2007年11月23日

Pat Metheny Group『Letter From Home』

今年もPMGを聴いて、心を浄化しなくちゃ!☆Pat Metheny Group『Letter From Home』
Letter from Home
発表年:1989年
ez的ジャンル:ジャンル超越ピュア・ミュージック
気分は... :まさかイングランドが...

サッカー・ファンにとってはユーロ2008の予選が終了し、本選出場の16ヵ国が出揃いましたね。

何と言っても、強豪イングランドの予選敗退という大番狂わせが最期に待っていましたね。聖地ウエンブリーでの敗戦というのはサポーターにとって受け入れ難いものだったと思います。試合後に辞任はしないと発言していたマクラレーン監督ですが、解任は免れないでしょうね。後任は誰になるんでしょうね。個人的にはモウリーニョなんて面白い気もするのですが(笑)

イングランド敗退以外は順当に強豪国が勝ち上がってきましたね。
個人的にはスペイン、ポルトガルに期待しますね。あとはドイツの前評判が高いですねでも、やっぱり底力で言えばイタリアかな?。とにかく来年の本選が楽しみです。

さて、僕にとっての究極の癒し音楽Pat Methenyの3回目の登場です。

『First Circle』(1984年)、『Still Life (Talking)』(1987年)に続き紹介するのは『Letter from Home』(1989年)です。

Pat Methenyのエントリーで毎回書いていますが、『First Circle』(1984年)、『Still Life (Talking)』(1987年)、『Letter from Home』(1989年)、『Secret Story』(1992年)の4枚は、僕にとって特別な4枚ですね。

これらは常にCD棚のすぐ手に取りやすい位置に4枚セットで置いてあり、自分の心の中で癒しが必要だと思った時、すぐに聴けるようにしてあります。

とにかくこの4枚を聴いていると、南米やアフリカの大自然の映像が浮かび、草花の香りや鳥や動物の鳴き声が聞こえてくる気がします。そして、心がピュアになり、心や体の悪いものを全て洗い流してくれます。

本作『Letter from Home』『Still Life (Talking)』の次に発表されたアルバムです。『Still Life (Talking)』同様ブラジル・フレイヴァーが強めの仕上がりになっています。

メンバーはPat Metheny、Pedro Aznar、Lyle Mays、Steve Rodby、Paul Wertico、Armando Marcalといった布陣です。Methenyのギターに聴き惚れるのは勿論のこと、僕にとってはPedro Aznarの天使の歌声がたまりませんね。彼の声が聴こえただけで、ラベンダーの香りを嗅いだような穏やかな気持ちになります。

とにかくPat Methenyの音楽って、ジャンルを超越した何か特別なものを感じますね。地球の鼓動を音にした大地の音楽、無限の音空間の大きさを持った音楽といったカンジですかね。

本作もそんなPat Metheny Group(PMG)の魅力が十分に伝わってくる作品だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Have You Heard」
人気のオープニング曲。Methenyらしいピュアで美しく壮大なスケール感がある相当完成度の高い曲だと思います。この1曲を聴いただけで名盤の予感が漂っていますよね。自身のギターも絶好調!

「Every Summer Night」
「Have You Heard」での盛り上がりをクールダウンするかのような落ち着きを持った1曲ですね。Montreal International Jazz Festivalに捧げられた1曲のようです。

「Better Days Ahead」
ブラジリアン・フレイヴァーが全面に出た1曲。ブラジリアン・フレイヴァーといっても妙に浮かれすぎない品の良さが魅力となっています。

「Spring Ain't Here」
柔らかく繊細なMethenyのギターにうっとりする1曲。まさにデトックス・ミュージックといったカンジで、体中の毒素がスーッと抜けていくような気持ち良さがありますね。テナー・サックス奏者Stanley Turrentineからインスパイアされた曲。

「5-5-7」
MethenyとLyle Maysの共作。Methenyの魅力である大地の香りが漂う1曲ですね。中盤のMethenyのギターをたっぷり堪能できるパートも聴き応えがあります。

「Beat 70」
この曲もMethenyとLyle Maysの共作です。ブラジリアンフレイヴァーにほんのりオリエンタル・テイストが混ざったようなグルーヴ・チューン。ノリノリなカンジがいいですね。

「Dream of the Return」
僕の一番のお気に入り曲。Pedro Aznarによる天使のヴォーカルを堪能できる感動的なバラッド。全ての嫌なことを忘れ去ることができるような治癒力を持った1曲ですね。

「Vidala」
Pedro Aznar作品。スピリチュアルな雰囲気を持った1曲ですね。Pedroの祈りのようなボーカルが印象的ですね。

「Slip Away」
「Dream of the Return」と並ぶ僕のお気に入り曲。なんといってもPMGらしい疾走感が魅力です。Pedro Aznarのスキャットに先導されてグループ全体が突き進んでいくカンジがいいですね。

「Letter From Home」
タイトル曲はLyle Maysのピアノをフィーチャーした、アルバムの余韻を楽しむかのような1曲です。

今朝の東京は今年一番の寒さみたいですね。
熱燗が美味しい季節になってきました。
忘年会シーズンになる前に健康診断に行こうっと(笑)
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2007年11月22日

Greg Perry『One for the Road』

フリー・ソウル・ファンにはたまらない1枚☆Greg Perry『One for the Road』
One for the Road
発表年:1975年
ez的ジャンル:ノーザン系メロウ・ソウル
気分は... :北京への道は勝ち取った!

なんとかサッカーのU-22日本代表が北京五輪の出場権を手にしましたね。

シドニーをピークに、アテネ、北京とだんだんとメンバーが小粒になってきているのが気になりますね。少し前までは黄金世代なんて呼ばれていたのに、平山、増島ら前々回のワールド・ユース出場組が伸び悩んだのが痛かったですね。まぁ、来年の本番ではあまり期待せずに、温かく見守りましょう。

今回は渋めのミュージシャンGreg Perryの1975年発表のアルバム『One for the Road』です。

Greg Perryといえば、H=D=H(Brian Holland、Lamont Dozier、Eddie Holland)が立ち上げたレーベルInvictus/Hot Waxでの活躍でお馴染みですね。プロデューサー/ソングライターとして、Honey Cone、Freda Payne等の作品に関わってきました。

ちなみにHoney ConeのメンバーだったEdna WrightはGregの奥方です。また、弟のJeff Perry(Jeffree)もシンガーとして活躍していました。

僕がGreg Perryの名を初めて知ったのは、フリー・ソウルのコンピ『Free Soul Visions』収録の人気曲「I'll Always Be in Love With Love」でした。少しIsley Brothersテイストのこのミッド・グルーヴを聴いた途端、心の中の胸キュン度数がどんどん上昇していった記憶があります。

本作『One for the Road』は1975年に発表された1stソロです。クレジットを見ると、Edna Wright、Wah Wah Watson、Ray Parker Jr.等が参加している模様です。ちなみに前述の「I'll Always Be in Love With Love」は1977年発表の2nd『Smokin'』に収録されています。

1976年に発表した奥方Edna Wrightのアルバム『Oops! Here I Go Again』(Gregプロデュース)とセットで押さえたい1枚ですね。

全体的にリズムのカッチョ良さが際立っているアルバムなのでは?

全曲紹介しときヤス。

「Variety Is the Spice of Life」
個人的には一番のお気に入りがこのオープニング曲。メロウな爽快感と歯切れの良いリズム感が同居した込み上げ系ミッド・グルーヴ。ストリングスのも盛り上がりもグッド!ですね。

「I'll Be Comin Back」
♪I'll Be Comin Back〜♪というイントロのアカペラ部分がメチャメチャ好きですね。ノーザン・ソウル的なカッチョ良さを堪能できる1曲ですね。

「Will She Meet the Train in the Rain? 」
哀愁感たっぷりのバラッドです。Paul Riserによる壮大なホーン&ストリング・アレンジがいいですね。効果音がダサいのはご愛嬌といったところでしょうか(笑)

「Next Time I See You (I'm Gonna Be Ready) 」
パーカッシヴな展開がカッチョ良い黄昏グルーヴ。軽くこんなの作っちゃいました!みたいなさりげないカンジがいいですね。

「The Boogie Man」
クールなグルーヴ感がいいカンジのスロウ・ファンク。ボーナス・トラックと表記してあるので、CD化された際に追加された曲なのかもしれませんね。

「Love Is Magic」
「The Boogie Man」同様のクール・ファンクに仕上がっているインスト。この危険な匂いはブラック・シネマのサントラあたりにピッタリな曲ですね。

「I Want to Live and Let Live (Love and Let Love All the Time)」
メロメロ好きの僕にはたまらないメロウ・ソウル。実に程よい大人の甘さってカンジがいいですな。「Variety Is the Spice of Life」と並ぶ僕のお気に入り。

「Come on Down (Get Your Head Out of the Clouds)」
この哀愁の込み上げソウルはフリーソウル・ファンに人気の1曲ですね。メロウなんだけ硬質なリズムが意外と良かったりします。この曲もストリングスが盛り上げてくれます。

「Love Got Me Tired (But I Ain't Tired of Love)」
この曲が一番レトロな雰囲気ですね(笑)男の哀愁出まくりってカンジかな。

「One for the Road」
この曲も相当カッチョ良いミッド・グルーヴ。Wah Wah Watsonのギターがいいカンジで鳴っています。

奥方Edna Wrightのアルバム『Oops! Here I Go Again』もAmazonでの扱いがないのでペンディングになっていますが、機会があればぜひ紹介したいと思います。

全然関係ないですが、最近Eaglesの再結成アルバムからのシングル「How Long」のPVを観る機会がやたら多いです。正直、観るたびにガッカリしますね。だから、こうした再結成は興醒めなんですよねぇ〜。まぁ、金儲けのためにせっせと頑張ってください!
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2007年11月21日

The Kinks『The Kink Kontroversy』

初期Kinksで一番好きなアルバム☆The Kinks『The Kink Kontroversy』
The Kink Kontroversy
発表年:1966年
ez的ジャンル:キンキー・サウンド+α
気分は... :UNITED KINKSDOM!

最も英国らしいロック・バンド Kinksの3回目の登場です。

『Something Else』(1967年)、『The Village Green Preservation Society』(1968年)に続いて紹介するには1966年のアルバム『The Kink Kontroversy』です。

本作は『Kinks』(1964年)、『Kinda Kinks』(1965年)に続く3rdアルバムです。個人的には初期Kinksの中で一番好きな作品ですね。

「You Really Got Me」「All Day and All of the Night」といったヒット曲に代表されるキンキー・サウンドと呼ばれたノリノリのロックを演奏するグループから、英国的なシニカルさを持った下町感覚のロックを聴かせるグループへと変貌するKinksですが、『The Kink Kontroversy』はその過渡期の作品と位置づけられます。

従来からのキンキー・サウンドとフォーク・ロック調のアプローチが同居するバラツキがありますが、逆に成熟したキンキー・サウンドと新境地へのアプローチを両方楽しめる、バラエティに富んだアルバムだと思います。

まぁ、グループの歴史を知らなくても、純粋にカッチョ良い曲が揃っていると思います。

Kinks以上にThe Whoが好きな僕にとって、The Whoの曲と一緒に聴きたくなるタイプの曲が多いところに、このアルバムの魅力を感じているのかもしれません。

ジャケのカッチョ良さも含めて、モッズ・サウンド好きの方が気に入るアルバムなのでは?と思います。裏ジャケの「UNITED KINKSDOM」のロゴ・デザインも最高にキマってますよねぇ〜♪

特別好きなグループじゃないけど、決して手放せないグループ、それが僕にとってのKinksですかね。

全曲紹介しときヤス。

「Milk Cow Blues」
本作唯一のカヴァーは、Elvis Presley、Eddie Cochran等数多くのアーティストが取り上げたブルース・ナンバー(Sleepy John Estes作品)。なかなか歯切れの良いビートがキンキー・サウンドしています。

「Ring the Bells」
その後のKinksの方向を予感させるフォーク・チューン。とにかく曲がいいですな。Ray Daviesのソングライティング能力の目覚しい成長ぶりがうかがえる1曲です。

「Gotta Get the First Plane Home」
「When I See That Girl of Mine」
語られることは少ないですが、大好きな2曲。The Whoとの共通性を見出してしまう2曲です。アルバムの流れとしては、もっと新境地を拓いた曲を聴くべきなんでしょうが(笑)「Gotta Get the First Plane Home」はR&B調のカッチョ良さがキマっていますね。「When I See That Girl of Mine」はポップかつクールな仕上がりが魅力的な1曲。

「I Am Free」
Bob Dylan調のフォーク・ロック・チューン。新境地開拓といった仕上がりですね。

「Till the End of the Day」
シングルとして全英チャート第8位となったヒット曲。 Ray Daviesが特に気に入っている曲みたいですね。 「You Really Got Me」、「All Day and All of the Night」タイプのご機嫌なキンキー・サウンドです。この曲を初期Kinksのベスト・ソングに推す人も多いですよね。納得してしまいます。

「The World Keeps Going Round」
イントロの盛り上がりが好きな1曲。厚みのあるサウンドが印象的ですね。

「I'm on an Island」
よく言われるようにカリプソ風の仕上がりが特徴ですね。カリプソをやっても土臭い匂いがしてくるのがKinksらしいですが(笑)

「Where Have All the Good Times Gone」
この曲もBob Dylanっぽいですね。「Like a Rolling Stone」の応用編といったカンジでは(笑)David Bowieがアルバム『Pin Ups』でカヴァーしていますね。

「It's Too Late」
少しレイジーな味付けが印象的な1曲。プロデューサーのShel Talmyがギターを弾いています。

「What's in Store for Me」
Daveのぶっきら棒なヴォーカルが、うまくハマっている曲ですね。

「You Can't Win」
この曲もサイコーに好き!やっぱり僕はR&B調の曲にすぐ反応してしまうみたいですね。でも、このカッチョ良さはたまりません。

最近のCDにはボーナス・トラックとして、シングルヒットした「Dedicated Follower of Fashion」等が収録されています。特に「Sittin' on My Sofa」がオススメです。

次作『Face to Face』(1966年)からはじまるトータルなアプローチも好きですが、やはり初期の純粋にカッチョ良いKinksも捨てがたいですね。
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2007年11月20日

Lalah Hathaway『Lalah Hathaway』

故Donny Hathawayの愛娘、多彩なスタイルを楽しめるアルバムです☆Lalah Hathaway『Lalah Hathaway』
Lalah Hathaway
発表年:1990年
ez的ジャンル:血統書付きコンテンポラリー女性R&B
気分は... :身構えず柔軟に!

約1週間前にElis Reginaの娘Maria Ritaのエントリーを書きましたが、その時にふと今日紹介するLalah Hathawayを聴きたくなりました。

ということで、Lalah Hathawayのデビュー・アルバム『Lalah Hathaway』(1990年)をセレクト。

この名前でお分かりのとおり、Lalah Hathawayは偉大なるソウル・シンガー、ニューソウルの四天王の一人である故Donny Hathawayの愛娘です。

親子共に作品を紹介するのは、多分Bob Dylanとその息子であるJakob DylanWallflowers)、Little Featの故Lowell Georgeとその娘Inara GeorgeThe Bird And The Bee)に続き3組目だと思います。

Lalah HathawayMaria RitaJakob DylanInara Georgeらに共通するのは、偉大な親と同じ職業を選択しながら、身構えず自分らしいスタイルでやり遂げている点です。その点にとても感銘を受けますね。

Lalah Hathawayは1968年にシカゴで生まれ。まだ、Donny Hathawayが1stソロ・アルバムを発表する前ですね。

単に血筋が良いというのみならず、バークリー音楽院に学んだ理論派でもあります。
1990年に今回紹介する『Lalah Hathaway』でデビューすると、1994年に2nd『A Moment』、2004年に3rd『Outrun the Sky』といった作品を発表しています。また、Joe Sampleとのコラボ・アルバム『The Song Lives On』(1999年)をはじめ、ジャズ/フュージョン系を中心に多くのアーティストと共演を果たしています。

J-POP好きの方は平井堅『Ken's Bar』での「You've Got A Friend」のデュエットが印象に残っているかもしれませんね。父親Donnyのレパートリーだった「You've Got A Friend」を娘Lalahが歌うというのは、とても感動的ですよね。

父Donnyのような重苦しさはなく、リラックスした雰囲気のなかで様々なスタイルの曲・サウンドに柔軟に対応する懐の深さを感じます。

いつ聴いていも、フレッシュ感の薄れないアルバムだと思います。

全曲紹介しときヤス。

「Somethin'」
4thシングルにもなったオープニング曲(David Foster/Brenda Russell作)。また、ドラムでJeff Porcaroが参加しています。

作者Brenda Russellのヴァージョン(アルバム『Two Eyes』収録)を受け継いだ、落ち着きのあるアーバン・テイストのコンテンポラリー・ソウルに仕上がっています。コーラスも含めて全てのヴォーカル・パートを担当しているLalahのヴォーカリストとしての実力も堪能できます。

個人的にはアルバムで一番のお気に入りです。AOR好きの人が気に入るのでは?

「Heaven Knows」
アルバムからの1stシングルとして全米R&Bチャート第3位まで上昇したヒット曲。Jaki Grahamの1985年のヒット曲「Heaven knows」のカヴァーです。ミッド・テンポの打ち込みサウンドですが、なかなかスタイリッシュな仕上がりでヒットするのも納得です。

「Baby Don't Cry」
アルバムからの2ndシングル(全米R&Bチャート第18位)。Angela Winbushがプロデュース/ソングライティング/アレンジ/バック・コーラスを担当しています。かつてはあのRonald Isleyの奥方でもあった妖艶かつ才能あるR&BシンガーのAngela Winbushですが、ここでも艶やかにLalahをプロデュースしています。

「Smile」
ジャズ/フュージョン・テイストのコンテンポラリー・ソウル。この曲もスムーズ・ジャズ好きの人向けですね。この曲を聴いていると、後にJoe Sample、David Sanborn、Marcus Miller等ジャズ/フュージョン系アーティストとの共演が多くなるのが、わかる気がします。

「U-Godit Gowin On」
クールな打ち込みファンクに仕上がっています。久々に聴いたら、この曲が一番カッチョ良く感じましたね。今回初めて気付いたのですが、以前にアルバム『Free』(1996年)を紹介した女性R&BグループFor Realのメンバーがバック・コーラスで参加しています。

「I'm Coming Back」
3rdシングルとなった90年代らしいシンセ・ファンク。この手の曲でもパンチの効いたヴォーカルで打ち込みサウンドの中に埋もれてしまわないところに、Lalahのヴォーカリストとしての実力を確認できます。

「Stay Home Tonight」
「Somethin'」と同タイプのコンテンポラリー・ソウルに仕上がっています。この曲でも全てのヴォーカル・パートをLalahが担当しています。このコーラスがかなりグッド!です。

「I Gotta Move On」
この曲は再びAngela Winbushがプロデュースしています。こちらはロマンチックなスロウ・チューンに仕上げています。

「Sentimental」
思い切りNJS(New Jack Swing)しています。LalahにNJSは似合わないと思いますが、時代の流れとして仕方ありませんね。それでもNJSを難なくこなしてしまうあたりがLalahのスゴイところですね。

「Obvious」
エンディングは感動的なスロウ。こういったスケール感の大きな曲を聴くと、父親Donnyの姿がオーヴァーラップしてしまいますね。

オシム監督の容態が気になるサッカー日本代表ですが、南米では既にW杯予選が第3節まで進んでいますね。何と言ってもアルゼンチンのメンバーがスゴすぎですね。メッシ、テベス、アグエロというマラドーナの後継者3人が並ぶ3トップはファンタスティックとしか言いようがありません。これからも楽しみ!
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2007年11月19日

Archie Shepp『Attica Blues』

ニュー・ブラック・ミュージックに目覚めた“闘う”テナー・サックス奏者☆Archie Shepp『Attica Blues』
Attica Blues (Dig)
発表年:1972年
ez的ジャンル:ニュー・ブラック・ミュージック系ジャズ
気分は... :立ち上がれ!

今回はアフリカン・アメリカン活動家としても知られる“闘う”テナー・サックス奏者Archie Sheppの紹介です。

Archie Sheppは1937年フロリダ州生まれ。1960年あたりからCecil Taylorと活動し、1964年にはJohn Coltraneの推薦によりimpulse!と契約し、『Four for Trane』(1964年)、『Fire Music』(1965年)、『On This Night』(1965年)、『Live At The Donaueschingen Music Festival』(1967年)等John Coltraneの流れを汲んだニュー・ジャズをリードする作品を発表します。

“ニュー・ブラック・ミュージック”を提唱したSheppは、アフリカン・アメリカンとして人種差別と闘う姿勢を鮮明に見せたミュージシャンとしても知られていますね。

今回はそんなShepp作品の中から『Attica Blues』(1972年)をセレクト。

本作は1969年にヨーロッパに渡ったSheppが2年間の活動を経てアメリカへ帰国し、impulse!へ復帰後2作目のアルバムです。復帰第1作『Things Have Got To Change』(1971年)で、かつてのフリー・ジャズ的な作風からブラック・ミュージック的なアプローチへと大きな変貌を遂げたSheppですが、本作『Attica Blues』でもその路線をさらに推し進めています。

実質全7曲中5曲がヴォーカル入りです。特に、オープニングの「Attica Blues」あたりを聴くと、ジャズ・アルバムというよりもニューソウルのアルバムというカンジですね。実際、黒人としての自覚を訴えかけてブラック・パワーとして結実させるという視点は、ニューソウル的アプローチと共通するものがあると思います。

ジャケ写真の左上に、メキシコ・オリンピック男子200Mの表彰式における有名な金メダリストTommie Smith、銅メダリストJohn Carlosによるブラックパワー・サリュート(拳を高く掲げ黒人差別に抗議する示威行為)の写真が掲げられているあたりも、このアルバムを象徴していますね。

そんな作品に参加したメンバーは、Archie Shepp(ts、ss)、Joe Lee Wilson(vo)、Marion Brown(as)、Cal Massey(flu)、Cornell Dupree(g)、Jimmy Garrison(b)、Beaver Harris(ds)、Billy Higgins(ds)、Walter Davis Jr.(p、el-p)、Dave Burrell(el-p)等です。

Donny Hathawayあたりがお好きになR&B/Soul好きの方にもオススメです。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Attica Blues」
1971年に起きたニューヨーク州アッティカ刑務所での囚人の暴動事件(白人警官による黒人受刑者への劣悪な待遇が原因といわれる)をテーマにした曲です。ちなみにJohn Lennonもアルバム『Sometime In New York City』(1972年)の中でアッティカ刑務所の暴動をテーマにした曲「Attica State」を発表していますね。

ゴスペル・テイストの女性コーラスが素晴らしい、スピリチュアル・ファンクに仕上がっています。この緊迫感と迫力はスゴイの一言ですね。この1曲だけでも本作を聴く価値があると思います。

Acid Jazzファンの方は本曲をリメイクしたGalliano「Jus' Reach」をよく聴いたのでは?

「Steam (Part 1)」
「Steam (Part 2)」
Joe Lee Wilsonのヴォーカルをフィーチャーした雄大かつスピリチュアルな仕上がりが印象的ですね。Sheppのサックスも自由でいいカンジです。

「Invocation To Mr. Parker」
ジャズ・ジャイアントCharles Parkerに捧げれたものです。

「Blues For Brother George Jackson」
この曲はブラック・シネマのサントラのようなカッチョ良さを持つグルーヴ・チューンですね。ちなみにGeorge Jacksonとは、1960年にガソリン・スタンドへの強盗の疑いで終身刑となり、1971年に脱獄を謀ったとして射殺された黒人です。

「Ballad For A Child」
感動的なバラッドです。Donny Hathawayあたりを聴いたような、ニューソウルのアルバムならではの高揚感を感じます。

「Good-Bye Sweet Pops」
1971年7月に亡くなったジャズ・ジャイアントLouis Armstrongに捧げられた曲です。ちなみに“Pops”とは“Satchmo”同様Armstrongの愛称です。悲しみに包まれながらも、あまり湿っぽくない仕上がりになっています。

「Quiet Dawn」
可愛い歌声を聴かせてくれるのはCal Masseyの娘Waheeda。スピリチュアル・ジャズ好きの方向けの1曲に仕上がっています。僕はこの手のヘタウマ・ヴォーカルものに弱いんですよね。この曲も大好き!

先週1週間は完璧下げモードでした。
今週はアゲアゲで頑張るぞ!
posted by ez at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする