発表年:1991年
ez的ジャンル:MPB第二世代
気分は... :艶っぽさがいいねぇ...
久々にMPB(Musica Popular Brasileira)ものを...ということで今年15年ぶりの来日公演を行ったばかりのMPBの歌姫Marisa Monteの2ndアルバム『Mais』(1991年)です。
Marisa Monteは1967年リオ・デ・ジャネイロ生まれのMPBシンガー。1989年にデビューアルバム『Marisa Monte』を発表して以来、現在までに7枚のアルバムを発表しています。
僕のお気に入りはMarisaを最初に知った2ndアルバム『Mais』(1991年)と、ライブ録音とスタジオ録音を組み合わせた4thアルバム『Barulhinho Bom(英題:A Great Noise)』(1997年)の2枚。
本日は2ndアルバム『Mais』をセレクト。
僕同様に本作『Mais』でMarisaを初めて聴いたという人は多いのでは?
デビューアルバム『MM Ao Vivo』がライブ・アルバムであったため、本作が初のスタジオ録音となります。ジャケのMarisaの凛々しい姿がいいですなぁ。
プロデュースはArto Lindsay。僕が『Mais』を購入したのもArto Lindsayへの興味からでした。Mark Ribot、Melvin Gibbs、John Zorn、坂本龍一といったArto Lindsay人脈とブラジル人ミュージシャンの融合といったカンジになっています。そうそうP-Funkファンには嬉しいBernie Worrellも参加していマス。
当時の僕はワールド・ミュージックにハマっていた時期で、この作品もそんな流れで聴いていまシタ。本作をはじめとするMPB作品を聴いていると、英語圏の音楽にはない瑞々しさを感じますねぇ。僕の音楽観を拡げてくれまシタ。
特に『Mais』にはMPBにさりげなくArto Lindsay流のアヴァンギャルドなテイストが入っているのが心憎いですね。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Beija Eu」
ヒットした人気曲。艶っぽい声で淡々と歌うMarisaのボーカルの魅力をダイレクトに堪能できる1曲ですね。Marc RibotははじめとするNY系のバックの演奏もなかなか。
「Volte Para O Seu Lar」
この曲はArto Lindsayらしく、ブラジリアン・アヴァンギャルドといった仕上がりです。John Zornのフリーキーなサックスも印象的ですね。
「Ainda Lembro」
「Beija Eu」と並ぶ人気曲。Ed Mottaとのデュエット曲。個人的には一番のお気に入り曲です。今日一日の疲労やストレスや嫌な事もすべて消し去ってくれるような包容力のある1曲ですね。これからの季節、海辺で聴いたりするのにもピッタリな1曲ですね。
「De Noite Na Cama」
コンテンポラリーなMPBらしい作品ですね。このポップさは英語圏の音楽にはないものですね。
「Rosa」
坂本教授のピアノをバックに、Marisaの素敵なボーカルを堪能できる1曲デス。イタリアでオペラの勉強をしていた経験が窺える曲ですね。
「Borboleta」
日本人が好きそうなギターの弾き語りによるシンプルなボッサ・ナンバー。
「Ensaboa」
ブラジリアン・フレイヴァーのレゲエ・ナンバーです。案外ハマっています。
「Eu Nao Sou da Sua Rua」
約1分半足らずの曲ですが、なかなか魅力的なフォーキー・チューンに仕上がっていマス。
「Diariamente」
Joyceあたりと一緒に聴きたくなるメロウなアコースティック・ナンバー。瑞々しさ一杯の1曲ですね。
「Eu Sei (Na Mira) 」
ブラジリアンAORとでも呼びたくなるメロウ・チューン。「Ainda Lembro」と並ぶ僕のお気に入りです。
「Tudo Pela Metade」
Arto Lindsayの色が強く出たアヴァンギャルド・ロック・テイストのナンバー。Ambitious Loversとかと一緒に聴くといいかも?
次は『Barulhinho Bom(英題:A Great Noise)』(1997年)も紹介したいですねぇ。