発表年:1980年
ez的ジャンル:Stones流ニューウェイヴ
気分は... :オレをレスキューしてぇ〜!
The Rolling Stonesの6回目の登場です。
『Black And Blue』(1976年)
『Beggars Banquet』(1968年)
『Sticky Fingers』(1971年)
『December's Children (And Everybody's)』(1965年)
『Between the Buttons』(1967年)
に続く6枚目は『Emotional Rescue』(1980年)です。
本ブログで初めて80年代以降のStonesの紹介になります。
僕の中でStonesは、60年代、70年代、80年代以降(現在まで)という3つの括りで区切られています。90年代、2000年代という括りがないのは、ロック界全体のトレンドセッターであったStonesは80年代でその役割を終えたという個人的な解釈のためです。
僕の場合、かつての大物バンドの再結成ツアーや●十年ぶりの新作のような“昔の名前で出ています”的なものに嫌悪感を抱いても、歓喜することは絶対ありません。その点、バリバリの現役として新作を出し続けるStonesは現在でも偉大だと思います。
さて、80年代以降のStonesの全作品の中で個人的に一番好きな作品が本作『Emotional Rescue』です。
一般にはあまり評価が高くないアルバムですね。
多分、80年代以降の作品の中では『Tattoo You』(1981年)あたりが人気・評価ともに高いのでは?僕も昔はそうでした。ただし、ここ7、8年位は『Emotional Rescue』が一番好きですね。
本作はStonesがニューウェイヴやレゲエ/ダブにぐっと近寄ったアルバムと言われていますね。そのニューウェイヴ感覚こそが僕がこの作品を気に入っている理由です。
ジャケの雰囲気が同じ年に発表されたTalking Heads『Remain in Light』に似ているのも面白いですよね。
実は僕が初めてリアルタイムで聴いたStonesの新作が本作『Emotional Rescue』でした。最初に聴いたのがMickが薄気味悪い(?)ファルセットを披露したタイトル曲「Emotional Rescue」。当時中学生だった僕にはこの曲の良さは理解できませんでしたね。当時の僕の良い音楽の条件は、カッチョ良いリズムではなく綺麗なメロディだったので(笑)
Ian Stewart、Nicky Hopkins、Billy Preston、Bobby Keysといったお馴染みのサポート陣に加え、前作『Some Girls』に続きシブ位ハープを聴かせるSugar Blue、レゲエ・シンガーMax Romeo等のメンツが参加しています。
全曲紹介しときやす。
「Dance, Pt.1」
今聴くと、このオープニング・ナンバーが一番カッチョ良いですね。「Hot Staff」進化形といったカンジのファンク+ディスコ+ラテン/カリブ+アフロがカオス状態のダンス・チューン。
「Summer Romance」
往年のロック歌手Eddie Cochranへのオマージュなのだとか。シンプルなロックン・ロールをニューウェイヴ・モードで演奏しましたって感じですね。
「Send It to Me」
この曲はレゲエしてます。ほのぼの感の中にStonesらしいアーシーな味わいがほんのりわかるのもいいですね。
「Let Me Go」
Ric Ocasekの代わりにMickがボーカルをとるCarsってカンジの曲(笑)Cars大好きの僕はこの曲もお気に入りデス。
「Indian Girl」
70年代前半のStonesにマリアッチ風の味付けを加えたカントリー・チューン。なかなか深い味わい。
「Where the Boys Go」
「Summer Romance」タイプのイケイケ・モードのナンバー。この単調なカンジは好き嫌いが分かれるかもしれませんね。僕も昔はイマイチな気がしましたが、最近は逆にその単調なところが好きですね。
「Down in the Hole」
ゲスト参加のSugar Blueのハープが激シブでカッチョ良いブルース・チューン。昔は印象に残らなかったが、最近はかなりお気に入りの曲デス。
「Emotional Rescue」
タイトル曲はアルバムから1stシングルとして全米チャート第3位となりました。Mickのファルセット・ヴォイスもさることながら、リズム隊が実に面白いですね。今聴くとサウンド的にはMarvin Gayeがニューウェイヴにアプローチして、ダブ的手法にも手を出しましたといった印象を受けます(意味不明かな?)。
「She's So Cold」
アルバムからの2ndシングル。当時はそのシンプルさが印象に残りましたが、改めて聴くと実にニューウェイヴしていますね。
「All About You」
Keithファンにはたまらない得意の泣きのバラッドです。このビミョーに鼻に抜けるようなKeithのボーカルがいいですね。不思議なブルージーさが何か好きです。
名盤とは言えないかもしれませんが、通好みの佳作だと思います。
個人的にはかなりいいと思います。再評価されてしかるべき1枚。