2007年07月08日

Shirley Murdock『Shirley Murdock!』

Zappファミリーの歌姫のデビュー作☆Shirley Murdock『Shirley Murdock!』
Shirley Murdock
発表年:1986年
ez的ジャンル:Zappファミリー系歌姫
気分は... :スタミナつけなくちゃ!

サッカー好きにとっては、南米選手権、U-20ワールドカップ、アジア杯とイベント盛り沢山の日々のはず...でもイマイチ盛り上がらないですね。何故なんだろう?生放送で観ていないからかなぁ?

Zappファミリーの歌姫Shirley Murdockのデビューアルバム『Shirley Murdock!』(1985年)デス。
Zapp/Roger好きの人は外せないアーティストの一人ですね。

10代の頃から聖歌隊で鍛えた圧倒的な歌唱力をRoger Troutmanに認められ、Zappファミリーに加わったShirleyは、Rogerの2ndソロ『The Saga Continues』(1984年)やZappの4thアルバム『The New Zapp IV U』(1985年)にも参加していまシタ。特に「Computer Love」での華やかなバック・コーラスが印象的でした。

そんなShirleyが満を持して発表した1stソロが本作『Shirley Murdock!』です。

僕が持っているShirleyのアルバムは、1st『Shirley Murdock!』(1986年)、2nd『A Woman's Point of View』(1988年)、3rd『Let There Be Love!』(1991年)の3枚ですが、やっぱり本作『Shirley Murdock!』を聴く機会が一番多いですね。

Roger Troutmanプロデュースの本作には、RogerをはじめとするZappファミリーが大挙して参加しています。あまりオーバープロデュースにならず、Shirleyのパワフルなボーカルの魅力を引き出すことに成功していると思いマス。

やっぱり「Go On Without You」「As We Lay」という2大スロウが秀逸ですね。
この2曲だけでも本作を聴く価値があると思いマス。

ジャケはB級ですが、中身は絶品ですよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Be Free」
「No More」
80年代半ばらしい打ち込みファンク2曲。それほどZapp/Rogerらしさ全開というカンジではなく、パワフルなShirleyのボーカルを生かした仕上がりになっていマス。

「Go On Without You」
「As We Lay」と並ぶ本作のハイライトと呼べるスロウ。シングルとして全米R&Bチャートの第5位となりまシタ。久々に聴いたけど、スウィート&ドリーミーな仕上がりにウットリしてしまいますね。なんか大学生の頃を思い出すなぁ。

「Truth or Dare」
80年代エレクリック・ファンクらしい1曲。個人的にはボーナス・トラックのEuropean Mixの方がフルートの音色なども入った仕上がりで好きですねぇ。

「Teaser」
ファンク系ナンバーではこのミディアム・ファンクが一番好きですね。とってもブラコンなカンジがいいですねぇ。

「As We Lay」
シングルヒットもしたスロウ。文句なしの本作のハイライトです。シングルとして全米R&Bチャートの第5位となりまシタ。

オリジナルは作者のBilly Beckも在籍していた同じZappファミリーのHuman Bodyですが(アルバム『Make You Shake It』収録)、この曲といえばShirleyのイメージが強いですよねぇ。とにかく、ジワーッと胸に染みとおるカンジがたまりません。胸キュン好きの僕は胸が張り裂けそうデス(笑)ボーナス・トラックのMidnight Mixも大好きですね。

Kelly Priceのカヴァーも話題になりましたね。また、Jennifer Lopez feat. Fat Joe「Hold You Down」のサンプリング・ネタとしても有名です。

「The One I Need」
「As We Lay」「Go On Without You」と並ぶ僕のお気に入り曲。この曲だけやけにアーバン・メロウな仕上がりになっていマス。ソフト&メロウ好きの人向けですねぇ。

「Tribute」
1分半にも満たない曲ですが、感動的なスロウに仕上がっていマス。ボーナス・トラックのExtended Mixの方が長尺なので、じっくり聴きたい方はそちらをどうぞ!

現在のShirley Murdockはゴスペルの世界で活躍しているようですね。

夏にもなっていないのに、バテ気味の僕ですがShirleyのパワフルな歌でも聴いてスタミナつけようっと!
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2007年07月07日

Billy Joel『Turnstiles』

ニューヨーカーBilly Joelらしさに溢れた1枚☆Billy Joel『Turnstiles』
ニューヨーク物語
発表年:1976年
ez的ジャンル:NY系シンガーソングライター
気分は... :僕の帰る場所は...

僕を洋楽バカにした張本人Billy Joelの3回目の登場です。

以前のエントリーでも書いたとおり、『The Stranger』(1977年)と『52nd Street』(1978年)という2枚のアルバムとの出会いが、今日のような洋楽バカな人生を過ごすきっかけでシタ。この2枚がなかったら僕は今頃スナックで演歌を熱唱する演歌/歌謡曲オヤジになっていたかも(笑)

ただし厳密に書けば、『The Stranger』(1977年)と『52nd Street』(1978年)と同じくらい、青春時代に聴きまくったBilly Joelの作品がもう1枚ありマス。

それが本日紹介する『Turnstiles』(1976年)です。

『The Stranger』の1つ前の作品にあたる『Turnstiles』は、『The Stranger』『52nd Street』のようなヒット・アルバムでもなく、ヒット・シングルも全くありません。

それでも、彼の代表曲「New York State Of Mind(ニューヨークの想い)」が収録されているなど、ある意味最もBilly Joelらしいアルバムと呼べるかもしれません。

昔ながらのBilly Joelファンならば、本作に対する支持はかなり高いのではないかと思いマス。

Billy Joelといえば、生粋のニューヨーカーというイメージですが、それまで発表してきた『Cold Spring Harbor』(1971年)、『Piano Man』(1973年)、『Streetlife Serenade』(1974年)といった作品は、故郷ニュー・ヨークから遠く離れたロサンゼルスでレコーディングされていまシタ。

そんなBillyが意を決して、西海岸から東海岸へ戻りレコーディングされた作品が本作『Turnstiles』です。
タイトルの『Turnstiles』とは、ジャケ写真にも写っているニューヨークの地下鉄の回転式ゲートのことであり、地下鉄の改札を通るさまざまなニューヨーカーの人生を綴った作品が本作にはズラリと並びます。

あくまでシンガーソングライターとしてのBilly Joelを堪能したいのであれば本作はかなり充実の1枚だと思いマス。Billy本人もかなりのお気に入り作みたいですからね。

全曲紹介しときヤス。

「Say Goodbye To Hollywood」
Phil SpectorがプロデュースしたThe Ronettes「Be My Baby」にインスパイアされたと思われるポップなナンバー。「New York State Of Mind」と並ぶ人気曲なのでは? 『Songs In The Attic』(1981年)に収録されたライブ・バージョンがシングル・ヒットしましたね。西海岸に別れを告げたBillyの強い意思を感じる1曲ですね。

「Summer,Highland Falls」
僕がアルバムで一番好きな曲がコレ。一番好きというよりも、思春期の僕に人生というものについて深く考えるきっかけを与えてくれた曲がこの曲でした。

以前のエントリーでも書きましたが、中学生の時にこの曲とProcol Harum「Whiter Shade of Pale」の2曲を何度も繰り返し聴いているうちに、ふと「人生には限りがあり、自分もいつかは死ぬ」ということに改めて気付き、不安と恐怖でパニックに陥った時期がありました(笑)。そんな思い出からか、今でもこの曲を聴くと、人生を振り返ったり、今後の人生に思いを巡らしてしまいマス。

まぁ、そのような個人的な思い出を抜きにしても、純粋に美しいメロディの佳作だと思いマス。

「All You Wanna Do Is Dance」
グッド・オールディーズに夢中な女の子を描いたレゲエ&カリプソ・テイストのナンバー。ちょっと異色のナンバーかもしれませんね。

「New York State Of Mind」
故郷ニューヨークへの想いを綴った名曲。ニューヨークについて歌った歌は数多あると思いますが、僕は真っ先にこの曲が思い浮かびますね。ジャジーなムードもいいですが、Billyの想いが切々と伝わってくるのが何よりいいですね。

「James」
自分の内なる欲求を抑えて家族の期待に応えて勉強を続ける男の人生を綴ったBillyらしい1曲。エレピの優しい音色が優しく問い掛けてくれるカンジでいいですねぇ。

「Prelude/Angry Young Man」
街の吟遊詩人Billyらしいアグレッシブでドラマティックな展開のナンバー。素晴らしいピアノ・プレイも聴きモノです。

「I've Loved These Days」
美しく、悲しく、虚しいバラッドですね。歌詞があまりに切なくて、聴いていると少し辛くなってしまいますが...

「Miami 2017 (Seen The Lights Go Out On Broadway)」
「Summer,Highland Falls」と並ぶ僕のお気に入り曲がコレ。近未来にニューヨークが破壊されてしまうというSF風の歌詞が印象的ですね。僕は『Glass Houses』(1980年)あたりから顕著になったロッカーとしてのBillyはあまり好きではありません。そんな僕でもこのロック・ナンバーだけは別格で好きですね!

久々に本作『Turnstiles』のレコードをレコード棚から引っ張り出してきまシタ。
当時のライナーノーツにはこう書いてあります。

マンハッタンのアパートメント、ブロードウェイの灯、ビリーのバラッドはニューヨークの街に鼓動する...
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2007年07月06日

The Roots『Do You Want More?!!!??!』

ジャジーでオーガニックなHip-Hopを聴きたければやっぱりRootsですな☆The Roots『Do You Want More?!!!??!』
Do You Want More?!!!??!
発表年:1994年
ez的ジャンル:ジャジー系オーガニック生音Hip-Hop
気分は... :?!!!??!

知性派Hip-HopグループThe Rootsの2回目の登場デス。

前回は最新作『Game Theory』(2006年)の紹介でしたが、今回はメジャー第1作となった2nd『Do You Want More』(1994年)です。

個人的にはRootsの作品の中では、2nd『Do You Want More』(1994年)、3rd『Illadelph Halflife』(1996年)、4th『Things Fall Apart』(1999年)とUKのみでリリースされた6曲入りEP『From The Ground Up』(1994年)の4枚が好きですね。

やっぱり僕の好きなRootsはジャジーでオーガニックなHip-Hopバンドのイメージですね。そんなRootsに出会えるのが前述の4枚です。

本作『Do You Want More』は僕が初めて聴いたRoots作品でした。
リアルタイムでこのアルバムを聴いた時にはかなりインパクトがありましたね。

それまでもA Tribe Called Quest(ATCQ)等のジャズ・ネタのHip-HopやGuruのプロジェクトJazzmatazzのようなHip-HopとJazzの融合を狙った作品はありましたが、ここまでHip-HopとJazzが自然が違和感なく融合している作品を聴いたのは初めてでしたね。

例えば、Jazzmatazzは当時ブームのAcid Jazzの流れとの接点を強く感じますが、Rootsの場合はむしろ70年代のニューソウル/ジャズあたりからの影響を感じますよねぇ。そのあたりが同じジャジーなHip-Hopでもずいぶん肌触りが異なる気がしまシタ。

Jazz好きの方にはCassandra Wilson(vo)、Steve Coleman(ts)、Graham Haynes(tp)といったゲストの参加も興味深いですよねぇ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Proceed」
シングルカットもされた代表曲。このジャジーな生音をHip-Hopを初めて聴いた時の感動が甦ってきますねぇ。単に心地良いだけではないオーガニックなグルーヴ感が何ともいいですねぇ。

「Distortion to Static」
この曲もシングルになりまシタ。なんかATCQが生音Hip-Hopしているカンジがとっても好きデス。クラシックな雰囲気十分のドープな1曲ですねぇ。笑い声のサンプリングの使い方がお見事!

「Mellow My Man」
タイトル通りのメロウ・チューン。Scott Storchのローズが実に気持ちいいですねぇ。70年代ニューソウルあたりのテイストが漂っていますね。僕がRootsを好きな理由はこのあたりの要因が大きいかも?

「Datskat」
Black Thoughtの弾けたフロウがいいカンジですね。Steve Colemanのサックスがいいアクセントになっていマス。

「Lazy Afternoon」
まさに気だるい午後のムードにぴったりな1曲。淡々としたカンジが好きだなぁ。

「? Vs. Rahzel」
タイトルの通り、ドラムの?uestlove、ビートボクサーのRahzelの二人を堪能できるナンバー。

「Do You Want More?!!??!」
まさに?!!??!な1曲(笑)実に気持ちのいいジャジー・グルーヴなんだけど、バグパイプの音色が摩訶不思議な雰囲気を作っていマス。

「What Goes On, Pt. 7」
コズミック・ムードがいいカンジの1曲。密かに好きな1曲です。

「Essaywhuman?!!!??!」
この曲のみライブパフォーマンス。実に臨場感があっていいですね。生音Hip-Hopの魅力がストレートに伝わってきマス。

「Swept Away」
「Silent Treatment」
大物ジャズ・シンガーCassandra Wilsonをフィーチャーした2曲。2曲ともにジャジー・ムードに溢れていマス。「Silent Treatment」はシングルカットされまシタ。

最近のジャジーなアングラHip-Hopも大好きな僕ですが、そうした諸作にも大きく影響を与えたのが初期The Rootsではないかと思いマス。
まさに?!!!??!な作品デス(笑)
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2007年07月05日

Youngbloods『Elephant Mountain』

代表作との誉れ高い3rdアルバム☆Youngbloods『Elephant Mountain』
Elephant Mountain
発表年:1969年
ez的ジャンル:微風系グッドタイム・ミュージック
気分は... :心にそよ風を♪

Jesse Colin Youngを中心としたYoungbloodsの2回目の登場デス。
『RIde The Wind』(1971年)に続く2枚目は、3rdアルバム『Elephant Mountain』(1969年)です。

どうしてもヒット曲「Get Together」のイメージが強いグループですが、アルバム単位で言えば本作『Elephant Mountain』が一番人気の高いアルバムなのでは?

個人的には『RIde The Wind』(1971年)に次いで二番目に好きなアルバムというカンジですね。
僕はこのグループの持つグッドタイム・ミュージック的な側面が好きなので、そんな魅力に溢れているのはこの2枚だと思いマス。

前回『RIde The Wind』のエントリーで彼らのことをシスコを拠点に60年代後半から70年代初めに活躍したグループと紹介しましたが、元々はボストンを拠点としていまシタ。そんな彼らが様々なゴタゴタから逃れるためシスコへ拠点を移し、その新天地での最初のアルバムが本作『Elephant Mountain』となりマス。

本作発表時点でのメンバーは、Jesse Colin YoungJoe BauerBananaという3人。ただし、本作の収録曲には1967年の録音も含まれるため、前メンバーのJerry Corbittが参加している作品もあります。

プロデューサーはCharles Danielsが担当しています。僕にはCharles Daniels Bandの印象が強いですね。

アルバムには、シスコらしいヒッピーなロック・ナンバーからフォーク・ロック、ビート・ロック、ジャグ・バンド風、ボッサ風、ソウル/R&B風等々さまざまなタイプの曲が収録されていますが、個人的にはその風のようなボッサでジャズ風味のナンバーがお気に入りですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Darkness, Darkness」
Young作によるダークでヒッピーなロック・ナンバー。Mott The Hoopleもカヴァーしていますね。いかにもシスコらしいサウンドです。

「Smug」
典型的なフォーク・ロックですね。この曲は1967年録音なので、イースト・コーストっぽい仕上がりです。

「On Sir Francis Drake」
Banana作のインスト・ナンバー。僕はBananaのエレピが目立つ作品が好きなので、ジャム・セッション風のこの曲も好きです。

「Sunlight」
『RIde The Wind』にも収録されていたボッサ・ナンバー。基本的にはこの曲や「Ride the Wind」のような路線のYoungbloodsが一番好きですね。素朴で落ち着いた雰囲気のグルーヴ感がサイコーっす。

「Beautiful」
この曲はスタックス風のソウル/R&Bサウンドを聴かせてくれマス。こうやって聴くとYoungのボーカルもなかなかソウルフルですね。この曲も『RIde The Wind』にライブ・バージョンが収録されています。

「Rain Song (Don't Let the Rain Bring You Down) 」
前メンバーだったJerry Corbittの作品。ジャグ・バンド風の明るくリラックスした雰囲気がいいですね。

「Trillium」
インスト・ナンバー。この曲もBananaのエレピが目立っていていいですね。

「Quicksand」
1968年にシングルとして発表されていた曲。所々Temptations「My Girl」っぽいのが笑えます。全体としては初期Youngbloodsらしい仕上がりですね。

「Sham」
R&B調のビート・ロック。こうしたエッジの効いたナンバーも結構イケます。意外とカッチョ良い!

「Ride the Wind」
アルバムで一番のお気に入り曲。僕の場合は『RIde The Wind』収録のライブ・バージョンを先に聴いてしまったのでその印象がかなり強いのですが、このスタジオ録音もライブ・バージョン同様に、Youngのライト・ソウルなボーカルとBananaの癒し系エレピとボッサなJoe Bauerのグルーヴ感が一体化してミラクルな仕上がりですね。ホント、名曲です!

夏に向けて、Jesse Colin Youngのソロ作『Light Shine』(1974年)あたりも僕のオススメです。近々紹介しますね。
posted by ez at 10:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月04日

Dionne Warwick『Then Came You』

ソウルとポップスをうまく融合したMOR路線が魅力の1枚☆Dionne Warwick『Then Came You』
Then Came You
発表年:1975年
ez的ジャンル:MOR系女性R&B/Soul
気分は... :開き直りも大事かなぁ?

今回は1963年にデビューして以来、地味ながらもコンスタントに活躍し続けるベテラン女性R&BシンガーDionne Warwickの登場デス。

Dionne Warwickと言えば、 Burt Bacharach/Hal David作品の歌い手として有名ですね。「Walk on By」「Alfie」「I Say a Little Prayer」「Do You Know the Way to San Jose?」「I'll Never Fall in Love Again」など60年代に数多くのBacharach/David作品をレコーディングしています。

なんて書きながら、実は60年代のDionne Warwickってあまり聴けていません。機会があれば、じっくり聴いてみたいですね。

僕がDionne Warwickの名を初めて知ったのは、リアルタイムで聴いた1982年のトップ10ヒット「Heartbreaker」だったかなぁ。その時の印象はやけに明るいオバちゃんシンガーというカンジでしたかね。

その後はElton JohnGladys KnightStevie Wonderとの共演で全米ポップチャートNo.1となった「That's What Friends Are For」(1985年)を聴いたくらいで、長らく僕にとっては無縁のアーティストでした。

そんな僕がDionneに興味を持つきっかけとなった作品が本作『Then Came You』(1975年)デス。

本作を購入した理由はフリーソウル・クラシックとして人気の「Move Me No Mountain」が収録されていたためデス。

個人的にはフリーソウルで注目される前から、Soul II Soul
カヴァーをえらく気に入っていまシタ(3rdアルバム『Volume III Just Right』収録)。大好きな女性レゲエ・シンガーKofiをフィーチャーしたグラウンド・ビートによるこのカヴァーはSoul II Soulの全作品の中で一番好きですね。

その「Move Me No Mountain」が収録されているのが本作『Then Came You』です。
70年代半ば頃のDionneは低迷期といわれるけど、本作を聴くと作品の質自体はエラく高いことがわかるはずだと思います。

きっと本作の魅力はソウルとポップスをうまく融合させたMOR(Middle Of the Road)路線の仕上がりにあると思いマス。
全米No.1ヒットとなった「Then Came You」以外は全てJerry Ragovoyがプロデュースしています。

全曲紹介しときヤス。

「Take It From Me」
シングルにもなったダンサンブルなミッド・グルーヴ。軽快なグルーヴ感がいいですね。「Move Me No Mountain」以外ならばこの曲が一番好きかなぁ。

「We'll Burn Our Bridges Behind Us」
しみじみと胸に染み渡るバラッド。この曲あたりを聴いていると、Dionneの声質がいかに魅力的かわかりますね。

「Sure Thing」
この曲も味わい深いバラッドですね。しっとりと落ち着いた雰囲気がホッとします。シングルにもなりまシタ。

「Then Came You」
シングルとして全米ポップチャートのNo.1となったThe Spinnersとの共演曲。この曲のみThom Bellがプロデュースしています。アルバム全体のなかでもこの曲のキャッチーさが群を抜いていますね。さすがThom Bellですね。

「How Can I Tell Him」
都会的で大人のラブ・バラッド。映画音楽のようなアレンジが実にいいですね。

「Move Me No Mountain」
前述したとおり、この曲狙いで本アルバムを購入しまシタ。Soul II Soulのスタイリッシュなグルーヴ感たっぷりのカヴァーに比べると、Dionne版は落ち着いた仕上がりですね。その分Dionneの艶やかななボーカルを堪能できマス。

本曲はChaka Khanなどもカヴァーしています。Dionne、Soul II SoulChaka 三者のバージョンを聴き比べするのも楽しいかも?

「I Can't Wait Until I See My Baby's Face」
なかなかエレガントなミディアム・スロウ。恋愛映画の挿入歌あたりになってもよさそうなカンジですね。

「It's Magic」
明るく軽快なナンバー。ソウルファンというよりもポップスファンが喜びそうなMOR路線のアレンジがいいですね。聴いていると、気持ちが晴れやかになりマス。

「Who Knows」
「Getting In My Way」
まるでBurt Bacharachの作品のような雰囲気を持った仕上がりのスロウ2曲。ソウルフルになりすぎないのがDionneの魅力ですね。

本作を聴いている限りは、(商業的に)この時期のDionneが不調だったなんて信じられませんね。
posted by ez at 14:18| Comment(0) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする