2007年10月20日

Rickie Lee Jones『Pirates』

第2作もRickie姉さん絶好調!☆Rickie Lee Jones『Pirates』
Pirates
発表年:1981年
ez的ジャンル:ストーリーテラー系女性シンガーソングライター
気分は... :でもキュートだよ!

頼れる姉御系シンガーソングライターRickie Lee Jonesの2回目の登場です。

前回のデビュー作『Rickie Lee Jones』(1979年)に続き、今回は2ndアルバム『Pirates』(1981年)の紹介です。

デビュー作『Rickie Lee Jones』は全米アルバム・チャート第3位となり、そこからのシングル「Chuck E.'s in Love」も全米ポップ・チャートの第4位となりました。さらにグラミーで最優秀新人賞を受賞し、瞬く間にアメリカ音楽シーンを代表する女性シンガーソングライターとなりました。

そんな大きな成功を収めたRickie姉さんが発表した2ndアルバムが『Pirates』(1981年)です。

大ヒット・デビュー作に続く第2弾アルバムって、前作以上の大ヒットを!ということでアーティストの個性が薄れた売れ線狙いのつまらないアルバムとなるケースも多く見受けられますが、Rickie姉さんは大丈夫です。

プレッシャーなんて全く感じていないようなリラックスした2ndアルバムです。
自由奔放で色っぽくて、しかも案外可愛いというRickie姉さんの魅力はそのままに、さらにシブく成熟して仕上がりというカンジですね。逆に、こんなにシブいと商業的にマズいんじゃない!とコチラが心配してしまうほどです(笑)

音楽的には1st『Rickie Lee Jones』よりもジャズ色が強まった気がしますね。デビュー前にはジャズ・コンボをバックにスタンダードを歌っていたというRickie姉さんですが、そんな姉さんの原点が色濃く反映された作品だと思います。

本作も『Rickie Lee Jones』同様に豪華ミュージシャンがバック・アップしています。主なところはBuzz Feiten(g)、Steve Lukather(g)、Dean Parks(g)、Chuck Rainey(b)、Neil Larsen(key)、Donald Fagen(syn)、Michael Boddicker(syn)、Steve Gadd(ds)、Victor Feldman(per)、Lenny Castro(per)、David Sanborn(sax)、Tom Scott(sax)、Randy Brecker(tp)、Jerry Hey(tp)Sal Bernardi(vo、hca)、Nick DeCaro(orc arr)といったメンバーです。

プロデュースは『Rickie Lee Jones』同様にRuss Titelman、Lenny Waronkerが担当しています。

ジャケに写っている(多分)労働者階級のカップル。
こんなカップルを主人公にした恋の物語をアレコレ思い浮かべながら聴くと楽しいアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「We Belong Together」
Rickie姉さんらしいリアリティのあるラブ・ソング。こうやって聴いているとRickie姉さんのと自由奔放な歌いまわしって“女性版Bruce Springsteen”ってカンジもしませんか?切々と歌う前半からジャズ・テイストの後半への展開がいいですねぇ。

「Living It Up」
Rickie姉さんのキュートな魅力が堪能できる1曲。個人的にはアルバムで一番好きですね。気丈な女性に見える姉さんに子猫のような可愛い声に歌われてしまってはもう降参です(笑)聴くたびに思春期の懐かしい思い出が甦ってきそうですね。このスケール感のある展開はLaura Nyroあたりにも通じますね。

「Skeletons」
シリアスな内容の歌を悲しいほど美しく聴かせてくる感動のバラッド。あまり歌の内容に入り込むと少しへヴィーなので、純粋に音と歌を楽しむ方がいいかも?

「Woody and Dutch on the Slow Train to Peking」
明るく陽気なジャズ・テイストのアコースティック・グルーヴ。実に小粋でカッチョ良いですね。フリーソウル的な視点で聴くのも楽しいかも?

「Pirates (So Long Lonely Avenue) 」
タイトル曲は「Chuck E.'s in Love」をよりジャズ・テイストにしたようなスタイリッシュな仕上がり。時たまSteely Danっぽいところがあったりして面白いですね。Nick DeCaroのオーケストラ・アレンジが見事です。

「Lucky Guy」
シングルカットされた曲ですが、そのわりには実に地味です(笑)でも、姉さんの歌声を聴いていると自分がラッキー・ガイになったように癒されます(笑)。

「Traces of the Western Slopes」
Sal Bernardiとのデュエット。8分を超える力作です。派手な曲ではありませんがクロスオーヴァー感覚もあって、なかなか聴き応えのある1曲です。

「Returns」
ラストはただただ美しいバラッド。まるでジャズのスタンダードを聴いているような1曲ですね。『Rickie Lee Jones』収録の大好きなバラッド「Company」あたりに通じるものがあります。

この後もコンスタントに作品を発表するRickie姉さんですが、僕にとっては『Rickie Lee Jones』『Pirates』の2枚における姉さんがサイコーに魅力的でした。
posted by ez at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする