2007年10月29日

Andrew Gold『What's Wrong With This Picture?』

このジャケ写真何か変じゃない?でもサウンドはバッチリ!☆Andrew Gold『What's Wrong With This Picture?』
What's Wrong with This Picture?
発表年:1976年
ez的ジャンル:ポップス好き系ウエスト・コースト・ロック
気分は... :間違いにいくつ気付くだろうか...

今回は70年代に活躍したシンガーソングライター/マルチ・ミュージシャンAndrew Goldの紹介です。

Andrew Goldは1951年カリフォルニア生まれ。Karla Bonoff『Wild Heart Of The Young』のエントリーで紹介したように1960年代後半にKenny Edwards、Wendy Waldman、Karla BonoffらとBryndleというグループを組むものの、短期間でグループは解散してしまいます。

その後、スタジオ・ミュージシャンとして活動していましたが、Linda Ronstadtのバック・バンドに加入しチャンスをつかみ、1975年にアルバム『Andrew Gold』でソロ・デビューを果たします。

そして、発表された2ndアルバムが本作『What's Wrong With This Picture?』(1976年)です。
“この写真、何か変じゃない”というタイトルの通り、ジャケ写真には32箇所の間違いがあるので、みんなその間違い探しをしてね!という仕掛けのようです。LP時代ならではの仕掛けですね。CDではちと厳しいですな。

肝心の音ですが、ポップス好きが作ったウエスト・コースト・ロックというカンジですね。実際、AndrewはBeatlesなどのブリティッシュ・ロックに夢中だったようです。そんな影響がManfred Mannや(Beatlesに影響を与えた)Buddy Hollyのカヴァーをはじめ、アルバムの随所で反映されているようですね。

本作の目玉は何と言っても、Andrew Gold最大のシングル・ヒット「Lonely Boy」が収録されていることですね。ただし、個人的には本アルバムを購入した理由は「Stay」を聴きたかったからです(理由は後述に)。

プロデュースはPeter Asher。Kenny Edwards、Waddy Wachtel、Dan Dugmore、Danny Kortchmar、Russ Kunkel等のウエスト・コースト・ロック好きにはお馴染みの面々がバックを務めます。Linda Ronstadtもバック・コーラスで参加しています。

ポップス好き、ウエスト・コースト・ロック好きの人はどうぞ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hope You Feel Good」
ポップなロック・チューンなのですが、ビミョーに外しているウエスト・コースト・ロックといったところでしょうか。この外し具合が暑苦しくなく、愛嬌があっていいですね。

「Passing Thing」
ウエスト・コーストのシンガー・ソングライターらしい甘酸っぱい1曲。切ない雰囲気がとてもいい曲なのですが、唯一の難点がDon Menzaの尺八(泣)。日本人が聴くと一気に興醒めしてしまいますっ!

「Do Wah Diddy Diddy」
Manfred Mannの全英チャート第1位となった大ヒット曲のカヴァー。このウエスト・コーストらしくない選曲がAndrewの面白いところですね。それでもAndrewらしいポップ・センスで仕上がっているのが面白いですね。

「Learning the Game」
大御所Buddy Hollyのカヴァー。アップものではなく、しっとりとしたバラッドをセレクトするあたりがシブいですね。Kenny Edwardsのマンドリンがいいアクセントになっていますね。

「Must Be Crazy」
カラっと明るいポップ・チューン。パーカッシヴかつ能天気なノリがいいですな。

「Lonely Boy」
Andrew Gold最大のシングル・ヒット(全米ポップ・チャート第7位)。♪He was born on a summer day, 1951〜♪という歌詞で始まるこの歌は、まさにAndrewの自叙伝的なストーリーを描いたものですね(Andrewは1951年8月生まれ)。

♪Goodbye mama〜♪Goodbye papa I'm pushing on through〜♪という両親との別れを決意する部分のAndrew ヴォーカルとWaddy Wachtelのギターが胸に響きますね。ちなみにAndrewの父Ernest Goldはアカデミー賞を受賞した作曲家であり、母親のMarni Nixonは映画『West Side Story』のNatalie Woodや『My Fair Lady』のAudrey Hepburnの歌部分の吹き替えをしていた歌手です。

という、かなりAndrew本人の思いを赤裸々に語ったリアルな歌ですが、サウンドの方はウエスト・コーストらしいポップなロックに仕上がっています。バック・コーラスでLinda Ronstadtが参加しています。

2002年にJ-Popの女性デュオ花*花が歌詞を変えて「Lonly Girl」として発表していますね(多分これが彼女たちのラスト・シングルだと思います)。

「Firefly」
この曲では全ての楽器をAndrew一人でこなしています。地味ですがウエストコーストらしい雰囲気に溢れたいい曲です。ギター・ソロがいいカンジ。

「Stay」
「Lonely Boy」以上に僕が本作で楽しみにしているのがこの曲です。ドゥーワップ・グループMaurice Williams & The Zodiacsの1960年の大ヒット曲のカヴァーです。Hollies、Four Seasons、Cyndi Lauperなどのアーティストがカヴァーしていますが、僕にとって「Stay」と言えば、本ブログで紹介したアルバム『Running on Empty』(1977年)のJackson Browneのバージョンが一番です。

その意味で同じAsylamのAndrew Goldが同じような時期に、同じようなテイストで「Stay」を仕上げているのが何とも興味深いですね。AndrewのバージョンもJackson Browneのバージョンも、聴いているうちに思わず笑顔になるリラックス感が大好きですね。

「One of Them Is Me」
メロウな味わいが魅力のスロウ・チューン。AOR好きの人向けのエンディングです。

今日はNFL(アメフトのプロ・リーグ)の公式戦(ドルフィンズ対ジャイアンツ)が史上初ロンドンで行われます。フットボール=サッカーの英国でアメフトが受け入れられるのか実に興味があります。

それよりも開幕から7連敗中のわがドルフィンズに何としても今季初勝利を飾って欲しいものです。久々にドルフィンズの試合を生中継で観れるのでTVの前で応援しようっと!
posted by ez at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする