2008年03月20日

Kelis『Kaleidoscope』

ヴォーカルもビジュアルもインパクト大!個性派女性R&Bシンガーのデビュー作☆Kelis『Kaleidoscope』♪
カレイドスコープ
発表年:1999年
ez的ジャンル:サンダービッチ系個性派女性R&Bシンガー
気分は... :大嫌い!なんて言わないで...

今回は個性派女性R&BシンガーKelisのデビュー作『Kaleidoscope』(1999年)です。

Kelis(本名Kelis Rogers)は、N.Y.のハーレム出身の女性R&Bシンガー。父親は牧師&サックス奏者、母親はファッション・デザイナーという環境で育ったKelisは、幼少期から父親の影響でジャズ、ゴスペル等の音楽に親しんでいたようです。

そんな彼女がデビューするきっかけをつかむのは、プロデュース・チームThe Neptunes(Chad Hugo/Pharrell Williams)との出会いでした。そして、Ol Dirty Bastard「Got Your Money」Noreaga「Cocaine Business」へのゲスト参加を経て、1999年にシングル「Caught Out There」でデビューします。さらには全編Neptunesプロデュースのデビュー・アルバム『Kaleidoscope』(1999年)をリリースし、“サンダービッチ”の異名と共にシーンに大きなインパクトを与えます。

その後、『Wanderland』(2001年)、『Tasty 』(2003年)、『Kelis Was Here』(2006年)といったオリジナル・アルバムをリリースし、プライベートでは2005年にラッパーのNasと結婚しています。

最近、ベスト盤『The Hits』がリリースされたばかりのKelisですが、個人的にはセンセーショナルだったデビュー作『Kaleidoscope』が一番好きですね。

まずはジャケ。以前に『ジャケット・アートの世界〜ボディ・ペインティング編』でも紹介したアフロ・ヘア&ボディ・ペインティングは、まさに超個性派という感じですよね。

自由奔放でストロングなKelisのヴォーカルと、Neptunesがクリエイトする電子的ビートとの組み合わせも相性バッチリという気がします。21世紀目前に新時代の女性シンガー登場!という印象を強く受けましたね。この時点でKelisはまだ10代だったというのには驚かされますなぁ。貫禄ありすぎです(笑)

必ずしも商業的に大成功を収めたアルバムではありませんが、Kelisという才能を持った個性派女性R&Bシンガーの存在を知らしめ、Neptunesがスーパー・プロデューサーの道を歩む足掛かりとなったアルバムとして見逃せない1枚だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Good Stuff」
アルバムからの2ndシングル。ClipseのPusha TがTerrarの名でフィーチャーされています。クール&ダークなミッド・グルーヴに仕上がっています。抑え気味のヴォーカルに逆に凄みを感じてしまいます。

「Caught Out There」
“サンダービッチ”を印象づけたインパクトありすぎのデビュー・シングル。全米R&Bチャート第9位、全英シングル・チャート第4位となりました。♪I hate you so much right now !♪I hate you so much right now !♪のど迫力だけで決まりという感じですよね。Neptunesによるピコピコ・ヒューン・ヒューンなトラックもサイコーです!

「Get Along With You」
アルバムからの3rdシングル。哀愁メロウな仕上がりです。この曲のPVって、全体としてはダークな印象ですが、Kelisのあどけない表情を観ることができて少しホッとします(笑)

「Mafia」
女性ラッパーMarkitaをフィーチャー。オリエンタル・テイストのトラックも含めて妖しい雰囲気が漂います。

「Game Show」
シンプルだけど、ポップでキャッチーでプリティなトラックにNeptunesのセンスを感じます。

「Suspended」
大人のムードたっぷりのスロウ。単なる“サンダービッチ”ではない実力派シンガーであることを証明してくれる1曲。

「Mars」
スペイシーなトラックが印象的な1曲。Neptunesの個性とKelisの個性が(良い意味で)ぶつかりあっていますね。

「Ghetto Children」
個人的には「Caught Out There」、「In the Morning」と並ぶお気に入り。Marc DorseyとN.E.R.Dをフィーチャー。Marc DorseyとKelisの絡みが実にグッドなメロウ・グルーヴに仕上がっています。Slick Rick「Hey Young World」ネタ。

「No Turning Back」
Neptunes好きにはたまらんトラックです。このピコピコ・ビートを聴くと嬉しくなってしまいますな(笑)

「In the Morning」
この曲もかなりお気に入り。ラテン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴに仕上がっています。Neptunesの懐の深さを感じます。

「Wouldn't You Agree」
Justin Vinceをフィーチャーした哀愁スロウ・チューン。「In the Morning」からの流れで、この曲もラテン・フレイヴァーに仕上がっています。

タイトル(万華鏡)のように、個性派シンガーのさまざまな側面を楽しめる1枚だと思います。
3rdアルバム『Tasty 』(2003年)もオススメ!
posted by ez at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする