2007年08月07日

Bruce Springsteen『Greetings From Asbury Park, N.J.』

賛否両論あるけど僕はこのデビュー作が大好き!☆Bruce Springsteen『Greetings From Asbury Park, N.J.』
Greetings from Asbury Park, N.J.
発表年:1973年
ez的ジャンル:未完成のBoss
気分は... :今時の視点で聴くと...

BossことBruce Springsteenの3回目の登場デス。

今回はデビューアルバム『Greetings From Asbury Park Nj』(1973年)です。

僕が一番好きなBossのアルバムはダントツで『The River』(1980年)っす。これはリアルタイムでLPを購入した頃から変わりません。

しかし、二番手以降は年月と共にビミョーに変化してきています。昔は間違いなく『Born To Run』(1975年)、『Darkness On The Edge Of Town』(1978年)の2枚が好きでした。

しかし、レコードをCDで買い直してからは、前回紹介した『Nebraska』(1982年)や今回紹介する『Greetings From Asbury Park Nj』を聴く頻度が多くなりました。逆に『Born To Run』『Darkness On The Edge Of Town』はここ数年一度も聴いたことがないかもしれません。

さて、今日紹介する『Greetings From Asbury Park Nj』はBossの記念すべきデビューアルバムなのですが、一般にその評価はあまり芳しくありませんね。

第二のBob Dylanを目論んだマネージャーやレコード会社による、ディランズ・チルドレン的シンガー・ソングライター路線が作品を中途半端なものにている云々...というのが評論家を中心とした本作を評価しない人たちの主張ですよね。

でも、それは昔ながらの聴き方のような気がします。
きっと、今時の若いリスナーにBossの全作品を聴かせたならば、本作を支持する人が最も多いのではないかと思います。ファンの方は逆にご存知ないかもしれませんが、本作収録の「Blinded By the Light」などは有名なクラブDJのプレイリストに入っていたくらいです。

個人的には世間で言われているほど本作にBob Dylan的なものやシンガーソングライター的なものを感じません。本来の姿とは確かに違うけど一応バンド・サウンドになっていますからね。まぁ、本作にはThe E Street Band最強メンバーのうち、Clarence Clemons(sax)、Garry Tallent(b)の二人しか参加していない物足りなさはありますが。

逆に若い世代にはBoss本来の猛スピードで疾走するロックン・ロールよりも、本作のような少し余力を残したグルーヴ感の方がマッチしているのではないかと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Blinded By the Light」
本作のハイライト。クラブDJがセレクトするのも納得のファンキー・グルーヴです。まさに光で目がくらみそうな輝きをもったゴキゲンなナンバーですね。

Manfred Mann's Earth Bandのカヴァー・ヒットでも知られていますよね。“このオリジナルならばManfred Mann'sのカヴァーの方をオススメ!”みたいなレビューを見かけますが、僕にはその感覚が信じられません。特に、フリーソウルや今日的視点からの70年代作品探求に興味がある人はこのオリジナルを聴くべきです。逆に、Manfred Mann'sのカヴァーは不要でしょう。

「Growin' Up」
後にライブの重要レパートリーとなった曲ですね。このオリジナルは今聴くと、程よいフォーキー・グルーヴって感じかもしれませんね。

「Mary Queen of Arkansas」
ギターによる弾き語り。『Nebraska』あたりと同じ肌触りを感じますね。

「Does This Bus Stop at 82nd Street?」
Bossらしい曲展開と本作ならではの軽快なグルーヴ感が魅力のナンバー。

「Angel」
ピアノの弾き語りをバックにBossの淡々とした語り口が心に染み渡ります

「For You」
曲の良さでいえばこの曲が一番好きですね。きっとThe E Street Band最強メンバーが揃えば、もっとエキサイティングな展開になるんでしょうが、逆に少し軽めの仕上がりが今聴くと良かったりします。この曲もManfred Mann's Earth Bandがカヴァーしています。

「Spirit in the Night」
「Blinded By the Light」と並ぶ本作を代表する曲ですね。ブルージーでソウルフルな演奏がライブでも人気のレパートリーですね。この曲もManfred Mann's Earth Bandがカヴァーしています。

「It's Hard to Be a Saint in the City」
若いリスナーからの支持が高そうなファンキー・フォーキー・グルーヴ。このグルーヴ感は他のアルバムでは聴けない本作ならではのカッチョ良さですね。

昔イマイチの評価だった作品を今日的な視点から聴き直すと、新しい発見があって面白いですよ。逆に、昔名作扱いだった作品が今聴き返すとイマイチにしか感じないことも多々ありますが(笑)
posted by ez at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする