2008年04月09日

Original Soundtrack『Planet of the Apes』

Jerry Goldsmithによる映画史に残る傑作サントラ☆Original Soundtrack『Planet of the Apes』
Planet of the Apes
発表年:1968年
ez的ジャンル:実験音楽系サウンドトラック
気分は... :ジ〜ラ〜!コーネリア〜ス!

今回は久々にサントラの紹介です。
紹介するのは『Planet of the Apes』(1968年)
サントラの紹介は『Mission:Impossible』以来です。

去る4月5日、ハリウッド黄金期に活躍した大物俳優Charlton Hestonが亡くなりました。

アカデミー主演男優賞を獲得した『ベン・ハー(Ben-Hur)』(1959年)をはじめ、数々の名作に出演したHestonですが、僕に最も鮮烈な印象を与えたのは『猿の惑星(Planet of the Apes)』(1968年)における宇宙飛行士テイラー役でした。

『猿の惑星(Planet of the Apes)』は、フランス人小説家Pierre Boulleの原作を映画化したものであり、Franklin J. Schaffnerが監督を務め、Charlton Hestonが主演しました。

宇宙での任務から地球へ帰還していた宇宙飛行士のテイラー達は、ある惑星に不時着する。しかし、そこは猿が言葉を話し、人間は言葉を話すことがきず、猿が人間を支配するという“猿の惑星”であった。人間狩りで捕らわれの身となってしまったテイラー達も、猿から不当な扱いを受ける。そして、言葉を話す人間の存在を恐れたオランウータンのザイアス博士らは、テイラーに脳葉切除と去勢手術を施そうと企てる。コーネリアスとジーラというチンパンジー夫妻の助けで、危機から逃れたテイラーだったが、その道中で無残にも崩れた自由の女神の残骸を発見する。テイラー達が到着したのは核戦争で人類が滅亡し、猿が支配するようになっていた未来の地球だったのだ。愚かな人間の行為にテイラーは泣き崩れるだけであった。

多くの方がご存知の通り、映画の大まかなストーリーはこんな感じです。

多分、この映画を(TVで)初めて観たのは小学校の低学年の時だったと思いますが、ラストの自由の女神の残骸を観た時のショックは今でも忘れません。その後この作品を100回以上観ていると思いますが、何度観ても飽きない作品です。

本作の大ヒットを受けて、以下の4作品が続編として制作されました。

 『続・猿の惑星(Beneath the Planet of the Apes)』(1970年)
 『新・猿の惑星(Beneath the Planet of the Apes)』(1971年)
 『猿の惑星・征服(Beneath the Planet of the Apes)』(1972年)
 『最後の猿の惑星(Beneath the Planet of the Apes)』(1973年)

正直、続編は映画としては駄作ばかりですが、それでも第1作のインパクトの大きさから、それぞれ何十回レベルでは観ていると思います。

2001年にTim Burton監督、Mark Wahlberg主演でリ・イマジネーション版『猿の惑星(Planet of the Apes)』が制作されましたが、正直物足りなさを感じました。オリジナルを観た方の多くは、そんな感想をお持ちなのでは?ちなみにCharlton Hestonはこちらの作品にもカメオ出演しています。

『猿の惑星(Planet of the Apes)』が名作として多くの人の心をとらえているのは、SF映画としての面白さは勿論のこと、非現実の世界を舞台にして、キリスト教的世界観、人種差別、植民地支配といったタブー視されていた政治的・宗教的問題を見事に描いた作品であったためだと思います。

原作者Pierre Boulleは、第二次世界大戦中に東南アジアで日本軍の捕虜となり、そこで奴隷のような扱いを受けた経験から原作を書いたと言われています。つまり、猿の惑星におけるサルとは日本人(イエローモンキー)のことであり、それを考えると複雑な思いもあるのですが...

さて、この映画の不気味で不穏な世界観に大きく貢献しているのがJerry Goldsmithによるサウンドトラックです。

Jerry Goldsmith(1929-2004年)と言えば、アカデミー賞に17回もノミネートされた映画音楽の巨匠ですよね(ただし、受賞したのは『The Omen』の1回のみ)。『猿の惑星(Planet of the Apes)』もアカデミー賞にもノミネートされました。

打楽器と金管楽器中心で構成されている、メロディを排した実験的なスコアはいつ聴いてもゾクゾクしますねぇ。

料理用ステンレス・ボウルを並べてスプーンで叩いたとか、ホルンのマウスピースを外して音を出したなんて逸話も残っています。そんな話と出来上がった作品を聴くと、かつてPink Floydが楽器を一切使用しないアルバムの制作を試みたのもわかる気がしますね。

今回は曲単位の紹介はあまり意味がないので省略します。
収録曲は以下のとおりです。

 「Planet of the Apes (Main Title) 」
 「The Revelation」
 「The Clothes Snatchers」
 「New Identity」
 「The Forbidden Zone」
 「The Search」
 「The Cave」
 「A Bid for Freedom」
 「A New Mate」
 「No Escape」

このサントラを聴いていると、Steely Dan「Rikki Don't Lose That Number」のイントロが聴きたくなるのは僕だけかなぁ???
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2008年04月08日

Jungle Brothers『Raw Deluxe』

メロウ&スムースな側面を聴かせてくれた4thアルバム☆Jungle Brothers『Raw Deluxe』♪
Raw Deluxe
発表年:1997年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hip-Hop
気分は... :JBeez大好き!

De La SoulA Tribe Called Questと並ぶNative Tongues一派を代表するHip-HopグループJungle Brothersの2回目の登場です。

前回は名盤の誉れ高い2ndアルバム『Done By The Forces Of Nature』(1989年)でしたが、今回は4thアルバム『Raw Deluxe』(1997年)です。

1stアルバム『Straight out the Jungle』(1988年)、2ndアルバム『Done By The Forces Of Nature』(1989年)の2枚でHip-Hopシーンに大きなインパクトを与えたJungle Brothers(以下JBeez)でしたが、3rdアルバム『J Beez Wit the Remedy』(1993年)が商業面で成功を収めることができず、レコード会社の移籍を余儀なくされます。

そして、4thアルバムとなる本作『Raw Deluxe』(1997年)ではメロウ&スムースな路線に方向転換します。さらに5thアルバムとなる『V.I.P.』(1999年)ではPropellerheadsのAlex Giffordをプロデューサーに迎え、Hip-Hopの枠を超えたビッグ・ビート/ドラムンベース寄りのサウンドを取り入れますが、JBeezファンの間でも賛否両論を巻き起こしました。

というあたりが、1st〜5thアルバムまでの簡単な流れです。特に、『J Beez Wit the Remedy』『Raw Deluxe』『V.I.P.』までの3枚は、一作ごとにかなり表情が異なるため、戸惑うかもしれませんね。

僕の場合、根底にNative Tongues大好き!JBeez大好き!という想いがあったので、当時もそれ程違和感なく新作を好意的に聴いていた記憶があります。

今回改めてこの3枚を聴き直してみましたが、どれもいい作品だなぁ!と改めてJBeezの素晴らしさを実感していました。個人的には『V.I.P.』が好き/嫌いが分かれるのは理解できますが、『J Beez Wit the Remedy』の評価があまりに低いことはどうも納得できないですね。

さて、本作『Raw Deluxe』ですが、3枚の中では一番好意的に受け入れられている作品だと思います。それまでの3枚と比較すると、かなりメロウ&スムースなテイストで聴きやすさがアップしているのは確かだと思います。また、The Roots、Djinji Brown、Knobody、Roc Raidaといった外部プロデューサーを迎えて、アルバムにアクセントをつけようと試みています。

最初に聴くJBeezのアルバムだとは思いませんが、ぜひ聴いて欲しい1枚です。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Jungle Brother」
オープニングは少し神秘的でまったりとしたトラックが印象的ですね。The O'Jays「Family Reunion」をサンプリングしています。 アルバムにはStereo MC'sによるリミックスも収録されています。ホーンセクションを加えたファンキーな仕上がりでコチラもなかなか楽しめます。。

「Changes」
従来のJBeezでは聴けなかったメロウな仕上がりです。JBeezらしいとは思いませんが、メロウ好きの僕としてはかなり気に入っています。

「Toe to Toe」
この曲はJBeezらしい仕上がりですね。少しトボけた感じのノリがいいですねぇ!

「Moving Along」
「Gettin Money」
哀愁トラックが印象的な2曲。「Moving Along」ではJohn Kasandra「We Gotta Go On」をサンプリング、「Gettin Money」ではMic Geronimo「Masta I.C.」をサンプリングしています。

「Where You Wanna Go」
Djinji Brownをプロデューサーに迎え、ジャジー&メロウに仕上げています。フリー・ジャズの分野で有名なトランペッターMarion Brownの息子であるDjinji BrownとJBeezの組み合わせは、お互いHip-Hopの枠から少しはみ出しているあたりが共通していてマッチしていると思います。興味のある方は、Djinji Brownのソロ・アルバムも『Sirround Sound』(2002年)どうぞ!

「Brain」
本作のハイライトは、シングル・カットもされたThe Rootsプロデュースの本曲でしょうね。 エレピの音色がひたすら気持ち良いメロウなトラックがたまりませんねぇ。JBeezの個性とRootsの個性がうまく融合しているクラシックだと思います。

「Handle My Business」
哀愁&浮遊感の漂うトラックと彼らしいフロウがマッチしていると思います。

「How Ya Want It We Got It(Native Tongues Remix)」
「Brain」と並ぶハイライト曲。De La SoulQ-Tipがフィーチャーされ、久々のNative Tongues集合に歓喜した人も多いのでは?Knobody、Roc Raidaをプロデューサーに迎えています。

「Bring It On」
JBeez好きの人はこの曲を聴くとホッとしませんか?昔ながらのJBeezって感じが好きですねぇ!

なお、本作を最後にSammy Bがグループを脱退し、以降はAfrika Baby Bam、Mike Gの2人となります。
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2008年04月07日

Webster Lewis『Touch My Love』

遂にCD化されました!人気曲「Barbara Ann」収録☆Webster Lewis『Touch My Love』
Touch My Love
発表年:1978年
ez的ジャンル:アーバン系フュージョン
気分は... :メロウだけではない懐の深さ

この週末はフル稼動で仕事だったため、少々疲れ気味っす。
という訳で、全然ブログを更新できていないのですが、2日連続未更新を避けるべく慌てて記事を書いています。

今回紹介するのは、遂にCD化されたWebster Lewis『Touch My Love』(1978年)です。

Webster Lewis(1943-2002年)は、1970〜80年代に活躍したフュージョン系のキーボード奏者/プロデューサー。ボルティモア出身ですが、1970年代中盤からL.A.に活動拠点を移し、頭角を表してきます。

70年代後半から80年代初めにEpicで『On the Town』(1977年)、『Touch My Love』(1978年)、『Eight for the Eighties』(1980年)、『Let Me Be the One』(1981年)という4枚をリリースしています。
*これ以前に1stアルバム『Live at Club 7』(1971年)をリリースしています。

また、1981年にはLove Unlimited Orchestra presents Webster Lewisというかたちで、Love Unlimited Orchestra/Barry Whiteと共演した「Welcome Aboard」をリリースしています。プロデューサーとしては、Gwen McCrae、Michael Wycoff等を手掛けました。2002年にN.Y.で死去。

僕がWebster Lewisの存在を初めて知ったのは、「Dancer」が収録された『Quiet Paradide』、「El Bobo」が収録された『Free Soul Lovers』といったコンピ・アルバムを通じてでした。特に『Quiet Paradide』での、Ramsey Lewis「Whisper Zone」「Dancer」Herbie Hancock「I Thought It Was You」という流れが好きでしたね。

さらにはMichael Wycoffの人気曲「Looking Up To You」がWebster Lewisプロデュースだと知り、ますます興味を持ったのですが、オリジナル・アルバムを聴く機会に恵まれずにいました。

そんな状況だったのですが、先日CDショップでEpic時代の4作品がCD化されていることを知り、慌てて購入したのが今回紹介する『Touch My Love』(1978年)です。

本来ならば、アーバン・メロウな『On the Town』『Let Me Be the One』あたりを紹介すべきなのかもしれませんが、試聴して一番気に入ったのが『Touch My Love』でした。

アーバン・メロウな印象の強い人ですが、本作では前半はディスコ/ジャズ・ファンク/フュージョン系の色合いが強く、後半はゴスペル/スピリチュアル/ヒーリング系のサウンドを聴かせてくれます。

前半と後半のコントラストが鮮明で戸惑う部分もありますが、逆にそのギャップを楽しむアルバムなのだと思います。

Webster Lewisの懐の深さを実感できる1枚でした。

全曲紹介しときやす。

「Hideaway」
個人的にはこのオープニング曲が一番のお気に入りです。爽快な疾走感にワクワクするフュージョン・チューンに仕上がっています。実にエレガントなのがいいですね。

「Barbara Ann」
本作のハイライトと言えるブラジリアン・フュージョン。レア・グルーヴ好きの方にはお馴染みの1曲ですね。爽快な女性ヴォーカルがブラジリアン・フレイヴァーとよくマッチしています。この1曲でKOされてしまう方も多いのでは?

「There's A Happy Feeling」
エレガントなジャズ・ファンクに仕上がっています。クラビネット・ソロも印象的ですね。

「Touch My Love」
タイトル曲はダンサブルなディスコ・チューンに仕上がっています。「Hideaway」と並ぶお気に入り曲。聴いているだけで楽しくなってくるウキウキな1曲です。

オリジナルLPでは、ここまでがA面です。A面は陽気に楽しく踊れる曲を並んでいます。

「Believe In Yourself」
この曲からB面となるのですが、B面はより音楽性にこだわった内容になっています。「Believe In Yourself」は、ゴスペル・タッチの仕上がりです。ゴスペルらしい盛り上がり方が、なかなかグッドですね。

「Seasons」
約14分半の大作です。メロウな雰囲気に加えて、スピリチュアルな味わいがあります。僕のWebster Lewisに対するイメージとは随分かけ離れていますが、もしかしたら彼の音楽の本質はこういった世界なのかもしれませんね。Jazzanova「Mwela, Mwela (Here I Am)」でサンプリングされています

「Loving」
エンディングはヒーリング系の仕上がりです。心が穏やかになり、落ち着いてくる曲ですね。寝る前に聴くと、熟睡できる感じです!

ここまでがオリジナルですがCDには、「We(e) Church」「Japanese Umbrella」「Spirit Of Love」「Touch My Love(Alternative Mix) 」というボーナス・トラック4曲が追加収録されています。タイトル的には「Japanese Umbrella」に惹かれますが、楽曲的には哀愁アーバン・メロウといった趣の「Spirit Of Love」がお気に入りです。

他の3作品(『On the Town』『Eight for the Eighties』『Let Me Be the One』)とセットでどうぞ!
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2008年04月05日

Prefab Sprout『Steve McQueen』(『Two Wheels Good』)

永遠の青春系エヴァーグリーン・ポップ☆Prefab Sprout『Steve McQueen』
スティーヴ・マックイーン
発表年:1985年
ez的ジャンル:青春系エヴァーグリーン・ポップ
気分は... :青春やねぇ〜

久々にPrefab Sproutの登場です。

Prefab Sproutは、これまで『Jordan:The Comeback』(1990年)、『From Langley Park to Memphis』(1988年)の2枚を紹介してきました。

3回目に紹介するのは2ndアルバム『Steve McQueen』(1985年)です。
Prefab Sproutの代表作というよりも、80年代ロックのマスト・アイテムと呼んだ方がいい1枚ですよね。

ファンの方はご存知の通り、アメリカでは『Steve McQueen』というタイトル使用に関して、今は亡き名優Steve McQueenの親族からOKが出ず、『Two Wheels Good』のタイトルでリリースされています。

本作は、某RC誌が昨年掲載した『80年代ロック・アルバム・ベスト100』の第6位になっていましたね。個人的にはあの企画自体が嫌いでしたが、このアルバムやPop Group『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? 』がベスト10に入っているあたりは評価しておきましょう(笑)

正直、大してヒットしたアルバムではありませんが、そのインパクトはかなり大きかったですよね。そう言えば、僕も某RC誌の親雑誌であるMM誌で大絶賛されているのを読んで、本作を聴いたような記憶があります。

グループのリーダーPaddy McAloonのセンスとプロデューサーThomas Dolbyのセンスが、ミラクルなケミストリーを示し、この青春系エヴァーグリーン・ポップの名盤が生まれました。80年代のアルバムでこれ程“エヴァーグリーン”という説明が相応しいアルバムはないのでは?

とにかくメロディが良いですよね。それに澄みきったヴォーカル&コーラスが加わったドリーミーな青春ポップは、一度聴いたら虜になりますよねぇ!

リーダーPaddy McAloonのワンマン・グループですが、個人的には紅一点Wendy Smithのコーラスもグループの大きな魅力になっていると思います。なので、僕にとってのPrefab SproutはWendyが在籍していた『Andromeda Heights』(1997年)までなのですが...

このアルバムを聴いていると、学生時代の新勧シーズンを思い出してしまいます。馬鹿ばかりやっていたあの頃とPrefab Sproutの青春系エヴァーグリーン・ポップがピタッとリンクします。

全曲紹介しときヤス。

「Faron」
シングルにもなったカントリー・ロック(シングル・ヴァージョンはイントロが少し長尺)。(カントリー苦手の僕としては)この曲をシングルにしなくても、オープニングにしなくともと思うのですが?

「Bonny」
さぁ、ここからが青春ポップの始まりです(笑)この「Bonny」から「Goodbye Lucille #1」までの4曲はパーフェクトって感じですね。「Bonny」は、Prefab Sproutの魅力に満ち溢れた美メロ・ギター・ポップです。エヴァーグリーン度かなり高いと思いますよ。

「Appetite」
ファンにはお馴染みの名曲ですね。僕もこの曲が一番のお気に入りです。Paddyの書くメロディが素晴らしいのは当然のことですが、加えてWendyのヒンヤリ感たっぷりのコーラスがたまりませんね。基本的にWendyのコーラス・パートの多さと、僕のお気に入り度は比例していますので(笑)

「When Love Breaks Down」
この曲も名曲ですね。シングルにもなりました。この曲もかなりエヴァーグリーン度高いですな!僕が持っている盤(US盤)にはシングル・ヴァージョンが収録されています。シングル盤のプロデュースはThomas DolbyではなくPhil Thornalley (元The Cure)が手掛けています。 個人的にはThomas Dolbyのオリジナルよりシングル・ヴァージョンの方がオススメです。

「Goodbye Lucille #1」
シングルでは「Johnny Johnny」のタイトルでリリースされています。甘酸っぱい青春ポップに仕上がっています。一度聴くと、脳内で♪Ooh Johnny♪Johnny♪Johnny〜♪ のフレーズがリフレインしまくりです(笑)

「Hallelujah」
哀愁モード・ポップ。PaddyのヴォーカルとWendyのコーラスの絡み具合いが実にグッド!

「Moving the River」
この曲もファンには人気の高い曲なのでは?個人的には「Appetite」、「Bonny」、「When Love Breaks Down」と並ぶ超イチオシ曲です(超イチオシだらけですが)。かなり胸にキュンとくるギター・ポップです。

「Horsin' Around」
ボッサ&ドリーミーな仕上がりとWendyのコーラスがマッチしていますね。なかなか凝った作りの1曲です。

「Desire As」
シンプルながらも崇高なムードが漂う1曲。聴いていると自ずとピュアな気持ちになります。このあたりの音響処理の見事さはThomas Dolbyの手腕なのでしょうね。

「Blueberry Pies」
アルバムの中では一番地味な小粒な曲かもしれませんが...

「When the Angels」
エンディングは、かなり弾けているキャッチーなポップ・ロック。音の玉手箱のような楽しさがありますね。パイプ・オルガン風のイントロも印象的です。

さらに本作を堪能したい方は、昨年発売された2枚組のLegacy Editionをどうぞ!
Disc1にはThomas Dolbyによるリマスタリング・ヴァージョンが収録され、Disc2にはPaddy McAloonが新たに制作したアコースティック・ヴァージョン8曲が収録されています。
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2008年04月04日

Silk『Tonight』

スロウのオンパレード!でも全然飽きません。☆Silk『Tonight』
Tonight
発表年:1999年
ez的ジャンル:エロエロ&メロメロ系R&B
気分は... :スロウのオンパレード!

今日は美しいハーモニーのR&Bが聴きたい気分!
そこでセレクトしたのが90年代に活躍した実力派グループSilkの3rdアルバム『Tonight』(1999年)です。

Silkは、アトランタ出身のGary "Big G" Glenn、Gary "Lil G" Jenkins、Timothy Cameron、Jonathan Rasboro、Jimmy Gates Jr.の5人によって結成されたグループ(Gary "Lil G" Jenkinsは2002年に脱退)。

Keith Sweatのロード・マネージャー宅で行われたホーム・パーティーで彼らの歌を偶然聴いたKeith Sweatに気に入られ、本ブログでも紹介したKeithの2ndアルバム『Keep It Comin'』(1991年)に参加します。

翌1992年にはKeithが設立した新レーベルKEIAより、シングル「Happy Days」でデビューします。さらに2ndシングルとなった「Freak Me」が全米ポップ・チャート、R&Bチャート共にNo.1となる大ヒットを記録し、Silkの名を一躍有名にしました。

その勢いに乗ってデビュー・アルバム『Lose Control』(1992年)も大ヒットを収めます。この大成功は、Keith Sweatのプロデューサーとしての手腕を証明するものにもなりました。しかし、Keith Sweatの後ろ盾というイメージをグループが嫌ったのか、Keithのプロデュースから離れます。

その後は2ndアルバム『Silk』(1995年)、3rdアルバム『Tonight』(1999年)、4thアルバム『Love Session』(2001年)、5thアルバム『Silktime』(2003年)、6thアルバム『Always & Forever』(2006年)とコンスタントにアルバムをリリースしていますが、リード・ヴォーカルだったGary "Lil G" Jenkinsが脱退した『Silktime』(2003年)以降は地味になってしまった印象ですね。

Silkの歴史を振り返ると、「Freak Me」を含む『Lose Control』が代表作ということになるのかもしれませんが、個人的に好きなアルバムということになれば、『Lose Control』よりも『Tonight』をセレクトします。

リード・ヴォーカルGary Jenkinsを中心としたヴォーカル&ハーモニーを思う存分堪能できるアルバムこそが、『Tonight』だと思います。

全体としてはスロウのオンパレードです。
歌詞はなかなか官能的なものものが多く、
エロエロ&メロメロな1枚といった感じでしょうか(笑)

LSG「My Body」(1997年)を手掛けたことで知られるDarryl Allamby(2,000Watts Music)が約半分の曲をプロデュース。残りはSilk自身やメンバーのGary Jenkins、さらにはMaurie Wilcher等がプロデュースしています。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Return」
タイトルも含めてSilk復活!を印象づけてくれるオープニング。この美しいコーラスワークを聴いただけで、胸キュン・モードになってしまいますね!

「Tonight」
スロウ中心のアルバム構成の中で唯一のアップもの。僕好みのメロウ・グルーヴに仕上がっています。この出来栄えを聴いてしまうと、この手のアップものをあと1、2曲入れて欲しかったなぁというのが本音ですが。

「Let's Make Love」
ここから続く「Let's Make Love」〜「If You」〜「Meeting in My Bedroom」という3曲がアルバムのハイライトだと思います。エロエロな歌詞を爽やかなヴォーカル&ハーモニーで聴かせてくれます(笑)

「If You」
アルバムからの1stシングル(全米R&Bチャート第4位)。グループ名の通り、シルキーなスロウ・チューンです。オリジナルとは別にリミックスが2曲収録されています(ボーナス・トラック含む)。

「Meeting in My Bedroom」
アルバムからの2ndシングル(全米R&Bチャート第15位)。一番のお気に入り曲として、このスロウを挙げる人は多いのでは?僕もチャート・アクション以上の名曲だと思います。とろけるようなコーラス・ワークはたまりませんな。

「Baby Check Your Friend」
何気ないスロウなんですけど、結構好きです。Darryl Allambyによるサウンド・プロダクションがいいのかなぁ。

「I Wonder」
アコースティックな仕上がりが印象的なスロウ。バックがシンプルな分、ヴォーカルの粘っこさが目立ちます。 ボコーダーの入り具合いもいい感じ。

「Sexcellent」
「Love You Down」
中盤のハイライトと呼べるスロウ2曲。美しいメロディにのって、しっかりとしたヴォーカル&ハーモニーを聴かせてくれます。2曲共に歌詞はエロエロですが(笑)「Sexcellent」は実力派グループらしい、エクセレントな仕上がりです。「Love You Down」はボコーダー使いが僕好み。

「Superstar」
「Playa Road」
メンバーのGary Jenkinsプロデュースの2曲。アルバム全体の構成を考えると、いいアクセントになっている2曲ですね。
「Superstar」は、アルバムの中でも異彩を放っているリズムが印象的です。「Playa Road」は、ライトな浮遊感と何処となく寂しげな雰囲気が好きですね。

「Back in My Arms」
哀愁モードのスロウ。これだけスロウのオン・パレードを聴いても飽きてこないのが不思議ですな。

「Turn-U-Out」
僕の胸キュン・メーターをグッと上げてくれる1曲。セクシー&メロウな感じがグッドですな。

JodeciSilkを聴くと、今でも胸の高鳴りがガンガン上がってくるのはなぜなんでしょうね。
posted by ez at 01:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする