発表年:1975年
ez的ジャンル:伊達男系ブルーアイド・ソウル
気分は... :見ていないフリをして実は...
今は亡きUKロックの伊達男シンガーRobert Palmer(1949-2003年)の2回目の登場です。
4thアルバム『Double Fun』に続き紹介するのは、2ndアルバム『Pressure Drop』(1975年)です。
プールサイドに脱ぎ捨てられた水着を見てニヤける『Double Fun』に負けないジャケですね。
表ジャケでは、全裸の女性の後姿が見ることができるにも関わらず、素知らぬ顔をするPalmerですが、裏ジャケ(CDだとインナー)を眺めると、実はTVの画面の中からニヤけ顔で覗いているというオチがついています。
このジャケに惹かれて本作を購入した男性リスナーの方も多いのでは(笑)
前作『Sneakin' Sally Through the Alley Island』(1974年)では、Meters、Lowell George等を迎えてニューオリンズのりのファンキーなアルバムを創りましたが、本作ではニューオリンズ・ファンクとメロウ・ソウルという二方向から黒人音楽へアプローチしています。
前者は、Lowell George(g)、Paul Barrere(g、vo)、Kenny Gradney(b)、Bill Payne(key)、Richard Hayward(ds)、Sam Clayton(per)というLittle Feat勢を中心にしたセッション、後者はFunk Brothersの一員として有名なJames Jamerson(b)、Ed Greene(ds)、Gene Page(strings)というモータウン勢を中心としたレコーディングです。
それ以外にMuscle Shoals Horns、Mel Collins(元King Crimson)、Mongezi Feza(元Assagai)等のミュージシャンが参加しています。
土臭いファンクと都会的なメロウ・ソウルが並び、さらにレゲエも加わり...と書くと、統一感のないアルバムという印象を受けるかもしれませんが、それを違和感なくまとめてしまうあたりが魅力ですね。さすが伊達男!
新橋の大衆的な焼きとん屋で飲んでいても、なぜか粋に見えてしまう...Robert Palmerって、そんなタイプの人だったんでしょうね(笑)
ブルーアイド・ソウル好きの方は大満足の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Give Me an Inch」
Gene Pageのストリングス・アレンジが素晴らしいメロウ・ソウル。AORファンが喜ぶスタイリッシュな仕上がりです。Ian Matthewsが人気曲「Shake It」収録のアルバム『Stealin' Home』(1978年) の中でカヴァーしています。
「Work to Make It Work」
ブードゥー・ムードが漂うイントロが印象的なファンキー・チューン。アーシーな仕上がりです。
「Back in My Arms」
僕の一番のお気に入り曲。伊達男Palmerの魅力が存分に発揮されているメロウ・チューンです。夏に浜辺で聴くと、さらにハマると思います。
「River Boat」
Palmerアルバムの定番Allen Toussaint作品です。これはモロにLittle Featですね。『Dixie Chicken』がお好きな人は気に入るでしょう。
「Pressure Drop」
ソウルフルなレゲエ・チューン。オリジナルは、Toots & the Maytalsであり、映画『The Harder They Come』のサントラにも収録されています。The ClashやIzzy Stradlinもカヴァーしていますね。
「Here with You Tonight」
ニューリンズ・ファンクの魅力に溢れた1曲。土臭いテイストなのに、何故かPalmerが歌うとお洒落に聴こえてしまいます。
「Trouble」
前作での「Sailing Shoes」に続くLittle Featのカヴァー(『Sailin' Shoes』収録)。シンプルなオリジナルよりもファンキーなPalmerヴァージョンの方がLittle Featらしい感じがするのが面白いですね。
「Fine Time」
カッチョ良いドラム・ブレイクが人気の曲です。「Back in My Arms」 に次ぐ僕のイチオシ曲です。このコクがたまりませんね。
「Which of Us Is the Fool」
最後はブルーアイド・ソウルらしいメロウ・ソウルで締めてくれます。
今日はイマイチ頭の回転が鈍い。
少々疲れ気味かも?とりあえず寝ようっと。