、サウンドもしっかり踊れるゴキゲンなものに仕上がっています。

Rubenが歌い上げるラテン・コミュニティに向けたメッセージを、スーパースターWillie Colonのカッチョ良いサウンドに支えるといったカンジでしょうか。このアルバムを聴いていると、トロンボーンという楽器のカッチョ良さをはっきり認識することができますよ。

サルサ史に残る画期的な作品として、メッセージも含めて聴くも良し!
サルサ史上最も売れたとアルバムとして、そのキャッチーさを楽しむも良し!
単純にWillie & Rubenのカッチョ良さを堪能するも良し!

いろんな人が楽しめるサルサ・アルバムだと思いマス。
特に普段サルサを聴かない人へオススメです。

全曲紹介しときやす。

「Plastico」
いきなりチョッパーベースでスタートするディスコ調のイントロがなんとも印象的な人気曲。その後一転して正統派のサルサ・グルーヴへと変身。当時流行のディスコ・サウンドと正統派サルサを対比させているのがミソです。そして、ラティーノとして自らのアイデンティティを失うな!とRubenが哀愁のハイトーン・ボーカルで訴えマス。最後には当時のニカラグアのソモサ政権の打倒まで叫ぶヤバイ歌です。

「Buscando Guayaba」
リラックス・ムードのラテン・グルーヴ。よく思うんですが、Rubenのハイトーンな声質ってラテンの巻き舌が実にマッチする気がしますね。

「Pedro Navaja」
「Plastico」と並ぶハイライト。シングルとしてもヒットしたみたいですね。冒頭のWillieのカッチョ良いトロンボーンとパトカーのサイレンの効果音を聴いただけでゾクッとしますね。

中身はナイフを持った男Pedro Navajaに気をつけろ!というハード・ボイルド・サルサです。と言いつつ、サウンドは超ゴキゲンなグルーヴに仕上がっているので、そんなに危ない歌に聴こえないのですが(笑)途中でミュージカル『West Side Story』の「America」が引用されていたりするのも楽しいですね。

「Maria Lionza」
神秘的なムードで始まる1曲。中盤以降は哀愁メロウな展開でいいカンジです。

「Ojos」
個人的にはかなりお気に入りのサルサ・グルーヴ。WillieとRubenのそれぞれのソロ作を聴いてから、この曲を聴くと、二つの強烈な個性がうまく共存することがわかりますね。

「Dime」
この曲は後のRubenのソロの雰囲気に近いですね。無理矢理踊らせるのではない、ナチュラルなノリがとても好きですね。

「Siembra」
タイトル曲は“種を植えよう!”というメッセージ・ソング。そのメッセージこそがジャケに写る四人の赤ん坊なのでしょうね。

きっと、僕はRubenのボーカルの声質や(言語は理解できないけど)歌い回しのリズムとかが好きなんだと思います。

この間、たまたまTVでRubenが出演している映画『プレデター2』を観まシタ。マルチな才能を持っている人だけど、できればもっと本業の音楽に専念して欲しかった気もしますねぇ。
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2007年07月15日

Adeva『Adeva!』

このド迫力のジャケ同様、中身もパワフルなハウス・ディーヴァ☆Adeva『Adeva!』
Adeva!
発表年:1989年
ez的ジャンル:ガラージ系ハウス・ディーヴァ
気分は... :怖いっす!

数日前、何人かで知的行動について話をした。

知識が豊富な人が必ずしも知的であるとは限らない。
よく知識は豊富だが、それを他人に自慢することや、他人を不愉快な思いをすることにしか使えない人を見かける。こうした行動は周囲から見ると、到底知的であるとは映らない。

いくら知識をたくさんインプットしても、それをうまくアウトプットする術を持たなければ意味がないというお話でシタ。

さて、久々にハウス・ディーヴァのアルバムを紹介します。
ということでAdevaのデビュー・アルバム『Adeva!』(1989年)デス。

Adeva(本名Patricia Daniels)はニュージャージー出身のハウス・ディーヴァ。ハウス・シーンの名プロデューサーTony Humphriesのバックアップなどもあってデビューを果たしたみたいですね。

そのAdevaのデビュー・アルバム『Adeva!』は僕が始めて購入したハウス系アーティストのソロ・アルバムだったような気がします。当時、ハウスって元来アルバム単位ではなくシングル単位で聴くもの、アルバムもレーベル単位のコンピで聴くものというイメージが強かったのですからね。

ジャケ写真を見ておわかりの通り、Grace Jonesばりのモヒカン・ヘアー&ルックスがインパクトありますよねぇ。そして、ボーカルもかなりパワフル&ストロングでパンチ効いてマス。

90年代に入ると本ブログでも紹介したCe Ce PenistonCrystal WatersUltra Nateなど次々とハウス・ディーヴァのヒット・アルバムが発表されましたが、その先鞭を付けたのがAdevaだったと思いマス。

僕にとっては、長い間本作が歌モノ・ハウスの1つのスタンダードになっていまシタ。
何と言っても、Aretha Franklinの代表曲のカヴァー「Respect」が目玉です。これが欲しくて、本作を購入した記憶がありマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Respect」
前述の本ブログでも紹介した“クイーン・オブ・ソウル”Aretha Franklinの大ヒット曲。オリジナルはOtis Reddingですが、Adevaは間違いなくArethaへの“リスペクト”からこの曲を取り上げたのだと思いマス。勿論、アルバムでの一番のお気に入り曲です。

Adevaのストロング・ヴォイスの特徴を生かしたガラージらしい仕上がりのカヴァーになっていマス。ハウス・ファンのみならず、R&Bファンにもぜひ聴いて欲しいカヴァーですね。

Adevaの2ndシングルとして発表され、全米ダンスチャート21位、全英ポップチャート17位のヒットとなりまシタ。

ボーナス・トラックとしてMonie loveのラップをフィーチャーしたDancin' Danny Dによるリミックス・バージョンも収録されていマス。Monie loveとAdevaは1991年のスマッシュ・ヒット「Ring My Bell」でも共演しまシタ。

「Treat Me Right」
この曲はUKでシングル・カットされまシタ。豪快に歌い上げるAdevaのボーカルを堪能できるスケール感のあるダンス・チューン。

「I Thank You」
この曲も大好き!ソウルフルなボーカルとガラージらしいトラックが実にマッチした直線的な仕上がりですね。ボーナス・トラックとしてクラブ仕様のリミックスも収録されていマス。シングル・カットされ、全英ポップチャート17位のヒットとなりまシタ。

「So Right」
「Respect」を除くと、この曲が一番好きですね。アーバン・ミッドナイト気分のメロディアスな大人のスロウに仕上がっていマス。

「In & Out of My Life」
Adevaのデビュー・シングル。アングラなガラージ・チューンというカンジがいいですね。

「Warning!」
気合いの入ったガラージ・チューン。Adevaのボーカルに推進力がありますな。ジャケの雰囲気にピッタリの曲かも?ボーナス・トラックのダブ・ミックスもこの時期のハウスらしいかも?

「Beautiful Love」
シングル・カットもされた美しいスロウ。ジャケの雰囲気とかなりギャップがある(?)美しさデス(笑)

「Musical Freedom」
3rdシングルとして全英ポップチャート22位のヒットとなったパワフルでキャッチーなガラージ・チューン。この曲もクラシックの雰囲気を持っていますね。プロデューサーのPaul Simpsonがフィーチャーされています。なんとMartin Luther King牧師の声をサンプリングしています。

1991年の2nd『Love or Lust?』もなかなか良く出来たアルバムだったのですが、徐々にシーンで名前を聞かなくなってしまいましたねぇ。
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2007年07月14日

Hank Mobley『Dippin'』

名曲「Recado Bossa Nova」収録の人気作☆Hank Mobley『Dippin'』
Dippin'
録音年:1965年
ez的ジャンル:ボッサ系ファンキー・ジャズ
気分は... :ウキ☆ウキ☆

台風接近が連休と重なりタイミング悪いですね。
個人的には連休関係なく仕事ですが、週明けに楽しみなことがあり今からウキウキ気分♪自覚症状はあるけど、ホント単純な人間だと思う。

さて、今日は何故か気になるB級サックス奏者Hank Mobleyの2回目の登場デス。

『No Room For Squares』(1963年)に続き紹介するのは、名曲「Recado Bossa Nova」収録の人気作『Dippin'』(1965年)っす。

コアなジャズ・ファンの方はArt BlakeyWynton Kelly、Paul Chambersを迎えたワン・ホーン・カルテットの『Soul Station』(1960年)あたりをご推薦される方も多いと思いますが、個人的には本作『Dippin'』(1965年)を聴くことが一番多いですね。

何といっても人気ボッサ・ジャズ「Recado Bossa Nova」収録というのが大きいですね。“本格的なジャズは聴かないけど、クラブ・ジャズなら聴く”といった若いリスナーの方も十分に楽しめる1曲ですね。

少し話が脱線しますが、個人的に再びクラブ・ジャズにハマりつつあります。
今一番オシャレな音楽はクラブ・ジャズじゃないかなぁ!

最近よく思うのが、僕のようなオヤG世代は「AOR=オシャレな音楽」という感覚で聴いているけど、クラブ・ジャズを体験した今時の若者にとっては、「AOR=退屈な音楽、イモ臭い音楽」としか聴こえないんだろうなぁということ。

実際、周囲の20代、30代の連中と音楽を聴いていると、クラブ・ジャズには敏感に反応するけど、AORなんぞ流すと速攻でスキップされてしまいマス(笑)もしかしたら、僕が一番ジェネレーション・ギャップを感じる瞬間かも? きっと、僕も今より10歳若かったら、同じように感じるのだと思いマス。

さて『Dippin'』に話を戻すと、、メンバーはHank Mobley(ts)、Lee Morgan(tp)、Harold Mabern Jr.(p)、Larry Ridley(b)、Billy Higgins(ds)の5名。個人的にはLee Morganの参加も本作の大きな魅力の1つです。MobleyとMorganの相性はなかなか良いのでは?

目玉は「Recado Bossa Nova」ですが、アルバム全体としてもグッドだと思いマス。

全曲紹介しときヤス。

「The Dip」
「Recado Bossa Nova」と並ぶ本作の目玉ですね。いわゆるジャズ・ロックってやつです。Mobleyのサックスで言えば、「Recado Bossa Nova」よりもコチラの方がいいかも? 全体としてファンキーで野暮ったいムードが好きですね。

「Recado Bossa Nova」
本作のハイライトとなるボッサ・ナンバー。僕のような永遠のジャズ初心者にとっては実にわかりやすく、軽快でキャッチーな1曲です。ジャズ・ファン以外の方が聴くジャズとして最適だと思いマス。

イントロのHarold Mabern Jr.のピアノを聴いただけで胸高鳴ってきますな。それに続くMobleyとMorganのムードたっぷりですね。特に、Morganのソロがカッチョ良いと思いマス。さすが伊達男!

元々はLuis Antonio/Djalma Ferreiraが1959年に発表した作品。Zoot SimsやEydie Gormeのカヴァーも有名ですね。ちなみにEydie Gormeのバージョンのタイトルは「The Gift」です。

個人的にははU.F.O.(United Future Organization)「I Love My Baby(My Baby Loves Jazz)」のサンプリング・ネタという印象が強いですね。そもそも僕が本作を購入しようとしたのもU.F.O.がきっかけでした。

「The Break Through」
「The Vamp」
MobleyとMorganの2管のカッチョ良さを堪能できるハードバップな2曲。個人的には「The Vamp」が好きですね。

「I See Your Face Before Me」
Howard Dietz/Arthur Schwartz作品のスタンダードを、Mobleyの柔らかなサックスとMorganのキザなミュートがロマンチック・ムードで聴かせてくれマス。うっとり気分のバラッドですな。Harold Mabern Jr.のピアノもいいカンジ。

「Ballin'」
軽快なノリが好きですね。Morganの勢いのあるソロに引っ張られて、Mobleyのソロも軽やかです!

どこかでの雑誌でHank Mobleyのことを“テナーのミドル級チャンピオン”と書いていたのを読んだ記憶がありマス。なかなか上手い表現ですね。
posted by ez at 09:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする