2007年08月15日

DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince『Homebase』

Will SmithがFresh Princeだった頃...☆DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince『Homebase』
Homebase
発表年:1991年
ez的ジャンル:クラシックHip-Hop
気分は... :Fresh Princeがハリウッド・スターWill Smithになるとは...

昨日紹介したBig Brother & The Holding Company「Summertime」を聴いていたら、同名異曲のDJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「Summertime」を思い出しまシタ。

ということで、今日はDJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince『Homebase』(1991年)を紹介します。

DJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeは、伝説的DJであったDJ Jazzy JeffことJeff TownesとラッパーのFresh PrinceことWill Smithの二人が地元のフィラデルフィアで結成したHip-Hopユニットです。

1985年に1stシングル「Girls Ain't Nothing but Trouble」でデビュー。その後『Rock the House』(1987年)、『He's the DJ, I'm the Rapper』(1988年)、『And in this Corner...』(1989年)、『Homebase』(1991年)、『Code Red』(1993年)といったアルバムを発表しています。

ラッパーであると同時に俳優業もこなしていたWill Smithでしたが、徐々に俳優業のウェイトが高まったため、アルバム『Code Red』と大ヒットシングル「Boom! Shake the Room」を置き土産にグループの活動に幕を下ろします。

その後映画『Independence Day』、『Men in Black』などへの主演で 見事ハリウッド・スターの座を手に入れたWill Smithの活躍はご存知の通りだと思いマス。

一方のDJ Jazzy JeffもプロダクションチームA Touch Of Jazzを結成し、ネオ・フィリー・ブームの盛り上げに貢献しまシタ。今年久々に発表された2ndソロ『The Return of the Magnificent』も話題ですね。

僕は正直DJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeに特別な興味を持っていたわけではなかったので、アルバムは本作『Homebase』しか持っていません。本作も「Summertime」1曲狙いで購入した記憶があります。

今回久々にアルバム1枚通しで聴きましたが、今聴いてもなかなか充実のアルバムという気がします。ホント、90年代前半のHip-Hopアルバムは豊作でしたね。

全体としては大ネタ使いも多く、昔からのファンは賛否両論あったみたいですね。
個人的にはこのキャッチーさが魅力ではないかという気がします。僕も後の大ヒット「Boom! Shake the Room」までいくとキャッチーさがくどい気がしましたけど(笑)

でも、この頃はまさかWill Smithがハリウッド・スターになるなんて想像できなかったですねぇ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「I'm All That」
Rick James「Give it to Me Baby」ネタのベースラインがカッチョ良いオープニング。DJ Jazzy Jeffのスクラッチもバッチリ決まっていマス。

「Summertime」
本作のハイライト。全米R&B/Hip-Hopチャート第1位、全米ポップチャート第4位の大ヒット曲。この曲でグラミーも受賞しましたね。

Kool & The Gang「Summer madness」ネタのトラックが何ともクールで夏向けだと思います。モロ使いですが元ネタ自体大好きなので僕的には全然OKですね。当時は本曲と「Ring My Bell」の2曲ばかりリピートで聴いていた記憶があります。

「Things That U Do」
シングルカットもされたナンバー。今回久々に聴いて、当時流行のNJS的なノリがなかなかカッチョ良く聴こえましたね。

「This Boy Is Smooth」
Go-Goノリのトラックが1991年という時代らしいですね。全体的にはジャジーなテイストに仕上がっています。ピアノやJason Galleyのトランペット・ソロといった生音の使い方が実に洒落ていますね。

「Ring My Bell」
「Summertime」と並ぶハイライト曲。Anita Ward「Ring My Bell」ネタのヒップ・ハウスのりが気持ちいいパーティー・チューン。シングルにもなりまシタ。バックで印象的なコーラスを聴かせてくれるのはデビュー前のZhaneの二人(Jean Norris、Renee Neufville)です。

「A Dog Is a Dog」
George Clinton「Atomic Dog」、「Man's best friend」Parliament「The Big Bang Theory」ネタのP-Funkなトラックが実に僕好みですね。

「Caught in the Middle (Love & Life) 」
Tower of Power「Drop it in the Slot」ネタのキャッチーなトラックとFresh Princeの達者なラップがよくマッチしていますね。 途中のピアノ・ソロも小粋でいいカンジ。

「Trapped on the Dance Floor」
今聴くとこの曲が一番カッチョ良いかも?地を這うような重心の低いトラックをバックに、Fresh Prince、El-Sid、Jazzy Jeffのラップが畳み掛けてきます。Colonel Abrams「Trapped」、Trouble Funk「Grip It」ネタ。

「Dumb Dancin'」
ヒップ・ハウス的なトラックがいいですね。Fresh PrinceのラップはこういったBPM高めのトラックが合っている気がします。

「Summertime」つながりでいけば、明日はThe Who「Summertime Blues」か?なんてベタなことはしませ〜ん(笑)
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2007年08月14日

Big Brother & The Holding Company『Cheap Thrills』

Janis Joplinの出世作☆Big Brother & The Holding Company『Cheap Thrills』
Cheap Thrills
発表年:1968年
ez的ジャンル:不世出系天才シンガー
気分は... :僕にとっての麦藁帽は何なのだろう?

昨日たまたまTVで映画『人間の証明』を観た。
ご存知の通り、森村誠一による大ベストラー小説の映画化である。
松田優作の翳りと怒りに満ちた演技が何度観ても印象的ですな。

あまり小説を読まない僕でもこの原作は何度も読み直した。
好きというよりも、忘れられない作品という感じだろうか。

母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷峠から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ...

という事件を解く重要な鍵となる西条八十の詩「帽子」の一節が脳裏から離れない。

『人間の証明』に触れるたびに人間の過去やしがらみについて考える。

人は理想の未来を思い描きたがる。
一方で、人は自分の過去から逃れることはできない。
思い出の良し悪しは別として、過去こそが人が生きてきた証なのだから。
だから、人は自分のいかなる過去も受け入れなければならない。

そんな感傷的な気持ちにさせられるのが『人間の証明』という作品の魅力だと思う。

映画を観終わった後に、何故だかJanis Joplinを聴きたくなった。

ということで、今日はJanis Joplinの出世作Big Brother & The Holding Company『Cheap Thrills』(1968年)です。

Janis Joplinを取り上げるのは、ソロ第1作である『I Got Dem Ol' Kozmik Blues Again Mama!』以来2回目です。
僕がJanis Joplinを聴くのは、せいぜい数年に一度くらいであろう。多分、前回聴いたのは2005年に先に書いた『I Got Dem Ol' Kozmik Blues Again Mama!』をエントリーした時なので、約1年半ぶりのJanis Joplinですね。

僕がたまにしかJanis Joplinを聴かないのは、決して嫌いだからではありません。
Janis Joplinという人の歌に魂の重みがあるからこそ、聴く機会を厳選しているという感じでしょうか。僕の中ではJohn ColtraneDonny Hathawayなども同じような位置づけですね。

さて本作『Cheap Thrills』は、Janis Joplinという不世出のシンガーが一気にブレイクしたアルバムですね。

Janisが属していたグループBig Brother & The Holding Companyは前年にデビュー・アルバム『Big Brother & The Holding Company』を発表していますが、必ずしもJanisを前面に押し出したものではなく、サウンドもカントリー・フレイヴァーでした。

しかし、1967年6月のモンタレー・ポップ・フェスティヴァルでのJanisの圧倒的なパフォーマンスが全てを一変させます。一躍注目を集めたJanisの魅力を引き出したそうとレコード会社が画策したのが、この擬似ライブ・アルバム『Cheap Thrills』です。

デビュー・アルバム『Big Brother & The Holding Company』に比べて、ダイレクトにJanisのボーカルの魅力を堪能できる仕上がりだと思います。

Janis Joplinという人はロック・シンガーという枠に収まりきらない魅力を持った人だったと思います。なので、普段ロックを聴かないR&B/Soulリスナーの方にぜひJanis Joplinという人に触れて欲しい気がします。

全曲紹介しときヤス。

「Combination of the Two」
ヒッピー・ムーヴメントの聖地であったサンフランシスコで、Jefferson AirplaneGrateful Dead、Quicksilver Messenger Serviceといったサイケデリック・ロックの雄に続くポジションを狙っていたグループらしい演奏が聴けます。

「I Need a Man to Love」
JanisとメンバーのSam Andrewの共作によるブルース・ナンバー。シャウトとするエネルギッシュなJanisもいいですが、こういった抑制の効いたブルージーなJanisも好きですねぇ。

「Summertime」
有名なスタンダードですね。George Gershwinによる有名なフォーク・オペラ『Porgy and Bess』の挿入歌です。ここでもJanisの抑えたボーカルがいい感じです。Gershwinのスタンダードをアシッドなサウンドで聴かせるサウンドも悪くないと思いマス。

「Piece of My Heart」
アルバムに先駆けて発表されたシングル曲。オリジナルはAretha Franklinの姉Erma Franklinの1967年のヒット曲です。Aretha Franklinに憧れていたというJanisのソウルフルな側面を堪能できる1曲ですね。

「Turtle Blues」
Janisのオリジナル。タイトルの通り直球ど真ん中のブルース・ナンバー。バックがシンプルな分だけJanisのボーカルが引き立ちます。

「Oh, Sweet Mary」
この曲はサイケデリック・ロックしています。グループとしてはもっとこうしたタイプの曲を演奏したかったのでは?

「Ball and Chain」
モンタレー・ポップ・フェスティヴァルでの熱唱で有名になったナンバー。「Summertime」、「Piece of My Heart」と並ぶ本作のハイライトですね。Elvis Presleyの大ヒット曲「Hound Dog」のオリジナルでも知られる女性R&BシンガーBig Mama Thorntonのカヴァーです。

この曲でのJanisはまさに魂の叫びというカンジですね。愛に傷ついた女性の悲哀を歌わせたら、やっぱりこの人は凄すぎますね。

Janisへの注目からこのアルバムは大ヒットしますが、逆にそれがJanisと他のメンバーとの溝を深めました。結局、本作の発表から2ヵ月後にJanisはグループを脱退することになります。
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2007年08月13日

Lonnie Liston Smith『Loveland』

都会の喧騒を忘れてラブランドへ!☆Lonnie Liston Smith『Loveland』
ラヴランド
発表年:1978年
ez的ジャンル:南の楽園系フュージョン
気分は... :ラブランドへ行きたいなぁ☆

世間は帰省ラッシュのようですね。
帰省など無関係にクソ暑い東京でフツーに仕事してマス。
東京生まれ、横浜育ちの僕にとって、お盆や正月に故郷へ帰り、昔の仲間が集まって...みたいな話を聴くと羨ましく感じますねぇ。

せめて気分くらいは南国の楽園で...
ということで、ジャズ・キーボード奏者Lonnie Liston Smithの1978年の作品『Loveland』をセレクト。

Lonnie Liston Smithの紹介は人気作『Expansions』(1975年)に続き2回目になります。

ジャズ系リスナー以上にクラブ系リスナーからの人気・評価が高いLonnie Liston Smith

個人的には、Flying Dutchmanレーベル時代の『Cosmic Funk』(1974年)、『Expansions』(1975年)、『Visions of a New World』(1975年)、『Reflections of a Golden Dream』(1976年)、『Renaissance』(1977年)といった作品の印象が強いですね。

コズミックで、スピリチュアルで、リゾートなジャズ・ファンクというイメージですね。

本作『Loveland』は、Flying Dutchmanレーベルの閉鎖に伴いColumbiaへ移籍した直後の作品です。

タイトルやジャケからも想像できる通り、南国の楽園ムードのアルバムです。
先の説明を用いれば、いつもよりもコズミック、スピリチュアル少なめ、リゾート多めという感じですね(ラーメンの注文みたい)。

ちなみに裏ジャケにはSmith自身の署名入りで以下のように書かれています。

we hope that we have brought you some bright moments on your journey into “Loveland”
(ラブランドへ向かう旅で、輝ける瞬間をあなたに与えることを、我々は望む)

あと本作で注目すべきは、若き日のMarcus Millerの参加ですかね。後に売れっ子ミュージシャン/プロデューサーになるMarcusですが、まだ有名になる前の初々しいプレイを堪能することができます。

ちなみにMarcusが最初にプロデュースした作品はSmithの『Dreams of Tomorrow』(1983年)です。相性ピッタリの二人なのでしょうね。

都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさにラブランドなアルバムです。

全曲紹介しときヤス。

「Sunburst」
まさにリゾート気分のトロピカルなメロウ・グルーヴ。イントロが聴こえた瞬間、雲間から漏れる陽の光のごとく、視界が明るくなる感じですね。メロウですが、かなりリズミックな演奏は実に僕好みですね。Smithのエレピが何とも爽快です。フルートの音色も実に気持ちいいのですね。あとはMarcusのベースが全体を骨太なものにしてくれていますね。

「Journey Into Love」
Marcus Miller作品。ボーカル入りのファンキーなミッド・グルーヴです。僕はいつもこの曲を聴くと、何故かCurtis Mayfieldを思い出してしまいます。トロピカルCurtis(?)って印象でしょうか。

「Floating Through Space」
先に本作は他のSmith作品と比較してコズミック、スピリチュアル少なめと書きましたが、この曲だけは例外ですね。浮遊感たっぷりにコズミックなフュージョン・サウンドを聴かせてくれます。

「Bright Moments」
僕の一番のお気に入り曲はコレ。リゾート気分を盛り上げてくれるサイコーのトロピカル・グルーヴ。まさに“Loveland”での輝ける瞬間を満喫できるカンジですね。リズミックなSmithのピアノ・プレイが実にカッチョ良いですな。加えて、Dave Hubbardのソプラノ・サックスがリゾート気分を盛り上げてくれマス。

「We Can Dream」
この曲もMarcus Millerの作品。Marcus提供の2曲が共にソウルフルな仕上がりのボーカル・ナンバーというのが、後にLuther Vandross等をプロデュースする未来を示唆しているようで興味深いですね。本曲ではLawrence Killianのパーカッションがかなり目立っていて、パーカッション大好きの私には嬉しい限りです。

「Springtime Magic」
爽快なアップチューン。そよ風のようなフルートのサウンドが実に爽快ですね。

「Loveland」
タイトル曲は実にロマンティックなボーカル入りのスロウ・ナンバー。Lovelandでゆったり、のんびり、優雅に聴きたい、まさに楽園モードの1曲ですね。

「Explorations」
イントロはかなりモッサリしていますが、突然トロピカル・ファンキー・グルーヴへ早変わり!Ronald D. Millerのギターソロがなかなかカッチョ良いですね。

猛暑の日続きでイライラの人は、こんなアルバムでリゾート気分を味わってみては?
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2007年08月12日

Mackey Feary & Nite Life『Mackey Feary & Nite Life』

僕にとってのMacky Fearyといえばこの1枚☆Mackey Feary & Nite Life『Mackey Feary & Nite Life』
Mackey Feary & Nite Life
発表年:1983年
ez的ジャンル:Kalapana系ハワイアンAOR
気分は... :夏だ!ハワイだ!

最近、夏っぽい作品の紹介が多いですが今日もそんな1枚です。サルサ、レゲエ、ブラジルと来れば残りはハワイでしょ!
ということで元KalapanaMackey Feary(Macky Feary)がMaurice Bega、Kenji Sanoと組んだグループNite Lifeのアルバム『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)です。
※本作ではMacky Fearyではなく、Mackey Fearyと表記されています。

Macky Fearyは1955年ホノルルの生まれ。ハワイ、チャイニーズ、フィリピン、イギリス、フレンチ、カナディアン、インディアンといった多民族の血が流れていた人だったみたいですね。

Macky Fearyと言えばまずはKalapanaですよね。僕よりも上の年代の方にはサーフ・ロック・ブームの火付け役として、Kalapanaへの思い入れが強かった方も多いのではと思います。

Macky Fearyは、そのKalapanaのオリジナル・メンバーであり、『Kalapana 1(邦題:ワイキキの青い空)』(1975年)、『Kalapana 2(ワイキキの熱い砂)』(1976年)とヒットを飛ばします。特に、Mackeyが作曲した『Kalapana 2』収録の「Juliette」は、AORファンに人気の高い1曲ですね。

しかし、『Kalapana 2』発表直後にMackyはグループを脱退してしまいます。その後、自身のグループMacky Feary Bandを率いて
『Macky Feary Band』(1978年)、『From The Heart』(1979年)という2枚をアルバムを発表しています。

フリー・ソウル・ファンにとって、『Macky Feary Band』(1978年)は、Tender Leaf『Tender Leaf』Lemuria『Lemuria』と並ぶハワイ産フリー・ソウルの最高峰という評価ですよね。

そして、LAで活動していたMaurice BegaKenji Sanoと出会い結成したのがMackey Feary & Nite Lifeです。そのNite Life名義唯一のアルバムが本作『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)です。

当時大学生だった僕はたまたま本作をレコードでリアルタイム購入し、かなり熱心に聴き込みましたね。Kalapanaは名前しか知らなかったし、Mackey Feary Bandなんで存在も知らなかった僕が本作を購入したのは、偶然エアチェックで本作を聴いたのがきっかけでした。夏向きのソフト&メロウな曲の数々に思わずグループ名をメモし、次の日にはレコード屋へ探しに行った記憶があります。

当時周囲の音楽好きに“Mackey Fearyっていいよ!”と言っても周囲は全く無反応でしたが(笑)
その分、僕しか知らないソフト&メロウなレコードというマニア気分を楽しんでいましたね。

ちなみに僕が持っている日本盤のレコードはジャケも異なるし(単にハワイの夕暮れのフォトのジャケ)、タイトルも『Hawaiian Breeze』となっています。久々にレコードを棚から引っ張り出してみたら、ライナーノーツは小倉エージ氏が書いていますね。

Macky Fearyのことばかり書いてしまいましたが、実はMaurice Begaが作曲やボーカルでMackyに劣らず頑張っていると思います。

Kalapana好きの方、Macky Feary Band好きの方、AOR好きの方、ウエストコースト・ロック好きの方と結構幅広い層の方が聴ける作品ではないかと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Stop Running From Love」
オープニングはロック色の強いミッド・チューン。Totoあたりが好きな人は気に入る曲なのでは?

「Marci」
Mackyの奥方のことを歌ったメロウなラブ・ソング。ハワイらしいロマンティックなアコースティック・チューンに仕上がっています。浜辺で恋人と二人で聴くとピッタリな感じですね。

「Such Hot Stuff」
Maurice Begaによるリズミックなミディアム・スロウ。Stevie WonderがハワイアンAORしているカンジですね。エレピの音色が実に爽やかですな。

「You, In My Life」
これもMaurice Bega作。トロピカル・ムードの軽快なミッド・チューンです。歯切れの良さが魅力ですね。

「Biggest Part Of Me」
昔から僕の一番のお気に入り曲。メロウなアコースティック・チューンです。まさにハワイの夕暮れの光景が目に浮かぶロマンティックな曲ですね。またまたMaurice Bega作品です。

「Love Is Blind」
Stevie WonderのボーカルとDoobie Brothersのサウンドをハワイアン・テイストでまとめたようなメロウなアップ・チューン。後期Doobiesが好きな人は絶対気に入ると思いますね。昔好きだった女の子のお気に入り曲でした。

「Love Is On My Mind」
CDのライナーノーツで後日談としてKenji Sanoが最もMackyらしいナンバーなのでは、と指摘していたのが本曲。この軽快なメロウ・グルーヴはフリー・ソウル好きの人向けかもしれませんね。

「Apartmeny #703」
アルバムのラストはフュージョン/クロスオーバーなインスト・ナンバー。タイトルは当時メンバーが一緒に住んでいたアパートのルーム・ナンバーなのだとか。

本作の好調ぶりに目をつけたプロモーターがKalapanaのリユニオン・コンサートを仕掛けたせいで、皮肉にもNite Lifeは開店休業状態に追い込まれてしまいまシタ。

Macky Feary自身はフリーソウル・ファンから再び脚光を浴びることになりますが、私生活で様々な問題を抱えたまま1999年2月に自殺を図り、帰らぬ人となってしまいます。
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2007年08月11日

Paulo Muniz『Trying To Fool Destiny』

今年の夏はコレで決まり!☆Paulo Muniz『Trying To Fool Destiny』
トライング・トゥ・フール・デスティニィ(ジャパニーズ・エディション・デジパック仕様)
発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジリアン男性シンガーソングライター
気分は... :この夏はコレで決まり!

前回の2000年代カテゴリーの紹介でスルーしてしまったPaulo Munizの新作『Trying To Fool Destiny』です。

ここ2週間ほど本作『Trying To Fool Destiny』と先日紹介した『Ray Harris & The Fusion Experience』の2枚ばかり聴いています。この2枚のせいで、かなりの期待を込めて購入したCommonの新作『Finding Forever』は、購入後2週間近くが経つのに封も切っていない状態です(笑)

さて本日の主役Paulo Munizは、1976年リオ・デ・ジャネイロ生まれのブラジル人シンガーソングライター。本作『Trying To Fool Destiny』は彼にとって2枚目のアルバムとなります。1作目は自主制作によるプライベートな作品であったことを考えると、本作を実質的なデビュー作と呼んでいいのかもしれません。

本作自体は昨年発売されたのですが、今回プロダクション・デシネから新しいアートワーク+ボーナス・トラック3曲を追加するかたちで国内盤が発売されました。今回はこの国内盤を紹介するので2007年作品という扱いにしておきます。

ジャケの鮮やかなブルーのように、真夏の青空や海が実に似合う爽快な1枚です。
ソフト&メロウ好きの人は間違いなく一発で気に入るでしょうね。

全編英語で歌われるその甘い歌声、親しみやすいメロディ、ボサノヴァ、サンバ等120%ブラジリアン・ムードのアレンジと文句のつけようがない出来栄えですねぇ。さらにボーナス・トラックではポルトガル語の3曲も聴くことができます。どこかのレビューでKenny Rankinのような柔らかな歌声というのを見かけましたが、確かにそんな感じですね。

こういったアーティストに目敏く反応するのは、年季の入ったブラジル音楽好きの人やクラブ&カフェ系音楽好きの人だと思いますが、個人的にはAOR好きの人に聴いて欲しいですね。

昔のアーティストを無理矢理掘り起こさなくても、リアルタイムでこんなにソフト&メロウな音楽に出会うことができることを、ぜひ知ってもらいたい気がします。

あと本作の発売元であるプロダクション・デシネは要注目ですね。
神戸のセレクトCD/レコードショップ《ディスク・デシネ》のレーベルですが、実にセンスのいい作品を発掘してリリースしてくれますね。個人的には同レーベルから発売されたBirgit Lystager『Birgit Lystager』あたりも大変気に入っています。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Defeated Guy」
絹のような柔らかさとそよ風のような爽快さを合わせ持った軽快なメロウ・チューン。このオープニングを聴いただけで本作への期待は高まるはずだと思いますよ。

「Smile at Me」
本作のハイライト曲かも?すでに名曲との声も上がっていますね。甘くソフトなボッサ・チューン。何よりメロディアスな曲がサイコーですね。ストリングのアレンジがエレガントなムードを高めてくれます。

「Nothing Else to Say」
ジャジー・ムードの1曲。全体として昼〜夕暮れのイメージがぴったりの曲が多い中で、本曲はロマンティックな夜のムードがぴったりの1曲ですね。

「More Than You Will Know」
フルートの音色が涼しげなMPBチューン。Caetano Velosoあたりがお好きな方は気に入るのでは?小粋なセンスが光ります。

「Feeling Guilty」
サンバのリズムが心地良く響くブラジリアン・メロウ・グルーヴ。「From Now On」と並ぶ僕のお気に入り曲。フリーソウルやカフェ・ミュージックが好きな方にぜひオススメです。

「Once More」
夕暮れ時に聴くとジャスト・フィットなノスタルジック・ムードのサウダージな1曲。とても穏やかな気分になりますね。

「Easy Target」
Paulo のシンガーソングライター的な魅力を確認するのにピッタリの美メロのボッサ・チューン。オーソドックスなだけに曲の良さが光ります。

「From Now On」
僕の一番のお気に入り曲はコレです。今月に入ってから最低1日1回、多い日には10回位聴いているかもしれませんね。軽快かつメロウなボッサ・チューン。隅々まで行き届いたオシャレな1曲というカンジですね。

「Trying to Fool Destiny」
タイトル曲はブラジルらしい大らかさを感じる、ゆったり、のんびりムードながら少し憂いを感じる大人のラブソングというカンジでしょうか。

「Perdao」
「Sorri pra mim」
「Acorda amor」
ポルトガル語で歌われるボーナス・トラック3曲。特に、「Smile at Me」の原曲である「Sorri pra mim」が収録されているのは嬉しい限りですね。これがあるので輸入盤ではなく国内盤を購入した方がお得だと思いマス。

本作をお気に入りの方は、昨年から人気のスウェーデン産ボッサ・アルバムJohan Christher Schutz『Passion』(2004年)あたりもセットで聴いてみては?
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