2008年01月24日

The Byrds『Ballad Of Easy Rider』

Byrds作品の中では地味な扱いだけど、なかなかの充実作!☆The Byrds『Ballad Of Easy Rider』
Ballad of Easy Rider
発表年:1969年
ez的ジャンル:Byrds風カントリー・ロック
気分は... :後回しにしないでね!

The Byrdsは4回目の紹介になります。

『Younger Than Yesterday』(1967年)、『Mr. Tambourine Man 』(1965年)、『Fifth Dimension』(1966年)に続き紹介するのは、1969年リリースの『Ballad Of Easy Rider』です。

数あるByrds作品の中でも地味な扱いのアルバムの1つかもしれませんね。

僕も他のByrds作品と比較して特別好きという自覚はないのですが、気付くと手にしていることが多いアルバムですね。気軽に聴けるアルバムというカンジなのかもしれません。

『Sweetheart of the Rodeo』(1968年)、『Dr. Byrds & Mr. Hyde』(1969年)と共に、カントリー・ロック時代の作品と位置づけられることが多い作品ですが、個人的には評価の高い次作『(Untitled)』(1970年)への助走的なアルバムという位置づけで聴いています。

正直、『Sweetheart of the Rodeo』は大の苦手です。僕の場合、カントリー自体が嫌いという訳ではないのですが、カントリーのイモ臭い雰囲気が際立つものはNGってカンジですかね。そのように見た場合、『Sweetheart of the Rodeo』はイモ臭さ全開というカンジでダメなんですよね。Gram Parsonsとの相性が悪いのかもしません。

それと比較すると、本作『Ballad Of Easy Rider』にはそういったイモ臭さは全く感じられず、僕がカントリー・ロックに求める土臭いタルさやリリシズムを堪能できる作品に仕上がっている気がします。

『Ballad Of Easy Rider』は、アメリカン・ニューシネマを代表する映画『イージー・ライダー(Easy Rider)』へ提供したタイトル曲(Roger McGuinn名義)が評判となり、その勢いで制作されたアルバムです。

本作におけるメンバーはRoger McGuinn(g、vo)、Clarence White(g、vo) 、John York(b、vo)、Gene Parsons(ds、vo)の4人。メンバー間のゴタゴタが多いグループですが、出来上がりはメンバーそれぞれの個性がバランス良くアルバムに反映されている気がします。特に、Clarence Whiteのギターが冴えていますね。

あとは初期Byrdsサウンドを支えたTerry Melcherがプロデューサーとして復帰し、Byrdsらしいカントリー・ロックづくりに貢献しています。僕がこのアルバムに惹かれるのも、このあたりが影響しているのかもしれません。

Byrdsは魅力的なアルバムが多いので、後回しになりがちですが、決して見逃すことのできないアルバムだと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Ballad of Easy Rider」
前述の映画『Easy Rider』提供曲をByrdsとして再録したものです。昔ながらのByrdsファンが喜ぶフォーク・ロックですよね。ここでは美しいストリングスを取り入れ、より感動的に仕上げています。なお、本曲の歌詞の一部はBob Dylanからイスパイアされたものです。

「Fido」
John York作品。アーシーな味わいの僕好みの作品です。Gene Parsonのドラム・ソロがByrdsらしくなくて逆に印象的ですね。

「Oil in My Lamp」
Gene Parsons/Clarence White作品。Clarence Whiteが初めてリード・ヴォーカルをとった作品らしいですね。この少し重めのたるい感じがいいですね。

「Tulsa County」
Pamela Polland作品。June Carterのレパートリー知られていたようです。Clarence Whiteのギターが味わい深いですよね。僕が苦手なカントリーの一歩手前寸止め状態なのが絶妙です(笑)

「Jesus Is Just Alright」
Doobie Brotherのヴァージョン(アルバム『Toulouse Street』収録)で有名なThe Art Reynolds Singersのカヴァー。Doobiesヴァージョンを聴いた後に、本ヴァージョンを聴くとさすがに分が悪いですが、それでもこのゴスペル・タッチの仕上がりは大好きです。

「It's All Over Now, Baby Blue」
Byrdsお馴染みのBob Dylan作品のカヴァー。本ブログでも紹介した『Bringing It All Back Home』収録の名曲の再カヴァーです。アルバム全体の雰囲気にマッチしたテンポを落としたレイジーな仕上がりがいいですね。Clarence Whiteのギターがグッドです。

「There Must Be Someone (I Can Turn To)」
Gosdin Brothersのカヴァー。Clarence WhiteとGene ParsonsはGosdin Brothersのオリジナルの録音にも参加しており、二人のこの曲への思い入れが伝わってくる素晴らしい仕上がりとなっています。曲自体は奥さんに逃げられてしまった寂しい男の歌ですが、その寂しいムードが見事に表現されています。

「Gunga Din」
Gene Parsons作品。個人的にはアルバムで一番好きな曲。ギターの音色の美しさに酔いしれると同時に、突き抜けていくような疾走感がいいですよね。一人旅をしながら聴くとピッタリって感じですね。

「Armstrong, Aldrin and Collins」
タイトルの通り、月面着陸に成功したアポロ11号の宇宙飛行士を称えた1曲。そういう時代だったんですね。

スペースがないので省略しますが、ボーナス・トラックもかなり充実しています。
posted by ez at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする