発表年:1983年
ez的ジャンル:Kalapana系ハワイアンAOR
気分は... :夏だ!ハワイだ!
最近、夏っぽい作品の紹介が多いですが今日もそんな1枚です。サルサ、レゲエ、ブラジルと来れば残りはハワイでしょ!
ということで元KalapanaのMackey Feary(Macky Feary)がMaurice Bega、Kenji Sanoと組んだグループNite Lifeのアルバム『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)です。
※本作ではMacky Fearyではなく、Mackey Fearyと表記されています。
Macky Fearyは1955年ホノルルの生まれ。ハワイ、チャイニーズ、フィリピン、イギリス、フレンチ、カナディアン、インディアンといった多民族の血が流れていた人だったみたいですね。
Macky Fearyと言えばまずはKalapanaですよね。僕よりも上の年代の方にはサーフ・ロック・ブームの火付け役として、Kalapanaへの思い入れが強かった方も多いのではと思います。
Macky Fearyは、そのKalapanaのオリジナル・メンバーであり、『Kalapana 1(邦題:ワイキキの青い空)』(1975年)、『Kalapana 2(ワイキキの熱い砂)』(1976年)とヒットを飛ばします。特に、Mackeyが作曲した『Kalapana 2』収録の「Juliette」は、AORファンに人気の高い1曲ですね。
しかし、『Kalapana 2』発表直後にMackyはグループを脱退してしまいます。その後、自身のグループMacky Feary Bandを率いて
『Macky Feary Band』(1978年)、『From The Heart』(1979年)という2枚をアルバムを発表しています。
フリー・ソウル・ファンにとって、『Macky Feary Band』(1978年)は、Tender Leaf『Tender Leaf』、Lemuria『Lemuria』と並ぶハワイ産フリー・ソウルの最高峰という評価ですよね。
そして、LAで活動していたMaurice Bega、Kenji Sanoと出会い結成したのがMackey Feary & Nite Lifeです。そのNite Life名義唯一のアルバムが本作『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)です。
当時大学生だった僕はたまたま本作をレコードでリアルタイム購入し、かなり熱心に聴き込みましたね。Kalapanaは名前しか知らなかったし、Mackey Feary Bandなんで存在も知らなかった僕が本作を購入したのは、偶然エアチェックで本作を聴いたのがきっかけでした。夏向きのソフト&メロウな曲の数々に思わずグループ名をメモし、次の日にはレコード屋へ探しに行った記憶があります。
当時周囲の音楽好きに“Mackey Fearyっていいよ!”と言っても周囲は全く無反応でしたが(笑)
その分、僕しか知らないソフト&メロウなレコードというマニア気分を楽しんでいましたね。
ちなみに僕が持っている日本盤のレコードはジャケも異なるし(単にハワイの夕暮れのフォトのジャケ)、タイトルも『Hawaiian Breeze』となっています。久々にレコードを棚から引っ張り出してみたら、ライナーノーツは小倉エージ氏が書いていますね。
Macky Fearyのことばかり書いてしまいましたが、実はMaurice Begaが作曲やボーカルでMackyに劣らず頑張っていると思います。
Kalapana好きの方、Macky Feary Band好きの方、AOR好きの方、ウエストコースト・ロック好きの方と結構幅広い層の方が聴ける作品ではないかと思いマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Stop Running From Love」
オープニングはロック色の強いミッド・チューン。Totoあたりが好きな人は気に入る曲なのでは?
「Marci」
Mackyの奥方のことを歌ったメロウなラブ・ソング。ハワイらしいロマンティックなアコースティック・チューンに仕上がっています。浜辺で恋人と二人で聴くとピッタリな感じですね。
「Such Hot Stuff」
Maurice Begaによるリズミックなミディアム・スロウ。Stevie WonderがハワイアンAORしているカンジですね。エレピの音色が実に爽やかですな。
「You, In My Life」
これもMaurice Bega作。トロピカル・ムードの軽快なミッド・チューンです。歯切れの良さが魅力ですね。
「Biggest Part Of Me」
昔から僕の一番のお気に入り曲。メロウなアコースティック・チューンです。まさにハワイの夕暮れの光景が目に浮かぶロマンティックな曲ですね。またまたMaurice Bega作品です。
「Love Is Blind」
Stevie WonderのボーカルとDoobie Brothersのサウンドをハワイアン・テイストでまとめたようなメロウなアップ・チューン。後期Doobiesが好きな人は絶対気に入ると思いますね。昔好きだった女の子のお気に入り曲でした。
「Love Is On My Mind」
CDのライナーノーツで後日談としてKenji Sanoが最もMackyらしいナンバーなのでは、と指摘していたのが本曲。この軽快なメロウ・グルーヴはフリー・ソウル好きの人向けかもしれませんね。
「Apartmeny #703」
アルバムのラストはフュージョン/クロスオーバーなインスト・ナンバー。タイトルは当時メンバーが一緒に住んでいたアパートのルーム・ナンバーなのだとか。
本作の好調ぶりに目をつけたプロモーターがKalapanaのリユニオン・コンサートを仕掛けたせいで、皮肉にもNite Lifeは開店休業状態に追い込まれてしまいまシタ。
Macky Feary自身はフリーソウル・ファンから再び脚光を浴びることになりますが、私生活で様々な問題を抱えたまま1999年2月に自殺を図り、帰らぬ人となってしまいます。