2007年07月07日

Billy Joel『Turnstiles』

ニューヨーカーBilly Joelらしさに溢れた1枚☆Billy Joel『Turnstiles』
ニューヨーク物語
発表年:1976年
ez的ジャンル:NY系シンガーソングライター
気分は... :僕の帰る場所は...

僕を洋楽バカにした張本人Billy Joelの3回目の登場です。

以前のエントリーでも書いたとおり、『The Stranger』(1977年)と『52nd Street』(1978年)という2枚のアルバムとの出会いが、今日のような洋楽バカな人生を過ごすきっかけでシタ。この2枚がなかったら僕は今頃スナックで演歌を熱唱する演歌/歌謡曲オヤジになっていたかも(笑)

ただし厳密に書けば、『The Stranger』(1977年)と『52nd Street』(1978年)と同じくらい、青春時代に聴きまくったBilly Joelの作品がもう1枚ありマス。

それが本日紹介する『Turnstiles』(1976年)です。

『The Stranger』の1つ前の作品にあたる『Turnstiles』は、『The Stranger』『52nd Street』のようなヒット・アルバムでもなく、ヒット・シングルも全くありません。

それでも、彼の代表曲「New York State Of Mind(ニューヨークの想い)」が収録されているなど、ある意味最もBilly Joelらしいアルバムと呼べるかもしれません。

昔ながらのBilly Joelファンならば、本作に対する支持はかなり高いのではないかと思いマス。

Billy Joelといえば、生粋のニューヨーカーというイメージですが、それまで発表してきた『Cold Spring Harbor』(1971年)、『Piano Man』(1973年)、『Streetlife Serenade』(1974年)といった作品は、故郷ニュー・ヨークから遠く離れたロサンゼルスでレコーディングされていまシタ。

そんなBillyが意を決して、西海岸から東海岸へ戻りレコーディングされた作品が本作『Turnstiles』です。
タイトルの『Turnstiles』とは、ジャケ写真にも写っているニューヨークの地下鉄の回転式ゲートのことであり、地下鉄の改札を通るさまざまなニューヨーカーの人生を綴った作品が本作にはズラリと並びます。

あくまでシンガーソングライターとしてのBilly Joelを堪能したいのであれば本作はかなり充実の1枚だと思いマス。Billy本人もかなりのお気に入り作みたいですからね。

全曲紹介しときヤス。

「Say Goodbye To Hollywood」
Phil SpectorがプロデュースしたThe Ronettes「Be My Baby」にインスパイアされたと思われるポップなナンバー。「New York State Of Mind」と並ぶ人気曲なのでは? 『Songs In The Attic』(1981年)に収録されたライブ・バージョンがシングル・ヒットしましたね。西海岸に別れを告げたBillyの強い意思を感じる1曲ですね。

「Summer,Highland Falls」
僕がアルバムで一番好きな曲がコレ。一番好きというよりも、思春期の僕に人生というものについて深く考えるきっかけを与えてくれた曲がこの曲でした。

以前のエントリーでも書きましたが、中学生の時にこの曲とProcol Harum「Whiter Shade of Pale」の2曲を何度も繰り返し聴いているうちに、ふと「人生には限りがあり、自分もいつかは死ぬ」ということに改めて気付き、不安と恐怖でパニックに陥った時期がありました(笑)。そんな思い出からか、今でもこの曲を聴くと、人生を振り返ったり、今後の人生に思いを巡らしてしまいマス。

まぁ、そのような個人的な思い出を抜きにしても、純粋に美しいメロディの佳作だと思いマス。

「All You Wanna Do Is Dance」
グッド・オールディーズに夢中な女の子を描いたレゲエ&カリプソ・テイストのナンバー。ちょっと異色のナンバーかもしれませんね。

「New York State Of Mind」
故郷ニューヨークへの想いを綴った名曲。ニューヨークについて歌った歌は数多あると思いますが、僕は真っ先にこの曲が思い浮かびますね。ジャジーなムードもいいですが、Billyの想いが切々と伝わってくるのが何よりいいですね。

「James」
自分の内なる欲求を抑えて家族の期待に応えて勉強を続ける男の人生を綴ったBillyらしい1曲。エレピの優しい音色が優しく問い掛けてくれるカンジでいいですねぇ。

「Prelude/Angry Young Man」
街の吟遊詩人Billyらしいアグレッシブでドラマティックな展開のナンバー。素晴らしいピアノ・プレイも聴きモノです。

「I've Loved These Days」
美しく、悲しく、虚しいバラッドですね。歌詞があまりに切なくて、聴いていると少し辛くなってしまいますが...

「Miami 2017 (Seen The Lights Go Out On Broadway)」
「Summer,Highland Falls」と並ぶ僕のお気に入り曲がコレ。近未来にニューヨークが破壊されてしまうというSF風の歌詞が印象的ですね。僕は『Glass Houses』(1980年)あたりから顕著になったロッカーとしてのBillyはあまり好きではありません。そんな僕でもこのロック・ナンバーだけは別格で好きですね!

久々に本作『Turnstiles』のレコードをレコード棚から引っ張り出してきまシタ。
当時のライナーノーツにはこう書いてあります。

マンハッタンのアパートメント、ブロードウェイの灯、ビリーのバラッドはニューヨークの街に鼓動する...
posted by ez at 00:05| Comment(4) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする