発表年:1974年
ez的ジャンル:サンタナ流フュージョン
気分は... :フラフラ〜
徹夜明けと暑さでかなりフラフラ状態っす。
約1年ぶりのSantana登場デス。
きっと僕の中で夏はSantanaは聴かなきゃ!みたいな強迫観念があるんですな。
僕は熱心なSantanaファンではありませんがデビューから70年代後半あたりまでの作品は殆ど持っており、意外とSantana好きなのかもしれません。
前回は『Festival』(1976年)という傍流の作品を紹介しましたが、今回も穴狙いで『Borboletta』(1974年)っす。
『Caravanserai』(1972年)と本作のどっちにするかかなり悩んだのですが...
以前にも書いたとおり、ここ10年くらいは、『Welcome』(1973年)、『Borboletta』(1974年)、『Festival』(1976年)といった評論家がB級作扱いするSantana作品を好んで聴いていマス。
逆に、強烈にラテン・ロックしている初期の作品は、少し濃すぎるカンジで、最近はあまり聴かなくなったかも?
『Borboletta』は一般には低迷期の作品ということになるのでしょうね。
確かに全くラテン・ロックしていないし、商業的にも失敗だし、もはやグループというよりもプロジェクトって感じですからね。
それでも本作はStanley Clarke、Airto Moreira、Flora PurimといったReturn To Forever組など外部ミュージシャンの参加で魅力的なアルバムになっていると思いマス。
そうしたメンバー構成からも察しがつくように、中身はサンタナ流ブラジリアン・フュージョンというカンジです。その意味では、ロック・ファンではなくフュージョン・ファン向けのアルバムですね。
このブラジリアン・フュージョン・サウンドは、クラブ系リスナーの人なんかにもピッタリだと思いマス。逆に、サンタナ=ラテン・ロックという図式の方は決して聴かないでください(笑)
オススメ曲を紹介しときやす。
「Canto de los Flores」
ギターがない、パーカッション、キーボード、ベース、ドラムののみの演奏です!Carlos Santanaもパーカッションで参加。パーカッション好きの僕にはOKですが。SantanaファンにすればNGなのかもしれませんね。
「Life Is Anew」
Leon Patilloの線の細いボーカルがなかなか涼しげなライト・グルーヴ。このライト・グルーヴ感こそが本作の魅力だと思います。Tom Costerのオルガンがいい感じですねぇ。ここではCarlosもちゃんとギターを演奏していマス(笑)
「Give and Take」
フュージョン色が強い本作の中で、ほんのりロック色があるのがこの曲ですかね。それでもChepitoのティンバレスやJules Broussardのサックスなどが聴こえまくっていますが...
「One With the Sun」
B級シティ・ミュージックって感じですね。僕はこのB級感が逆に好きなのですが(笑)
「Aspirations」
スピリチュアルな雰囲気たっぷりの“Coltrane”系フュージョン・チューン。ある意味で本作のハイライトかも?Jules BroussardのサックスはまさにJohn Coltraneっぽいですね。Leon ChanclerとStanley Clarkeによるエキサイティングなサンバ・ビートがサイコーにカッチョ良いです。Carlosは曲作りに参加しているのみで、演奏には参加していません。これを果たしてSantanaの曲と読んでいいのでしょうか?その曲をハイライトかもなんて書いている僕も僕ですが。
ちなみにCarlos Santanaは本作と同じ1974年にJohn Coltraneの妻であったAlice Coltraneとの共演アルバム『Illuminations』を発表し、亡きJohn Coltraneへのリスペクトぶりを示していマス。
「Flor de Canela」
Airto Moreiraのパーカッションが前面に押し出されたブラジリアン・グルーヴ。パーカッション大好き!Airto Moreira大好き!の僕には嬉しい1曲ですね。正直、全然Santanaではありませんが(笑)
「Promise of a Fisherman」
「Flor de Canela」からシームレスに続くこの曲はStanley Clarke、Airto Moreira、Flora PurimというReturn To Forever組が大活躍しています。Return To Foreverが好きな人は気に入るのでは?知らない人にこの曲を聴かせて、“Santanaの曲だよ”と言っても誰も信用してくれないかもしれませんね。
「Borboletta」
最後はAirtoのみのパーカッション演奏で締め括られマス。
このサンタナB級路線シリーズの流れでいくと、次に紹介するのは『Welcome』かな?