発表年:1968年
ez的ジャンル:Nuggets系ガレージ・ロック
気分は... :Toddの原点を楽しもう!
Todd Rundgrenファンは外せない1枚!Nazzのデビュー・アルバム『Nazz』(1968年)です。
本ブログでも『Something/Anything』(1972年)、『Hermit Of Mink Hollow』(1978年)という2枚のTodd Rundgrenのソロ作を紹介してきました。そんなToddが1970年代のソロ・アーティストとしての活動を開始する前にToddが組んでいたガレージ・ロックのグループがNazzです。グループ名はYardbirds「The Nazz Are Blue」から取ったもの。
グループは、1967年にTodd Rundgren(g)以下、Robert Antoni(key)、Thom Mooney(ds)、Carson Van Osten(b)という4名で結成されまシタ。レコード会社は第二のMonkeesとして売り出そうとしたようですが、その目論見は見事に外れたようですね(笑)
特に大きな商業的成功を収めないまま、デビュー・アルバム『Nazz』(1968年)、2nd『Nazz Nazz』(1969年)、3rd『Nazz III』(1970年)という3枚のアルバムを残してグループは解散。Toddはソロ活動へと進んでいくこととなりマス。
商業的には成功しませんでしたが、音楽的には当時のサイケなガレージ・ロックをキャッチーに聴かせて
僕は上記の3枚のアルバムは全て持っていますが、一番良く聴くのが今回紹介する『Nazz』です。やはり、「Open My Eyes」、「Hello It's Me」という有名な2曲が収録されているからでしょうね。
全体としては多少散漫な印象もありますが、そのとっ散らかった未完成感が逆に楽しいアルバムだと思います。ブリティッシュ・ロックを中心に様々な音楽に影響を受けたTodd Rundgrenのルーツが見え隠れするのがいいですね。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Open My Eyes」
アルバムのハイライト曲の1つ。60年代後半のサイケ/ガレージ・ロックを収録した有名なオムニバス・アルバム『Nuggets』にも収録されているので、それでご存知の方も多いのでは?
よく指摘されているようにイントロはThe Whoの名曲「I Can't Explain」みたいですね。全体としてはサイケでキャッチーなガレージ・ロックに仕上がっています。
Toddの未発表曲集『Somewhere/Anywhere?』に本曲のUtopiaによるライブ・バージョンによる収録されていますね。
「Back of Your Mind
この曲はCreamしてますね。『Disraeli Gears』あたりのサイケなブルース・ロックってカンジでしょうか。
「See What You Can Be」
ソフト・ロックしてます。それほど手馴れてなく、ぎこちないカンジが初々しいですね。
「Hello It's Me」
Toddファンにはお馴染みの曲ですね。本ブログでも紹介したToddの名作アルバム『Something/Anything』にも収録されている名曲のオリジナルです。Toddのソロに比べると、サイケなマッタリ感があるカンジですかね。ビブラフォンの響きとパーカッションのパカポコが印象的ですね。
Toddのソロと聴き比べてみると面白いですよ。
「Wildwood Blues」
これはかなりへヴィーなロックですね。ハード・ロックを
「When I Get My Plane」
Toddらしいキャッチーなパワー・ポップですね。サイケな雰囲気もバッチリです。先に挙げた『Nuggets』あたりの音が好きな人は気に入る曲だと思いマス。
「Lemming Song」
キャッチーなシングル向きのビート・ロック。エッジの効いたハードなサウンドもなかなかで、実にバランスのいい仕上がりだと思いますね。
「Crowded」
アルバム中唯一Toddがソングライティングに関わっていない作品です。でも、実はこの曲がアルバム中最もメロディアスでToddっぽく聴こえるのは皮肉でしょうか?個人的にはアルバムで一番好きかも?
「She's Goin' Down」
ブリティッシュ・ロックっぽいキャッチーなガレージ・ロック。Robert Antoniのオルガンがサウンドのキーになっています。後半のThom Mooneyのドラム・プレイもスリリングでいいカンジですね。
第二のMonkeesとして売り出そうとしたレコード会社は、メンバーのうち最も甘いルックスのThom Mooneyを前面に出そうとしたらしいです。確かに、Toddを前面に持ってきてもアイドル・グループにはなれませんわな(笑)