2008年04月26日

England Dan & John Ford Coley『Dr.Heckle And Mr.Jive』 

「Love Is the Answer」1曲のみでも聴く価値アリ!☆England Dan & John Ford Coley『Dr.Heckle And Mr.Jive』
Dr. Heckle & Mr. Jive
発表年:1978年
ez的ジャンル:爽快系ポップ・デュオ
気分は... :いい風が吹いてきたかも!

今回は1970年代半ばから後半にかけて活躍したポップ・デュオEngland Dan & John Ford Coleyの紹介です。

England Dan & John Ford Coleyは、England Dan(本名:Dan Seals、1948年生まれ)とJohn Ford Coley(1948年生まれ)という共にテキサス出身の二人によって結成された男性ポップ・デュオ。

ちなみに、Dan Sealsのお兄さんは、同じく1970年代に活躍した男性ポップ・デュオSeals & CroftsのメンバーだったJim Seals(1941年生まれ)です。

1970年にA&Mと契約し、アルバム3枚をリリースしますがヒットに恵まれませんでした。日本でのみ「Simone(邦題:シーモンの涙)」がヒットしたようです。 しかし、Atlantic傘下のBig Treeレーベルへ移籍後の第1弾シングル「I'd really love to see you tonight」(1976年)が全米ポップ・チャート第2位の大ヒットとなり、4thアルバム『Nights Are Forever(邦題:秋風の恋)』のセールスも好調で、一躍人気デュオとなりました。

その後、5th『Dowdy Ferry Road(邦題:ふたりのフェリー・ロード)』(1977年)、6th『Some Things Don't Come Easy(邦題:愛の旅立ち)』(1978年)、7th『Dr. Heckle & Mr. Jive』(1979年)と順調にアルバムをリリースしますが、1980年にリリースしたサントラ『Just Tell Me You Love Me』を最後にデュオは解散します。

今回は最もお気に入りの作品『Dr. Heckle & Mr. Jive』(1979年)をセレクト。

本作がお気に入りの要因は、Todd Rundgren作品のヒット曲「Love Is the Answer」が収録されているためです。Todd Rundgren大好きの僕ですし、個人的な思い出もある曲なので。

ブレイクした1976年以降の4枚のアルバムのうち、本作『Dr. Heckle & Mr. Jive』のみがLA録音でAOR/ロック寄りのサウンドになっています。『Nights Are Forever』、『Dowdy Ferry Road』、『Some Things Don't Come Easy』の3枚は、いずれもナッシュビル近くのヘンダーソンビルでの録音であり、サウンドもポップ・カントリー寄りのものでした。

LA録音の本作には、Toto勢を中心としたLA系ミュージシャンによるセッションや、モータウン作品でお馴染みのGene Pageがアレンジを担当したセッションも含まれ、参加ミュージシャンの顔ぶれも豪華です。

主なところを挙げると、以下のとおりです。
Steve Lukather(g)、Jeff Porcaro(ds)、Steve Porcaro(key)といったToto勢、Gene Page(arr)、Ed Greene(ds)、Wilton Felder(Crusaders)(b)、Wa Wa Watson(g)、Lee Ritenour(g)、Richie Zito(g)、Lee Sklar(b)、Greg Phillingame(key)、Michael Bodiker(key)、Billy Payne(key)、Ernie Watts(sax)等々

それまでのポップ・カントリー路線から抜け出して、もっと弾けたいという狙い通りの仕上がりになっていると思います。

今の季節にピッタリの1枚なのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hollywood Heckle and Jive」
Steve Lukather、Jeff Porcaroが参加しているAirplayばりのロック・チューン。従来のファンはこのサウンドを聴いてびっくりしたのでしょうね。本作の狙いが明確に反映されている仕上がりであり、Toto、Airplay好きの人であれば気に入ると思います。

「What Can I Do With This Broken Heart」
この曲はシングルになりました(邦題「涙の面影」)。Gene Pageのアレンジと二人のハーモニーがぴったりハマった、爽やかなメロウ・ポップに仕上がっています、セッション・メンバーもEd Greene、Wilton Felder、Wa Wa Watson、Lee Ritenour、Richie Zito、Billy Payne、Greg Phillingameとかなり充実しています。個人的にはToto勢絡みの曲よりもGene Page絡みの曲の方がお気に入りですね。

「Another Golden Oldie Night for Wendy」
この曲はSteve Lukatherがアレンジを担当し、かなりロック色が強い仕上がりになっています。個人的にはこのデュオに、このサウンドはあまり似合わない気がしますが...

「Broken Hearted Me」
AORファンの方はご存知のシンガー・ソングライターRandy Goodrumの作品。かなりいい曲だと思います。さらにはGene Pageがストリングス・アレンジを担当し、AORファンが喜ぶ感動の仕上がりとなっています。甘く切ないサウンドをバックに二人の歌を聴くとグッときますね。Anne Murrayがこの曲をカヴァーし、全米ポップ・チャート第12位のヒットとなっています。

「Children of the Half-Light」
この曲はToto勢参加のセッションです。この曲はかなりTotoっぽいのでは?

「Love Is the Answer」
前述のTodd Rundgren作品のカヴァー。全米ポップ・チャート第10位のヒットとなりました(邦題は「愛の証」)。Bill Cantosもカヴァーしていましたね。ToddのオリジナルはUtopia『Oops! Wrong Planet』(1977年)で聴くことができます。Toddのソロ『Healing』(1981年)収録の名曲「Compassion」と同タイプのバラードです。もちろん、僕の一番のお気に入り曲です。

この曲に限っては、Todd(Utopia)のオリジナルよりも、こちらのヴァージョンの方が断然好きですね。二人の絶妙のハーモニー、Gene Pageの絶品アレンジ、Ernie Wattsのサックス・ソロ、どれもサイコーです。

♪Shine on us all, set us free♪Love is the answer♪
学生の頃、よくこのフレーズを口ずさんでいましたね。懐かしい!

「Only a Matter of Time」
個人的には隠れ名曲だと思っています。胸にジーンと響く感動のバラードです。特に、「Love Is the Answer」からの流れで聴くと、かなり涙腺にくると思います(笑)

「Caught Up in the Middle」
シングル曲以外では「Only a Matter of Time」と並ぶお気に入り曲。かなり粋な仕上がりですよね。Larsen-Feiten Bandと一緒に聴きたいと思うのは僕だけでしょうか?

「What's Forever For」
Rafe Vanhoy作の味わい深いバラード。ジワジワと胸が高揚してくる感じがいいですね。二人のハーモニーもいい感じです。

このアルバムを聴いていると、England Danはイギリス人だと信じて疑わない、上地クンに負けないくらいおバカな学生だった、あの頃を思い出します(笑)
posted by ez at 00:02| Comment(4) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする