録音年:1965年
ez的ジャンル:モッズ系ジャズ・ロック
気分は... :もう9月も終わり...
9月もラストですね。
もう明日からラスト四半期、良い年末を迎えることができるように、いろいろエキサイティングな事を今から仕込みたいですね。
大物ジャズ・キーボード奏者Ramsey Lewisの2回目の登場です。
前回はEarth,Wind & FireのMaurice Whiteプロデュースによる裏EW&F的なJazzファンク/フュージョン・アルバム『Sun Goddess』でしたが、今回はRamsey Lewisが大ブレイクしたアルバム『The In Crowd』(1965年)です。
本作『The In Crowd』は、シングル「The"In" Crowd」の全米ポップチャートの第5位、R&Bチャートの第2位という大ヒットを含み、全米アルバムチャートの第2位、R&Bアルバムチャートの第1位というジャズ・アーティストとしては異例の大ヒットとなった作品として有名ですよね。
Ramsey Lewis(p)、Eldee Young(b)、Red Holt(ds)の3名でRamsey Lewis Trioが結成されたのが1955年前後あたりだと思うので、苦節10年目の大ヒットといったカンジでしょうか。
ただし、当時はコアなジャズ・ファンからはそっぽを向かれたアルバムみたいですね。きっと余計なうん蓄など必要としない、そのキャッチーさがコアなジャズ・ファンの反感を買ったのでしょうね。今でもきっとジャズ・ファンよりも、モッズ系の音なんかが好きな方の方がしっくりくるアルバムなのではと思いマス。
内容は1965年のワシントンD.C.にあるThe Bohemian Cavernsでのライブを収録したものです。
個人的には『Sun Goddess』の印象があまりに強いので、その印象とのギャップを楽しめるアルバムでもありマス(笑)
全曲紹介しときヤス。
「The"In" Crowd」
まずは前述の大ヒット・シングルとなったタイトル曲ですね。観客の手拍子に合わせてスタートする出だしが何といってもカッチョ良いですね。モッズ達が好きそうなクールなジャズ・ロックといった仕上がりでしょうか。
本曲はR&BシンガーDobie Grayの1963年のヒットのカヴァーですが、オリジナルの方もサイコーにカッチョ良いR&Bナンバーとしてモッズ定番曲になっています。ぜひDobie Grayの方もチェックしてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=AzXFZkvY0Q0
「Tennessee Waltz」
古くは江利チエミ、最近は綾戸智絵がCMで歌っているお馴染みの曲(P.W.King/R.Stewart作品)ですね。ここではボッサなようなディキシーのような(?)軽快なテンポで聴かせてくれます。Eldee Youngのピチカートで大活躍です。
「Since I Fell for You」
「You Been Talkin' 'Bout Me Baby」
ソウルフル&ブルージーな演奏の2曲。共に落ち着きのあるホッとする2曲ですね。
「Love Theme from "Spartacus"」
タイトルの通り、Stanley Kubrick監督、Kirk Douglas主演の映画『Spartacus』の曲ですね。憂いたっぷりの前半から途中軽快なタッチで聴かせ、後半は再び哀愁モードの演奏となりマス。
本曲はRamsey Lewis以外にもさまざまなアーティストがカヴァーしていますね。若いリスナーの方であれば、Nujabes「The Final View」の元ネタとなったYusef Lateefのバージョンが有名かもしれませんね。個人的にはBill Evans、Terry Callierあたりのバージョンも気になりマス。
「Felicidade (Happiness) 」
この曲はフランス映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』のサントラにも収録されたAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作の有名なボッサ・ナンバーですね。ここでも軽快なボッサ・チューンとして聴かせてくれマス。個人的にはアルバムで一番好きな演奏ですね。
「Come Sunday」
最後はDuke Ellington作品です。どことなくエレガントかつミステリアスな演奏ですね。
さらにCDにはボーナス・トラックとして「Motherless Child」、「The Party's Over」の2曲が収録されています。