2007年10月08日

Pages『Pages』

Jay GraydonプロデュースのAOR好きには外せない1枚☆Pages『Pages』
ペイジズ
発表年:1981年
ez的ジャンル:Jay Graydon系AOR
気分は... :Mr. Misterは全然良いとは思わないけど...

今回はAORファンにはお馴染みのグループPagesです。

PagesはリーダーのRichard PageSteve Georgeを中心としたグループ。

アリゾナ州フェニックス出身のRichard Pageは、ミュージシャンを目指して高校卒業後に単身L.A.へと向かいます。
L.A.のクラブシーンで地道な活動を続けながら、Pageは1977年に自身のグループを結成しようと決心します。その時真っ先に声を掛けたのが高校時代の後輩Steve Georgeであり、こうしてPagesが結成されます。

そして、当時売り出し中だったAndy Gibbのバック・バンドを経て、1977年末にシングル「I Get It From You」でデビューします。その後1978年にデビュー・アルバム『Pages』、 2ndアルバム『Future Street』(1979年)、3rdアルバム『Pages』(1981年)という3枚のアルバムを発表します。

しかし、その充実した内容のわりには商業的な成功には恵まれず、グループは一旦解散します。しかし、再起をかけたRichard PageとSteve Georgeは1983年に新グループMr. Misterを結成します。そして、1985年に発表したMr. Misterの2ndアルバム『Welcome to the Real World』から「Broken Wings」「Kyrie」という2曲の全米No.1ヒットが生まれ、よくやく成功を手にしました。

僕の場合、Pagesについてはリアルタイムでは殆ど記憶がありません。雑誌で名前を見かけたくらいだったかなぁ。一方のMr. Misterは「Broken Wings」、「Kyrie」といったヒット曲やそのPVをよく見聴きしましたが、正直全然良いとは思いませんでした(笑)

ということでPagesについては、CD時代に後追いで、しかもMr. Misterとは全く切り離したかたちで聴いたパターンですね。
僕がよく聴くのは2nd『Future Street』(1979年)、3rd『Pages』(1981年)の2枚です。本当は2nd『Future Street』が一番好きなのですが、AORという観点からは3rd『Pages』の方がJay Graydonプロデュースという目玉がある分、興味を持つ方が多いと思いコチラ『Pages』にしました。

結成以来メンバー・チェンジを繰り返してきたPagesですが、本作『Pages』制作時点のメンバーはRichard PageSteve Georgeの二人に作詞担当のJohn Langを加えた3名です。

プロデュースは全9曲中7曲をJay Graydonが担当し、残り2曲を1st、2ndをプロデュースしたBobby Colombyが担当しています。
元メンバーのCharles Johnson以外にJeff Porcaro、Steve Khan、Paul Jackson Jr.、Paulinho Da Costa、Tom Scott、 Al Jarreauといった腕利きミュージシャンも参加しています。

正直僕はDavid FosterJay Graydonの名があるだけでトキメクような“Airplayサイコー”系リスナーではないので、Jay Graydonプロデュースというだけで“AORの名盤”として扱うことはありませんが、それでも本作は“AORの名盤”と呼ぶのに相応しい1枚だと思いマス。

全曲紹介しときやす。

「You Need A Hero」
この曲はBobby Colombyプロデュース。シングルカットもされました。AORらしいアーバン・ナイトなキーボード・サウンドが心地良いミッド・チューン。純粋にAOR度ということで言えば、この曲が一番高いのでは?

「Tell Me」
Jay Graydonプロデュース曲の中ではこの曲が一番好きですね。単純に一番メロディアスでメロウネスが高いという理由ですが。あとは暑苦しくないのがいいですね。僕の場合、David Foster、Jay Graydonといった人のプロデュース作に暑苦しさを感じことがあるので(笑)

「O.C.O.E. (Offical Cut Of The Eighties) 」
この曲はかなりSteely Dan的ですね。緻密に作られた完成度の高い1曲だと思います。このあたりは、さすがJay Graydonというカンジですかね。

「Come On Home」
シングルカットされたBobby Colombyプロデュース曲。AOR好きにはたまらないロマンティックなスロウ・チューンに仕上がっていマス。Tom Scottのサックスがムードを盛り上げてくれマス。Jay Graydonプロデュースが話題のアルバムですが、実は「You Need A Hero」、「Come On Home」というBobby Colombyプロデュースの2曲がシングル・カットされているのが面白いですね。僕もそのシングル2曲が一番好きだったりします。

「Sesatia」
「Automatic」
ロック色の強いハード・ポップ・チューン2曲。きっとAirplay系が好きな人はこういった曲が好きなんでしょうけど、先に述べたように僕的には少々暑苦しいですかね(笑)

「Only A Dreamer」
AORらしい小粋なミッド・チューン。音は結構ソリッドですが、全体の仕上がりは涼しげでいいカンジです。

「Fearless」
この曲もいいですね。ウエストコーストらしい盛り上がり方や、Jay Graydonのギターが堪能できるなど、なかなか聴きどころが多い曲なのでは?

「Midnight Angel」
ファンの間で人気の高いただただ美しいバラッド。スケール感の大きさがいいですね。Al Jarreauが参加しています。

こんなに素晴らしい作品を発表したPagesが売れず、僕にはさっぱり良さがわからないMr. Misterが大ヒットを飛ばず!不思議なものですね。
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2007年10月07日

The Brothers Johnson『Look Out For #1』

GeorgeとLouisのファンキー兄弟!でも案外メロウな仕上がり☆The Brothers Johnson『Look Out For #1』
Look out for #1
発表年:1976年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー&メロウ系ファンク
気分は... :さぁ、かたちにしよう!

今回はファンキー兄弟The Brothers Johnsonのデビュー・アルバム『Look Out For #1』(1976年)です。

The Brothers Johnsonは、ギター&ボーカルの兄George(1953年生まれ)とベースの弟Louis(1955年生まれ)のJohnson兄弟のユニット。1970年代後半から1980年代初めにかけて大活躍したグループです。特にベース好きの方は、チョッパー・ベースの名手Louis Johnsonに魅せられた方も多いのでは?

Quincy Jonesのアルバム『Mellow Madness』(1975年)のレコーディングへの参加が、彼らに大きなチャンスをもたらします。彼らに惚れ込んだQuincy がレコード会社との契約を取り付けて、レコード・デビューが決定しました。

こうして制作されたアルバムが本日紹介する『Look Out For #1』(1976年)です。

プロデュースは勿論Quincy Jonesです。さらにLee Ritenour(g)、Dave Grusin(key)、Harvey Mason(ds)、Ralph MacDonald(per)、Billy Cobham(tim)、Ernie Watts(sax)、Toots Thielemans(Harmonica)、Syreeta Wright(back vo)等のメンバーがサポートしています。

結果的にこのデビュー・アルバムは全米のR&Bアルバム・チャート第1位、ジャズアルバム・チャート第3位、ポップアルバム・チャート第9位という大ヒットとなり、100万枚を超えるセールスを記録しました。

ジャケ写真を眺めると、かなりファンキーなアルバムを想像される方も多いかもしれませんが、ジャズアルバム・チャートで第3位となったことが示すようにクロスオーヴァーな要素を持ったアルバムに仕上がっています。そして、意外にもメロウネスたっぷりな仕上がりになっていマス。

Quincy Jones『Body Heat』のエントリーで書いたとおり、この時期のQuincyはジャズ、ソウル/ファンク、ポップスを融合したブラック・ミュージックを志向しており、そうしたアプローチが本作『Look Out For #1』にもいいかたちで反映されていると思いマス。

正直ジャケはかなりカッチョ悪い(?)ですが、サウンドはかなりカッチョ良いと思いますよ!

全曲紹介しときやす。

「I'll Be Good to You」
シングルカットされ、R&Bチャート第1位、ポップ・チャート第3位となる大ヒットとなりました。僕もこのミディアム・チューンが1番好きですね。ジャケのイメージとは正反対のアーバンかつメロウなサウンドがたまりません。

後にQuincy Jonesがアルバム『Back on the Block』(1989年)でカヴァーしていますね。こちらはRay CharlesとChaka Khanという豪華メンバーをフィーチャーしています。

「Thunder Thumbs and Lightnin' Licks」
クロスオーヴァーの要素が強いインストのファンク・チューン。この曲を聴けば、ジャズ・アルバム・チャートの上位にランクインしたというのも頷けますね。

「Get the Funk out Ma Face」
シングルカットされ、R&Bチャート第4位、ポップ・チャート第11位となったヒット曲。一番ジャケのイメージに近い(?)ダンサブルなファンク・チューンに仕上がっていマス。

「Tomorrow」
メロウなキーボードが印象的なインスト。完璧にジャズ/クロスオーヴァーですね。Hip-HopファンにはMase「I Need To Be」、O.C.「Far From Yours」、Grand Puba「Amazing」等のサンプリング・ネタとしても有名な曲ですね。

「Free and Single」
この曲もシングル・カットされました。ホーン隊がかなりいいカンジのゴキゲンなミディアム・ファンクに仕上がっています。「I'll Be Good to You」、「Land of Ladies」と並ぶ僕のお気に入り曲です。

「Come Together」
ご存知Beatlesの名曲のカヴァー。なかなかクールなミディアム・ファンクに仕上がっています。Toots Thielemansのハーモニカがえらくカッチョ良いですね。

「Land of Ladies」
クロスオーヴァー調のアーバン・メロウ。メロメロ好きの僕はモロに好みの曲ですね。Brand Nubian「Love Me or Leave Me Alone」でサンプリングされています。80年代に入るとAOR的なアプローチを強めた彼らですが、本曲などを聴いているとそういった方向へ向かったのもわかる気がします。

「Dancin' and Prancin'」
リラックス・モードのファンク・チューン。ホーン隊が派手に吹きまくってくれます。

「The Devil」
Quincy Jonesプロデュースらしいファンク・チューンに仕上がっていますね。

このデビュー作以降もQuincy Jonesプロデュースのもと、『Right On Time』(1977年)、『Blam!!』(1978年)、『Light Up The Night』(1980年)とヒット作を連発した彼らですが、Quincyから卒業した『Winners』(1981年)以降は徐々に失速していくこととなりまシタ。
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2007年10月06日

Horace Silver『The Cape Verdean Blues』

“ファンキー・ジャズの教祖”による小粋でソフィスティケイトされた1枚☆Horace Silver『The Cape Verdean Blues』
The Cape Verdean Blues
録音年:1965年
ez的ジャンル:脱ファンキー・ジャズ試行中
気分は... :クラブ・ジャズ好き向けの1枚でっせ!

今日は“ファンキー・ジャズの教祖”ピアニストHorace Silverです。

僕もあまり詳しくありませんが、Art Blakey(ds)、Horace Silver(p)、Cannonball Adderley(as)という三人がファンキー・ジャズ三大巨頭という存在になるそうですね。

Horace Silverは1928年生まれ。Stan Getzのグループに加わった後に、1951年にニューヨークへ進出します。そして、Art Blakeyと出会い、1952年には初リーダー作を録音しています。1954年には本ブログでも紹介したArt Blakey Quintet『A Night at Birdland, Vol.1』を録音しています。

その後、Art Blakeyと双頭リーダーとしてJazz Messengersの名を交互に使い合っていましたが、1956年に自己のグループを結成します(Jazz Messengersの名はArt Blakeyが継承)。50年代後半から60年代前半にかけてはファンキー・ジャズをリードする存在として活躍し、『Finger Poppin'』(1959年)、『Blowin' the Blues Away』(1959年)、『Doin' The Thing』(1961年)、『The Tokyo Blues』(1962年)、『Song for My Father』(1964年)などの名盤をBlue Noteに残しています。

1970年代には宗教色の強いスピリチュアルな方向へ大幅な方向転換を図ったり、1980年第二は自己のレーベルSilvetoを作ったりもしました。1990年代に入るとImpulseと契約し、その健在ぶりを示してくれました。

僕にとってHorace Silverはまだまだ未開拓のピアニストです。
コレクションしているのも『The Cape Verdean Blues』(1965年)、『The Jody Grind』(1966年)等数えるほどしか持っていません。でも、かなり興味のあるジャズ・ジャイアントの一人ですね。

しかしながら、僕の興味は50年代〜60年代のファンキー・ジャズ作品ではなく、ジャズ・ファンからは見向きもされず、クラブ系リスナーの関心が高い70年代のスピリチュアルな作品です。何とかコレクションに加えたいですね。

さて、今回紹介するのは数少ないSilverコレクションの中から一番のお気に入り『The Cape Verdean Blues』(1965年)です。ジャズ聴き始めの頃に訳もわからずジャケ買いした1枚なのですが、隠れた佳品というカンジでなかなか好きです。

1965年の録音ですがファンキー・ジャズから一歩抜け出したカンジの作品なのでは?結構、クラブ・ジャズ好きの人が聴いても気に入る作品なのでは?

メンバーは、Horace Silver(p)、Woody Shaw(tp)、Joe Henderson(ts)、Bob Cranshaw(b)、Roger Humphries(ds)というクインテットに大物J.J. Johnson(tb)が加わっています。Woody ShawJoe HendersonJ.J. Johnsonが並ぶ三管はなかなか魅力的なメンバー構成だと思いマス。

アルバム・タイトルのCape Verdeanとは、大西洋の北に位置する元ポルトガル領のアフリカの小さな島国のことです。Silverの父親はこの島の出身なのだとか。そんな彼のルーツが本作にもラテンやアフリカンなテイストとして反映されています。

Reid Milesによる魅惑のジャケのイメージとピッタリというカンジですね。「Mo' Joe」Joe Hendersonの作品である以外は全てHorace Silverの作品です。

全曲紹介しときやす。

「Cape Verdean Blues」
ラテン・タッチの軽快なナンバー。Silverの軽やかなピアノが気持ちいいすでね。この小粋でソフィスティケイトされた演奏はクラブ系のリスナーの人が聴いても気に入るのでは?ラテン・アフリカンなノリがジャケ写真あたりとダブってきます。

「African Queen」
モーダルでブルージーな味わいがいいカンジですね。Woody Shawのソロがカッチョ良いですな。

「Pretty Eyes」
ワルツ調の軽やかなナンバー。全体的に実にスマートでプリティな演奏ですね。Joe HendersonとWoody Shawのソロがそれぞれらしくていいですね。

「Nutville」
クラブ・ジャズ好き必聴の1曲ですね。このスタイリッシュさはとても30年以上前の作品とは思えませんね。 ここではJ.J. Johnsonも加わり、豪華な三管を聴くことができます。

「Bonita」
なかなかムーディーな1曲。ここでのSilverのソロは実にオシャレですね。永遠のジャズ初心者である僕ような人間は、こういうのにコロっと心奪われてしまうのかも?

「Mo' Joe」
Joe Hendersonの作品です。ここでもJ.J.→Henderson→Shawと続く三管がなかなか楽しいですね。Joe Henderson自身のリーダー作としてのの演奏は『The Kicker』(1967年)に収録されていマス。

Horace Silverについては、とりあえずスピリチュアルな『The United States of Mind』三部作あたりをコレクションに加えたいなぁ。
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2007年10月05日

Black Sheep『Non-Fiction』

ジャジーHip-Hop好きにぴったりのNative Tongues作品☆Black Sheep『Non-Fiction』
Non-Fiction
発表年:1994年
ez的ジャンル:Native Tongues系ジャジーHip-Hop
気分は... :羊が一匹、二匹...

今回は90年代Hip-Hop好きには外せないグループBlack Sheepの2ndアルバム『Non-Fiction』(1994年)の紹介です。

Black Sheepは、DresMista Lawngeの2人によるHip-Hopユニット。

De La SoulA Tribe Called QuestJungle Brothersでお馴染みのNative Tonguesに所属していまシタ。

1991年に1stアルバム『A Wolf in Sheep's Clothing』、1994年に2ndアルバム『Non-Fiction』を発表しています。

Native Tongues大好きの僕でしたが、当時僕の中ではBlack SheepはNative Tonguesのグループという印象は薄かったですね。というよりもNative Tonguesと言えば、De La SoulA Tribe Called QuestJungle Brothersの3グループで完結していたのかもしれません(笑)

一般的には「Flavor Of The Month」「Strobelite Honey」「The Choice Is Yours」といった名曲を含む1st『A Wolf in Sheep's Clothing』がHip-Hopクラシックとして評価が高いですが、個人的には今回紹介する2nd『Non-Fiction』の方が好きですね。

元気一杯でキャッチーな『A Wolf in Sheep's Clothing』よりも、落ち着きのある『Non-Fiction』の方が、現在の僕の嗜好に合っているというカンジでしょうか。

ここ数年、Hip-Hopの新譜についてはジャジーなアングラものを好んで聴く傾向があります。そんなジャジーなアングラHip-Hopと同じ肌触りを感じるのが、今日紹介する『Non-Fiction』です。

今日では『A Wolf in Sheep's Clothing』ほど大きく取り上げられることは少ないですが、地味ながらも完成度の高さが目立つ隠れ名盤という気がします。

そんな完成度の高さに大きく貢献しているのがAdditional ProductionとRemixでクレジットされるSalaam Remiの存在です。後にFugeesとの仕事などでさらに頭角を現すSalaam Remiですが、彼の名が注目されるきっかけとなったのが本作です。

ジャジーなアングラHip-Hopがお好きな方は、90年代Hip-Hopを再発掘するのも良いのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Autobiographical」
このとぼけたカンジと独特の浮遊感がNative Tongueらしいですよね。Eddie Harris & Les McCann「Kathleen's Theme」のピアノ・ネタもなかなかシブくてグッドですな。

「B.B.S.」
ジャジーなアングラHip-Hop好きの人は絶対気に入る1曲。自分が最近欲しているアングラHip-Hopってまさにこんなカンジ...時代が一巡したんですかねぇ。Emageの女性ボーカルが加わり、彩りも鮮やかです。Sonny Phillips「Free Like the Wind」ネタ。

「City Lights」
Bill Cosby「Get out of My Life, Woman」ネタのドラムブレイクがカッチョ良いジャジー・チューン。

「E.F.F.E.C.T.」
Showbiz & A.G.も参戦の1曲。少しダークなジャジー感がいいですね。

「Freak Y' All」
Native Tongueの最年少メンバーだったChi-Aliが参戦のスウィンギーな1曲。

「Gotta Get Up」
ダーク&ミステリアスな浮遊感がいいカンジですね。Cannonball Adderley「Hundred & One Year/M'Ria」ネタ。

「Let's Get Cozy」
Doug E Fresh & Slick Rick「La Di Da Di」ネタというのにがグッとくる人が多い1曲かもしれませんね。

「North South East West」
シングルカットもされた1曲。Native Tongueらしいとぼけたハジけ方がサイコーですね。Funk Inc.「Kool is Back」、Chase「Open up Wide」ネタ。

「Summa Tha Time」
この曲もかなり好き!Emage, Michelle Valentineがボーカルで参加しています。ダークだけど華やかです!

「Who's Next?」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。A Tribe Called Quest『Midnight Marauders』(1993年)あたりと共通するジャジー感がサイコーですね。女性ラッパーSweet T(Sweet Tee)も参戦していマス。Alphonse Mouzon「Poobli」ネタ。

「Without a Doubt」
アルバムからの先行シングルにもなった本作のハイライト。Salaam Remiの名を高めた1曲とも呼べるかもしれませんね。独特の浮遊感が何とも気持ちいいですね。僕などはIsley Brothers「The Highway of My Life」ネタというだけで嬉しくなっちゃいマス(笑)

「Non-Fiction Outro」
実はサウンド的にはIntroとこのOutroが一番カッチョ良かったりします。前菜やデザートにしておくのが勿体無い、十分メイン料理になる一品だと思いマス。

なんとBlack Sheepが今年4月に13年ぶりの新作『8wm/Novakane』を発表しました。Black Sheepと言っても、Dresだけみたいですね。
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2007年10月04日

Rod Stewart『Every Picture Tells a Story』

US、UK共にNo.1となった、Rodの地位を確立した作品☆Rod Stewart『Every Picture Tells a Story』
Every Picture Tells a Story
発表年:1971年
ez的ジャンル:UKルーツロック
気分は... :素朴なカンジがいいねぇ...

UKを代表する国民的な男性ロック・シンガーRod Stewartの登場です。

1960年代はJimmy Powell & the Five Dimensions、The Hoochie Coochie Men、Steampacket、Shotgun Expressといったグループを渡り歩いたRod Stewartでしたが、1968年にスーパーギタリストJeff Beckが結成したJeff Beck Groupへ参加し、注目を集めるようになります。

Jeff Beck Group『Truth』(1968年)、『Beck-Ola』(1969年)という2枚のアルバムを発表した後、Jeff Beck Groupの同僚Ron Woodと共にFacesへ参加します。また、1969年には1stソロ『An Old Raincoat Won't Ever Let You Down』を発表しています(USでは『The Rod Stewart Album』として発表)。1975年末にFacesが解散するまで、Facesとソロの活動を並行させていました。

ソロ一本となった1970年代後半からはスーパースターの地位を確立し、現在でも国民的歌手として勢力的に活動しています。

若いリスナーの方は、Rod Stewartに対してスタンダードナンバーをカヴァーするオヤジ歌手くらいの印象しかないかもしれませんね。でも、僕が洋楽を聴き始めた70年代後半は男性ロック歌手の頂点に立っていた存在がRod Stewartでした。

僕が最初にリアルタイムで聴いたRodのヒット曲は全米No.1となったディスコ路線の「Da Ya Think I'm Sexy?」だったと思います。そのせいか、セックス・シンボル的な男性ロック歌手というイメージでしたね。そこには軟派で助こましというマイナスの要素が多分に含まれていたのですが...

という訳で、僕のRod Stewartに対するイメージは決して良いものではなかったのですが、そんなイメージを一変させられたのが本作『Every Picture Tells a Story』(1971年)です。

ソロ3作目となる『Every Picture Tells a Story』はUS、UK共にアルバム・チャートNo.1となったソロ・アーティストRod Stewartの地位を確立した作品です。シングル「Maggie May」もUS、UK共にポップ・チャートNo.1の大ヒットとなりました。

中身の方は、アコースティックなテイストを強調したUKらしいトラッド感覚満載のルーツ・ロックに仕上がっています。派手ではないけど、力強く、エキサイティングな演奏と歌を聴き、やっとRod Stewartの真髄に触れることができたような気がしました。

参加ミュージシャンは、Ron Wood(g、b)、Ian McLagan(org)、Kenny Jones(ds)といったFaces勢に、「Maggie May」も共作した盟友Martin Quittenton(g)、Jeff Beck Groupでの同僚Mick Waller(ds)、後にJefferson Starshipへ加入するPete Sears(p)等が加わっています。

フォーキーかつR&Bな仕上がりは、今聴いてもかなりカッチョ良いと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Every Picture Tells a Story」
タイトル曲はRodとRon Woodの共作。アルバムで一番のお気に入り曲ですね。アコースティック・テイストながらもタイトでエキサイティングなロック・ナンバーに仕上がっていマス。Rodのハスキーなボーカルの魅力が堪能できるのがいいですね。バック・コーラスのMaggie Bellも素晴らしいですね。

「Seems Like a Long Time」
ソウルフルな仕上がりが素晴らしい1曲。Sam Cookeに影響を受けたというが頷けますな。バック・コーラスは本ブログでも紹介したフリーソウル好きにはお馴染みの女性R&BシンガーMadeline Bellが務めています。最近まで知らなかった!

「That's All Right」
ブルース歌手Arthur Crudupの作品。Elvis Presleyの1stシングルになった曲として有名ですね。Rodはアーシー&ブルージーな仕上がりでカヴァーしていマス。

「Tomorrow Is a Long Time」
Bob Dylanのカヴァー。ヴァイオリンが印象的なUKらしいフォークに仕上がっていマス。

「Maggie May」
シングルとしてUSチャート、UKチャート共にNo.1となったRodのキャリアを代表する大ヒット曲。RodとMartin Quittentonの共作です。フォーキーかつR&Bテイストのルーツ・ロックに仕上がっていマス。マンドリンの音色も印象的ですね。Rod Stewartというアーティストの原点を感じることができる名曲ですね。

「Mandolin Wind」
この曲もマンドリンとペダル・スティールの絡みがいいカンジのフォーク・ロック。

「(I Know) I'm Losing You」
Temptationsの1966年のヒット曲のカヴァー。Rare Earthも前年(1970年)にカヴァーし、ヒットさせていました。Facesのライヴでも演奏されていましたね。そのせいかFacesのようなブルージーでハードな仕上がりになっています。シングルカットもされました。

「Reason to Believe」
Tim Hardinのカヴァーです。「Maggie May」同様にフォーキーかつR&Bな仕上がりが実に味わい深く良いですね。

他の作品では『Never A Dull Moment』(1972年)、『Atlantic Crossing』(1975年)、『A Night on the Town』(1976年)あたりが愛聴盤です。
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