発表年:1986年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :僕をブラコン好きに変えた1枚♪
今回のエントリーが800回目になります。
区切りのエントリーにたびに、よくまぁこんな事を続けているよなぁ、何の意味があるの?と自問自答しているのですが...未だにわかりません。
それなりにパワーを費やしており、かなり面倒なことは確かなのですが、止めてしまうと心の中に大きな穴がポッカリ開いてしまいそうなことも事実です。なので、深く考えずとりあえず続けてみることにします。
そんな800回目の区切りのエントリーにセレクトしたのがThe S.O.S. Bandの6thアルバム『Sands of Time』(1986年)
80年代にブラコン好きならば絶対に外せないグループがThe S.O.S. Bandです。
後のスーパー・プロデューサー・チームJam & Lewis(Jimmy Jam/Terry Lewis)が飛躍のきっかけをつかんだグループとしても有名ですよね。
The S.O.S. Bandは、1977年にアトランタで結成されたグループSanta Monicaが母体となっています。1979年に発表したデビュー・シングル「Take Your Time (Do It Right)」が1980年にR&Bチャート5週連続第1位、ポップ・チャート第3位に輝くという華々しいスタートを切りました。ちなみにS.O.S.とはSounds Of Successの頭文字をとったものです。
1980年には1stアルバム『S.O.S.』をリリースし、シングル同様R&Bアルバム・チャート第1位となりました。そして、1982年発表の3rdアルバム『S.O.S. Band III』収録の「High Hopes」で、初めてJam & Lewisがプロデューサー/ソングライターとして関与します。
その後、Jam & Lewisとがっちりタッグを組んだ4th『On the Rise』(1983年)、5th『Just the Way You Like It』(1984年)、6th『Sands of Time』(1986年)という3枚のアルバムをリリースします。
『Sands of Time』を最後にグループの看板であった女性ヴォーカルのMary Davisが脱退します。グループは活動を続け、『Diamonds in the Raw』(1989年)、『One of Many Nights』(1991年)という2枚のアルバムをリリースしますが、かつての輝きを取り戻すことはできずグループは解散しました。
The S.O.S. Bandは僕にとって一生忘れられないグループですね。
それまでTop40のヒット曲をはじめとするロック中心の洋楽ライフだった僕が、大学に入ってZapp/Roger TroutmanとS.O.S. Bandという2つのファンク・グループに出会ったことによって、一気にR&B/Soul/Funk中心の洋楽ライフに変わってしまいました。多分、この2つのファンク・グループに出会うことがなければ、今のような音楽ライフになっていなかったと思います。
ただしS.O.S. Bandの場合には、S.O.S. Bandのみならず彼らをプロデュースしたJam & Lewisにも影響を受けたと説明した方が適切ですね。なので、僕にとってのS.O.S. Bandは、『On the Rise』(1983年)、『Just the Way You Like It』(1984年)、『Sands of Time』(1986年)という3枚のアルバムが圧倒的なウェイトを占めます。
この時期Jam & Lewisにハマった方にとって、S.O.S. Band、Alexander O'Neal、CherrelleというTabu Records御三家の作品はマスト・アイテムでしたよね。
それ程大好きなS.O.S. Bandだったのですが、前述の3枚のCDは廃盤のままでAmazonでも扱いが無かったため、これまで紹介することができませんでした。今回も本当は最近CD化された3rdアルバム『S.O.S. Band III』を紹介しようと考えていたのですが、たまたまAmazonで本作『Sands of Time』のジャケを発見できたので、急遽本作へ変更しました。
本当は『Just the Way You Like It』(1984年)が一番好きなのですが、『Sands of Time』も僅差の2位というくらい好きですね。客観的に見ればS.O.S. Bandの最高傑作であり、Jam & Lewis最初のピークが本作であったように思います。全体的に近未来的な硬質シンセ・サウンドでJam & Lewis流ファンクを聴かせてくれます。特にミディアム・ファンクの出来栄えがサイコーですな。
本作『Sands of Time』時点でのメンバー6名ですが、オリジナル・メンバーはJason Bryant(key、vo)、Mary Davis(vo)、Bruno Speight(g)の3人のみです。何と言ってもMary Davisのヴォーカルに注目ですね。MaryのヴォーカルとJam & Lewisサウンドが見事に融合してミラクルなアルバムが完成したのだと思います。
その意味で、本作を最後にMaryが脱退したのはショックでしたね。
相変わらず入手困難な状況は変わりませんが、80年代R&B/Soulに興味がある方は絶対に聴くべき1枚として推奨させて頂きます。
全曲紹介しときやす。
「Even When You Sleep」
シングルにもなったオープニング曲。淡々としたMary Davisのヴォーカルが印象的なクールなミディアム・ファンク。ジャケ写真のような誰も居ない夜の砂漠のイメージがぴったりですね。
「Sands of Time」
タイトル曲はメロウ好きにはたまらない胸キュン・スロウです。この曲を聴くと、学生時代のいろんな思い出が甦ってきて、口の中に甘酸っぱい青春の味が充満してきます(笑)僕にとって永遠のクラシックと呼べる1曲です。
「Borrowed Love」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第14位となりました。Jam & Lewisらしい硬質なサウンドを堪能できる重厚なミディアム・ファンク。Mary Davisのパワフルかつ艶やかなヴォーカルを堪能できます。
「Nothing But the Best」
シンセ・サウンドのピコピコ・ドンドコ感がクセになるがミディアム・チューン。このクールネスがいいですね。
「Finest」
本アルバムのハイライト曲。シングルとして全米R&Bチャート第2位となった大ヒット曲です。 S.O.S. BandとJam & Lewisのコラボの完成形がこのメロウ・ファンク・チューンだと思います。
哀愁のメロディにスペイシーなシンセサウンドがたまりません。当時、近未来のどこかの惑星のダンス・ミュージックってカンジがしましやね。個人的にはJam & Lewisの最高傑作だと思っています。
間奏部分でAlexander O'Nealのヴォーカルを聴くことができるのも嬉しいですね。Alexに加えて、Cherrelleも参加しているという説明を他サイトでたまに見るのですが、真偽はどうなんですかね?私見ではCherrelleは不参加と認識しているのですが...
「No Lies」
この曲もシングル・カットされました。ノリの良いファンク・チューンです。家で聴くよりも、フロアで聴いたら大盛り上がり間違いなしの曲ですね。
「Two Time Lover」
個人的に大好きなメロウ・チューン。アーバン・ナイトにぴったりなロマンティック・ムード満点の1曲です。僕が80年代ブラコンに求めていたものって、このムードなんですよね。
「Do You Still Want To?」
哀愁のシンセ・サウンドが絶妙な1曲。Finest同様に近未来のどこかの惑星のアーバン・ナイトってカンジがしますね。
Amazonでジャケ写真見つかれば、『On the Rise』(1983年)、『Just the Way You Like It』(1984年)の2枚もぜひ紹介したいと思います。
『On the Rise』には、Monicaのカヴァーやサンプリング・ネタとしても有名な名曲「Tell Me If You Still Care」、同じくサンプリング・ネタとしても有名なR&Bチャート第2位のヒット曲「Just Be Good To Me」が収録されています。
『Just the Way You Like It』は、前述の通り僕が一番好きなアルバムです。「Weekend Girl」、「Feeling」、「I Don't Want Nobody Else」といったマイ・クラシック3曲がサイコーです。
上記2枚以外ならば、最近再発された『S.O.S. Band III』(1982年)やMary Davisのソロ『Separate Ways』(1990年)あたりもオススメです。