2007年11月13日

Pink Floyd『Wish You Were Here』

空虚な世界で狂ったダイヤモンドは美しく輝く☆Pink Floyd『Wish You Were Here』
Wish You Were Here
発表年:1973年
ez的ジャンル:孤独系プログレ・ロック
気分は... :心の闇と向き合うことにしよう...

気分は最悪...

僕は基本的に楽天的に生きていると思う。
しかし、時々自分でも驚くほどに心の闇を持っていることにも気付く。
今日はそんなモードかもしれない。

考えれば考えるほど、嫌なことばかりが思い浮かぶ。
こんな時に無理矢理ポジティヴになろうとはせず、しばらく思考を停止して心の闇と向き合うことにしよう。

Pink Floydの2回目の登場です。1975年のアルバム『Wish You Were Here』...今ではプログレなど殆ど聞かない僕ですが、今日の僕はこのアルバムを欲しているようです。

プログレ・ファンの方はご存知の通り、グループの評価を決定付けたモンスター・アルバム『Dark Side Of The Moon』(1973年)から約2年間の沈黙を破り発表された本作『Wish You Were Here(邦題:炎)』は、グループのフロントマンだったSyd Barrettへのオマージュの色合いが濃い作品として知られていますね。

ご存知の通り、精神に異常をきたしたSyd Barrettは1968年にグループを脱退し、その後数枚のソロ作を発表するものの、月の裏側の狂気の世界から戻ってくることはなく、昨年60歳で死去しました。

また、本作は『Dark Side Of The Moon』でプログレシッヴ・ロックの頂点を極めてしまったグループが次にどんな進化を遂げるのか、大きな関心を集めたアルバムだったようです。全く楽器を使用しないアルバムを発表するという噂が流れ、実際に彼らがそうした試みをしていたというのは有名な話ですね。当時グループにはかなりのプレッシャーがかかっていたものと思われます。

結果として、そうした試みは日の目を見ることなく、発表された作品が本作『Wish You Were Here』です。UK、US共にアルバム・チャートの第1位となったものの、内容的には地味なものであり、“Floydは進化を止めてしまった”といった類の辛口評価が当時は多かったようです。

僕もリアルタイムで聴いたわけではありませんでしたが、『Dark Side Of The Moon』にハマり、その流れで本作を購入したものの、少し拍子抜けした記憶があります。

でも、そんなアルバムが今でもたまに聴きたくなります。

本作を貫く“不在”というテーマが僕を惹きつけるのでしょうね。
この孤独で空虚な雰囲気を欲しているのかもしれません。

あとは狂気の世界へ足を踏み入れてしまったSyd Barrettへの想いがあるのでしょうね。本作を聴いていると、Syd Barrettの虚ろな表情が脳裏に浮かんできます。人間なんてふとしたことで心のバランスを崩し、簡単に狂ったダイヤモンドになってしまうのかもしれない...と

全曲紹介しときヤス。

「Shine on You Crazy Diamond, Pts. 1-5」
まさに狂ったダイヤモンドとなってしまったSyd Barrettへのオマージュ。本曲の録音中にSydは突然スタジオに現れて、メンバーに“何か手伝うことはできないか”と申し出たエピソードは有名です。もはやSydに出来ることなど何もありませんでしたが、それでもメンバーにとってSydは輝き続けるダイヤモンドだったのでしょうね。

この美しく、静かで、虚しい音空間に逆に狂気の世界を感じてしまいますね。David Gilmourのブルース・フィーリングに溢れたギターと『Dark Side Of The Moon』に続き参加のDick Parryのサックス・ソロが印象的です。

「Welcome to the Machine」
後の大作『The Wall』(1979年)を予感させるナンバー。成功とは裏腹に苦悩するグループの様子が窺えますね。

「Have a Cigar」
この曲ではゲスト参加のRoy Harperがヴォーカルを務めています。グループの成功を自ら皮肉ったような歌詞が印象的ですよね。この曲のDavid Gilmourのギターはカッチョ良いですね。

「Wish You Were Here」
タイトル曲は悲しく叙情的なアコースティック・チューンに仕上がっています。このYouとはSyd Barrettのことでしょうね。♪今でも、お前は分かっているのか?天国と地獄、青空と苦痛の違いを...♪という歌詞を聴くたびに胸が痛くなりますね。

「Shine on You Crazy Diamond, Pts. 6-9」
そして再び静かで、虚しい世界へ...狂ったダイヤモンドは美しく輝き、そして再び暗闇の世界へと消えていく...

アート集団Hipgnosisによるジャケットも実に虚しいですね。
「あなたがここにいてほしい」という邦題とは逆に、「あなたがここにいないでほしい(=不在)」という本作のテーマを、すべて不在で現実ではない、見せかけの人間関係というかたちで見事に表現していますね。ちなみにジャケの炎の男はスタントマンを使い、実際に燃やしているのだとか。

昔とは異なり、今では本作の再評価が高まっているみたいですね。
今振り返ると案外聴きやすいアルバムなのかもしれませんな。

こんな下げモードの時はとことん落ち込もう!
そうすれば後は上昇するのみ!何とかなるさ!
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2007年11月12日

Maria Rita『Samba Meu』

もはやElis Reginaの娘なんて説明は不要!自信の3rdアルバム☆Maria Rita『Samba Meu』
Samba Meu
発表年:2007年
ez的ジャンル:新世代MPB
気分は... :冬のサンバも悪くない!

相変わらず体調不良のまま...
なんか気持ちもブルーになりがちです。
こんな時にはブラジル音楽を聴くに限る!

ということで今回はブラジル音楽ファンの間では既に大人気の女性シンガーMaria Ritaの最新3rdアルバム『Samba Meu』です。

Maria Ritaについて話す場合、どうしても彼女の母親Elis Reginaについて触れないわけにはいかないかもしれませんね。

Elis Regina(1945-1982年)は、ブラジルで人気を誇った女性シンガー。12歳でプロの歌手としてキャリアをスタートし、15歳で初アルバムの録音を経験しています。その後1960年代から1970年代にかけて大ブレイクしました。また、Milton NascimentoEdu LoboIvan Lins等彼女に楽曲を取り上げられたことで、広くその名が知れ渡った歌手も少なくありませんね。

“台風エリス(Furacao ELIS)”と呼ばれるほど激しい気性で知られ、当時の軍事政権の批判もしましたが、その超人気ゆえに政府も投獄することが出来なかったそうです。1982年に36歳の若さで死去。

Maria Ritaは、そんなElis Reginaと名ピアニストCesar Camargo Marianoの娘として1977年サンパウロで生まれました。

2003年に『Maria Rita』でデビューを果たします。Elis Reginaの娘というプレッシャーの下でのデビューでしたが、このデビュー作は各方面から大絶賛され、第5回ラテングラミー賞で最優秀新人、ベストMPBアルバムを受賞しました。

2005年に発表した2ndアルバム『Segundo』も絶好調で、もはや“Elis Reginaの娘”という説明は不要なほど確固たる地位を確立しました。

そんなMariaの最新作が『Samba Meu』です。

僕自身『Maria Rita』『Segundo』はCDショップ等で試聴したのみだったので、実際にCDを購入するのは今作が初めてとなります。

ジャケのイメージからして、『Maria Rita』『Segundo』と比較すると垢抜けたカンジがしますね。もしかしたら、前2作はジャケの少しオバちゃんぽいイメージが僕のCD購入を妨げていたのかもしれません(笑)

タイトルの『Samba Meu』は“私のサンバ”という意味です。
ということで全編サンバ・アルバムになっています。
Fundo de QuintalArlindo Cruzの作品が多いのが目立ちますね。全編サンバといっても、1曲ごとの仕上がりはバラエティがあるので、一本調子の印象は受けません。

そのせいか前2作と比較すると音がカラフルになり、全体的に明るい雰囲気に仕上がっているというカンジですね。

ブラジル音楽ファンの間では、今年のNo.1アルバムの呼び声も挙がっているようですね。普段ブラジル音楽を聴かない人でも、すんなり入ることのできる作品だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Samba Meu」
タイトル曲は郷愁ムードたっぷりです。サンバと聴いてカーニヴァルのような陽気な音楽のみを想像する人も多いかもしれませんが、この寂しげな郷愁感こそがサンバという気がします。Rodrigo Bittencourt作品。

「O Homem Falou」
Gonzaguinha作品。Mariaと同じくLuiz Gonzagaという偉大なミュージシャンを父親に持つGonzaguinhaの作品というあたりが興味深いですね。

「Maltratar, Nao e Direito」
この曲は華麗なノリの良さが魅力ですね。ブラジル・サッカーで言えばリオンのジュニーニョってカンジ??Arlindo Cruz/Franco作品。

「Num Corpo So」
アルバムの一番のお気に入り曲(Arlindo Cruz作品)。ここしばらく僕のモーニング・コールはこの曲です。軽やかな仕上がりが何とも気持ち良いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=2RvQz9IWBEM

「Cria」
イントロの子供の声が何とも可愛いですね。Serginho Meriti/Cesar Belieny作品。

「Ta Perdoado」
リード・トラックとして話題を集めているのがこの曲ですね。僕も大好きです!Arlindo Cruz/Franco作品。実にリラックスしたMariaの歌いっぷりがいいですね。You TubeでPVを観れるのでお試しを!このPVを観ただけでアルバムが欲しくなりますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=Zap_txvFTGg

「Pra Declarar Minha Saudade」
わずか1分40秒の曲ですが、従来路線のシンプルなバックによるしっとりとした仕上がりに癒されます。

「O Que e O Amor」
楽曲の良さが光ります。Mariaの丁寧な歌や気の利いたアレンジがさらに完成度を高めているカンジですね。Arlindo Cruz/Fred Camacho/Mauricao作品。

「Trajetoria」
この曲はボッサな仕上がりになっていますね。Tiago Costaのピアノが実にエレガントでいいですね。夜のお供にピッタリです。Arlindo Cruz / Serginho Meriti / Franco作品。

「Mente ao Meu Coracao」
メランコリックな雰囲気が魅力の1曲。アレンジが何とも素敵ですな。思わず感傷的な気分になってしまいます。

「Maria Do Socorro」
Edu Krieger作品。軽快なテンポの良さがいいですね。

「Corpitcho」
カフェ・ミュージック的な洗練された仕上がりが魅力の1曲。Ronaldo Barcellos作品。カフェ飯が食べたい!

「Casa de Noca」
「Num Corpo So」、「Ta Perdoado」と並ぶ僕のお気に入り曲。クラブ系の音楽が好きな人は気に入る1曲なのではと思います。Serginho Meriti/Nei Jota Carlos/Elson do Pagode作品。

僕はブラジル音楽の最新事情には全く明るくありませんが、最近はサンバ回帰の流れがあるみたいですね。
そう言えば、以前紹介したMarisa Monteも昨年『Universo Ao Meu Redor(私のまわりの宇宙)』という全編サンバのアルバムを発表していましたね。

このあたりの流れを一度きちんとチェックせねばいけませんね。
まだまだ感動作品に数多く出会えそうな予感!
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2007年11月11日

Elvis Costello『Spike』

円熟味を増したCostello☆Elvis Costello『Spike』
Spike
発表年:1989年
ez的ジャンル:円熟系ポップ・ロック
気分は... :トゥーフェイス!

昨日、今日と体調が最悪で寝込んでいます。
急に寒くなってきたせいですかね...

半年ぶりのElvis Costelloです。
今回で4回目の紹介となります。

『Get Happy!!』(1980年)、『Blood & Chocolate』(1986年)、
『Imperial Bedroom』(1982年)に続いて紹介するのは『Spike』(1989年)です。

Warner移籍第1弾アルバムとなる本作『Spike』の印象は、円熟したポップでバラエティに富んだアルバムという感じでしたかね。あとは楽曲が粒揃いですね。捨て曲ナシです。

本ブログでも紹介した前作『Blood & Chocolate』(1986年)がラウドな仕上がりだったので、それとはかなり対照的な作品という気がします。

当時はPaul McCartneyとの共作&共演というのが話題になりましたね。

今回はAttractionsからはPete Thomas(ds)が1曲で参加しているのみです。その分多数の豪華なミュージシャンが参加しています。Paul McCartney以外にもAllen ToussaintRoger McGuinnMarc RibotMitchell FroomT-Bone BurnettThe Dirty Dozen Brass BandChrissie Hynde(The Pretenders)等のメンバーが名を連ねています。個人的にはThe Dirty Dozen Brass Band参加の3曲が興味深いですね。

プロデュースはCostello自身とT-Bone Burnett、Kevin Killenが務めています。

一人しんみりと感傷に浸りたい時、このアルバムが聴きたくなります。
きっと哀愁のアコースティック・チューン多めなのがいいんでしょうね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「...This Town」
オープニング曲はPaul McCartneyRoger McGuinnが参加。疾走感がなかなかカッチョ良いロック・チューンに仕上がっています。

「Deep Dark Truthful Mirror」
ニューオリンズ・ブラス・バンドの最高峰The Dirty Dozen Brass BandとAllen Toussaint参加曲。両者共になかなか味わい深い演奏を聴かせてくれます。Costelloらしい哀愁チューンですね。

「Veronica」
Paul McCartneyとの共作で話題となった曲。というよりも『とくダネ』のオープニング曲という説明の方が有名かもしれませんね。シングルとして全米ポップチャート第19位まで上昇しました(Costelloにしては珍しい!)。それも納得のポップかつ軽快な仕上がりになっています。

「God's Comic」
メランコリックなアコースティック・チューン。Marc Ribotのスパニッシュ・ギターがいいカンジです。

「Chewing Gum」
The Dirty Dozen Brass Bandをフィーチャーしたファンキー・チューン。カッチョ良さではアルバム随一なのでは?ここでもMarc Ribotがイカしてます!

「Tramp The Dirt Down」
美しく味わい深いトラッド・テイストのナンバー。この曲を聴くと、いつもStevie Wonder「Isn't She Lovely」を思い出します。どことなくメロディが似ていませんか?

「Stalin Malone」
Dirty Dozen Brass Bandをフィーチャーしたインスト曲。その意味ではDirty Dozen Brass Bandによるニューオリンズ・サウンドを堪能するための曲かもしれませんね。

「Satellite」
Costello節炸裂の哀愁チューン。バック・コーラスでThe PretendersのChrissie Hyndeが参加しています。

「Pads, Paws And Claws」
この曲もPaul McCartneyとの共作です。本アルバムでは数少ないロックン・ロール・チューン。少しヒネリの効いた仕上がりがいいですね。

「Baby Plays Around」
ただただ美しいアコースティック・チューン。アルバムを購入したばかりの頃、この曲と「Last Boat Leaving」の2曲ばかりを繰り返し聴きながら、一人でしんみりしているのが好きでした。暗いですな(笑)

「Any King's Shilling」
アイリッシュ・テイストのフォーク・チューン。アイリッシュ・ハープの美しい響きが印象的ですね。

「Coal-Train Robberies」
エッジの効いたロック・チューン。やはりこの手の曲がないとCostelloという気がしませんよね。

「Last Boat Leaving」
一番のお気に入り曲。別れを惜しむ悲しげなムードに胸が熱くなります。この曲を聴くたびにセンチメンタルな気分になってしまいますね。

なんかもっと書きたいことがあるのですが、体調不良で頭が回りません。
posted by ez at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月09日

Shalamar『Big Fun』

さぁ、このカリフォルニアの陽を浴びたダンス・チューンを楽しみましょ!☆Shalamar『Big Fun』
Big Fun
発表年:1979年
ez的ジャンル:Solar系R&B/Soul/Disco
気分は... :自由に音楽を楽しみましょ!

この間、本ブログのログ解析を見ていたら、検索ワードで「良い音楽の条件」というのがありました。

きっと検索された方は、良い音楽というものの客観的な視点を探していたのかもしれません。でも、音楽の嗜好性なんて十人十色の世界ですから、他人の目など気にせず、自分にとっての良い音楽を聴けばいいと思います。

個人的な考えを述べれば、音楽に良い/悪いなんて客観的な視点は不要であると思います。そんな基準を気にして音楽を聴いても楽しくないですからね。

音楽のキホンは好き/嫌いで聴けばいいと思います。
「自分が好きな音楽=自分が楽しめる音楽=自分にとって良い音楽」

自分が楽しめれば、余計な知識も不要だと思います。
大事なのは知識よりも感性ですからね。
頭で窮屈な思いをしながら音楽を聴くよりも、ハートで音楽を聴く方が楽しいですから。

さぁ、自由に音楽を楽しみましょ!

ということでセレクトしたのがShalamar

Shalamarと言えば、Lakeside、DynastyMidnight Star、Whispers、Klymaxx等と並び80年代R&B/Soulファンには欠かせない重要レーベルSolarを代表するアーティストですね。今回2回目の登場となります。

前回はダンス・クラシック「A Night to Remember」収録の『Friends』(1982年)でしたが、今回は3rdアルバム『Big Fun』(1979年)です。

本作『Big Fun』は、Shalamarにとって初めてR&Bアルバム・チャートTop10に入った作品です(最高位4位)。グループにとって最大の変化は、第3のメンバーとしてHoward Hewettが加入し、Howard HewettJody WatleyJeffrey Danielという最強布陣が揃ったことですね。Jody & Howardのツインボーカルはやっぱりサイコーですな。

『Friends』に比べると、「A Night to Remember」のような目玉がない分、地味な印象を受けるかもしれませんが、捨て曲ナシの好アルバムに仕上がっています。僕が大好きなB級の輝きがあるのがいいですね。

基本的にはダンス・チューンが中心なのですが、Shalamar(というよりプロデューサーLeon Sylvers)の曲って、ノリがいいだけではなく、メロディもしっかりしている点が良いですよね。

それにしても、この頃のJody Watleyのヴォーカルって、初々しくていいですね。ソロになってからのセクシーな雰囲気も好きですが、ここでのキュートなJodyも捨てがたいです。

全曲紹介しときやす。

「The Right Time For Us」
オープニングはカラッと明るいダンス・チューン。夜のディスコというよりも、カリフォルニアの陽の下でエクササイズといった感じかも?

「Take Me To The River」
この曲は夜のイメージですね。妖しげかつファンキーな雰囲気がいいカンジのミッド・チューンに仕上がっています。

「Right In The Socket」
「The Second Time Around」と並ぶ本作のハイライト。クラブ・ヒットしたアゲアゲのダンス・チューンです。クラブ仕様のパーカッシヴな展開がいいですね。

「The Second Time Around」
シングル・カットされ、R&BチャートでNo.1に輝き、ポップチャートでも第8位となったグループ最大のヒット曲。ちなみに知名度ではNo.1の代表曲「A Night to Remember」はR&Bチャート第8位、ポップチャート第44位というチャート・アクションでした。

ポップ・チャートでもヒットしたのが納得できる、ポップなダンス・チューンに仕上がっています。プロデューサーLeon Sylversの手腕が光る1曲ですね。

「I Owe You One」
エレガントな仕上がりがいいカンジのダンス・チューン。空耳アワーではありませんが、♪I Owe You One〜♪という部分が、飲み屋で焼酎をお湯割りで飲んでいるオッサン連中が、お湯が切れて店員さんに♪お湯〜ワン(1つ)♪と人差し指を突き出している映像とリンクしてしまいマス(笑)

「Let's Find The Time For Love」
アルバム唯一のスロウ。メロメロ好きにはグッとくる仕上がりです。Jody Watleyのキュートの歌声とHoward Hewettのスウィートなヴォーカルのコンビネーションがいいカンジですね。

「Girl」
実は個人的に一番好きな曲がコレ。ラテン・テイストの仕上がりがグッドなアゲアゲ・モードのアップ・チューン。

う〜ん、このB級感!たまりませんなぁ。
posted by ez at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月08日

Stereolab『Dots And Loops』

いつ聴いても、新しくて、懐かしくて、オシャレな気がする1枚☆Stereolab『Dots And Loops』
Dots and Loops
発表年:1997年
ez的ジャンル:ラウンジ&ボッサ系ポストロック
気分は... :アロマでまったり...

久々のStereolabです。

前回『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)のエントリーを書いたのが2005年の年末だったので、かなり間隔が空いてしまいましたね。

僕の場合、StereolabHigh Llamasシカゴ音響派系などの音は秋から冬にかけて聴きたくなるみたいです。

Stereolabのアルバムは現在7、8枚持っていると思いますが、実際に聴くのは『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)、『Dots And Loops』(1997年)、『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)、『First Of The Microbe Hunters』(2000年 ※ミニ・アルバム)の4枚が殆どですね。

そんな中から今回紹介するのは『Dots And Loops』(1997年)です。

前作『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)からポップ路線を全面に押し出し、新たなファン層を獲得したグループがさらにそのポップ路線に拍車をかけた作品が本作『Dots And Loops』だと思います。

『Emperor Tomato Ketchup』と比較すると、良くも悪くもスタイリッシュになったという感じですね。その分アヴァンギャルドな部分が薄まったのも事実で、従来のファンにとってはビミョーな変化だったのかもしれません。

『Emperor Tomato Ketchup』からStereolabを聴くようになった僕の場合、基本的にはStereolab=オシャレというイメージが強かったので、本作の方向は大歓迎でした。特にボッサな要素が打ち出されたのが嬉しかったですね。

前回『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』で“近未来のカフェ・ミュージック”という表現を用いましたが、まさにそんなスタイルを確立させた作品が『Dots And Loops』であったと思います。

本作も前作『Emperor Tomato Ketchup』に続き、TortoiseのJohn Mcentireが全10曲中7曲でプロデュースをしています。残りの3曲のプロデュースはMouse On MarsAndi Tomaが担当しています。

Stereolab作品ではお馴染みHigh LlamasSean O'Haganも参加しています。他にはTortoiseのDouglas McCombs、Mouse On MarsのJan St.Wernerなどが参加しています。

『Dots And Loops』が発表されてから、もう10年が経つんですね。早いなぁ。でも、10年経った今もその魅力は色褪せていない気がします。いつ聴いても新しくて、懐かしくて、オシャレという気がしますね。

昨日、部屋でアロマキャンドルを焚きながら、『Dots And Loops』からHigh Llamas『Cold And Bouncy』(1998年)へと流れる、僕の昔の黄金パターンでまったり過ごしてみました。なんか体から毒素が出ていくようで、知らぬ間にウトウト...

なんかとってもスッキリしたなぁ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Brakhage」
出だしのノイジーな感じはアヴァンギャルドな予感もするのですが、その後に聴こえてくるのはJohn Mcentireによるヴァイヴの音色が何とも気持ち良いラウンジ・ミュージック。

「Miss Modular」
本作のハイライトと呼べる人気曲ですね。近未来のカフェめしが出てきそうなスタイリッシュ感と、昔懐かしいノスタルジック感が同居しているところが大好きですね。♪パララ〜♪パララ〜♪というコーラスが脳内でリフレインしています。

「The Flower Called Nowhere」
Stereolabお得意のフレンチ・チューン。カラフルなんだけど原色ではなくセピアという感じのワルツ調サウンドもいいですね。

「Prisoner of Mars」
気だるいムードが魅力の曲ですね。ラウンジ版Sadeみたいなスカスカな音空間がいいですねぇ。

「Rainbo Conversation」
アルバムで一番お気に入りの近未来ボッサ・チューン。この独特の憂いが何ともたまりませんなぁ。聴いているだけで、体中の毒素がスーッと出ていきそうな気がします。

「Refractions in the Plastic Pulse」
17分を超える大作です。90年代版ソフト・ロックといった趣ですよね。マッタリと優雅な前半、ポップにはじけた中盤、エレクトロニカな後半となかなか盛りだくさんの内容です。

「Parsec」
この曲はStereolab版ドラムンベースですね。本作が発表された1997年は本ブログで紹介したRoni Size & Reprazent『New Forms』などドラムンベースが盛り上がっていた年ですね。Stereolabらしい近未来ボッサ・テイストとドラムンベースのリズムが違和感なく融合していると思います。かなりカッチョ良い!

「Ticker-Tape of the Unconscious」
Stereolab独特の新しくて懐かしいノスタルジック感を堪能できます。この曲に限らず、Stereolabってホーン・アレンジが良い感じがします。

High Llamas『Cold And Bouncy』もそのうち紹介しますね。
posted by ez at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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