2008年01月29日

Amina『Yalil』

アラブ/アフリカとフランスの素敵な出会い!☆Amina『Yalil』
Yalil
発表年:1989年
ez的ジャンル:パリ発アラビック・ワールド・ミュージック
気分は... :投稿できない?

昨日からSeesaaブログに障害が発生し、新規の記事投稿が正常にブログに反映されない状況が続いています。

昨日投稿したMark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』もRSS経由の方はアクセスして頂いているようですが、Topページからはアクセスできない状態のままです。

丸1日経っても復旧しないというのは、結構トラブっているのでしょうね。

閲覧頂いてる方にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご了承下さい。

こんな時は投稿休めばいいのでしょうが、今週末が仕事で忙しく投稿サボることが予想されるので(笑)、エントリーしておきたい気分です。

こんな時ですから、滅多に紹介しないワールド・ミュージック作品でも取り上げたいと思います。

そこでセレクトしたのがAmina『Yalil』(1989年)です。

以前紹介した『特別企画・ワールド・ミュージックを振り返る10枚』でもセレクトした1枚です。

きっと1980年代後半から90年代初めのワールド・ミュージック・ブームにリアルタイムでハマった人以外は馴染みがない作品だと思います。

Amina(本名Amina Annabi )は、1962年北アフリカのチュニジア生まれの女性シンガー。

チュニジアと聞いて、サッカー好きの僕などはすぐにアフリカのサッカー強豪国というイメージ、古代都市カルタゴの名前が思い浮かぶくらいですが、旧フランス領であり、言語や宗教面ではアラブ文化圏の国ということになります。

Amina自身は10代の時にフランスのパリへ移住し、パリで音楽活動を開始します。

そして、その後のワールド・ミュージック・ブームの仕掛人となる音楽プロデューサーMartin Messonierとの出会いがAminaに転機をもたらします。

Martin Messonierと言えば、King Sunny AdePapa WembaCheb Khaledなどの作品をプロデュースしたことで、ワールド・ミュージック好きの人ならば、誰でも知っている有名プロデューサーでしたね。

恋仲となり公私共にパートナーとなったAminaとMartinが作り上げた渾身の1作が本作『Yalil』です。

Martin Messonierらしい、アフリカやアラブのテイストを最新のテクノロジーを駆使したダンス・ミュージックとしてまとめ上げ、そこにパリのエスプリを効かせたスタイリッシュな作りになっています。Aminaの妖艶かつミステリアスなヴォーカルもグッドです!

歌詞はアラビア語、フランス語、英語と多彩ですし、ミュージシャンもアフリカ、ヨーロッパの各国から精鋭を集めた多国籍軍となっています。

サッカー好きでフランスのプロ・サッカー・リーグ(リーグ・アン)に興味がある方などは、リーグ・アンの外国人選手の多くはアフリカ出身であることに気付くと思います。一方で、サルコジ大統領の移民政策などを通じて、旧植民地からの移民の苦しい立場を知ることもできます。結構、フランスとアフリカの関係って、我々が想像する以上にデリケートなんでしょうね。

少なくとも、本作においてはフランスとアフリカ、アラブは素敵な出会いをしています。
現実社会でもそうなることを願って止みません。

全曲紹介しときやす。

「Le Circle Rouge」
フランス語で歌われるオープニングは、シャンソン・フレイヴァーです。シャンソンとアラブが融合したミステリアスなムードが印象的ですね。

「Belly Dance」
当時人気だった1曲。アラビック・ハウス・ミュージックって感じの仕上がりです。当時ハウスにも結構ハマっていた僕にとっては、こういった曲はなかなか嬉しかったですね。アルバムには本曲のリミックスも収録されており、この当時のハウス・コンピに収録されていても違和感ないフロア仕様となっています。

「Yalil」
タイトル曲は、アラビックな旋律が強調された1曲。今思うと、このあたりはもっとテクノロジーを抑え目にして、ナチュラルな感じに仕上げていても面白かった気もします。

「Gallouli」
親しみやすいメロディを持ったポップ・チューン。アコーディオンの音色が印象的ですね。

「Embarrasse Moi」
アルバムのお気に入り曲の1つ。「惑わせて」の邦題通り、幻惑ムードが漂うハウス・テイストの無国籍ダンス・ミュージックです。エスニックなのですが、それがあまり強調されすぎず、あくまでスタイリッシュなダンス・ミュージックを追求しているのがいいですね。

「Neila」
アラビックというよりも、異国情緒に溢れたという表現が似合う1曲ですね。Sadeあたりに通じるクールネスが好きです。

「Ma Lisane Boul」
「Embarrasse Moi」と並ぶお気に入り曲。この曲はパリらしいオシャレ感に溢れていますね。Martin Messonierの作り出す洗練されたサウンドとAminaの妖艶なヴォーカルが見事に噛み合っている気がします。


「Mektoubi」
この曲はアラビック・テイストが強調された1曲です。それでもMartinがプロデュースしたポップ・ライの傑作Cheb Khaled『Kutche』(1989年)のようなものではなく、あくまでフレイヴァーとして多めという程度かもしれませんね。

投稿が正常に反映されるか心配ですが、とりあえずエントリーしておきます。
posted by ez at 10:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする