2007年08月11日

Paulo Muniz『Trying To Fool Destiny』

今年の夏はコレで決まり!☆Paulo Muniz『Trying To Fool Destiny』
トライング・トゥ・フール・デスティニィ(ジャパニーズ・エディション・デジパック仕様)
発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジリアン男性シンガーソングライター
気分は... :この夏はコレで決まり!

前回の2000年代カテゴリーの紹介でスルーしてしまったPaulo Munizの新作『Trying To Fool Destiny』です。

ここ2週間ほど本作『Trying To Fool Destiny』と先日紹介した『Ray Harris & The Fusion Experience』の2枚ばかり聴いています。この2枚のせいで、かなりの期待を込めて購入したCommonの新作『Finding Forever』は、購入後2週間近くが経つのに封も切っていない状態です(笑)

さて本日の主役Paulo Munizは、1976年リオ・デ・ジャネイロ生まれのブラジル人シンガーソングライター。本作『Trying To Fool Destiny』は彼にとって2枚目のアルバムとなります。1作目は自主制作によるプライベートな作品であったことを考えると、本作を実質的なデビュー作と呼んでいいのかもしれません。

本作自体は昨年発売されたのですが、今回プロダクション・デシネから新しいアートワーク+ボーナス・トラック3曲を追加するかたちで国内盤が発売されました。今回はこの国内盤を紹介するので2007年作品という扱いにしておきます。

ジャケの鮮やかなブルーのように、真夏の青空や海が実に似合う爽快な1枚です。
ソフト&メロウ好きの人は間違いなく一発で気に入るでしょうね。

全編英語で歌われるその甘い歌声、親しみやすいメロディ、ボサノヴァ、サンバ等120%ブラジリアン・ムードのアレンジと文句のつけようがない出来栄えですねぇ。さらにボーナス・トラックではポルトガル語の3曲も聴くことができます。どこかのレビューでKenny Rankinのような柔らかな歌声というのを見かけましたが、確かにそんな感じですね。

こういったアーティストに目敏く反応するのは、年季の入ったブラジル音楽好きの人やクラブ&カフェ系音楽好きの人だと思いますが、個人的にはAOR好きの人に聴いて欲しいですね。

昔のアーティストを無理矢理掘り起こさなくても、リアルタイムでこんなにソフト&メロウな音楽に出会うことができることを、ぜひ知ってもらいたい気がします。

あと本作の発売元であるプロダクション・デシネは要注目ですね。
神戸のセレクトCD/レコードショップ《ディスク・デシネ》のレーベルですが、実にセンスのいい作品を発掘してリリースしてくれますね。個人的には同レーベルから発売されたBirgit Lystager『Birgit Lystager』あたりも大変気に入っています。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Defeated Guy」
絹のような柔らかさとそよ風のような爽快さを合わせ持った軽快なメロウ・チューン。このオープニングを聴いただけで本作への期待は高まるはずだと思いますよ。

「Smile at Me」
本作のハイライト曲かも?すでに名曲との声も上がっていますね。甘くソフトなボッサ・チューン。何よりメロディアスな曲がサイコーですね。ストリングのアレンジがエレガントなムードを高めてくれます。

「Nothing Else to Say」
ジャジー・ムードの1曲。全体として昼〜夕暮れのイメージがぴったりの曲が多い中で、本曲はロマンティックな夜のムードがぴったりの1曲ですね。

「More Than You Will Know」
フルートの音色が涼しげなMPBチューン。Caetano Velosoあたりがお好きな方は気に入るのでは?小粋なセンスが光ります。

「Feeling Guilty」
サンバのリズムが心地良く響くブラジリアン・メロウ・グルーヴ。「From Now On」と並ぶ僕のお気に入り曲。フリーソウルやカフェ・ミュージックが好きな方にぜひオススメです。

「Once More」
夕暮れ時に聴くとジャスト・フィットなノスタルジック・ムードのサウダージな1曲。とても穏やかな気分になりますね。

「Easy Target」
Paulo のシンガーソングライター的な魅力を確認するのにピッタリの美メロのボッサ・チューン。オーソドックスなだけに曲の良さが光ります。

「From Now On」
僕の一番のお気に入り曲はコレです。今月に入ってから最低1日1回、多い日には10回位聴いているかもしれませんね。軽快かつメロウなボッサ・チューン。隅々まで行き届いたオシャレな1曲というカンジですね。

「Trying to Fool Destiny」
タイトル曲はブラジルらしい大らかさを感じる、ゆったり、のんびりムードながら少し憂いを感じる大人のラブソングというカンジでしょうか。

「Perdao」
「Sorri pra mim」
「Acorda amor」
ポルトガル語で歌われるボーナス・トラック3曲。特に、「Smile at Me」の原曲である「Sorri pra mim」が収録されているのは嬉しい限りですね。これがあるので輸入盤ではなく国内盤を購入した方がお得だと思いマス。

本作をお気に入りの方は、昨年から人気のスウェーデン産ボッサ・アルバムJohan Christher Schutz『Passion』(2004年)あたりもセットで聴いてみては?
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする