2007年10月07日

The Brothers Johnson『Look Out For #1』

GeorgeとLouisのファンキー兄弟!でも案外メロウな仕上がり☆The Brothers Johnson『Look Out For #1』
Look out for #1
発表年:1976年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー&メロウ系ファンク
気分は... :さぁ、かたちにしよう!

今回はファンキー兄弟The Brothers Johnsonのデビュー・アルバム『Look Out For #1』(1976年)です。

The Brothers Johnsonは、ギター&ボーカルの兄George(1953年生まれ)とベースの弟Louis(1955年生まれ)のJohnson兄弟のユニット。1970年代後半から1980年代初めにかけて大活躍したグループです。特にベース好きの方は、チョッパー・ベースの名手Louis Johnsonに魅せられた方も多いのでは?

Quincy Jonesのアルバム『Mellow Madness』(1975年)のレコーディングへの参加が、彼らに大きなチャンスをもたらします。彼らに惚れ込んだQuincy がレコード会社との契約を取り付けて、レコード・デビューが決定しました。

こうして制作されたアルバムが本日紹介する『Look Out For #1』(1976年)です。

プロデュースは勿論Quincy Jonesです。さらにLee Ritenour(g)、Dave Grusin(key)、Harvey Mason(ds)、Ralph MacDonald(per)、Billy Cobham(tim)、Ernie Watts(sax)、Toots Thielemans(Harmonica)、Syreeta Wright(back vo)等のメンバーがサポートしています。

結果的にこのデビュー・アルバムは全米のR&Bアルバム・チャート第1位、ジャズアルバム・チャート第3位、ポップアルバム・チャート第9位という大ヒットとなり、100万枚を超えるセールスを記録しました。

ジャケ写真を眺めると、かなりファンキーなアルバムを想像される方も多いかもしれませんが、ジャズアルバム・チャートで第3位となったことが示すようにクロスオーヴァーな要素を持ったアルバムに仕上がっています。そして、意外にもメロウネスたっぷりな仕上がりになっていマス。

Quincy Jones『Body Heat』のエントリーで書いたとおり、この時期のQuincyはジャズ、ソウル/ファンク、ポップスを融合したブラック・ミュージックを志向しており、そうしたアプローチが本作『Look Out For #1』にもいいかたちで反映されていると思いマス。

正直ジャケはかなりカッチョ悪い(?)ですが、サウンドはかなりカッチョ良いと思いますよ!

全曲紹介しときやす。

「I'll Be Good to You」
シングルカットされ、R&Bチャート第1位、ポップ・チャート第3位となる大ヒットとなりました。僕もこのミディアム・チューンが1番好きですね。ジャケのイメージとは正反対のアーバンかつメロウなサウンドがたまりません。

後にQuincy Jonesがアルバム『Back on the Block』(1989年)でカヴァーしていますね。こちらはRay CharlesとChaka Khanという豪華メンバーをフィーチャーしています。

「Thunder Thumbs and Lightnin' Licks」
クロスオーヴァーの要素が強いインストのファンク・チューン。この曲を聴けば、ジャズ・アルバム・チャートの上位にランクインしたというのも頷けますね。

「Get the Funk out Ma Face」
シングルカットされ、R&Bチャート第4位、ポップ・チャート第11位となったヒット曲。一番ジャケのイメージに近い(?)ダンサブルなファンク・チューンに仕上がっていマス。

「Tomorrow」
メロウなキーボードが印象的なインスト。完璧にジャズ/クロスオーヴァーですね。Hip-HopファンにはMase「I Need To Be」、O.C.「Far From Yours」、Grand Puba「Amazing」等のサンプリング・ネタとしても有名な曲ですね。

「Free and Single」
この曲もシングル・カットされました。ホーン隊がかなりいいカンジのゴキゲンなミディアム・ファンクに仕上がっています。「I'll Be Good to You」、「Land of Ladies」と並ぶ僕のお気に入り曲です。

「Come Together」
ご存知Beatlesの名曲のカヴァー。なかなかクールなミディアム・ファンクに仕上がっています。Toots Thielemansのハーモニカがえらくカッチョ良いですね。

「Land of Ladies」
クロスオーヴァー調のアーバン・メロウ。メロメロ好きの僕はモロに好みの曲ですね。Brand Nubian「Love Me or Leave Me Alone」でサンプリングされています。80年代に入るとAOR的なアプローチを強めた彼らですが、本曲などを聴いているとそういった方向へ向かったのもわかる気がします。

「Dancin' and Prancin'」
リラックス・モードのファンク・チューン。ホーン隊が派手に吹きまくってくれます。

「The Devil」
Quincy Jonesプロデュースらしいファンク・チューンに仕上がっていますね。

このデビュー作以降もQuincy Jonesプロデュースのもと、『Right On Time』(1977年)、『Blam!!』(1978年)、『Light Up The Night』(1980年)とヒット作を連発した彼らですが、Quincyから卒業した『Winners』(1981年)以降は徐々に失速していくこととなりまシタ。
posted by ez at 00:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする