2008年04月14日

Woody Herman『Giant Steps』

踊れるジャズ・アルバムと言えばコレですな☆Woody Herman『Giant Steps』
Giant Steps
録音年:1973年
ez的ジャンル:ジャズ・ダンス系ビッグ・バンド
気分は... :ジャズで踊りましょ!

今日は踊れるジャズ・アルバムが聴きたい気分です。
セレクトしたのはWoody Herman『Giant Steps』(1973年)

Woody Herman(1913-1987年)は、ビッグ・バンド・リーダー、クラリネット/サックス奏者として活躍したジャズ・ミュージシャン。ビッグ・バンドにはあまり詳しくない僕ですが、Duke EllingtonGlenn MillerBenny GoodmanCount Basieあたりに続く大物ってイメージがありますね。

「ビッグ・バンド=昔のジャズ」といったイメージがあるかもしれませんが、Woody Hermanという人は時代の流れを敏感にキャッチ・アップする才覚のあった人のようですね。1936年に自身のバンドを結成して以来、ブルース〜ビ・バップ〜ウエストコースト・ジャズ(Four Brothers)〜ハード・バップ〜エレクトリック・サウンド導入といった具合に、柔軟に時代の変化に適応してきたようです。

そんな長寿ビッグ・バンドの70年代の代表作が本作『Giant Steps』(1973年)です。

クラブ・ジャズ・ファンの方には、「La Fiesta」「Freedom Jazz Dance」「Giant Steps」といった人気曲収録のアルバムとしてお馴染みだと思います。

僕も本作のことを最初に知ったのは、今から約15年前に発売された『Freedom Jazz Dance』というジャズ・ダンス系のコンピ・アルバムを通じてでした。UFO(United Future Organization)がコンパイルしたこのコンピのタイトルになっていたのが本作収録の「Freedom Jazz Dance」でした。

この曲のカッチョ良さに一発でKOされてしまったのと同時に、Woody Hermanという人に対するイメージを新たにしました。“ビッグ・バンドをなめたらいかん!”

本作『Giant Steps』は、「Freedom Jazz Dance」1曲だけに終わらず、アルバム通して極上の“踊れる”ジャズ・アルバムに仕上がっています。

メンバーは、Woody Herman(cl、ss、ts)、Greg Herbert(s、fl)、Frank Tiberi(s)、Steve Lederer(s)、Harry Kleintank(s)、Larry Pyatt(tp)、Gil Rathel(tp)、Walt Blanton(tp)、Bill Byrne(tp)、Bill Stapelton(tp、flu)、Jim Pugh(tb)、Geoff Sharp(tb)、Harold Garrett(tb)、Andy Laverne(elp)、Joe Beck(g)、Wayne Darling(b)、Ed Soph(ds)、Ray Barretto(con)といった顔ぶれです。N.Y.ラテン/サルサの帝王Ray Barrettの参加が意外ですね。

ビッグ・バンドならではの厚みのあるホーンを、ここまでスタイリッシュに聴かせることができるというのは、目から鱗でした。

踊れるジャズを聴いて、スカッとしましょ!

全曲紹介しときヤス。

「La Fiesta」
オープニングは、Return to Foreverの“カモメ”収録曲としてお馴染みのChick Corea作品カヴァー。本作のハイライト第1弾です。エレピ+リズム隊によるスパニッシュ・テイストと厚みのあるホーン隊との絡み具合がいいカンジです。まずは陽気に明るく踊りましょ!

「A Song for You」
Leon Russellの名曲カヴァー。ホーン隊を中心に哀愁モードが漂いますが、案外サラッと仕上げているのが好きですね。

「Freedom Jazz Dance」
本作のハイライト第2弾は前述の人気ジャズ・ダンス曲。やはり、この曲がダントツにカッチョ良いと思います。タイトル通り、フリーダムなジャズ・ダンスといった仕上がりです。ここでは自由に踊りましょ!
https://www.youtube.com/watch?v=iBnJXT4bzG8

本曲のオリジナルはEddie Harrisです。多くのミュージシャンがカヴァーしていますが、 当ブログで紹介した帝王Miles Davis(アルバム『Miles Smiles』収録)、Phil Woodsあたりの演奏が有名なのでは?個人的にはBrian Auger's Oblivion Expressのヴァージョンも好きです。

「The Meaning of the Blues」
映画のサントラにありそうな哀愁感たっぷりのブルースです。Bobby Troup/Leah Worth作品。

「The First Thing I Do」
この曲も人気のジャズ・ファンク・チューン。この時期のブラック・ミュージックの流れに呼応している演奏ですね。Richard Evans作品。

「Think on Me」
ダイナミックかつロマンティックなクロスオーヴァー作品。フルートの音色が涼しげですね。George Cables作品。

「Giant Steps」
本作のハイライト第3弾はJohn Coltraneのカヴァー。求道者Coltraneの作品がこんなにスタイリッシュでダイナミックなジャズ・ダンスになってしまうなんて!このビッグ・バンドの魅力を最も堪能できる作品かもしれませんね。小難しく考えないで、弾けて踊りましょ!

「A Child Is Born」
Thad Jones作品のカヴァー。実にエレガントな演奏がいいですね。この優雅さはビッグ・バンドならではの魅力ですね。

「Be-Bop and Roses」
「A Child Is Born」および本曲のアレンジを担当しているAlan Broadbentの作品。小気味良くスタイリッシュな演奏はかなり僕好みです。

Woody Hermanのアルバムはこれ1枚しか持っていませんが、他の作品もゲットしたいです。『The Raven Speaks』(1972年)あたりが欲しいですね。
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2008年04月13日

Suede『Suede』

UKアルバム・チャート初登場第1位となった禁断のデビュー・アルバム☆Suede『Suede』
スウェード
発表年:1993年
ez的ジャンル:禁断系ネオ・グラム
気分は... :ヤバイね!

90年代UKロックを代表するグループの1つSuedeの久々の登場です。

前回はスタイリッシュになった3rdアルバム『Coming Up』 (1996年)を紹介しました。今回はUKアルバム・チャート初登場第1位となった禁断のデビュー・アルバム『Suede』(1993年)です。

前回も書きましたが、Suedeはミーハー的に好きだったUKロック・グループでしたね。当時の僕にとって、UKロックのNo.1グループは、OasisでもBlurでもなくSuedeだ!という感覚でしたね。

このグループの持つ危険な香りが好きです!

そんなグループの持つ危険な香りを堪能できるアルバムが今日紹介する『Suede』(1993年)、2nd『Dog Man Star』(1994年)の2枚です。

ただし、結構クセがあるので、人によってはポップでスタイリッシュな3rd『Coming Up』 (1996年)、4th『Head Music』(1999年)あたりを先に聴いた方が良いかもしれません。

シングル「The Drowners」「Metal Mickey」の2曲が立て続けにインディーズ・チャートでNo1に輝き、一躍注目のグループとなったSuedeが、さらに大きな衝撃をシーンにもたらしたのがこのデビュー・アルバム『Suede』です。

ネオ・グラムと称されたグラマラスな雰囲気、同性愛、近親相姦、殺人といったタブーをテーマとして歌詞、そして官能的なボーカル&エクスタシーなサウンドは、かなり刺激的でしたね。ジャケもかなりヤバイし...

ただし、純粋に良い曲、カッチョ良い音をクリエイトするグループである前提があったからこそ、そうした過激な部分が魅力的に映ったのでしょう。

また、自己陶酔気味のヴォーカリストBrett Anderson、優れたギタリストBernard Butlerという二枚看板がいたのも惹かれました。ロック・グループは二枚看板がいいですね。ソングライティングもこの二人で全て手掛けています。

このデビュー・アルバムがUKアルバム・チャート初登場第1位となったという事実からも、当時のSuedeの勢いがわかると思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「So Young」
禁断のアルバムのオープニングにぴったりな美しすぎる禁断のロック。4thシングルにもなりましたBrett Andersonの中性的なハイトーン・ヴォーカルはクセになりますね。

「Animal Nitrate」
3rdシングルとしてUKシングル・チャート第7位となりました。官能的なBrett Andersonのヴォーカルとそれに絡みつくBernard Butlerギターが織り成す耽美的ロック・チューン。観たくはないけど、ついつい観てしまう禁断のPVも刺激的(?)でしたね(笑)

「She's Not Dead」
美しくも儚い雰囲気が魅力ですね。単にタブー視されるテーマを歌うだけではない、豊かな音楽性を持ったグループであると実感できる1曲。

「Moving」
アルバムで一番激しくストレートなロック・チューン。僕はもっと官能的なSuedeの方が好きですが。

「The Drowners」
衝撃のデビュー・シングル。禁断のアルバム・ジャケのイメージそのままのアブノーマルな世界が展開されます。アブノーマルな世界には興味がない僕ですが、官能的なSuedeサウンドにグイグイ引きずり込まれてしまいます。アブナイ!アブナイ!

「Sleeping Pills」
シングル曲以外ではこの曲が一番好きですね。霧の中から聴こえてくるようなBrett Andersonのヴォーカル、天まで昇るようなBernard Butlerのギターがサイコーです。

「Metal Mickey」
僕の一番のお気に入り曲です。2ndシングルにもなります。グループのセクシーな魅力を堪能できる、文句ナシにカッチョ良い1曲だと思います。

「Animal Lover」
「Animal Nitrate」に続く、アニマル・ソング2曲目。異常性愛者というテーマを小気味良いロック・チューンで聴かせてしまうあたりがSuedeらしい?

「The Next Life」
♪来世で会おう、僕らが天に召される時に...♪と歌われます。この閉塞感こそがSuedeワールドなのかもしれませんね。

本作の延長線上に位置づけられる2nd『Dog Man Star』(1994年)とセットでどうぞ!二枚揃うとヤバさ倍増です!
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2008年04月12日

Michael Wycoff『Love Conquers All』

人気曲「Looking Up To You」収録のアーバン・メロウ作品☆Michael Wycoff『Love Conquers All』
ラヴ・コンカーズ・オール(紙ジャケット仕様)
発表年:1982年
ez的ジャンル:アーバン系メロウ・ソウル
気分は... :修行が足りん!

今週初めに紹介したWebster Lewisつながりで、彼がプロデュースしたMichael Wycoffの人気作『Love Conquers All』(1982年)を紹介します。このアルバムも今年に入って再発されたので入手しやすくなっています。

Michael Wycoffは1956年カリフォルニア生まれのソウル・シンガー。

シンガーのイメージが強いですが、元々はセッション・ピアニストとして鳴らしており、若い頃からNatalie Cole、D.J. Rogers、Phoebe Snow等のセッションに参加していたようです。1976年には本ブログでも紹介したStevie Wonderの名作『Songs In The Key Of Life』に参加しているそうです(恥ずかしながら、全然知りませんでした)。

1978年にマイナー・レーベルで「Do The Camel Hamp」というシングルをリリースした後、1979年にRCAとの契約に成功します。こうしてRCAでデビュー・アルバム『Come To My World』(1980年)、2nd『Love Conquers All』(1982年)、3rd『On The Line』(1983年)という3枚の作品を残しています。

しかし、『On The Line』からのシングル「Tell Me Love」がR&Bチャートの第23位になった程度のヒットにしか恵まれず、次第にMichael Wycoffの名は音楽シーンから忘れ去られてしまいます。

それが90年代に入り突如再評価されるようになります。本ブログでも紹介した女性デュオZhaneの大ヒット・デビュー・シングル「Hey Mr. D.J.」『Love Conquers All』収録の「Looking Up To You」がサンプリングされていたのです。その直後にフリーソウル・シーンでも「Looking Up To You」が人気曲となり、Michael Wycoffの名はソウル・マニア以外にも知られる存在となりました。

僕もZhane「Hey Mr. D.J.」〜フリーソウル経由で本CDを購入した次第です。その後CDが廃盤となり、入手困難な状況が長く続いていましたが、めだたく今回再発され入手しやすい環境となりました。

プロデュースは前述の通り、Webster Lewisが担当し、David T. Walker(g)、EW&FのAl McKay(g)、Nathan Watts(b)、James Gadson(ds)、Fred Wesley(tb)等の腕利きミュージシャンがバックを固めています。また、「Can We Be Friends」ではEvelyn "Champagne" Kingとデュエットしています。

中身はアーバン・メロウが中心ですが、80年代ならではのファンク・ナンバーもあり、80年代の男性ソウル・シンガー・ブームの先駆け的な作品として楽しめると思います。

その後のKashif、Freddie Jacksonの活躍を考えると、登場するのが数年早過ぎたのかも?

全曲紹介しときやす。

「Still Got the Magic (Sweet Delight) 」
80年代らしいアーバンな雰囲気のミディアム・ファンク。80年代サウンド好きの方にとっては、Webster Lewisプロデュースだし、このタイプがもう1曲ぐらい欲しいかもしれませんね。

「Looking Up to You」
前述のMichael Wycoff再評価のきっかけを作った人気曲。Zhane「Hey Mr. D.J.」を90年代クラシックに押し上げた極上のメロウ・トラックは一度聴いたら忘れられないですよね。

この曲のソングライティングはLeon Ware & Zane Greyという強力タッグです。“ミスターメロウネス”Leon Wareは皆さんご存知だと思いますが、もう一人のZane GreyもLen Ron HanksとのコンビGrey & Hanksとして、LTD、Tavares、Norman ConnorsBreakwater等に楽曲提供しています。

「Love Is So Easy」
ヴォーカリストMichael Wycoffを堪能するには、この正統派ソウル・バラードあたりもいいのでは?

「Can We Be Friends」
レーベル・メイトEvelyn "Champagne" Kingとデュエット曲。当時Kashifプロデュースの「Love Come Down」が大ヒットしていたEvelyn Kingですから、なかなか聴きものなのでは?

「Diamond Real」
このディスコ・テイストのダンス・チューンは、A Taste Of Honeyとの競作曲です。A Taste Of Honeyヴァージョンは、アルバム『Ladies Of The Eighties』(1982年)に収録されています。 両者を聴き比べてみるのも面白いのでは?

「Love Conquers All」
男性ソウル・シンガーMichael Wycoffの魅力が最も溢れているのはビター・スウィートなこのタイトル曲かも?

「Take This Chance Again」
「Looking Up to You」に次いで好きな作品がこのWebster Lewis作品です。Rockie Robbins「You and Me」あたりに通じるアーバン・メロウな味わいがたまりませんなぁ。

「It's Over」
僕の持っているCDのライナーノーツによると、Michael Wycoffの敬愛するヴォーカリストとしてDonny Hathawayの名が挙がっていましたが、確かにこの荘厳なバラードを聴くと納得できますね。

本作を気に入った方は、Webster Lewisがプロデュースしたもう1枚『On The Line』(1983年)もどうぞ!きっとリアルタイム派の方は、本作『Love Conquers All』以上に思い入れがあるのでは?
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2008年04月11日

Willie Colon『Lo Mato』

このアルバムを買わなければ、奴を殺すぜ!☆Willie Colon『Lo Mato』
Lo Mato
発表年:1973年
ez的ジャンル:ギャングスタ系サルサ
気分は... :必殺のサルサ???

サルサ界のスーパースター、トロンボーン奏者Willie Colon3回目の登場です。

Willie Colonに関して、これまでデビュー作『El Malo』(1967年)、Ruben Bladesとのコラボ作『Siembra』(1978年)の2枚を紹介してきました。

今回はWillie Colon絶頂期の1枚『Lo Mato』(1973年)です。

デニュー・アルバムのタイトル通り、El Malo(悪党)イメージで一躍ニューヨリカンのヒーローとなったWillie Colon。彼の初期のアルバム・ジャケは、一貫してギャングスタのイメージでした。映画『The Godfather(ゴッドファーザー)』のイメージとリンクしますよね。

そんなギャングスタ・ジャケ・シリーズの中でも『Lo Mato』は、『Guisando』(1969年)、『Cosa Nuestra』(1971年)と並んで好きなジャケです。
※どれも社会道徳上は好ましくないジャケですね。

Guisando
Guisando
Cosa Nuestra
Cosa Nuestra

邦題『必殺のサルサ』...確かに“このアルバムを買わなければ、奴を殺すぜ!”とColonが善良な市民を銃で脅す姿は“必殺”の状況ですが...

中身の方もギャングスタスタ時代の最高傑作!との呼び声が高い1枚です。

悪ガキ・ティーンによるラテン版ガレージ・ロックのようだった初期に比べると、勢いはそのままに音はかなり洗練されたという印象ですね。お馴染みのパートナー、リード・ヴォーカルのHector Lavoeを従え、進化したルード・サルサを聴かせてくれます。

トロンボーン二本に、ピアノ、ベース、ティンバレス、ボンゴ、コンガというシンプルな編成が、ワイルドな演奏にダイナミズムを与えている気がします。

全盛期のColonの演奏を堪能するには絶好の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Senora Lola」
Hector Lavoeのヴォーカルもバックの演奏も弾けまくっているオープニングです。とにかく勢いを感じます。特に、トロンボーン二本の絡み具合いがいいですねぇ。

「Todo Tiene Su Final」
進化したColonを聴かせてくれる1曲なのでは?何か余裕さえ感じさせる演奏は、N.Y.サルサを牽引する若きリーダーとしての貫禄十分です。

「La Maria」
「Calle Luna Calle Sol」と並ぶ僕のお気に入り。なかなかロマンティックな味わいもあるダイナミックな演奏がグッドです。

「Junio 73」
この曲はクラシックですね。抜けが良く、かつエキサイティングなサルサ・グルーヴに仕上がっています。ヴォーカルがない分、二本のトロンボーンの応酬が目立ちますね!

「Calle Luna Calle Sol」
この曲もクラシック。個人的にもアルバムで一番のお気に入り曲です。Hector LavoeのスカしたヴォーカルとColonのトロンボーンを中心とした色気のある演奏が一体化して、妖しく危険な雰囲気を醸し出しています。サイコー!

ラティーノHip-HopアーティストManguが本曲のHip-Hopカヴァーをしていました。

「Voso」
小気味よく切れ味鋭い不良サルサが展開されます。

「El Dia de Suerte」
イントロの哀愁トロンボーンがいいですね。サルサの泣きの感じって、どことなく昭和歌謡や演歌に通じるものはありますよねぇ!

「Guajira Ven」
この曲もかなり好きですね。Hector Lavoeのヴォーカルがサイコーにカッチョ良い1曲です。男の色気が漂っていますな。

Hector Lavoeのソロ作も紹介したいですね。まずは『De Ti Depende』(1976年)か『Comedia』(1978年)あたりでしょうか。
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2008年04月10日

The Bongolian『Outer Bongolia』

モッドでモンドでサイケでラテンでソウルでロックなファンキー・グルーヴ☆The Bongolian『Outer Bongolia』
Outer Bongolia
発表年:2007年
ez的ジャンル:モッド&モンド系クロスオーヴァー
気分は... :モッドでモンド!

UEFAチャンピオンズリーグの準々決勝は、まずはリヴァプールとチェルシーが勝ち、準決勝で対決することになりました。

個人的にはアーセナルに残って欲しかったのですが...残念!

今日の残りの2試合は、おそらくマンチェスターUとバルセロナが勝ち上がるので、
準決勝は「リヴァプール対チェルシー」、「マンチェスターU対バルセロナ」となるでしょう。

決勝は、プレミアリーグの優勝争いと同じく 「マンチェスターU対チェルシー」のイングランド対決になると予想しています。

今回はそんなサッカー大盛り上がりのUKから、これまた勢いのある作品The Bongolian『Outer Bongolia』(2007年)を紹介します。昨年11月の発売ですが、タワレコあたりでも最近になってプッシュし始めている状況なので、今年の新譜扱いで良いと思います。

The Bongolianは、Big Boss ManのフロントマンNasser Bouzidaのソロ・プロジェクトです。

Big Boss Manは、Nasser Bouzida、Trevor Harding、Scott Milsom、Nick Nicholsの4人組。ハモンドオルガンを中心にしたファンキーでグルーヴィーなサウンドを聴かせるグループです。これまで『Humanize』(2001年)、『Winner』(2006年) の2枚のアルバムをリリースしています。

Humanize
Humanize 
Winner
Winner

ジャケを見るだけでもモッドな雰囲気が伝わってきますよねぇ!

そんなBig Boss Manの中心人物Nasser Bouzidaのソロ・プロジェクトがThe Bongolianっす!

これまで『The Bongolian』(2002年)、『Blueprint』(2006年) という2枚のアルバムをリリースしており、本作『Outer Bongolia』は3rdアルバムとなります。

プロジェクト名の通り、ボンゴとハモンド・オルガンが絡むサウンドは、ラテン/ソウル/ファンク/ロック/ジャズが融合した、まさにクロスオーヴァーなファンキー・グルーヴです。Booker T. & the MG'sあるいはBrian Auger & The Trinityあたりが21世紀にタイムスリップして来てレコーディングすると、こんな感覚のサウンドになるのでは?

モッドでモンドな雰囲気に加えて、ジャケにも「A Phychedelic Trip To...」とあるようにサイケなテイストもたっぷりです。その一方でスペイシーな要素もあり、60年代サウンドへのオマージュだけでは終わらない、未来型ソウル/ファンクになっているあたりがなかなか曲者って気がしますね。

“Bongo”と聴くと、「Bongo Rock」「Apache」等でお馴染みのThe Incredible Bongo Bandを思い浮かべてしまいます。実際、CDショップの宣伝文句には“21世紀のThe Incredible Bongo Band!”なんていうのもありますし、「Bongo Rock」、「Apache」がお好きな方も、一聴してみる価値はあると思いマス。

モッズ好き、ラウンジ好き、ソウル/ファンク好き、Hip-Hop好き、ボンゴ好き、ハモンド好き...みんな集まれ!って感じですな。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Talking Synth」
スペイシーなシンセにボンゴが絡むBongolianらしい未来型ソウルに仕上がっています。個人的にはFatboy Slim「Right Here, Right Now」が一緒に聴きたくなります(笑)

「Feel It」
アルバムで一番のお気に入り。僕はこの曲で本作の購入を決めました。“モッドでモンド”という説明がピッタリの超・超カッチョ良いファンキー・グルーヴ。

「The Champion」
一般的にはこの曲が本作のハイライトなのでは?The Incredible Bongo Bandの「Bongo Rock」、「Apache」がお好きな方はこの曲にハマるはずだと思います。オールドスクール好きをも唸らせるキラー・チューンかもしれませんね。

「Rock Me」
このハモンドの響きは60年代モッズ・サウンド好きの方向けですね。ノスタルジックで済まないあたりがBongolianらしいところでしょうか。

「Lucky Seven」
妖しげに鳴り響くVibeの音色が印象的です。モッド・ジャズ好きの方はグッとくきます!

「All Aboard」
ゴスペル・タッチな仕上がりのソウルフルな仕上がり。聴いていたら何故かPrimal Scream「Movin' On Up」が聴きたくなりました。

「The Horn」
サイケでスペイシーな未来型ファンク。この懐かしくて新しい感覚は何なんですかね?先程Primal Screamが聴きたくなったと書きましたが、案外ドラッギーな音楽なのかもしれませんね。

「Saturn's Eye」
タイトルの通り、ダークかつモンドなテイストですね。少し毒のあるカンジがたまりませんな。

「Bongo Mambo」
タイトルの通りのマンボ・テイストのラテン・グルーヴ。ボンゴにラテンと来れば安心して聴けますよね。

「Space Meter」
サイケでドラッギーな仕上がりです。ブレイクビーツ的なテイストも加わっているあたりがUKのグループらしいですね。

「The Wolf」
ストレートにカッチョ良いモッドな仕上がり!

「Marimba Down At The Hare」
ラウンジ好きの方お待たせしました!マリンバが印象的なサロン・ミュージックっす。センスいいねぇ!この手の曲があと1、2曲あっても良かったかなぁ。

「The Gospel According To The Bongolian」
ピアノ&ハモンドがご機嫌なゴスペル・テイストのファンキー・グルーヴ。

気に入った方はBig Boss Manの作品も合わせてどうぞ!
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする