2007年07月13日

Kokomo『Kokomo』

こういった作品を称してセンス抜群の1枚と呼ぶのでは?☆Kokomo『Kokomo』
ファンキー・マシーン★ココモ1号
発表年:1975年
ez的ジャンル:英国系白人ファンク
気分は... :やっぱり遊び心がないとねぇ...

サッカーU20W杯の日本代表は惜しかったですねぇ。
審判から見放されたものの、なかなかの戦いぶりだったのでは?

最近不甲斐ないA代表や五輪代表の試合を観るよりは、はるかに救われた気がしましたねぇ。

それ以上に面白いのが南米選手権ですね。
今朝も準決勝の「メキシコ対アルゼンチン」を生放送でTV観戦していましたが、メッシのループ・シュートやリケルメの人を喰ったようなPKなどW杯や欧州サッカーでは絶対観られない遊び心満載のサッカーを堪能できますね。

「ブラジル対アルゼンチン」の決勝戦が楽しみですね。
順当に行けば、アルゼンチンの圧勝と予想しますが、今回イマイチのブラジルも最後は王国の意地を見せて欲しいものですね。

さて、今回はAverage White Band(AWB)と共に70年代英国ファンキー・ソウルの一翼を担ったグループKokomoのデビュー・アルバム『Kokomo』(1975年)の紹介です。

なんて書きながら、僕がKokomoを知ったのはフリー・ソウルのムーヴメントからでした。

Kokomoは、Joe Cockerのバック・バンドとして知られていた英国産スワンプ・ロック・グループGrease Bandのメンバーと、リバプールのポップ&ソウル・グループArrivalのメンバーなどが集めって結成された白人ファンク・グループ。このデビュー・アルバムの時には9人組でした。メンバーの中には元King Crimsonのメンバーとしても知られる売れっ子サックス・プレイヤーMel Collinsの名前も発見できマス。

僕の持っているCDのライナーノーツには、Grease BandやArrivalからの経緯やその周辺ミュージシャンに関するうん蓄がいろいろ書いてありますが、ハッキリ言ってどうでもいいカンジですね。

AWBのライバル・グループというのも、僕にはあまりピンと来ませんねぇ。
実際、KokomoAWBほどの商業的な成功を収めたわけでもないし、音楽的にも同じ白人ファンクでもテイストが異なる気がします。Kokomoの方がイナたくてメロウってカンジでしょうか。女性ボーカルが入っている点でもかなり印象が違うかもしれませんね。

本作はフリー・ソウル/レア・グルーヴ的な観点から聴くのが一番しっくりきますね。
まさにファンキー&メロウ・グルーヴ好きのための1枚ですね。
個人的には本作を聴いていると、続けてLemuriaMackey Feary BandTender Leaf等のハワイアン・フリーソウルが聴きたくなります。ある意味、AWB以上に僕向きのグループかも?

それにしても本作の邦題『ファンキー・マシーン★ココモ1号』というのはスゴイですな。遊び心を通り越して安直すぎるかも(笑)

プロデューサーはロック・ファンにはお馴染みのChris Thomasが担当しています。
Chris Thomasでこのサウンドっていうのは少し意外なカンジかも?

全曲紹介しときヤス。

「Kitty Sittin' Pretty」
Doobie Brothers「Long Train Runnin'」をファンキー・ソウル仕立てにしたようなオープニング。この曲が一番ファンクしているかもしれませんね。

「Anytime」
フリーソウルのコンピ『Free Soul Graffiti』収録曲ということでファンにはお馴染みのメロウ・グルーヴですね。 僕もこの肩の力の抜けたグルーヴ感がサイコーにカッチョ良いと思います。これから夏に向けてピッタリの1曲なのでは?

「I'm Sorry Babe」
この曲も夏向けのライト・タッチなファンキー・ソウル。からっと明るいカンジがいいですね。

「Forever」
メロウ好きにはたまらない1曲。この曲が英国産とはとても信じられませんねぇ。どう聴いても、夕陽の浜辺で恋人同士が聴く曲ですな。

「It Ain't Cool (To Be Cool No More) 」
イナたいファンキー・チューン。どちらかと言えば、オールド・リスナー向けの曲ですかねぇ。

「Feeling This Way」
この曲もクラブ系リスナーにはお馴染みの1曲ですね。個人的にはAl Kooperのファンキー・グルーヴあたりとの共通点をカンジますねぇ。

「Sweet Sugar Thing」
「Anytime」と並ぶ僕のお気に入り曲。かなり気の利いたゴキゲンなファンキー・グルーヴ。この曲あたりを聴いていると、きっと若いリスナーの方にはAWB以上にKokomoがピタッと来るんだろうなぁという気がしますね。

「I Can Understand It」
Bobby Womackのカヴァー。アーバンかつパーカッシヴな仕上がりが何とも僕好み。

「Angel」
Aretha Franklinの妹Carolyn Franklinのカヴァー。胸キュンのメロウに仕上がっていマス。Mel Collinsのサックス・ソロもサイコーですな。

ホント、捨て曲ナシの佳作だと思いマス。
個人的にはこういった作品を称してセンス抜群の1枚と呼ぶのでは?と思いマス。
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2007年07月12日

Marisa Monte『Mais』

Arto Lindsayプロデュース、坂本龍一も参加した2nd☆Marisa Monte『Mais』
Mais
発表年:1991年
ez的ジャンル:MPB第二世代
気分は... :艶っぽさがいいねぇ...

久々にMPB(Musica Popular Brasileira)ものを...ということで今年15年ぶりの来日公演を行ったばかりのMPBの歌姫Marisa Monteの2ndアルバム『Mais』(1991年)です。

Marisa Monteは1967年リオ・デ・ジャネイロ生まれのMPBシンガー。1989年にデビューアルバム『Marisa Monte』を発表して以来、現在までに7枚のアルバムを発表しています。

僕のお気に入りはMarisaを最初に知った2ndアルバム『Mais』(1991年)と、ライブ録音とスタジオ録音を組み合わせた4thアルバム『Barulhinho Bom(英題:A Great Noise)』(1997年)の2枚。

本日は2ndアルバム『Mais』をセレクト。
僕同様に本作『Mais』でMarisaを初めて聴いたという人は多いのでは?

デビューアルバム『MM Ao Vivo』がライブ・アルバムであったため、本作が初のスタジオ録音となります。ジャケのMarisaの凛々しい姿がいいですなぁ。

プロデュースはArto Lindsay。僕が『Mais』を購入したのもArto Lindsayへの興味からでした。Mark Ribot、Melvin Gibbs、John Zorn、坂本龍一といったArto Lindsay人脈とブラジル人ミュージシャンの融合といったカンジになっています。そうそうP-Funkファンには嬉しいBernie Worrellも参加していマス。

当時の僕はワールド・ミュージックにハマっていた時期で、この作品もそんな流れで聴いていまシタ。本作をはじめとするMPB作品を聴いていると、英語圏の音楽にはない瑞々しさを感じますねぇ。僕の音楽観を拡げてくれまシタ。

特に『Mais』にはMPBにさりげなくArto Lindsay流のアヴァンギャルドなテイストが入っているのが心憎いですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Beija Eu」
ヒットした人気曲。艶っぽい声で淡々と歌うMarisaのボーカルの魅力をダイレクトに堪能できる1曲ですね。Marc RibotははじめとするNY系のバックの演奏もなかなか。

「Volte Para O Seu Lar」
この曲はArto Lindsayらしく、ブラジリアン・アヴァンギャルドといった仕上がりです。John Zornのフリーキーなサックスも印象的ですね。

「Ainda Lembro」
「Beija Eu」と並ぶ人気曲。Ed Mottaとのデュエット曲。個人的には一番のお気に入り曲です。今日一日の疲労やストレスや嫌な事もすべて消し去ってくれるような包容力のある1曲ですね。これからの季節、海辺で聴いたりするのにもピッタリな1曲ですね。

「De Noite Na Cama」
コンテンポラリーなMPBらしい作品ですね。このポップさは英語圏の音楽にはないものですね。

「Rosa」
坂本教授のピアノをバックに、Marisaの素敵なボーカルを堪能できる1曲デス。イタリアでオペラの勉強をしていた経験が窺える曲ですね。

「Borboleta」
日本人が好きそうなギターの弾き語りによるシンプルなボッサ・ナンバー。

「Ensaboa」
ブラジリアン・フレイヴァーのレゲエ・ナンバーです。案外ハマっています。

「Eu Nao Sou da Sua Rua」
約1分半足らずの曲ですが、なかなか魅力的なフォーキー・チューンに仕上がっていマス。

「Diariamente」
Joyceあたりと一緒に聴きたくなるメロウなアコースティック・ナンバー。瑞々しさ一杯の1曲ですね。

「Eu Sei (Na Mira) 」
ブラジリアンAORとでも呼びたくなるメロウ・チューン。「Ainda Lembro」と並ぶ僕のお気に入りです。

「Tudo Pela Metade」
Arto Lindsayの色が強く出たアヴァンギャルド・ロック・テイストのナンバー。Ambitious Loversとかと一緒に聴くといいかも?

次は『Barulhinho Bom(英題:A Great Noise)』(1997年)も紹介したいですねぇ。
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2007年07月11日

Chrisette Michele『I Am』

2007年期待の女性R&Bシンガーのデビューアルバム☆Chrisette Michele『I Am』
I Am
発表年:2007年
ez的ジャンル:ジャズシンガー系女性R&B
気分は... :“ジャジー”ではなく“ジャズ”を感じるR&B!

2007年期待の女性R&BシンガーChrisette Micheleのデビューアルバム『I Am』の紹介です。

Chrisette Micheleは1985年NY生まれのジャズ/R&Bシンガー。
子供の頃から教会でゴスペルを歌い、その才能に磨きをかえていたらしいっす。

Def JamのCEOとなったL.A.Reidに見込まれてDef Jamと契約。その後、Nas『Hip Hop Is Dead』収録の「Can't Forget About You」、「Still Dreamin'」や、Jay-Z『Kingdome Come』収録の「Lost One」にフィーチャーされていたので、Hip-Hopファンには聞き覚えのある名前なのでは? なんでもChrisetteの母親とNasの母親は親しい間柄なのだとか。

そうしたプロローグを経て発表されたデビューアルバムが本作『I Am』となりマス。

とにかく“ジャジー”ではなく“ジャズ”を感じるR&Bというのが僕の印象です。
バックの音の合間を歌が自由に駆け巡っているようですな。

Ella Fitzgerald、Billie Holiday、Sara Voughanといったジャズ・シンガーを自らのアイドルとして指摘しているのも頷けるカンジですねぇ。

BabyfaceWill.I.Am、Salaam Remi、John Legendなど多様なプロデューサーを起用し、さまざまな角度からChrisetteの魅力を引き出そうとしているのも、アルバム全体を楽しめるものにしてくれます。

各方面で絶賛されるのが納得の1枚ですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Like A Dream」
軽やかに天に駆け上るようなChrisetteのボーカルにいきなりKOされてしまうミッド・チューン。バックが軽やかな分、彼女のジャジーなボーカル・スタイルの魅力がストレートに伝わってくるカンジですね。

「Work It Out」
この曲はソウル・テイストな仕上がり。こうした正統派ナンバーで貫禄十分に聴かせるあたりにChrisetteの実力を感じますね。

「If I Have My Way」
第一弾シングルがこの曲みたいですね。ジャズ・フレイヴァーの強いソウル・ナンバーといったカンジです。確かに、このタイプの曲が一番Chrisette Micheleというシンガーの魅力が伝わってくるかも?

「Best Of Me」
Babyfaceプロデュース曲。Babyfaceらしいアコースティック・ソウルに仕上がっています。個人的には胸キュン度がかなり高いサイコーの出来だと思いマス。これから夏に向けてのヘビロテになりそうデス。

「Your Joy」
この曲もBabyfaceプロデュース。こちらもアコースティック・ソウルですが静かで味わい深い仕上がりですね。一人でしんみりと聴きたいカンジですね。

「Good Girl」
Salaam Remiプロデュースのミッド・グルーヴ。きっとFugeesが好きな人は気に入る曲なのでは? Hip-Hop方面からChrisetteに興味を持った人向けの曲ですね。

「Be Ok」
Will.I.Am参加&プロデュース曲。パンチの効いたホーンとほのかなブラジリアン・テイストが魅力のキャッチーなナンバーに仕上がっていマス。良く悪くもWill.I.Amらしい曲ですね。Bob Marley & The Wailers「Could You Be Loved」ネタ。

「Golden」
しっとり落ち着いた雰囲気が魅力の1曲。彼女のボーカル・スタイルとマッチした感動的な仕上がりですね。

「Let's Rock」
Will.I.Amプロデュース曲。先にFugeesを引き合いに出しましたが、この曲はLauryn Hillのソロとの共通点をカンジますね。ジャズ/ソウルの枠に収まらないスケールの大きさを感じるからかもしれませんね。Run-D.M.C.「Here We Go」ネタ。

「Love Is You」
John Legendプロデュース曲。JohnのピアノをバックにChrisetteが感動的なボーカルを聴かせてくれます。名曲の雰囲気が漂う秀逸作。

「Is This The Way Love Feels」
ゴスペル仕込みのスピリチュアルな1曲。崇高で壮大なスケールのナンバーに仕上がっていマス。

「I Am One」
シークレット・トラックとして収録されている1曲。ピアノの弾き語りによる実に感動的な1曲に仕上がっていマス。シークレット・トラックにしておくのが勿体ないカンジですね。

昨年来、女性R&Bシンガーの不作を嘆いていた僕ですが、この1枚で当分救われそうですね。
posted by ez at 13:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月10日

Earth,Wind & Fire『Spirit』

僕らの魂は愛と信念を黙想する!☆Earth,Wind & Fire『Spirit』
Spirit
発表年:1976年
ez的ジャンル:ピラミッド系ポップ&メロウ・ファンク
気分は... :その一言でOKさ☆

約一年ぶりのEarth,Wind & Fire(EW&F)です。

『That's the Way of the World』『Open Our Eyes』に続き紹介するのは1976年の作品『Spirit』デス。

個人的には、『Head to the Sky』(1973年)、『Open Our Eyes』(1974年)、『That's the Way of the World』(1975年)、『Gratitude』(1975年)、『Spirit』(1976年)、『All 'N All』(1977年)までがEW&Fの絶頂期だと思いマス。

よくAOR好きの人がDavid FosterJay Graydon絡みで『I Am』(1979年)を取り上げているのを見かけますが、僕は正直NGですね。EW&Fが外部の白人ミュージシャンの手助けを受けた時点でEW&Fならではの魅力が低下してしまっているような気がします。

確かにEW&Fは白人マーケットを意識した作りで成功を収めた黒人グループですが、それでも白人ミュージシャンが参加する必然性はあまりカンジません。その意味で『I Am』からEW&Fの失速が始まったという印象を持っています。個々の曲をみれば佳作もかなりあるのはわかるのですが、なんか肯定的に聴けない気分ですねぇ。

まぁ、僕の場合はDavid Fosterとの相性がかなり悪いというだけかもしれませんが...

昔から本ブログをご覧の方はおわかりの通り、僕がDavid Fosterが関与している作品をイチオシするケースはかなり稀なので(笑)多分、これまでのエントリーで絶賛した作品って、Boz Scaggs『Middle Man』くらいかもしれませんね。きっと「David特有の甘さ=大味でクドい」という図式で頭にインプットされているのかもしれません。

例えば、ChicagoでもDavidの貢献が大きい『Chicago 16』『Chicago 17』『Chicago 18』よりもPhil Ramoneプロデュースの『Hot Streets』の方が断然好きだし、Average White BandでもDavidプロデュースの『Shine』よりはArif Mardinプロデュース作品をイチオシするといったように、どうも噛み合わないといった状況です。

David Fosterが苦手でAOR好きなんて言ったら、年季の入ったAORファンの方から怒られそうですね。でも、これが偽らざる僕の気持ちデス。

さて、EW&Fに話を戻すと、本作『Spirit』は音楽的にも商業的には絶頂期だったEW&Fを象徴する1枚だと思いマス。

タイトルやジャケ写真のメンバーの背後に写るピラミッドを含めて考えると、結構トータルなコンセプトにこだわったアルバムかも?なんて気もしますが、単純にEW&Fらしさに溢れた楽曲&演奏の素晴らしさを楽しめばいいアルバムだと思いマス。


なお本作は本作制作中に心臓発作で亡くなったプロデューサー/アレンジャーのCharles Stepneyに捧げられていマス。
『Open Our Eyes』『That's the Way of the World』『Gratitude 』『Spirit』というEW&Fにとっての最重要作4枚でMaurice Whiteと共にプロデュース/アレンジを担当したのがStepneyでシタ。

全曲紹介しときヤス。

「Getaway」
R&BチャートNo.1となったEW&Fを代表する大ヒットの1つですね。数年前、トヨタHARRIERのCMでも流れていましたね。EW&Fらしいスペーシーなディスコ/ファンクに仕上がっています。ホーン隊が鳴り具合いがサイコーですね。この後、この曲から影響を受けたと思われるファンク・ナンバーが続出しましたよねぇ。

The Salsoul Orchestra、Tuck & Patti、The Getaway Peopleなどのカヴァーがありますね。Drew Sidora「'Til The Dawn」、Cassidy「Get 'Em」、Poor Righteous Teachers「Strictly Ghetto」 などのサンプリング・ネタにもなっていマス。

「On Your Face」
昔も今もアルバムで一番のお気に入り曲。ラブリーなメロウ・チューン。「心模様」っていう邦題もいいですねぇ。Philip Baileyのファルセット・ヴォイスにうっとりっす。Ray Parker Jr. & Raydio「A Woman Needs Love」から本曲へと流れるのが、かつての僕の必勝パターンでした(笑)

Naughty by Nature「Jamboree」、Queen Pen「Party Ain't a Party」、Coko「I Get Joy」などのサンプリング・ネタにもなっていマス。個人的にはカヴァーなのか何なのかようわからんMC Hammer「On Your Face」が懐かしいですなぁ(笑)

「Imagination」
アーバン・メロウなスロウ。ここでもPhilipの魅惑のファルセットを堪能できます。EW&Fらしいスマートでキャッチーな仕上がりデス。

「Spirit」
歌詞も含めて、スピリチュアルなムードが漂うタイトル曲。地味だけど味わい深いですね。

「Saturday Nite」
シングルヒットした歯切れの良いダンス・チューン。個人的にはあまりディスコ・ディスコしすぎていない、この位のテイストのダンス・チューンが好きですね。

「Earth, Wind & Fire」
グループ名がタイトルとなっている割には、かなり地味な曲ですね(笑)

「Departure」
30秒足らずのインスト・ナンバー。

「Biyo」
フュージョン・テイストのインスト。コズミックな高揚感のあるアップ・チューンに仕上がっていマス。カリンバの音色が実に似合う曲ですね。長尺でずっと聴いていたい気分です。

「Burnin' Bush」
AORファンが好きそうなアーバン・ソウルですね。この位ならば程よい甘さでいいカンジだと思いマス。

やっぱりEW&Fを聴いていると、Maurice Whiteのおでこがテカっているせいか、明るく前向きになりますなぁ。
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2007年07月09日

Miles Davis『Cookin'』

マラソン・セッションを収めたING四部作の中の代表作☆Miles Davis『Cookin'』
クッキン
録音年:1956年
ez的ジャンル:マラソン・セッション系ハードバップ
気分は... :今夜の料理の出来は...

昨晩は特製オリジナル・チキン・カレーを作り、自画自賛の仕上がりにご満悦でシタ。

そんな中で思いついたのが今夜の1枚...
本ブログ最多登場Miles DavisのING四部作の1枚『Cookin'』(1956年)デス。

Milesは『On The Corner』(1972年)、『Milestones』(1958年)、『Miles Ahead』(1957年)、『In A Silent Way』(1969年)、『'Round About Midnight』(1955、56年)、『Miles Smiles』(1966年)に続き7回目の紹介デス。

ING四部作とは、いわゆる“マラソン・セッション”を収めた『Cookin'』『Relaxin'』『Workin'』『Steamin'』という4枚のアルバムをさします。

大手Columbiaと契約を交わしたMilesがPrestigeとの残りの契約を履行するために行ったセッションが、“マラソン・セッション”と呼ばれるものです。このセッションは1956年5月11日と10月26日の2度にわたり行われまシタ。

たった2日でアルバム4枚分のレコーディングを敢行し、契約問題のゴタゴタを一気に解決してしまおうとするのが、とてもMilesらしいカンジがしますね。

このように書くと、やっつけ仕事のレコーディングのような印象を受ける方もいるかもしれませんが、それがMiles Davis(tp)、John Coltrane(ts)、Red Garland(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)という第一期黄金クインテットの大きな成果を生み出すドキュメントとなっている点がさすが帝王Milesですな。

『Cookin'』は四部作のうち、一番最初に発売された作品です。
レコーディング自体は10月26日のセッションが収められています。

ING四部作の中で最も人気の高い作品が『Cookin'』なのでは?
多分、名演「My Funny Valentine」収録されていることと、John Coltraneの急速な成長をはじめとする黄金クインテットの完成度が高まってきたことなどが要因だと思いマス。

ING四部作は、Prestigeの思惑から一気に発売されず、『Cookin'』が1957年、『Relaxin'』が1958年、『Workin'』が1960年、『Steamin'』が1961年といった順で発売されまシタ。素直に考えれば、一番出来の良い作品を最初に発売すると思うので、その意味でも『Cookin'』の完成度は高いといえるのでは?

全曲紹介しときやす。

「My Funny Valentine」
Miles至極のバラッドとも呼べる本作のハイライト。説明不要のスタンダードですね(Lorenz Hart作詞、Richard Rodgers作曲)。先日もBill Evans & Jim Hall『Undercurrent』のバージョンを紹介しましたが、個人的には本曲といえばこのMilesのバージョンのイメージが強いですね。

Red Garlandのイントロのピアノを聴いただけで胸キュンですな。そのイントロに導かれて、リリシズム溢れるMilesのミュートを思う存分堪能できマス。Red Garlandの美しいカクテル・プレイもサイコーですね。

本作にはColtraneが参加しておらず、Milesのワン・ホーンとなっていマス。確かにこの曲にはColtraneは居ない方がいいかも?

「'Round Midnight」とセットで聴き、男のリリシズムの世界に一人浸るの好きな僕なのでシタ(笑)

「Blues By Five」
Miles作のブルース。この曲からColtraneも加わり5人勢揃いとなりマス。Milesのリラックスしたソロに対して、続くColtraneの気難しいカンジで面白いですね。

「Airegin」
Sonny Rollins作品。タイトルは「Nigeria(ナイジェリア)」を逆に読んだものデス。Milesのアルバムでいえば、『Bag's Groove』にも収録されているので、そちらと聴き比べてみるのも楽しいのでは?

本作のバージョンはスピーディーでスリリングな演奏が魅力だと思いマス。本曲の聴きどころは何といってもColtraneのソロなのでは? いよいよサックスの神がColtraneに舞い降りてきたカンジですな。Philly Joeのドラミングもエキサイティングでグッド!

「Tune-Up/When Lights Are Low」
Milesのオリジナル「Tune-Up」とBenny Carter作品「Lights Are Low」のメドレー。この2曲ともに初演は1954年録音の『Blue Haze』に収録されていマス。

「Tune-Up」はMilesの軽やかでメロディックなソロがいいですねぇ。MilesとPhilly Joeの絡みのパートも目茶カッチョ良いですね。「Lights Are Low」は全体的にリラックスしたムードがいいですね。この手の曲ではGarlandのカクテル・ピアノがいい味を出してくれますね。

他のING四部作であれば、『Workin'』『Relaxin'』がオススメです。
posted by ez at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする