2007年09月22日

John Coltrane『Kulu Se Mama』

フリー・ジャズ宣言前後のColtraneの魅力が凝縮された1枚☆John Coltrane『Kulu Se Mama』
Kulu Se Mama
録音年:1965年
ez的ジャンル:フリー・ジャズ前後のColtrane
気分は... :目を閉じて感性を研ぎ澄ませば...

まずはサッカー・ネタから...
チェルシーのモウリーニョ監督電撃辞任のニュースは衝撃的でしたね。

ある意味、アンリのバルサ移籍以上のインパクトがありましたよねぇ。
これでスーパースター軍団チェルシーは求心力が無くなり、一気に失速しそうですね。いきなり23日にマンチェスターUとの大一番が控えているので、まずはその試合に注目ですな。

個人的には、通訳から欧州制覇の監督まで上り詰めたジョゼ・モウリーニョという人のプロフェッショナリズムが好きですね。ポルトガル人らしからぬ(?)隙のないサッカーはファンタスティックではないかもしれませんがが、実にバランスのとれたサッカーをする知将という印象を持っていました。あとは試合前の言動から駆け引きする策士ぶりも僕好み(笑)

個人的には就任一年目の中央のドログバを中心にロッペン、ダフが左右から切れ込む3トップのシステムの頃が好きでしたね。シェフチェンコ、バラックが加入した昨シーズンから何か歯車が噛み合わなくなってしまいましたねぇ。。

次はどのクラブの監督になるんでしょう。
それとも人材不足のどこかの国(?)の代表監督になるとか?

さて、ジャズの求道者John Coltraneの4回目の登場っす。

『Ballads』(1962年)、『My Favorite Things』(1960年)、『Blue Train』(1957年)に続く4枚目は『Kulu Se Mama』(1965年)です。

これまでの3枚は聴きやすい前期〜中期のColtrane作品をセレクトしてきましたが、今回はついに“難解”な後期作品です。

1962年にJohn Coltrane(ts、ss)、McCoy Tyner(p)、Jimmy Garrison(b)、Elvin Jones(ds)というジャズ史上最強カルテットと呼ばれた布陣が整い、1964年録音の『A Love Supreme(至上の愛)』でカルテットは頂点を極めます。

頂点を極めたColtraneが次に向かったのはフリー・ジャズ!
Ornette Coleman『Free Jazz』(1961年)に影響受けたColtraneは、1965年の『Ascension』で若手ミュージシャンを含めた11名のメンバーによる集団即興を披露します。

これをきっかけにColtraneはフリー・ジャズの道を突っ走りマス。
音楽的な直感に基づき、絶叫するこの時期の作品は、言われているとおり重苦しく難解だと思いマス。ましてや僕のような永遠のジャズ初心者が...といったカンジです。

一方で、ジャズの求道者Coltraneが最後に辿り着いたゴール地点に少しでも触れてみたいと思うのも事実です。そのためには煩悩を捨て去り、無我の境地でColtraneの音楽と対峙せねばならない...なんて心境になってしまいます。

僕が聴くこの時代のColtrane作品は『Om』(1965年)、『Kulu Se Mama』(1965年)、『Live at the Village Vanguard Again! 』(1966年)の3枚が中心です。

今回はその3枚の中から、比較的聴きやすい(??)『Kulu Se Mama』をセレクト。
フリー・ジャズ宣言をした『Ascension』の録音が1965年6月ですが、本作『Kulu Se Mama』にはその数週間前の録音とフリー・ジャズ宣言以降の同年10月の録音が収録されています。

その意味ではフリー・ジャズ宣言前後の録音を聴ける点がなかなか興味深いのでは?
個人的にはフリー・ジャズというよりスピリチュアル・ジャズのアルバムという印象がありますね。
アフリカを意識したタイトル曲の印象が強いからかもしれませんね。

全曲紹介しときヤス。

「Kulu Se Mama (Juno Se Mama) 」
19分近くに及ぶタイトル曲は『Ascension』後の1965年10月の録音です。メンバーはJohn Coltrane(ts)、McCoy Tyner(p)、Jimmy Garrison(b)、Elvin Jones(ds)の最強カルテットに、Pharoah Sanders(ts)、Doanld Garrett(bcl)、Frank Butler(ds、per)、Juno Lewis(per、vo)が加わった編成です。

アフロ・アメリカンの地位向上に努めた打楽器奏者Juno Lewisの作品であり、ボーカルも担当しています。全体としてはパーカッシヴな演奏が印象的なアフロ・スピリチュアルといったカンジですね。

従来のColtrane作品にはないユニークな作品ですね。僕のように60年代後半から70年代前半のPharoah Sandersあたりが好きな方は、その路線の原点と思えばなかなか楽しめるのではと思いマス。

「Vigil」
この曲はなんとColtraneとElvin Jonesによるサックスとドラムのデュオ演奏です(1965年6月の録音)。ColtraneとElvinの緊張感に包まれた白熱のインプロヴィゼーション・バトルが凄まじいですね。感性剥き出しで実に生々しいです。サックスとドラムしかないため、案外集中してインプロに耳を傾けることができます。あっちっちぃ!

「Welcome」
最強カルテットによる演奏です(1965年6月の録音)。あまりに激しい「Vigil」後のこの曲は何とも美しいバラッド。この動と静のコントラストがいいですねぇ。同じリリカルなバラッドでも『Ballads』あたりの演奏と比較すると、こちらの方が悟りの境地のような穏やかさがありますねぇ!

はっきりタイプの異なる3曲のバランスがこのアルバムの魅力ではないかと思います。

本作あたりでまずは肩慣らしをし、さらにColtraneの宇宙に入りたければ、『Om』(1965年)、『Meditations』(1965年)、『Live at the Village Vanguard Again! 』(1966年)あたりに挑戦してみては?
posted by ez at 09:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする