2007年08月21日

Bomb the Bass『Unknown Territory』

日本が誇るGota & Kenji Jammerも参加した2ndアルバム☆Bomb the Bass『Unknown Territory』
Unknown Territory
発表年:1991年
ez的ジャンル:UKクラブ・ミュージック
気分は... :ときには重く!

日本人ファッションモデルのパイオニア山口小夜子さんがお亡くなりになったとの記事を読みました。音楽ファンにとっては、何と言ってもSteely Dan『Aja』(1977年)のジャケの印象が鮮烈でしたよね。

まだまだお若かっただけに残念ですね。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

さて、今日はBomb the Bass『Unknown Territory』(1991年)です。

Bomb the Bassは、80年代後半から90年代初めのUKクラブ・シーンを牽引したDJの一人であるTim Simenonのユニット。Tim Simenonは1968年ロンドン生まれ。マレーシア人とスコットランド人の両親を持ちます。

DJやエンジニアを経てシングル「Beat Dis」でデビュー。これがの1988年にUKチャート第2位の大ヒットとなり、一躍注目の存在となります。

その勢いで1stアルバム『Into the Dragon』を発表。UKチャート第6位の「Megablast/Don't Make Me Wait」、UKチャート第10位の「Say A Little Prayer」(Burt Bacharachのアノ名曲のカヴァー)とシングルヒットを連発します。

その後2ndアルバム『Unknown Territory』(1991年)、3rdアルバム『Clear』(1995年)をリリースすると同時に、プロデューサーとしても活躍します。

僕が本作『Unknown Territory』を購入したのはTim Simenonへの興味というよりも、何曲かで共同プロデュースを担当しているGota(屋敷豪太)氏への興味からでした。

Soul II Soulでの活躍以来、Gota氏が関連している作品を見つけるとそれだけで購入している時期があり、本作もそんな流れで購入した記憶があります。ちなみに本作が発表された1991年といえば、Gota氏がSimply Redの正式メンバーとして参加したアルバム『Stars』が発表された年ですね。

あと日本人としてはGota氏に加え、Kenji Jammerこと鈴木賢司氏が参加しているのも嬉しいですね。

個人的にはGota氏参加ということで、スタイリッシュなUKクラブ・サウンドを期待していたのですが、全体としては結構ダークなイメージかしれませんね。でも、今聴き返すと実に当時のUKクラブ・シーンを凝縮した仕上がりのような気がします。

後のデジタル・ロック、ビッグ・ビートの登場を予見させるのが実に興味深いですね。

全曲紹介しときヤス。

「Throughout The Entire World」
「Switching Channels」
ダークでミステリアスな雰囲気がなかなかカッチョ良いブレイクビーツ2曲。このダークネスが当時の僕にはかなり鮮烈な印象でしたね。特に、「Throughout The Entire World」はタイトルをジャケと重ねると意味深ですね。

「Love So True (12 Inch Mix) 」
個人的にアルバムで一番のお気に入りはGota共同プロデュースのこのミディアム・グルーヴ。こういう曲を求めてアルバムを購入したもので(笑)実にスタイリッシュでオシャレな仕上がりだと思います。グラウンド・ビートが好きな人は気に入ると思いますよ。アルバムにはよりディープなDepth Charge Remixも収録されています。

「Winter In July (7 Inch Remix) 」
本作のハイライトといえば、Loretta Heywoodの女性ボーカルをフィーチャーしたこの哀愁のメロウ・チューンになるのでは。UKチャート第7位の大ヒットとなりました。ひんやりとしたクールなグルーヴ感がいいですね。本作にはクラブ仕様のジャジーなリミックスであるUbiquity Mixも収録されています。

「You See Me In 3D (Remix) 」
この曲に限らずBomb the Bassのサウンドを表現する言葉として“3D”というのはピッタリな気がします。Remixバージョンではないオリジナルはかなり異なる雰囲気らしいので、そちらも聴いてみたいですね。

「Liquid Metal」
重くうねるグルーヴ感がカッチョ良いアップ・チューン。Bentley Rhythm Aceとか聴きたくなりますね。

「Run Baby Run」
プレ・デジタル・ロックといった趣きのダンス・チューン。後のThe Chemical Brothersあたりの出現を予見しているかのようですね。

「Dune Buggy Attack 1991」
重く地を這うベースラインとラテンなパーカッションのリズムがえらくカッチョ良いですね。とってもカオスな感じがこの頃のUKクラブ・ミュージックらしくていいですね。

「Understand This」
個人的にはPublic Enemyを思い出すHip-Hopチューン。Bomb Squadの攻撃的だけど緻密な音作りと相通じるものがあると思いマス。

「The Air You Breathe」
Loretta Heywoodのキュートな哀愁ボーカルが印象的なグラウンド・ビート。シングルカットもされました。この曲もGota共同プロデュースです。Kenji Jammerのギターも印象的です。

「Pressure Point」
Kenji Jammerのギター・プレイを堪能するための1曲。

「Moody」
アルバム中では少し異質なトライバルなハウス・チューン(Gotaプロデュース)。でも個人的にはかなり好きです。Loretta Heywoodのキュートなボーカルがパーカッシヴなトラックとマッチしていると思います。

最近Tim Simenonの活動を全くフォローしていませんが、どうしているんですかね?
posted by ez at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする