2008年04月23日

Gnarls Barkley『The Odd Couple』

大ヒット「Crazy」から2年、話題の二人がサイケデリック・ソウルと共に戻ってきた!☆Gnarls Barkley『The Odd Couple』
The Odd Couple
発表年:2008年
ez的ジャンル:オルタナ系サイケデリック・ソウル
気分は... :レトロな近未来感がいいですな。

先日、久々にラム・ステーキを食べました。
たまに食べると、独特のクセのある味がやたらと美味しく感じます。

Gnarls Barkleyの音楽って、ラム・ステーキに似ていると思いませんか?

ということで、2年前「Crazy」の大ヒットでシーンを盛り上げたGnarls Barkleyの新作アルバム『The Odd Couple』の紹介です。

Gnarls Barkleyは、巨漢ラッパーCee-LoとデンジャーなトラックメイカーDJ Danger Mouseのユニット。ユニット名はNBAの往年の名プレイヤーCharles Barkleyに由来したものです(多分)。

2006年にリリースしたシングル「Crazy」は全米ポップ・チャート第2位、UKシングル・チャート第1位(9週連続)の大ヒットとなり、同曲を収録した1stアルバム『St. Elsewhere』も全米アルバム・チャート第4位、全英アルバム・チャート第1位となりました。

この年はMTVで嫌になるほど「Crazy」のPVを観たような気がします(笑)

2007年のグラミー賞ではシングル「Crazy」がBest Urban/Alternative Performance、アルバム『St. Elsewhere』がBest Alternative Music Albumを受賞しています。それ以外にRecord Of The Year、Album Of The Yearといった主要部門でもノミネートされていました。

Cee-Loによる上手くはないけど、独特のソウルフルな声質が印象に残るヴォーカルと、DJ Danger Mouseによるオルタナ感覚のジャンルレスなトラックの組み合わせは、まさにラム・ステーキのようなクセのある美味という気がします。

Cee-Loについては、Goodie Mobのメンバーあるいはソロ・アーティストとして有名だと思いますし、本ブログでも2ndソロ・アルバム『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』(2004年)を紹介しています。

一方のDJ Danger Mouseは、2004年にJay-Z『The Black Album』とThe Beatles『The Beatles(The White Album)』をマッシュ・アップした『The Grey Album』を発表し、音楽シーンに大きなインパクトを与えました(権利上の問題をクリアできずに販売後に回収)。

『The Grey Album』をきっかけに一躍注目のトラックメイカーとなったDanger Mouseは、Gorillaz『Demon Days』(2005年)をプロデュースしたり、ラッパーMF DoomとのユニットDanger Doom、Cee-LoとのGnarls Barkleyといった話題のプロジェクトを次々と立ち上げました。その他にThe Rapture、Sparklehorse、The Good, the Bad and the Queen、Martina Topley-Bird、The Black Keys、The Shortwave Setといったアーティストのプロデュースを手掛けています。

さて、Gnarls Barkleyの2ndアルバム『The Odd Couple』ですが、きっと前作のような爆発的なヒットはないと予想しています。仮にそうなったとしても、あくまでも自分達の個性的なスタイルを貫いた結果として、前向きに評価したいと思います。

全体的には、サイケデリックでレトロなんだけど近未来的なフレイヴァーもあるオルタナ/ソウル・アルバムといった印象を受けます。1st以上に、Cee-Loのヴォーカルが前面に出てきたと同時に、Danger Mouseの個性的なトラック作りにも一層磨きがかかってきたという感じでしょうか。

Danger Mouseの作るトラックの元ネタになっているアーティストって、僕が知らないアーティストが多く、それをネットで確認するだけで、かなり楽しむことができました。さすがDanger Mouseはデンジャーな曲者ですな。

たまにはクセのある音楽で一杯なんていうのもいいのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Charity Case」
オープニングはレトロ・モードの近未来ソウルって感じですね。このチープなサウンドが逆に魅力ですね。このあたりのDanger Mouseのセンスはさすがですな。

「Who's Gonna Save My Soul」
この曲が2ndシングルになるみたいですね。まさにGnarls Barkleyらしいレトロなサイケデリック・ソウルに仕上がっています。哀愁トラックとCee-Loのヴォーカルがぴったりハマっていますね。

「Going On」
レトロ・ポップ調のダンス・チューン。ノリ的にはOutkast「Hey Ya!」がもう少しサイケになってって感じなのでは?Please「Folder Man」ネタ 。

「Run (I'm A Natural Disaster)」
アルバムからのリード・シングル。「Going On」同様ノリの良いサイケデリック・ソウルに仕上がっています。Keith Mansfield「Junior Jet Set」ネタ。

Justin Timberlakeがカメオ出演しているPVも楽しいのですが、このPVは強いストロボ効果が健康に悪影響を及ぼす(?)との理由でMTVで放送禁止になってしまいましたね。観たい方はYoutubeでチェックしてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=iFxNn474Nmc&feature=related

「Would Be Killer」
ダークなソウル・チューン。Cee-Loのヴォーカルが悪魔の囁きのように聞こえてきます。Twink「Fluid」ネタなのですが、Danger Mouseが筋金入りのサイケ野郎Twinkの狂気の1曲(オリジナルは女性の喘ぎ声が流れ続ける)をネタ使いするのって、とても納得してしまいますね。

「Open Book」
Gnarls Barkleyらしいオルタナ感覚に溢れた1曲。この曲もマッドな空気が漂っていますね。Francoise Hardy「Traume」ネタ。

「Whatever」
レトロでチープなんだけど近未来的なロック・チューン。Sam The Sham and the Pharaohs「The Hair on My Chinny Chin Chin」ネタ。

「Surprise」
個人的にはアルバムの中でもかなりお気に入りの1曲。60年代モードの哀愁ポップに仕上がっています。Village East「Building with a Steeple」(Ron Dante/Gene Allan作品)ネタ。

「No Time Soon」
フォーキー・モードのアコースティック作品。この曲も60年代好きの人にはたまらない1曲なのでは?単なるレトロ作品ではなく、近未来フレイヴァーも忘れないところがDanger Mouseですな。

「She Knows」
涼しげでダークという妙な雰囲気が好きですね。妖しげなフルートの音色にも惹かれてしまいます。Cy Payne「Gentle Flute」ネタ。

「Neighbors」
チープでレトロでパーカッシヴな展開が僕好みですね。シンプルさが魅力の1曲。

今日、明日とUEFAチャンピオンズリーグ準決勝の2試合「リバプールvsチェルシー」、「バルセロナvsマンチェスターU」がありますね。今からワクワクです。
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする