発表年:1983年
ez的ジャンル:ワンマン・レコーディング系偏屈ポップ
気分は... :なんで、あの時あんなことをしたのだろう??
ここ数日、日本シリーズでの采配をめぐり、中日の落合監督への批判記事が目立ちますね。
僕は中日ファンでもないし、日本のプロ野球にも落合監督にも興味がありませんが(むしろ嫌いなタイプです)、批判記事を読むたびに落合監督に同情してしまいます。
まぁ、山井投手が自ら交代を申し出たのであれば議論の余地はないし、仮に監督自身が交代を決断したのだとしても、1対0の場面で53年ぶりの日本一、地元ファンの前で胴上げを見せることができる唯一の機会(次戦は北海道)、最小得点差(走者ナシでも本塁打で同点)等のさまざまな条件を考慮すれば、当然の采配だったと思います。
あるスポーツ新聞にデーブ・スペクターの「シラけてしまったね。野球全体でいうと絶望的です。落合監督の評価も下がったと思う。」というコメントが出ていました。“絶望的なのはオメエのコメントじゃ、このどアホ!”と一人で思わず記事に突っ込んでしまいました(笑)
結果論で批判する“後出しジャンケン”的なコメントは本当に気分が悪くなりますな。
さて、Todd Rundgrenの約一年ぶりの登場です。
3回目の紹介となる今回は80年代以降のTodd作品で一番好きなアルバム『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)です。
邦題『トッドのモダン・ポップ黄金時代』と名付けられた本作は、ジャケからして60年代ロックへの傾倒ぶりがうかがえるToddらしいものですね。
個人的にはToddの最高傑作は、『Run.The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)、『Something/Anything』(1972年)、『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)の3枚のいずれかだと思っています。
その意味で本作『The Ever Popular Tortured Artist Effect』は名盤の類ではなく、思い切りB級感が漂うアルバムです。でも、このB級感もToddの大きな魅力だと思います。このアルバムが大好き!というToddファンは案外多いのではと思います。
同じ偏屈ポップでも70年代のToddとは、また異なる味わいがあるのがいいですね。全体としてはUKのニューウェイヴやエレポップの影響が強いのかなぁという気がします。ワンマン・レコーディングのスタイルがそれらと実にマッチして、極上のB級感を生み出している気がしますね。
全曲紹介しときヤス。
「Hideaway」
本作の目玉はこのポップなアップ・チューンでしょうね。まさに黄金のモダン・ポップという気がします。個人的には80年代以降のToddの全楽曲の中で一番好きですね。リアルタイムで聴いたのは高校生の頃でしたが、FMラジオのエア・チェックで録音した本曲のカセットを磨り減るほど聴き返していた記憶があります。ポップ好きのかゆいところに手が届いてくれた感じです!Todd好きならばマストな1曲ですな。
「Influenza」
エレポップ感覚のこの曲も大好き!いかにもワンマン・レコーディングっぽい感じが逆にいいですね。Toddらしいどこかもの寂しいポップさが満喫できます。
「Don't Hurt Yourself」
前作『Healing』(1981年)収録の名曲「Compassion」と同タイプの哀愁バラッド。「Compassion」大好きの僕はもちろん大のお気に入りです。この独特の切ないカンジが胸にグッとくるんですよね。「Compassion」や本曲を聴くと、今でも胸が苦しくなってきます。何でだろう?昔の恋愛の悲しい思い出あたりが呼び起されてくるのかも(笑)
「There Goes Your Baybay」
『Something/Anything』あたりを彷彿させる小粋なポップ・チューン。こうして聴いてみると、ほんのりボッサなテイストもあっていいですね。
ここまでの1〜4曲目(LP時代はここまでがA面)の流れは、Toddワールド全開なカンジで完璧ですね。
「Tin Soldier」
本アルバム唯一のカヴァーはSmall Facesのカヴァーです。ソリッドながらもToddらしいポップな味付けがなされた仕上がりです。Small Facesのこの曲がヒットしていた頃(67年末から68年頭にかけてのヒット。最高位全英チャート第9位)、Toddは本ブログでも紹介したNazzを結成して間もない時期でした。そんなことを意識してNazzを聴いてみると面白いのでは?
「Emperor of the Highway」
Toddお得意のわけのわからないオペラ風ナンバー。正直、余計な曲に思えるのですが、逆にこの手の曲が1曲は入っていないと、Toddのアルバムらしく思えないのも確か(笑)
「Bang the Drum All Day」
シングルにもなったノリのいいアップ・チューン。なんとスカに挑戦しています。アルバム自体ニューウェイヴ的な匂いも感じる作品ですが、本作などはその代表格ですね。
「Drive」
アコースティックな味わいがイイ感じのロック・チューン。パワー・ポップ好きの人向けの曲ですね。
「Chant」
チープなエレポップ感覚がたまらない1曲。ビミョーに外しているところが好きですね。
やはりToddは僕にとって特別なアーティストなんでしょうね。
Toddを聴いていると、今から20年以上前のどうでもいいことが急に思い出されてきます。
なんで、あの時俺はあんなことをしたのだろう?