2008年01月12日

Norman Connors『This Is Your Life』

美学を貫くメロウ・ワールドへようこそ!☆Norman Connors『This Is Your Life』
This Is Your Life
発表年:1978年
ez的ジャンル:Buddah系メロウ・グルーヴ
気分は... :これこそ俺の生き方だよね!

今回はメロウ・グルーヴ好きには外せないNorman Connorsの紹介です。

Norman Connorsは1947年フィラデルフィア生まれのジャズ・ドラマー。1960年代半ばからプロのジャズ・ドラマーとしての活動を開始し、Archie SheppJack McDuffPharoah Sanders等と共演したり、レコーディングへ参加したりしています。特にPharoah Sandersとの活動は、その後の彼に大きな影響を与えたようです。その後1970年代から80年代初めにかけて数多くのリーダー作を残しています。

Norman Connorsという人に対してジャズ・ドラマーのイメージは殆どありません。でも自分の持っているPharoah Sandersなどの作品のクレジットを眺めてみると、確かにドラマーNorman Connorsの名を確認することができます。

そもそも僕とNorman Connorsの出会いは、Barbara Mason『Transition』Michael Henderson『In The Night-Time』The Futures『Castles In The Sky』The Trammps『Legendary Zing Album』といったBuddah作品と一緒に彼の最大のヒット・アルバム『You Are My Starship』(1976年)を購入したことが最初でしたね。そこから、『Romantic Journey』(1977年)、『This Is Your Life』(1978年)といった作品へ流れていったというカンジでしたね。

僕の中でのNorman Connorsは、多くのミュージシャンを集めてそれらを束ねるまとめ役ってカンジですかね。本作が厳密にはNorman Connors & The Starship Orchestraとなっているように、Norman Connorsというミュージシャンのソロ・アルバムというよりも、彼がタクトを振るオーケストラのアルバムという印象が強いですよね。

一般的に彼の最高傑作といえば、全米R&Bチャート第4位となったタイトル曲を含むアルバム『You Are My Starship』(1976年)だと思うのですが、個人的に一番お気に入りなのが今回紹介する『This Is Your Life』(1978年)です。曲数およびヴォーカルものが多いというのも大きな要因なのですが...彼の美学が最も色濃く出ているアルバムのように思います。

そんな美学が最も顕著なのがカヴァー曲のセンスかもしれません。本作でもPharoah SandersやStylisticsといった定番ものからHerbie Hancock、Jimmy Webbまでなかなか興味深いセレクトになっています。

Pharoah Sanders、Gary Bartz、Ernie Watts、Jay Graydon、Lee Ritenour、David T. Walker、Wah Wah Watson、Richard Tee 、Bobby Lyle、Michael Boddicker、James Gadson、Jean Carn、Eleanor Mills、James Robinson等といったバック陣の豪華さも魅力かもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Stella」
人気ダンス・チューンにもなっているこのメロウ・グルーヴがアルバムで一番のお気に入り!Jean CarnとJames Robinsonのヴォーカルがフィーチャーされています。Jean Carnの♪パッパラ・パッパ〜♪というヴォーカルがウキウキ気分になってしまいますね。Buddah音源のコンピ・アルバム『Free Soul Essence』にも収録されています。

「This Is Your Life」
タイトル曲はThelma HoustonやThe 5th Dimensionのヴァージョンで知られているJimmy Webb作品のカヴァーです。Eleanor Millsのヴォーカルをフィーチャーています。Paul Riserのアレンジが絶品のドラマチックな仕上がりです。ジャケ写真のイメージとピッタリです。

「Wouldn't You Like to See? 」
この曲もEleanor Millsのヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・ソウル。メロウ好きの僕には嬉しい1曲ですね。

「Listen」
James Robinsonのヴォーカルをフィーチャーしたロマンティックなスロウ・チューン。アーバン・メロウな雰囲気がいいですね。

「Say You Love Me」
アルバムで最もファンキーなミディアム・チューン。Connors本人の下手くそヴォーカルがクセになり脳裏から離れません(笑)

「Captain Connors」
クロスオーヴァーらしいグルーヴ感が心地良いインストです。僕が持っているCDにはボーナス・トラックで12"ヴァージョンも収録されています。

「You Make Me Feel Brand New」
説明不要のStylisticsの名曲カヴァー。『You Are My Starship』(1976年)でも「Betcha By Golly Wow」をカヴァーしているので、その流れですかね。Stylisticsのオリジナルに近い雰囲気のEleanor MillsとConnors本人によるデュエットです。オリジナルに敵うはずもありませんが、Eleanorのヴォーカルがグッドです。

「Butterfly」
笠井紀美子さんのヴァージョンでお馴染みのHerbie Hancock作品。Eleanor MillsとJames Robinsonのヴォーカルをフィーチャーしています。このミステリアスなメロウネスがたまりませんね。笠井ヴァージョンがお好きな方はセットで聴くと楽しいと思います。本曲も『Free Soul Essence』に収録されています。

「The Creator」
Pharoah Sanders「The Creator Has a Master Plan」のリアレンジ・ヴァージョンです(オリジナルは1969年のアルバム『Karma』収録)。『You Are My Starship』(1976年)で本曲のインスト・カヴァーを演奏しているにも関わらず、さらに本作でも取り上げたということは、余程お気に入りの曲なのでしょう。

本ヴァージョンではEleanor MillsとConnors本人のヴォーカル入りです。Pharoah Sanders本人がテナー・サックスで参加しており、スピリチュアルなブロウを披露してくれます。スピリチュアルとスムース&メロウが合体した面白い仕上がりになっています。

『Romantic Journey』(1977年)でもPharoahの「Thembi」をカヴァーしているし、Norman ConnorsにとってPharoah Sandersというアーティストは特別な存在なのでしょうね。Pharoah Sanders大好きな僕としては嬉しい限りです。

本作を気に入った方は、『You Are My Starship』(1976年)、『Romantic Journey』(1977年)あたりも合わせてどうぞ!
posted by ez at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする