2008年04月18日

Erykah Badu『New Amerykah: Part One (4th World War)』

Erykah様は今も健在!インパクト充分の新作☆Erykah Badu『New Amerykah: Part One (4th World War)』
New Amerykah, Pt. 1: 4th World War
発表年:2008年
ez的ジャンル:フューチャー・ブラック・ミュージック
気分は... :Erykah様は健在!

某国のERIKA様は、芸能ゴシップでしか見かけなくなりましたが、こちらのErykah様は健在です!

昨日の予告通り、Erykah Baduの新作『New Amerykah: Part One (4th World War)』です。

Erykah Baduの紹介は『Mama's Gun』以来2回目となります。

『New Amerykah: Part One (4th World War)』は、DJのミックス・テープを意識したクラブ寄りのサウンドだった3rdアルバム『Worldwide Underground』(2003年)から約4年半ぶりとなる新作です。

当初のアルバム・タイトル『Kabbah』を『Nu AmErykah』へ変更したあたりに、作品に対する強い思いを垣間見ることができると思います。

今回の新作は、"21世紀スタイルのブラック・ミュージック"といった印象を受けました。70年代ブラック・ミュージックの大作と同じようなスケール感で、21世紀ならではのサウンドを聴かせてくれるアルバムといった感じですかね。購入から約1ヶ月以上経ちますが、大満足の1枚となっております。

『Baduizm』(1997年)、『Mama's Gun』(2000年)といったネオ・ソウル、オーガニック・ソウル路線のErykah Baduを支持してきた方は、『Worldwide Underground』や本作『New Amerykah: Part One (4th World War)』の変化に戸惑いを感じるかもしれませんが、この攻めの姿勢を評価してあげても良いのでは?

本作では、まず豪華プロデューサー陣の顔ぶれに惹かれました。
Sa-RaSa-Ra Creative Partners)、Madlib、Roy Ayers、James Poyser、
The Roots?uestlove(最近は"? Luv"と表記しているみたいですね)、9th Wonderといったプロデューサー陣は、かなり僕好みです。

最多の5曲をプロデュースするSa-Ra絡みの曲が、アルバム全体の近未来的な雰囲気を印象づけていると思います。Madlib9th Wonderが携わった楽曲にも勢いを感じますね。

Erykah様が、こうした今が旬のクリエイター達と一緒に、21世紀ならではのブラック・ミュージックをクリエイトした作品と言えるのでは?

全曲紹介しときヤス。

「Amerykahn Promise」
オープニングはRoy Ayersプロデュース。なんか意外ですよね!Ramp「The American Promise」をサンプリングした70年代レア・グルーヴ好きが歓喜するファンキー・グルーヴに仕上がっています。

「The Healer」
Madlibプロデュース曲。Bilalをフィーチャーしています。亡きJ Dillaに捧げれた曲みたいですね。Yamasuki「Kono Samourai」をサンプリングした不思議な浮遊感が漂うトラックが印象的です。

「Me」
Sa-Raプロデュース。かなりのお気に入り曲です。メロウながらもSa-Raらしいコズミックな雰囲気も漂います。ゲスト参加のRoy Hargroveのホーンもいい感じ。

「My People」
Madlibプロデュース曲。「The Healer」同様エスニック・テイストの不思議な楽曲に仕上がっています。Eddie Kendricks「My People...Hold On」ネタです。

「Soldier」
この曲もBilalをフィーチャー。フルートの音色が印象的なトラックが好きです。オランダのプログレ・グループSolutionの「Theme」という曲のネタらしいのですが、オリジナルを聴いたことがないのでわかりません(笑)

「The Cell」
個人的にはSa-Raプロデュースのこのトラックが一番カッチョ良いと思います。少しダークなグルーヴ感がサイコーですね。

「Twinkle」
「Master Teacher」
Sa-Raプロデュースの2曲。共にSa-Raらしい近未来的的な仕上がりが印象的ですね。「Twinkle」にはThe Mars VoltaのOmar Alfredo Rodriguez-Lopezがギターで参加しています。「Master Teacher」ではCurtis Mayfield「Freddie's Dead」をサンプリング。後半はフツーにメロウ・ソウルしています。

「That Hump」
従来のオーガニック・ソウルなErykah Baduがお好きな人が一番しっくり来る曲がコレなのでは?Sa-Raプロデュース。

「Telephone」
J Dillaとのエピソードがモチーフとなっている楽曲です。James Poyserと?uestloveというかつてJ Dillaと共にSoulquariansを形成していた強力コンビがプロデュース。哀愁のメロウ・チューンに仕上がっています。

The Rootsのニュー・アルバム『Rising Down』も今月末リリースされますね。こちらも楽しみです!

「Honey」
アルバムからの先行シングルは隠しトラックというかたちでアルバムの最後に収録されています。PVの映像を観ながら聴くのがサイコーですが、9th Wonderのプロデュースによるファンキー・グルーヴは音だけでも充分に楽しめます。Nancy Wilson「I'm In Love」ネタ。

話題のPVについては、昨日のエントリー『Erykah Badu「Honey」のPVに観る名盤ジャケ』をご覧下さい。

本作の続編『New Amerykah: Part Two (Return of the Ankh)』も年内にリリースされるようですね。楽しみです。
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする